小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

もう目にした人も忘れているかもですが、
大阪万博がスタートした4月ごろ
面白い「ニュースの組み合わせ」がありました。

「万博は7割が50~70代高齢層。
若者は来てない。」2025-04-27

「万博はリアルに高齢者ほとんどいない
スマート対応が難しいからか。」2025-04-27

そう、
ヤフーニュースの見出しに並んだ記事が
まったく真逆のことを言ってたんですね。

前者の記事は
位置情報分析をするリサーチ会社から

後者は
4度万博を訪れた
辛坊治郎氏の印象から

・・というニュースソースです。

 

「なんじゃこりゃ?」と
面白かったです。

ですが、
実はこの2つの記事は
矛盾なく両立していたんですね。

「高齢者は来てる。」
けど
「見た目にはいないっぽい。」
つまり・・

「万博に来る高齢者は
元気で“見た目が若い”。」

とすると
矛盾しないわけです。

万博って
たくさん歩きますから、
開会当初の4月には
元気な高齢者ばかり来ていた、
おそらくそんな感じじゃないでしょうか。

 

◆たまごの矛盾も多かった

以前は鶏卵にも
『矛盾する言説』がありました。

「卵はコレステロールが
高い多い食材だ。
(食べるべきじゃない。)」

「卵はコレステロールが
下がる食材だ。
(食べるべき。)」

この両方が言われていた時期が
あるんですね~。

「いったいどっちなの!?」

とよく質問を受けました。

◆両立する意見と〇〇すべき“卵”

結論から言うと「食べるべき」で、
上の2つは両立します。

「卵自体は高コレステロールで、
でも食べるとその成分で
血中コレステロールが下がる。」

ということがわかっています。

卵のコレステロールは
一個に約250㎎

食材の中では
多めの含有量です。

ですが卵黄には
血中コレステロールを抑制する
「レシチン」が豊富に含まれていまして、

またこのレシチンにある
「卵黄コリン」は
血管をふさぐ脂分“LDL”にくっついて
肝臓や体内にかたづけちゃうんですね。

結果、血圧が下がるなど
いろんなメリットが出ます。

なので

卵を食べたほうが
健康に良い

のです。

僕自身
毎日かなりの卵を食べてますが、
健康診断の血中コレステロールは
標準以下。

たしかに効果は感じますね~。

 

◆そもそも上限がなくなった

あと補足ですが、
コレステロールを食事で摂ることが悪い
とする指標はなくなりました。

 

食事からコレステロールを摂っても
血中コレステロール値に
影響を与えるわけじゃないと
研究であきらかになったからです。

それを受け、
厚生労働省は2015年に
「日本人の食事摂取基準」から
コレステロール摂取量上限の
指標を撤廃しています。

 

◆その後の考察で矛盾解決する

近年でいうと

「卵を食べると心臓病リスクが上がる。」
「いや上がらない。」

という両方の議論が出て
話題になりました。

 

最新の研究では

「どうやらリスクはなさそう。」

という研究が優勢ですが、
この両論も、もしかすると矛盾なく
説明できるロジックがあるのかもしれません。

 

とりあえずは卵食べまくりの
この身の健康をもって
証明してまいります。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:コレステロールを摂って長生きする時代になりました! | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2025年07月17日

卵と表記するか、玉子と書くか・・・
これだけでメニューの出数が変わります。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前にテレビ朝日さんの
情報番組に出させてもらったのですが、

ご担当ディレクターさんが
放送前に

「『たまご』の表記って
ひらがなで大丈夫ですか?」

と聞いてくださいました。

これって
とってもうれしいこと
なんです。

 

文字って
印象にすっごく影響するんですよ。

「卵料理のコツ」

「玉子料理のコツ」

「たまご料理のコツ」

ぜんぶ同じ言葉ですが
↑こんな風に文字表記がちがうと

テレビ画面紙面
パッと目にしたときに
視認性がまったくちがってきます。

すなわち、
あなたのお店でも
メニュー記載を変えることで

たまごメニューの
オーダーのされ方を
変える(増やす)ことが
できます。

 

◆使い分けると面白いたまご表記

まず、「卵」「玉子」文字の使い分けには

新聞・出版物のルール

があります。

『卵』・・・生物学的たまご
魚卵も昆虫卵もぜんぶ含む

『玉子』・・・鶏卵“料理”のたまご
鶏卵のみ(調理ずみだけ)

というルール。

 

つまり新聞にでる料理メニューでは
「卵丼」はバツで(またはイクラ丼かも?)
「玉子丼」が正しいわけです。

「温泉卵」はバツで
「温泉玉子」が〇。

雑誌・漫画もこうなってます。

国語的には
「ニワトリのたまご」なら
「卵」「玉子」どちらもOKなんですが、

出版メディアでは
鶏卵「料理」のみを「玉子」で
統一しています。

たとえば
を買ってきて温泉玉子を作った。』
みたいな表記になるわけです。

ただし、
例外的にレシピ本だけは
ぜんぶ「卵」表記になっている事が
多いんですね。

これは
材料の『』表記が多いから
調理のさい見やすくするため
統一しているようです。

 

 

◆飲食店の映える「たまご」表記

そして、

飲食店さんの場合は
ゼッタイ『ひらがな』
を使うべきです。

『たまご』と書くと

・印象がやわらかくイメージ良い

・視認性がたかい

というメリットがあります。

 

小説や記事では
「卵」「玉子」と出てきても
文脈の流れですぐ理解できますが、

・鶏のから揚げ
・メンチカツ
・マグロの漬け
・・・・・・

みたいなメニューの中で
「麻婆玉子丼」
みたいに漢字があっても
パッと視認しにくいんですね。

ですので、

・卵掛け御飯
・玉子焼
・温泉玉子

もいいですが、
それよりも

・たまごかけご飯
・温泉たまご
・だし巻きたまご

みたいな
ひらがな表記にすると
やわらかい印象をだしつつ
パッと見つけやすいんです。

 

◆たまご注文頻度上がると利益アップに!

たまごは
原価がさほど高くなく
調理で付加価値がつきやすい

「粗利の取れる食材」です。

また、オムレツのように
プロの技術が評価されていて

利益をだしつつ
お客さんの喜びに
なりやすい食材です。

原価率を抑えつつ
美味なたまごメニューを、

シズルでPRしたり
ひらがな表記にするだけで
ご注文頻度をあげる。

たんに美味しいだけじゃなく
より多くの方にご注文いただき
ご繁盛につながる、

そんな工夫を
ぜひお店のたまご料理で
してみませんか?

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2025年07月15日

お米に隠れがちですが、
今年はたまごが高騰しています。

他国、米国では
こんな高騰対策がされていまして・・・


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

トランプ政権が発足して5か月。

 

実はトランプ大統領、昨年の選挙時に

「卵の値段を下げます。」

という公約を掲げて当選したんですね。

昨冬は米国で空前の鳥インフル蔓延が
起こっていまして、

2021年1月に卵1パック1.47ドルだったのが、
今年1月には4.95ドルに跳ね上がってます。

そこで
大統領就任直後の2月、
ロリンズ農務省長官さんから

“鳥インフルエンザを撃退し
卵を安くするための5つの計画”

を発表したのです。

その予算10億ドル。(1,460億円)
かなり大きめの計画ですね。

 

この5つをざっくり説明すると、

まず予算の半分5億ドルが

バイオセキュリティ支援

命や生産物を病気などから守ることですね。

これにより養鶏場は
無料バイオセキュリティ診断を受けられ、
それにより見つかった脆弱部分の補修に
最大75%の補助を政府が負担するそう。

 

2つ目は
鳥インフル被害農場への

財政支援の拡大

発生後すみやかに操業再開できるように
『認可を合理化する』と述べています。

ちょっと面白いのが、
この財政支援の仕組みって
バイデン政権がやっていたんですね。

その際にトランプ陣営は

「対処療法ばかり予算かけてる!
“発生”を抑えていかないと。」

と非難したんです。

その財政支援を拡大するわけで、
バイデンさんからすると
「ほらみろ。」なんて気分かも。

 

3つ目は

ワクチン治療研究

米国農務省から
研究開発費として1億ドル提供して

“農場まるごとニワトリ殺処分”という
『現状のやりかた』を減らすのが目標です。

4つ目は

規制解除

できるかぎり規制負担を減らすよ、
と言ってます。

 

最後は輸入

食品安全基準を満たす卵に限り、
海外から一時的に輸入する作戦。

以上の5つの計画で、

「卵の値段を下げよう。」

と進めているんです。

 

大雑把に言うならば
メインは2つですね。
迅速『全処分』対策から転じて

・防疫の格差をなくす

・ワクチンをつくる

この2つに大きく取り組もう、

という計画ですね。

 

◆かなり生産者によりそった対策かも

じっさいのところ、
これらは生産者が望み
以前から業界で要望が出ていた
ことなんですね。

日本でも「ワクチンを」という声は
業界では強い意見として出ています。

卵屋としては、
実情に沿って考えてるんだなぁ、
と感じます。

 

◆数か月たってどうなってる!?

結論から言うと、
下がりました。

トランプ大統領は
「価格は61%下がった!」
なんて言ってますが、

実際は12%下がってまして
40年ぶりの大きな下落幅です。

それでも昨年同月よりも
まだ5割高いんですね。

 

そして
5つの計画の進み具合は・・・

計画① バイオセキュリティ対策
→職員不足で遅れ

イーロンマスクさんが
政府職員を400人解雇にした事から
計画に遅れが出ているそう。

来冬に間に合わない・・・!?
なんて予測も。

えー・・・。

 

計画② 発生農場の経済支援
→歓迎だが批判も・・・

業界は歓迎しています。

ですが業界外の人々からは
反論も出てまして、

 

鶏インフル発生後の補助をを手厚くしたら

「発生しても潰れないし
対策しなくていいんじゃね・・・?」

となっちゃう懸念や

「なぜこんなリスク高いビジネス
を救済せねばならないのか?」

みたいな批判も出ています。

この批判は
理不尽だと思いますね~。

大量の生命を殺処分する
あの体験をしたい農家さんなんて
いません。

また、
「リスク高いから・・」
と放置されると

世界的まん延の危険性など
重大な食の供給リスクに
つながる怖れもあります。

保護はあってしかるべきかなぁ、と感じます。

 

計画③ ワクチン治療研究
→まだまだ先になる

研究は時間がかかります。

ただ米国政府はこれに先立って

「いざとなったらニワトリに
ワクチンつかっていいよ。」

という『承認』を
今年2月に出しています。

すぐ動けるようにですね。

 

計画④ 規制解除
→ なんと州を訴える!

トランプ政権はこの件で
「いらん規制はなくせ!」と
かなり怒ってます。

なんと
カリフォルニア州を
提訴しました。

参照 US: Trump administration sues California over egg prices

「州は卵の生産に不必要な
お役所仕事を課して、
歴史的な卵の価格高騰を招いた」

と、同州の
農場規制と動物虐待防止法を
非難してまして、これ今後、
ちょっと大きな騒ぎになりそうです。

 

計画⑤ 輸入
→拡大中

予定どおり新規輸入を増やしています。

つい先日も、

「インドのナマカル地方から
米国に初輸出」

というニュースがインド発で
出ていますね。

まず一千万個。地元では期待しているそう。

この対策は即効性がありますね。

インドは世界最大の卵生産国ですから、
良いつながりになるのかもしれません。

 

◆日本も参考にできることは・・・

①のバイオセキュリティについては
日本でももっと詰めていくべき
課題だと思いますね。

直近の研究では渡り鳥だけじゃなく
ハエなど昆虫類も感染源になり得る
ことがわかってきました。

また、
多くの予算をとれない農場さんも
多数あります。

いままでと目線を変えつつ
取り組んでいくべきと感じます。

 

また、
③のワクチンについては、
早期発見が困難になるなど
採用されない理由もあるのですが、

いざそうも言ってられないレベルの
パンデミック時には
取れる選択肢が多くあるべきです。

法整備含め議論を重ねておくべき
ですね~。

このへんを話し始めると
さらに長くなるので、改めて。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2025年07月12日

先日のブログ
パプリカパウダーについて
ご紹介しましたが、

卵を引き立てる赤色について
もうちょっと補足を。

◆黄身+赤い指し色の応用は広い!

この黄身+赤色の
セオリーって、シズル写真では
いろんな応用があります。

たとえば下のあるお店
シズル看板を見てください。

となりに赤い文字があるだけで
たまご黄身の黄色が
引き立ちますよね。

 

逆に赤っぽい色の
料理に、黄身を乗せて
シズル写真でPRすると、

たまごの誘因効果と併せて
来店へとつながりやすいです。

たとえば看板でも・・・

ほら、
ローストビーフだけよりも

よほど目を引くんです。

黄身のちかくに赤文字や赤色背景

赤い料理に
+黄身プラスした
シズル写真

これはメニュー表などでも
使えるテクニックですので、

ぜひ応用してみてくださいませ。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2025年07月10日

あなたのお店のたまご料理
その魅力とメニュー価値をひきたてる
パプリカパウダー」について。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

開催中の大阪万博
ハンガリー館。

すごいんですよ。

 

小人数ずつ目前で、

現地の方の舞踏と生歌が
聴けるんです。

荘厳な雰囲気で
ホント感動します。
ハンガリーに行ってみたい!
そう感じる良い体験でした。

ハンガリー館に入ると
まず書いてあるのが
上のメッセージ。

『一緒に歌うことは
天国への玄関口である』

あぁ、いい言葉ですね。

わが徳島県・阿波踊りの
「同じ阿保なら踊らにゃソンソン」
の考えに近いものがあります。

で、ですね。

このハンガリー館2Fの
レストランもすごいんです。

万博では数少ない
本国の有名シェフさんが
直接料理を作ってくれる
レストランなんですね。

 

厳選メニューの中には
卵料理もありまして、

パプリカチキンと
卵入りガルシュカ

が食べられます。

ガルシュカとは
やわらかい卵麺の一種で、

小さくってちょっと丸っこい
もちもちした食感の「パスタ」。

たまごとの相性がバツグンなんですね~。

 

◆パプリカパウダー発祥の国!

そんなハンガリー発祥の
すばらしいスパイスが、

パプリカパウダー。

名前のとおり野菜のパプリカを
粉末調味料にしたものです。

めっちゃ赤い!のに
辛くない香辛料。

 

なので、
赤い色身を添えるのに
使えるんですね。

これ、
飲食店さんのたまご料理
すごく相性が良いんです。

 

なぜなら
色の相性がバツグンで
魅力度アップになるから。

黄+赤は心理学的に
おいしさの色
元気で食欲が出る色
なんです。

マクドナルドの企業カラーが
この組み合わせですね。

つまり
卵黄のあざやかな黄色に
パプリカパウダーの
赤いアクセントは
すご~く相性がよくって、

目玉焼きでも
一振りするだけで映えるのです。

 

たとえば下のような
プレーンの目玉焼き。

ただの目玉焼きでも
美味しそうですが・・

こんな風にちょっと
パプリカパウダーをふると
黄色みがおいしそうに映えます。

こういうデビルエッグのような
パーティ料理ならなおさらで、
美味しそうな魅力がかなりアップするんですね。

家の朝食でも素敵ですが、
飲食店さんの卵料理メニューなら

魅力感や付加価値が
単価と利益にかかわってきますので、

こういう色味の差しって
すごく大事になりますよね。

 

TKGなどの和食でも応用できますので、

たまご料理の魅力UPに
パプリカパウダー

ぜひ考えてみてくださいませ。

※飲食店さん向けだけじゃなく、スーパーでも売ってます。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

今日は七夕ですね!

この時期まだ
梅雨が明けていない事も多いので、

夜空がちゃんと見える七夕は
久しぶりのような気がしますね。

 

ところで、七夕発祥の中国では

七夕=たまごの風習

という地域がたくさんあるんです。

たとえば香港あたりの地域では、
めっちゃ複雑な細工を
赤く染めた卵のカラに施した細工を作り
飾ります。

七夕って本来「織姫」が主役でして、
つまり織り子針子の日、
「働く女性の日」なんですよ。

なのでその技術を神様に見せるため
卵を染め、飾りつけをするんですね~。

あと、重慶のあたり

中国南部地域では
「卵焼き」の風習がありまして、

七夕の夜に近くの橋に
卵と薪を持ち込んで

その下で卵を焼きます。

おばあちゃんが家族のために
たまごをじっくり厳選して
良い物を選んで、

新聞紙にくるんで
焚火に入れまるごと
焼いて食べるんですね。

「焚き火の焼きいも」のたまご版です。

その卵に今年のお願いを込めて、
卵を焼くことで病気を焼き払い、
願いを祈るんです。

日本の「七夕短冊」と似てますね!

つまり短冊イコール
「焼きたまご」なんですね~。

卵屋としてなかなか興味深いです。

ちなみに焚火で作ると
メッチャほくほくで
美味しいゆでたまごになります。

ぜひ試してみてくださいませ!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2025年07月7日