小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

世界のたまごアート 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

このカラフルで超巨大な
『たまご自販機』は、

米国オハイオ州コロンバスの
メトロポリタン図書館前に
設置されているもの。

創立150周年の企画だそう。

 

これ、
『エッグプライズ』という取り組みで、
ほかにも全米のいろ~んな所で企画展開しているんです。

アーティストが『チッピー』という
ちっちゃな手書きアートを描きまして、

たまご型のケースに入れ

販売しているんです。

チッピーはこんなカンジの絵。

これがたまごケースに入ってます。

おお~、ステキですね~。
ちっちゃくてカワイイ!

これ、ぜ~んぶ手描きの作品ですよ。

それがこんなに・・・!

たまごは一個50セント(約70円)
けっこう手頃ですよね。

ついついいっぱい集めてしまいそう!

 

◆入口の戦略として有効!?

なんとなく「アート」って
敷居が高くって、手が出にくい

そんな風に感じる人って多いんです。

僕も「よくわからんなぁ。」と
感じることもありますし、
敬遠しちゃう気持ちもわかります。

 

マーケティングで「入口戦略」なんて
言い方があります。

 

気軽に知って入ってもらって、
そこから更に深い関係に進んでもらう

その第一歩は、
手軽で親しみやすくないと
いけないわけです。

 

アーティストさんたちが
自分の絵を高く買ってもらう。
これ、いきなりは難しくても、

 

小さなステップから気に入って
好きになってもらい、
一生の記念の絵として買ってもらう、
そんなことはあり得るわけですね。

 

ですので
供給側のアーティストは、
「いっぱい描く」ことが条件だそうで
単価で儲けるというよりは、
触れてもらうことが大事なんですね。

たのしく親しんでもらう第一歩として、
この「エッグプライズ」の企画は
かなり有効じゃないでしょうか。

 

◆入口としての卵料理はアリ

同じように、
たまご料理も第一歩としての
入口戦略には、わりと有効ですね。

原価が比較的安く、
しかも日本人にとって
かなり親しみがある食材ですし。

 

たとえば、
サイゼリアの「煉獄のたまご」は
ワインなんかとも相性絶っ品の
けっこう本格的なイタリア料理
なのですが、

安くてとっつきやすく
ファンの方も多いわけです。

パスタなどだけじゃなく、
ここから本格イタリアンに
触れる第一歩となり得ます。

入口としてのたまご料理
ぜひあなたのお店の繫盛メニューの
ヒントになりましたら幸いです。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(関連:Egg Prize Art )

カテゴリー | ソムリエ日記 , 世界のたまごアート 2023年06月15日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

小説家川端ケイさんの作品に

「卵の殻が割れなくて」

という小説があります。

副料理長をやっている女性が
突然たまごの殻が割れなくなってしまう。

なんでだろう、こまったな

なんて考えながら人生を振り返る

 

非常に引き込まれる物語です。

(※幻冬舎のネットで連載もしていて読めます
【小説】副料理長の女性「卵の殻が割れなくなってしまった」 | 幻冬舎ゴールドライフオンライン )

 


じつは

「たまごってちょっと怖い。」

って考える方って
意外といらっしゃるんですね。

 

その恐怖感は人それぞれで、
「割れそうでこわい」

「衛生的に触るのがこわい」

「何か出てきそう」

「なんとなく見た目にこわい」

なんて様々です。

少し前に、
探偵ナイトスクープにも、
『たまごが怖くて割れない女子大生』
という相談がありましたね。
(関連:若者はたまごを調理しない。でも外食で食べる。 | たまごのソムリエ面白コラム

 

何かに過剰な恐怖心を抱くことを
医学的に「恐怖症」と言いますが、
たまご恐怖症は
「オヴォフォビア」と呼ばれます。

医学的にはほかに
「ニワトリ恐怖症」なるものがありまして、

ニワトリが攻撃的でこわい!

という思い込みで、
幼少時のつつかれた
トラウマから来ることが多く

こっちでも
たまごが怖くなっちゃうんだそうです。

うーむ・・・
僕は幸いにもたまご好きですが、
じつは感覚的にはこの恐怖
想像できなくもないです。


人間、まじまじと見ないもの
抽象化してとらえているものって
あんまり怖くないんですよ。

ほら、たとえばトカゲとか
クマだって、
ぬいぐるみやアニメでしか
観たことなければ、
そんなに怖くも
ないじゃないですか。

でも実物をじっくりと観察すると
すごくこわい・・・!

みたいなことってあるんですよ。

 

卵も、じっっくりとカラを眺めると
すごく凸凹や細かい模様があって
なんだか異世界ですし、

割った生卵の光沢や
固ゆでたまごの断面だって
冷静に眺めてみると

「こんな身近にこんな
みたことない物体が・・!」

みたいなヘンな感覚に
なっちゃうこともあります。

仕事柄、顕微鏡の拡大図を見たり
そのものをじっくりまじまじと
見つめることもしょっちゅうなので

「おお・・スゴイ・・・!」

なんて感覚になりますし、
人によっては恐怖心になっても
おかしくないと思いますね。

 

代表的な例で言うと、

あの映画監督ヒッチコックさんは
めっちゃ卵恐怖症で、

「あの穴のない白い丸いもの
から黄色いものが出てくるなんて・・・

血は赤で陽気だけど、
黄身って黄色なんだぜ。生き物なのに。」

みたいなことを語っています。
恐怖を演出する第一人者で、
常に対象を観察する名監督ならではの
感覚かもしれません。

この
ヒッチコックさんの卵恐怖を
イメージした芸術作品もありまして、

「卵恐怖症(ヒッチコック以降)」(グスタフ・アルメストール)

こんな作品です。

うーん、確かにシリアルキラー的に
襲い掛かってきそうな怖さです。

 

そして、意外とこういう
「よく見るとこわい」
現象ってほかの食材でも
あったりしまして、

たとえば魚の目が怖いとか
年齢層なお客様層や
料理によっては、
見た目に配慮する必要も
出てくるかもですね。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 世界のたまごアート 2023年03月24日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

この黄金のでっかいたまごは
英国の南のはしっこ、
ブライトンの駅に登場した
広告宣伝「たまごカンバン」です。

有名なシアター、
ロイヤル・ブライトンという劇場が
あるんですが、そこの新作
パントマイム劇「マザーグース」の
PRのためにつくられたものだとか。

劇のタイトルと
QRコードが入っています。
金ぴかのたまごが
すんごく目立ちますよね~。

かっこいい!

マザーグースというと
イギリスで古くから伝承されてきた
童謡や詩の総称ですね。

たまごのカタチから言うと

「ハンプティダンプティ」

の歌でしょうか?

鏡の国のアリスにも出てきた
マザーグースの有名ななぞかけ歌です。

このヘンな卵キャラクター
「ハンプティダンプティ」は
もともとパントマイム劇で
ヒットしたことで定着し、

ずんぐりむっくりの
面白キャラとして

日本昔話の
たぬきとかキツネとか
赤鬼どんくらいの定番
キャラクターになってるんですね。

ちなみに英国で言う
「パントマイム劇」とは、
僕たちがイメージする

『透明なカベ』みたいなあの
パントマイムとは違います。

おとぎ話を題材にして

ジョークやダンスやその時の
ヒットソングを盛り込んだ
めっちゃ楽しいお笑い演劇

なんですね。

なんでしょうね、
日本で言う

吉本新喜劇

みたいなカンジでしょうか。

五百年以上の伝統があって
クリスマス頃に演じられる
のが定番です。

盛り上げの一環として
男性が女役を、
女性が男役をするんです。
それだけでもヘンさが
よく分かりますよね。

 

◆でかいたまごビジュアルのインパクト

街中やディスプレイで、
こういうでっかい卵を見ることが
あるんですが、

たまごのフォルムは
生活になじみやすいだけあって
すごく目を惹いて
説得力もあるんですよね。

たとえばあなたのお店で
たまご料理フェアなんてのを
組まれるとしたら、
こんなたまご立体のPOPなんか
があると、すんごく目をひく
んじゃないでしょうか。

ここまででっかいのは
難しくても、
手でひとかかえくらいの
大サイズのたまご模型なら、

旧・東急ハンズ(現ハンズ)や
ホームセンターなんかで
以前はスチロール製の
でかいたまごが買えました。

ご飲食店さまの
ちょっと盛り上げに
使ってみられると
面白いかもしれません。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:Giant egg spotted at Brighton station for upcoming pantomime | The Argus)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 世界のたまごアート 2022年12月1日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

ついにロシアがウクライナに侵攻しましたね。

 

まさか21世紀になって、

こんな戦争を目の当たりにするとは・・・

昭和の頃の世界を思い出します。

 

少し前ですが、

アート工房のクラフトスタジオカラクサさんの

Youtube『ピサンキをつくろう』動画で、

当社おご紹介をいただきました。

 

このピサンキ(ピーサンカともいいます)は、

たまごの殻にめちゃくちゃステキな

模様を描いたアートです。

 

そしてコレ、

ウクライナの伝統芸術なんです。

ウクライナでは数千年の歴史が

あるんですが、

 

千年ほどまえにキリスト教とくっついて

復活祭、「イースターエッグ」を代表する

芸術品となったんですね。

 

僕も昔から大好きで、

毎年春ごろになると、

いろんなピサンキ(ピーサンカ)が

ネットでお披露目されるのを

楽しみに見ていました。

 

今年は・・・どうでしょうね。

 

◆お店イベントとしてのたまごアート

このピサンキ、お店のちょっとした

イベントとしては、悪くないです。

 

一人または家族での

作業が主になりますので、

コロナ禍でも比較的楽しみやすいとも言えます。

 

用意するものは、

そんなに本格的じゃなくていいんです。

ちょっとペンがあれば、

なんとなく雰囲気出ると思いませんか?

 

たまごの殻に絵をつける楽しみ、

あなたのお店のイベントとして

繁盛の側面からも面白いです。

 

まず、イースターの市場はまだ小さいとはいえ

年々拡大中です。

たった5年で五倍以上の伸びと

どんどん大きくなっています。

 

キューピーの調査では、日本での認知度は9割

イオンやディズニーランドなど大企業が

毎年イベントとキャンペーンを組んでいる

のも拡大の大きな要因となっています。

 

また、

あなたのお店の「不要なもの」である

たまごの殻を使ったイベントは、

SDGsとの親和性もよく、

無駄を減らして行こう

というメッセージともつなげられるのでは

ないでしょうか。

 

そして、

前述のカラクサさんの

『ピサンキ教室』動画のように、

本格的につくる手法を学ぶことも

可能となってきています。

 

◆たまごアートに平和のメッセージがこもっている

このピサンキのステキな模様には、

平和の意味も込められています。

このうつくしさの意味を

広く知ってもらう事も、

今起こっている事への

ささやかなメッセージとなるかもしれません。

 

僕が魅せられた

美しいたまごの模様に

込められた「平和」が

一日も早く戻る事、願っております。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

 

※冒頭のピサンキは、クラフトスタジオカラクサの飯野夏実さんの作品

こちらからご覧いただけます~。ステキですよ!

https://www.studio-karakusa.com/

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , 世界のたまごアート 2022年02月25日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

ときどきご紹介してきた世界のたまごアートですが、本日は私達の地元・徳島のたまごアートをご紹介。

sushibenchipic2016.jpg

みてのとおり(!?)、『寿司』です。

たまごのお寿司。

これ、大きさはベンチサイズで、ちゃんと座れるんですね。

その名も寿司弁地

となりには他のお寿司も並んでいまして、なかなかイイ感じです。

sushibenchi2016 (3).jpg

なんだかお腹減ってきますね!

製作者は、津村拓さんという方。

食べ物コンセプトのアートを重視され、

山口県宇部市ときわ公園にも「巨大バナナ」アートを創っておられます。

さて、徳島駅のすぐ裏に位置する“徳島城公園”の中には、

他にもたくさんの“野外アート”が並んでいまして、

ドラキュラモンスターが出てきそうな、

「でっかいカンオケ」があったり、妙に笑える像があったりと

シュールな光景がいろいろ楽しめます。

sushibenchi2016 (1).jpg

自然もいっぱいの憩いの場です。

お近くにお寄りの際は、ぜひご覧になってくださいませ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:世界のたまごアート記事一覧-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 世界のたまごアート 2016年10月25日

t_egg201606.jpg

たまごの上にトゥシューズで立つバレリーナの足。

これは、米国で最も有名なアーティスト・グラフィックデザイナーのひとり、

ジュリアス・フリードマン氏の作品です。

なかなかインパクトありますねー。

CG全盛の今では「ちょっと面白いよね。」くらいの印象かもしれませんが、数十年前の作品だとすると、感じ方もチョット変わるのではないでしょうか?

この方は卵を使った斬新な作品をいつか出されていまして、たとえば下の作品

p_egg201606.jpg

“フレッシュペイント(塗りたて)”

という作品ですが、普段目にしているたまごと色が全然違い、ちょっとした衝撃がありますね。

この作品でニューヨーク アートディレクターショウ金メダルを受賞されています。

そういえば、日本の大ヒットドラマ『トリック』のオープニングに「青や緑の黄身のたまご」が不気味に使われていましたが、プロデューサーの山内章弘さんは「『当たり前をうたがえ』という意図を込めてこの映像を入れたんです。」とインタビューでおっしゃっておられます。

trickegg201606.jpg

もしかすると上のフリードマン氏の作品と思想に、影響を受けたのかもしれませんねー。

フリードマン氏は、上記の写真ポスターのほかに家具デザインや彫刻、アートインスタレーションなども手掛ける多才な方。

卵の作品は彼の”代表作”として有名ですが、その他にも「食べ物」を主題とした有名作品がいくつもあります。どれも、色彩感覚が抜群にカッコイイ!

eggart201606_2.jpg

50年も前からこういった斬新なデザインを世に送り出してこられているのはスゴイですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:【芸術】世界のたまごアート記事一覧_たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 世界のたまごアート 2016年07月12日