小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

鶏さん・鳥さんのコト 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

メガネを時々なくします。

極度の近眼&乱視なので
ほぼ手放さないのですが、

うっかり疲れて帰ってきた際に、
ヘンなところに置き忘れることが
あるんですよ。

 

メガネマン
あるあるなのですが、

じつは
メガネを無くすと
メガネが探せません。

つまり
視力が悪いがため
視力を回復させる
メガネに行きつかない。

のです。

 

なんという矛盾!

そしてウチには
こんな時だけ活用する
予備のメガネがありまして、

ウチでは

「メガネを探すメガネ」

と呼んでいます。

ほぼ置き忘れの
メガネ捜索にしか
使ってないので。

 

ふと、

「おんなじことを考えている
人がいるのでは?」

と「メガネを探すためのメガネ」
でSNS検索してみると

けっこうな人が
同じようなつぶやきを
しているんですよね。

出てきた数にビックリしました。

 

こんなふうに
「自分だけかなぁ。」
と思うようなことに
たくさんの仲間が
いると気づけるのは、

新たな商品開発の
ヒントも拾いやすく
なったってことでも
ありますよね。

 

メガネでいいますと、
Googleで「メガネを探すメガネ」
と検索すると、

メガネを探し出すため
メガネにとりつける
Bluetoothジオタグの
新発売RPが出てきます。

必要ない人にとっては

「こんなの誰が欲しいの?」

なんて感じる商品でも
意外なヒットが飛ばせるわけです。


ところで
ニワトリには、

卵を産むニワトリを産むニワトリ

というものがいます。

もし、
あるニワトリの産んだ卵から
ヒヨコを育て
さらにその卵の・・・
と続いていった場合、

どんどん卵やニワトリの
性質が変わってしまうかも
しれません。

また、
あまり産まなくなったり
ニワトリが特定の病気に
弱くなったりするかも
しれません。

 

たとえば
人間の子供でも
親と多少は似ていても
違う性格や才能があって

ひい爺さんと
ひ孫ではぜんぜん
変わってきますよね?

 

おなじように
ニワトリでも
世代をまたぐと
卵の品質も変わって
しまうのです。

ですので、
卵の品質が
高いレベルで
一定であるためには、

おなじ才能のニワトリが
つねに農場にいられるように
しなくてはいけないんです。

そのために、
食べる卵を産むニワトリ(採卵鶏)
を産む専門の
ニワトリさんがいます。

ようするに
食べる卵を産むニワトリと
ヒヨコにする卵を産むニワトリは
ちがうんです。

 

「種鶏(しゅけい)」と
言いまして、
優秀な採卵鶏を
産むいわばエリートの
ニワトリさんたち。

農場では、
専門の種鶏場さんで
「種鶏」から生まれた
卵を産むニワトリを
導入し、
たまごを生産しています。

 

いわば僕たちが食べる卵は
優秀なおばあちゃんの孫だけ
なんですね~。

『卵を産むニワトリを
産むニワトリさん』は
一般の方の目に触れることは
ありませんが、

農場にとっては
無いととっても困る
必要な存在なのです。

 

メガネを探すメガネと
同じですね(ちがう)

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2023年10月21日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

毎日更新していたブログ更新
事情あって長く空けておりました。

 

ようやく状況が
落ち着きましたので
ワクワクのたまご情報の
発信を今後も続けてまいります!

 


さて、昨年秋より世界規模で
未曽有のたまご不足を引き起こした
鳥インフルエンザ

日本でも70農場を超え発生した
その皮切りが、一年前の10月末でした。

 

今年も涼しくなりまして、
卵の品質管理が
しやすくなった反面、

「また今年も大発生したらどうしよう。」

という心配な時期に
なっております。

 

「コロナ禍だっておさまるのに
数年かかりいまだに継続中だし
鳥インフルエンザも大発生
したら、おさまるまで何年も
多いのが続くんじゃないの?」

こんな質問も、
お客様からいただいたりもします。

じっさいのところ
どうなのでしょう。

 

一言で言いますと、

「昨年より発生件数は
少なくなる可能性が高い
正直わからない。」

というのが僕の考えです。

 

◆まん延の翌年は渡り鳥が減る

コロナ禍と異なるのは、
発生源、つまりインフルに
かかった鳥が治療されずに
減ってしまうという点。

 

ロシアなどで発生した
鳥インフルに罹患した
渡り鳥が、

韓国や日本にやってきて
鶏にインフルエンザウィルスを広める。

そんな感染経路が主なのですが、
これまでの年ごとの傾向で言いますと、

罹患した鳥種は
体調を崩し個体数が減る。
そして次年度にやってくる
渡り鳥が減ることが
確認されています。

人間のコロナ罹患とちがって
治療されないわけですから、

大流行があると野生でも
たくさん鳥が死んじゃうんです。

そして翌年に
日本まであまり来れない。
なので発生も減る。

ということが考えられます。

 

じっさい過去の推移をみると

鳥インフルエンザ流行の翌年は
渡り鳥が少ないことが
報告されており、

そして鳥インフル発生も
おおむねその数に比例して
減っている年が多いんですね。

そう考えると、
世界規模で発生の
めちゃくちゃ多かった
昨冬の状況をうけて、

今年はもしかすると
鳥インフル発生は
少ない・・・!?

・・・かもしれません。

 

もちろん
全国の農場さんごとの
防疫対策も年々進化しておりますし、

またその年の
インフルエンザウィルスが
弱毒性、強毒性のばあいの違い

件数は少なくても
発生農場の生産数の多寡など
で影響は変わってきますので、

一概には言えません。

 

ただ、ぼくたちも
気を引き締めつつも
希望を持って
より多くの方に
美味しいたまごを
変わらず食べていただければ
良いな~と思います。

 

昨年のようなのはホント
かんべんですよね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:なぜ人は鳥インフルエンザにゼッタイ感染しないのか? | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2023年10月12日

「暗黒の夜を追い払い,
光明の太陽を呼び出す神秘な鳥」

・・・って何だと思います?

ファンタジー映画の世界じゃありません。
じつはニワトリのことなんです。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

梅雨があけまして、
太陽カンカン照りの夏ですね!
テンション上がります。
そして、

太陽・・といえばニワトリ

なんですね。

 

◆太陽とニワトリのつながりは強い!

「ニワトリ=太陽の関係者」

じつは太古の昔から、
この2つは世界中で
関係づけられてるんです。

 

かつてニワトリさんは
「食用」ではありませんでした。

人間と出会った頃は
セキショクヤケイという種で
ハトよりちょっと大きいくらい

クジャクなど、
もっと大きくて肉もおいしくて
たまごも多く生む鳥が
ほかにもたくさんいたんですよ。

 

にもかかわらず
家畜として広く飼われ始めた
その理由の一つに、

「時間の正確さ」

があります。

 

朝、夜が明けるとかならず鳴く。

ようはアラーム、目覚ましです。

これが、昔の人々にとって
たいへんたいへん
貴重な存在だったのです。

狩猟から農耕化するにしたがい

「規則正しい生活ができるぞ。」

という価値が大切になったので、
めちゃくちゃ必要になりまして、さらに

「あのトリが鳴いたら
かならず太陽が昇ってくるな。」

となり、
「ニワトリって太陽とつながりあるんじゃ・・・!?」
となったわけです。

 

じっさい、たとえば日本では鶏は

「暗黒の夜を追い払い
光明の太陽を呼び出す霊鳥」

として重要視されていました。

最古の歴史書『古事記』では
太陽の神様が隠れ
世界が暗黒となった際に、
常世の長鳴鳥(ニワトリ)を
た~くさん集め鳴かせて、
岩戸の外に出させてます。

 

中世ヨーロッパでも
雄鶏太陽の象徴となってまして

悪魔を追い払うものとして
家の屋根や教会に模型が取り付けられ
ローマでは戦士の兜にも
意匠として必ずつけられていました。

その影響か、
いまでもフランスでは
雄鶏は『勇気の象徴』です。

インドなんかすごくって、
古代インドでは太陽崇拝と結びついて
『霊鳥』として「食べちゃダメ」と
禁止令まで出ていたくらい。

中国でもおなじく霊鳥あつかいでした。

 

◆ニワトリ自身は暑さが苦手

とはいえ、ニワトリさんは
暑いのが得意ではありません。

なにせ天然のダウンジャケットを
年中着込んでますから、
体温調節にはちょっと苦労してまして

夏場は食欲も落ちるため、
環境や飼料の配合にも
工夫が必要になってくるんです。

バテても食欲のわきやすい配合に
するんですが、
これって人間と似てますよね。

 

放し飼いでも、日中はこの時期
太陽を極力さけるように
日陰に集まっています。

『太陽を呼び出す存在』なのに、
なんだかおもしろいですよね。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(参照:英米文学鳥類考 桝田隆宏)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2023年07月26日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

週刊ポストセブンで

「百歳以上の長生きはB型が多い」

という事について書いた記事が
ちょっと話題になっていますね。

 

厚労省の補助金事業「健康長寿に関する要因の研究」
というのが昔あったのですが、
そこでのデータが元になっています。

「百寿者にB型が多い理由としては、報告書が分析する通り、病気と血液型の関係が考えられます。A型は細菌感染、O型はウイルス感染しやすく、病気もがんや血栓性疾患はA型、自己免疫疾患や出血性疾患はO型に多い。一方、B型はそれらの病気になりにくく、長寿になった可能性があります」(記事中)

とのことで、
ようは免疫が違うため

特定の血液型が
病気になりにくい。
だから長生きが多くなる

ということのようです。
なかなか面白いですね~。

僕はA型なので、
がんと血栓症に気を付けるべき
なんですね。

他にも、血液型によって
ノロウィルスの耐性が
だいぶん違うことが
分かっています。

これもB型でして、

B型の人だけノロウィルスに
かかりにくいんだとか。

うらやましいですね~。

コロナウィルスでも
血液型の差で耐性のちがいが
あるかもしれないですね。

こんなに大勢の人がかかっている
わけですから疫学的統計データが
今後明らかになってくるかもしれません。


ちなみに、

ニワトリには
22種類の血液型があります。

研究では、A,B ,C ,D ,E ,F ,G .H,1 ,J ,K ,L ,M ,N ,0 ,P ,Q ,R ,S ,T ,U 及びW の22種類の血球が確認されていて、

いくつかの病気に対する
耐性の違いも研究で示唆
されています。

そこで、もしかすると
人間ではムリだけど
ニワトリさんになら・・・
可能なことがあるんです。

それは、良い血統を残す・伸ばすこと

いま現在、
史上最悪レベルでの
鳥インフルエンザまん延が
日本中で起こっています。

空前の大被害となった
のが2020年ですから、
わずか2年おきに
大発生していることに…

人間にできないけども
畜産動物なら・・・ということ

ひとつには優秀な血統の育種
ということが挙げられます。

サラブレッドなんかも
そうなんですが、

良い血統をどんどん伸ばそう

ということに、ドライに
取り組める余地があるわけです。

産卵率やたまごの質などと共に
これからはウィルスにどれだけ
かからない、耐性があるか

そんな考え方が、今後、
思った以上に重視されてくる
かもしれません。

いつのまにか

「ニワトリはB型エリートばっかりになりました。」

なんて時代が来るかも。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2023年01月16日

昨年後半より記録的な
鶏卵相場の高騰が続いています。

2023年今後に何が起こるのでしょうか


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

鶏卵相場が高くなっています。

30年間無かったとんでもない
高騰でして、

たしかに僕もここまでの
事態は初めてです。

ただ、『これでも適正な価格だ。』
という意見も多い状況なんです。

まず、なぜこうなっているかと言いますと

一つには、供給量が大きく減っている
のが原因です。

たまごは輸入による調整も
冷凍など長期保存による
流通調整もできないですから

レタスやキャベツ、葉物野菜と同じで
短期的な買い―売りの需要
バランスで市場の価格が
大きく変動するんですね。

そしていま、
たまごは、二つの理由で
大きく生産量が減っているんです。


理由その1:飼料価格の大高騰

ウクライナ戦争、為替の問題、
コロナ禍の影響などで
世界的な穀物価格の上昇がありまして、

飼料価格は二年前から5割増しの
コスト増になっています。

さらに相場価格が昨年前半
まだ低めだったため、
「飼っても合わない。」と
減産や廃業が相次いでいます。

 

理由その2:鳥インフル処分による減産

過去最悪の発生と言われた
一昨年の2020年には、
ひと冬の間に全国51農場で
鳥インフルに罹患-処分がありました。

そして今年
いま正月明けですから
冬はまだ半分なんですが、
すでになんと55農場で発生しています。
最悪を更新する勢いなんですよね。

それだけ想定外のニワトリさん
殺処分があり需要期の減産と
なっています。

 

◆過去の遺産で2月に大不足!?

そして・・・

来る2月には、昨年末のように
ふたたび大きく相場価格が
上がる可能性があります。

 

遠因は2年前にあります。

たまごを採る農場の場合、
鳥インフル発生→処分のあとは
フルに鶏を補充することができません。

ニワトリは約2年間たまごを産みます。
入れ替えの瞬間は生産量ゼロになっちゃいますから、

安定供給のため
何ロットかに分けて
ヒナを入れていき、

年齢をずらしておく
必要があるのです。

ですが・・・
2年前の際には、
あまりに大不足したため
一度に全数のニワトリを
入れてしまっている農場が
いくつもあったのです。

すると・・・、2年経ったら、
いったんゼロにして、
全てのニワトリを入れ替える必要がある・・・

それがつづくのが
ちょうど2月・・・と
予想されているんですね。

ですので来月には
「全国で大幅な鶏の入れ替え」
という『理由その3』ができてしまうのです。

もしかすると、昨年末の大高騰を
超える可能性もあります。

 

◆相場変動のたまごは「早めのご注文」が吉!

なので、
1月中盤→2月~3月は
連日たまごが高騰する可能性が
ありますので、

相場変動お取引をされている
ご飲食店さんは、
可能な限り早め早め、少し多めに
ご発注されるほうが、
トータルでコストを抑えられるかと
思います。

昨年末には、
わずか一週間で20円UP/㎏もの
相場上昇タイミングもありました。

冬場はたまごの保存性が高いです。
4,5日余裕を見てご注文される
だけで、だいぶん違ってくるのでは
ないでしょうか。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2023年01月7日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「過去にない規模の台風」

と気象庁が呼称する大きな台風が
日本に来ています。

我が四国も直撃コースですが
ホント各地で被害少なくすむことを
祈っております。

ひとたび台風が来ますと鳴門大橋、
明石大橋が止まっちゃいますから

たまごの出荷は予報を見ながら
その前日にお客様と連絡を取りあって
台風直前にたまごを送り出します。

四国は台風によく当たりますので
刻一刻と近づいてくる台風情報には
とんでもなくお世話になっています。

考えてみると、
はるか数千キロかなたの
発生した直後からこうやって監視
できるだけでもありがたいことなの
かもしれません。

◆台風のせいで小さな養鶏に?

江戸時代の台風は「野分(のわき)」
と呼ばれていました。

そのころは
各地の連絡網すらないですから

「いきなり今から暴風圏内」

なわけです。

「なんか風が強くなったかなぁ…?」

なんて思っていたら
とんでもない事態になるわけ
ですから、気象予報期以前に
住む人の被害や不安は想像に
難くありません。

もともと明治以前の
日本の養鶏はとても規模が
小さいものでした。

海外に輸出できるくらいの
猛烈な量産がされ始めたのは
昭和期にはいってからでして、

江戸時代には
農家さんが畑仕事のかたわら
小遣い稼ぎにちょっと飼育する
そんな養鶏が一般的でした。

江戸中期以降
たまご料理が一般に普及して
多くの方が食べるようになった
のにもかかわらず、

ある程度以上の規模での養鶏が
まったくされなかった理由は、

考えてみると”野分”のせい、
台風がいきなり来るたびに
産業がリセットされてしまう
から…なのかもしれません。

元来、畜産動物の中でも
際立って小さいのがニワトリさんです。

風で飛ばされやすいですし、
建屋がこわれたら
どこへ逃げていくのかも
分からないわけです。

過去のイグノーベル賞の中には
『風を受けるニワトリの羽根の
ちぎれ具合で竜巻の風力を計測する』
なんていう研究もあったくらい
風による影響って、ニワトリさんには
大きいのです。

木造が主な日本では、本業として
大規模飼育をする商売人・農業人は
そんなリスクを考えると
なかなか現れにくかった
んじゃないでしょうか。

 

◆台風でたまごの品質は?

ありがたいことに
今では予報をもとに
全国の農場で対策ができます。

そして、たまごに関しては台風で、
たまごの品質が変わることは
ありません。

通常どおり産んでくれる
ニワトリさんに感謝ですね。

ただし、
血卵(やや血の混じったたまご)
が増える可能性があります。

たまごは中身ができて、
「最後の段階」でカラができます。

そのタイミングで
ガシャン!なんて風で
大きな物音なんかがすると
ニワトリはびっくりして
体をどこかにぶつけることが
あります。

そうすると、卵管内で
少し出血してしまい、
たまごの内部に
血が混じってしまう・・・

そんなことがありえます。

ですので、台風後の
検卵工程ではこの血卵について、

いつも以上にチェックをするのです。

(ちなみに血卵は
不適卵(規格外で使用しないたまご)
ですが、万が一食べてしまっても
問題ないとされています。)

 

なんにせよ、
被害少なく通り過ぎてくれること
祈っております。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2022年09月18日