小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

面白たまご話 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

職業柄、

「卵」と入っている

ニュース見出しを目にすると

「おおっ!」と思って

チェックするのですが、

 

この時期多くなるのが、

コウノトリの巣作り産卵のニュース。

今年も我が町に飛んできて巣をつくった

今年はちゃんと卵を産むかなぁ、

…と地域のかたがやきもきしている

そんなニュースですね。

 

コウノトリって、

ほぼ絶滅状態になったのが

昭和の中頃なんですが、

 

その頃に、中国のニホンコウノトリを

もらい受けて

人工繁殖の試みが始まったのですね。

でも、サッパリ上手く行かなかったのです。

 

コウノトリって、

とっても気性が荒くって

 

人工繁殖のために

オスメスを同じカゴに入れると、

繁殖どころかケンカして

相手を突き殺すこともあるくらい

荒ぶるんです。

 

自然だと、

そんなときにメスが逃げるから

突き殺されないんですが・・。

 

で、何度やっても

うまくいかない。

 

さじを投げかけた時に、

その状況を救ったのは、

 

なんと「卵」でした。

コウノトリはオスメスが交代で

卵を温める習性があります。

 

そこで、

ケンカするオスメスのカゴに、

ニセの卵を入れてみたんです。

すると…

ピタッとケンカが収まって

交互に卵を温めるうちに

ホントに仲良い夫婦になっちゃったんです。

 

そして本物のたまごが生まれ、ヒナが生まれたんですね。

 

◆試行錯誤と苦労の結晶

関係者の皆さんからは、

「エッ!?ホントにそれだけで??」

なんて声の驚きが出ていたそうです。

 

だって、

これ、「たまご」に行きつくまでに

めっちゃいろんな試行錯誤をしてるんですね。

なんと最初の人工ふ化

つまりコウノトリの卵が生まれ

ヒナになるまでに、25年もかかってます。

 

『赤ちゃんを運んでくるのはコウノトリ』

なんていわれがありますが、

逆にコウノトリのたまごから

赤ちゃんを

人間が運んでくるのには

ホント大変な試行錯誤と

苦労があったわけですね~。

 

セレンディピティ

という言葉がありますが、

 

僕たちの商売や

あなたのお店のご繁盛も、

 

やる気と知恵、

いろ~んな工夫を

あきらめずに

凝らすことでこそ、

 

ある日ポロッと

たまごのように

ステキな解決策が

生まれるんじゃないでしょうか。

 

コウノトリのニュースを見るたびに、

そして

自社の取り組みで

「ナカナカうまくいかないなぁ…」

というときに、

『苦労の結晶のニセ卵』を

思い出します。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年03月10日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

即席めんで有名な

東洋水産からこの冬に

マルちゃん製麺の

受験生応援の新商品、

「マルちゃん がんばれ!受験生 かきたまごうどん」

が出てますね。

おなじラインナップで、

「がんばれ受験生 俺の塩焼きそば」

「がんばれ受験生 ホットワンタン」

も出ています。

どれもたっぷりの「たまご」入り。

 

僕もはるか昔の受験生の頃

夜中にチョッと小腹がすいて

台所を漁って見つけた

カップうどんをすすり、

元気を出してました。

なつかしいですね~。

 

今年はコロナ禍に大雪と

何かと大変な受験生さんでした、

ちょっとでも多く元気を

出していただきたいですよね。

 

そして、

たまご屋として気になるのは、

どのへんが

「受験生応援」→「たまご」なのか?

という点。

 

ニュースリリースによると、

たまご”の頭文字で、

くさん るとって うかく”

の応援メッセージなんだとか。

なるほど~。

個人的には、こういう

ゲンかつぎの言葉遊びは

大っ好きです。

 

そういえば、たまごでも

受験含めた「縁起モノ」の

たまごがあります。

 

いわれや伝説も含めると

いくつかあるんですが、

代表的な1つをご紹介

 

◆縁起モノ!『初産みたまご』

これは、

ヒヨコからニワトリになって

最初の頃に産むたまごのこと。

めちゃくちゃ張りがあって

濃厚みも強い、美味しいたまごです。

目玉焼きとかたまごかけ、

また納豆なんかに合わせると絶品です。

 

この「初産みたまご」は、

中国では安産・合格祈願の

いわれがありまして、

 

合格ラーメン!みたいな

応援メニューにも活用できるんです。

また中風(脳卒中の後遺症)予防に

なるとも言い伝えられています。

 

これはおそらく

初産みたまごがちょっと

小さめサイズのため

黄身の割合が多く、

 

血中の油分を除去してくれる

卵黄コリンが豊富なため

という漢方的な効果が

経験的にあってのことじゃ

ないかと思ってます。

 

また、この初産み卵は、

ヨーロッパにもいろんな伝説がありまして、

まずイタリアでは、

新築のお祝いに贈られたりもします。

 

これはイタリア・ナポリの『卵城伝説』から。

あの文学者は大魔導士だった!?イタリアの「たまご城」伝説 | たまごのソムリエ面白コラム

ナポリにある卵城(Castel dell’Ovo)には

『初産み卵』を安置された

秘密の部屋があり、城を守り

 

「この卵が割れた時

ナポリは崩壊する」

と言い伝えらえています。

 

また、スペインやイギリスでは、

竜を退治する武器(!?)が

「初産みたまご」

だと言われています。

いくつもの地方に

「初卵をぶつけて竜退治する」

というお話が残っているんですね。

 

それくらい、

たまご、そして初産みたまごは

神聖視されているんですね。

 

◆飲食店の季節メニューに!

見た目のかわいらしさもあって

比較的コストも安いので、

いわれのある魅力メニューとして

オススメです。

 

ただし、ヒヨコからニワトリさんになる

一時期だけですので、

期間限定メニューですね。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年03月1日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

最近、ある2つの食材を使った料理に

ハマってます。

 

ユーラシア大陸の西と東の海国で

ガラッ!と

食文化を変えてしまった食材です。

 

それは、

イタリアのトマトと

ニッポンのたまご

トマトはもともと南米産

他の青果とは比較にならない

ダントツ旨味たっぷりの野菜で

ビックリするくらい

美味しい料理ができるため

 

17世紀に食用と広く認知されてから

あっという間に食文化を席巻してしまいました。

前後で全くちがう

食文化になってるのです。

 

対して日本。

日本書紀にも神の使い

として描かれるくらい

古~くからいる

ニワトリですが、

 

仏教が伝わってきた8世紀以降

「殺生はダメ」「生き物はダメ」

として、たまごは一切

食べられなくなりました。

なんと800年!ものあいだ。

伝わったレシピもありません。

 

いったんゼロとなった

たまごナシ文化から、

800年間の「禁たまご」を破ったのは、

ポルトガルから入ってきた

 

カステラ

天ぷら

などの超美味しすぎる

『異国のたまご料理』でした。

「美味しいんだから、

食べちゃっていいんじゃないの?」

「そうそう。よく考えたら無精卵だし

殺生じゃないよね。美味しいし。」

・・・というカンジに、

たまご文化が急速に普及することに。

 

なにせ、戦国時代の終わりに

たまご料理が入ってきて、

 

江戸時代に入りわずか70年後には

「料理の代表レシピ」として、

多数のたまご料理が掲載された

料理本「江戸料理集」(1674)

が出版されています。

 

同じころ施行された、

『蚊を殺しても遠島』の

「生類憐みの令」中でさえ

たまごを食べるのはオッケーでした。

 

今では、日本は世界トップ3に入る

たまご好きの民族です。

 

そういえば、たまごも

イタリアのトマトとおなじ

17世紀からの定着ですね。

 

◆保守的な「食」をどう変えるか!?

そもそも、人間は

「食」にとても保守的な

一面を持ってます。

 

トマトだって

持ち込まれてから

皆が広く食べ始めるまで

2百年もかかってますし、

 

おなじく新大陸からもたらされた、

のちに数百万人を飢饉から救う

救世の穀物ジャガイモだって

 

「これはいける!」と学者が

太鼓判を押してから

150年も拒否され続けたんです。

 

卵なんか800年ですよ!?

 

もし、あなたがお店で

次の新メニューとして

考えている料理が

話題になるまで

多少の時間がかかっても

当たり前かもしれません。

 

でも、

世界で一億6千万トンも作られるトマトや

8億トン生産される卵のように、

いずれ世の中を変えるブームになるかもしれません。

ワクワクますね!

 

毎日ブログ仲間で共に学ぶ仲間

トマト農場さんのブログです。

めっちゃ旨いですよ。

【織田トマト】→https://odatomato.com/

 

こんなカンジでお取り寄せして、

たまごと合わせて料理を作ってます。

よければご覧になってくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年02月21日

温泉玉子など火加減がむずかしい

たまご料理やゆでたまご料理は

意外なキッチン機具が活用できる

場合があるんですね。

 


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご料理、

ちょっと面倒だな、と思うのは

 

火加減など技術の駆使と

調理器具の面倒くささ

があります。

 

つい最近、海外の料理本に

『食洗器で調理するレシピ』

なんてものが

あることを知ってビックリしました。

 

エッ!???

食洗器って、

食器洗い機のこと??

そんなもので料理って・・・

 

と思ったのですが、

観念を取り払って考えてみると、

たしかに理にかなっている部分もあります。

・適度な加熱を庫内まんべんなく

・数十分の均等な加熱を維持

これをしながら洗浄する訳ですから。

 

で、半信半疑やってみました。

とりあえず、

常温に戻した生卵を

食洗器の上部にくくりつけて

スイッチを押してみました。

ドキドキしながら

割ってみると…

うわー、絶妙の温泉玉子ができとる!!

 

正直ビックリです。

 

このカンジなら、

温泉たまごだけじゃなく、

ローストポークや

野菜下ごしらえなど

 

低温調理のラインナップは

どれも活用できる可能性が

ありますね。食洗器が。

 

ナマコのぬめりを取るのに

(それ専用にして)洗濯機を

つかうこともあるようですので、

 

意外に見えても食洗器だって

有効なのかもしれません。

 

◆他にもある!意外なたまごへ活用調理器具

「さすがに食洗器はちょっと…」

という場合でも、

ほかにも温泉玉子など

が可能な調理器具があります。

 

・炊飯器

これはオススメです。

1㎝ほど水を入れて、そこに卵を入れる。

あとは保温スイッチを押して

待つだけ。

 

時間さえ守れば、超美味な

温泉たまごができます。

(炊飯器によりますが少ない数なら4~50分くらい)

 

・風呂

「温度均一」が求められる料理は

風呂ってすごく有効なんですね。

というか、大量のお湯が有効。

 

鬼才漫画「めしにしましょう」(講談社)では、

お湯をはって密封した肉のカタマリを入れ

 

数時間適温を保ち絶品のローストビーフや

カツ丼を作る

というやり方が紹介されています。

その間自分はどうすんだ、

など問題ありありですが・・。

 

・オーブントースター

ゆでたまごを作るなら

トースターに入れて

時間どおり加熱

これが超カンタンです。

お湯をわかす必要もありません。

でもしっかり熱がとおりますから

ちゃんとした茹で玉子ができます。

 

飲食店さんで大量に、だと不向きですが、

ちょっと2~3個茹でたいときなんかは

トースターが最もカンタンです。

 

いかがでしたでしょうか!?

あくまで自己責任の

裏技的な方法ですが、

たまごの調理可能性

常識を外して考えてみると

新たなアイデアが出てくるかもしれません。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年02月20日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

人気セルフうどん店の社長さんと

お話をしていた際、

「釜玉うどんの見た目重視がもったいない」

というハナシになりました。

 

釜玉うどんって、

ゆでたてアツアツのうどんに

たまごと生醤油を絡めて食べる

めちゃくちゃ美味しいメニュー。

 

いわば、うどんを用いた

カルボナーラですね。

 

で、大抵は注文すると

こんなカンジだと思うんです。

うーん、美味しそう…!

 

でも・・・

「本当に美味しく食べてもらうなら

アツアツの内に混ぜないといけない。

じつは、

お渡しする前にかきまぜて

お出しした方が、

ダンゼン美味しいんだよね。」

というのが、社長さんの言。

なるほど。

ゆでたてに生卵を絡めるから

美味しいのに、

こうやってたまごを割り乗せて

出されると、

テーブルまで持ってくる間に

冷めちゃうんですね。

 

もちろんそれでも

たまごかけごはん的な

美味しさはありますが、

絶妙なぐあいに熱がとおった

たまごとうどんの絡み、

醤油が混然一体となった

食感と風味が

釜玉うどんの魅力です。

 

アツアツで絡めないともったいない!

というお店の感覚

とてもよく分かります。

 

「『こちらで混ぜましょうか?

どうしますか?』って聞いてみた事も

あるんだけど、ほとんどの

お客様が『自分で。』って

おっしゃるんだよね。」

とのことでした。

 

同じ様なハナシで、

目玉焼きの「ターンオーバー」

があります。

いわゆる『両面焼き』ですね。

 

海外だとポピュラーで、

両面焼くことで表面カリッ!

中身はトロッ!という

すんごく魅力的な食感になります。

 

テキトーに作ってもそうなります。

 

ですが一点

「見た目」が悪いんですね。

裏返さない目玉焼きとくらべて。

 

◆味だけじゃない!?「美味しさ」の要素

「ああ、もっと美味しくできるのに…」

という葛藤、ホントよく分かります。

 

結局のところ、

味じゃない「おいしさ」を

どれくらい重視するのか?

というハナシですよね。

 

色、見た目、音、情報…

味以外の要素だって

「美味しさ」に大切で、

とくに『卵の黄身』は

視覚の誘因効果が非常に大きいんです。

 

 

ただ、きちんと情報を伝えることで

理解してもらえることもあります。

 

お好み焼きはかつて、「自分で焼く」のがデフォルトでした。

それ込みで、

「おとうさんひっくりかえして!」みたいな

ライブ感もお好み焼き屋さんの魅力でした。

 

ところが近年は

ちょっとこだわった

鉄板焼き屋さん系お好み焼き店も

たくさん出てきまして、

そういうお店では

 

「いちばん美味しく食べてもらうため、

厨房で焼いてからお出しします」

というスタイルも増えてきました。

 

お店のコンセプトに合わせて、

「ここは譲れないんです。」

と、こだわり発信することで、

より差別化になるんじゃないでしょうか。

 

見た目が悪いけど

美味しくなる卵料理2品についてでした。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年02月12日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

今日は立春ですね!

まだまだ寒いですが、春が楽しみです。

 

さて、「立春」に世界を大騒ぎさせた卵があります。

そしてそこに、ご繁盛のヒントがあります。

 

76年前の中国のお話。

共産党宣伝部の魏さんが、

2千年前の古い文献に

ある記述を見つけました。

『立春に卵が立つ』

と書いてある・・・。

「ホンマかいな。ムリじゃない?」

と半信半疑、立春を待ってやってみると

「ほ、ほんとに卵が立った・・・!」

のです。カンタンに。

おどろいて翌年

こんどは記者を招いて公開実験をやってみることに。

すると・・・

「やっぱり立春は卵が立つ…!」

 

ということで、大きなニュースになったのです。

『重力波?気圧?』

など様々な仮説を交わしながら、

その翌年には全世界の気象台で

同時実験することになりました。

 

日本では、東京気象台・大阪気象台が参加しています。

そしてなんと!実験した

世界すべての気象台で

卵が立ってしまうのです。

『こ、これはスゴイ。』

と大騒ぎになりました。

日本でも新聞で取り上げられます。

・・・が、その後の調査で

ビックリする結末となりました。

 

真相は、

『実はいつでも卵は立つ』

というものでした。

 

たまごのカラには微細な凸凹があり

そのうち3点に加重すれば

卵は立つ、のです。

慣れれば5分かからずにできます。

つまり・・・

『5分でできるけども、

誰もが「ムリだろう」と

思ってやらなかった。

だからずっとできなかった。』

という結論です。

 

◆人はムリだと思うと5分もトライできない

ここから言えること

ひとつは、

「きっとできる」

と思って行動する事って

めちゃくちゃ重要だということ

 

たった5分で達成できることでも

ハナからムリだと思っていたら

やらないんですね。

その努力に耐えられない。

 

ソフトバンクの孫社長は創業時、

パーテーションで区切っただけの

オフィスでアルバイト2人に

「30年で売り上げ2兆円を目指す。」

と挨拶したそうです。

できると思ってるからこそ、

わずか12年後に売上2兆円達成したのでしょうね。

 

立春のたまご立ての話を知ってから、

毎年立春が来るたびに

「ああ、決めつけちゃうと

2千年できないんだなぁ。」

と思い返します。

 

あと、

「誰でも試せるのに

誰もやってないことがある。」

ということも重要ですよね。

 

商売も、

意外と誰も実践していない

成功のヒントが身近にあるんだと思っています。

『立春のたまご』のように。

 

こころに刻んで

実践してまいります。

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年02月4日