小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごと偉人有名人のエピソード 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

偉人と卵のエピソード第6弾。

今回は19世紀ドイツの伝説的宰相、ビスマルクさんです。

ドイツ帝国の首相として辣腕を振るった方ですね。

諸侯によってばらばらだった小国プロイセン王国をまとめあげ

ドイツ帝国を確立し、

領土拡大を狙うナポレオン3世率いるフランスを封じ込めるためにオーストラリア・イタリアと同盟を結びイギリスやロシアとも協調、

またエスカレートしていたアジア・アフリカの植民地奪い合いも各国の思惑を巧みに操り均衡させてしまう・・・・・・、

とんでもない外交実力者だったお方です。

なにせ19世紀後半期から第一次世界大戦までのあいだ、

欧州においてピタリと戦争がなくなったのですが、これはビスマルクさんのたくみな外交手腕のおかげと言われています。

うーん、すごい!

 

◆日本でも大人気だったビスマルクさん◆
彼は、ドイツを大国にするため「強いドイツ」を呼びかけ軍備拡張をおこなったことから、「鉄血宰相」のあだ名で呼ばれていました。

日本でも、この方の大ファン(?)が当時たくさんいまして、

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明治の総理大臣、伊藤博文サンはビスマルクさんのマネをして人前で葉巻を吸っていましたし、

“陸軍の父”山縣有朋さんは家にビスさんの銅像を飾って「日本のビスマルク」を自称していました。

旧500円札でおなじみ岩倉具視さんや、明治維新の立役者・大久保利通サンも「あの人はスゴイ!大先生だ!」と手紙で評しており、大きな感銘を受けていたようです。

 

 

◆大人気!ビスマルク風料理とは!?◆

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さて、このビスマルクさん、卵料理が大っっ好きだったんですね。

とにかくいろんな料理にたまごをつけ合わせることを好みました。

「ビスマルク風」という料理があります。

いちばんメジャーなのは、「ビスマルク風ピザ」でしょうか。

目玉焼きや半熟たまごを乗せた料理のことを指します。

もともとは、ビスマルクさんがステーキに目玉焼きを乗せて食べるのが大好きだったことから、『目玉焼きを乗せた料理』のことをビスマルク風と言うようになったんですね。

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これがまたウマい!

ハンバーグやピザ、もちろんそれだけでも十分美味しいわけですが、

目玉焼きが横にチョッと乗っている

それだけで、子供からおジイさんまで大満足!さらなる笑顔の素敵メニューにランクアップです^^

たまごの半熟黄味は旨みたっぷりですから、料理の塩かどや辛みなどもまろやかにしてくれ、また口当たりを滑らかにすることでより濃厚に肉やチーズのうまみを引き立ててくれます。 「ビスマルク風」は、美味しさの観点からも実に理にかなった料理なんですねー。

 

◆美食と質素のとりあわせ
このビスマルクさん、ドイツ国家の礎を創った方にもかかわらず、私生活では

「イスとテーブルさえあればいいんだ。」

という質素な人柄だったそうです。

清貧な生活を唯一彩る、美味しい卵料理・・・・・・なかなか興味深いです。

外交手腕をふるっただけではなく、全国民加入の社会保険制度を立ち上げなど、たくさんの方の幸福を願ったビスマルクさんと、

どんな料理でも相性抜群、お皿の上に表現される、ビスマルク風たまご料理の幸福。

納得のいく組み合わせじゃないでしょうか!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

関連:超たまご好きだったモーツアルト – たまごのソムリエ面白コラム

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

偉人と卵のエピソード第5弾!

今回は誰もが知っている天才音楽家、モーツアルトさんです。

彼は大の卵好きだったのをご存知でしょうか?

『モーツアルト風目玉焼き』

というものがあります。これは、『最低でも4個』のたまごを使った目玉焼きの事を言います。

実際の史実では、6個!

モーツアルトは、自分が作曲する興行師の家に招かれるたびに、必ず食事で黄味6個の目玉焼きをリクエストしたのだとか。

 

◆貧乏からの逆転発想!?
なんでこんなに卵好きだったのか??

それは、『常に貧乏だったから』とも言われています。

モーツアルトは博打好きでとにかく浪費家であったようです。

沢山作曲して、いくら稼いでもその端から使っちゃうわけですね。

うーむ。

お金がない。食べるのにも困っている。とにかく他人の家でごちそうになるなら、栄養のつくものをため込まなくてはいけない!

そこで「卵だな。」

そう考えたんじゃないかというお話ですね。

たまごは完全栄養食とも言われるくらいのバランスよく栄養が摂れる食材です。なるほど理に適っているとも言えますね。

 

◆たまごが産んだ天才性!?
たまごの黄身に多く含まれる『コリン』という物質は、最近の研究によると“記憶を向上させる物質”だと言われています。

アルツハイマーにかかった方の脳からは、このコリンが極端に少なくなっているとの研究結果も出ています。

また、モーツアルトはとにかく記憶力が良かったと言われています。

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12歳の時にローマに行った際、門外不出として譜面持ち出しを禁じられた秘曲「ミゼレーレ」を、大聖堂での歌として聞いただけで全て覚えて写譜してしまったという仰天のエピソードが残っているくらい。

もしかすると、卵好きがモーツアルトさんの天才性に影響していたのかもしれませんね!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

関連:鉄血宰相ビスマルクの目玉焼き愛 – たまごのソムリエ面白コラム

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

卵と偉人のエピソード第四弾です。

王様、というと着替えから何からまわりの従者が全てやってくれるイメージがありますが、中にはそうでない方もいらっしゃいます。

その方は、フランス国王アンリ4世

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ブルボン王朝初代の国王で、フランスで最も人気の高い王様のひとりです。 宗教戦争を終結させ、内戦で疲弊した経済をたてなおし国民生活の向上につとめたほか、悲惨な戦争を防ぐための“国連軍構想”を立てるなど非常に有能な王様でした。

しかし、敵も多かったためか、たびたび命の危険にさらされていまして、生涯でナント!17回もの暗殺未遂で殺されかけています。

そんな毎日ですから、食べるものにも極端に気を使わなくてはなりません。

漫画『ゴルゴ13』では、主人公デューク東郷さんは毒殺対策から「封を切ってない酒しか飲まない」という習慣を持っていました。

アンリ4世も同じように考えまして、「カラの割れていない卵なら、毒は入れられないだろう。」と、毎日川で水を汲み自分で茹でたまごをゆでて食べていたんですね。

王宮から川へ、毎日です。

国王なのに。

まァ、このアンリさん、非常に気さくな方でして町民にも気軽に声をかけて会話に混じっていたそうで、あんがい“庶民の自炊生活”も楽しんでやっていたのかもしれません。

 

◆平和の訪れが食文化をつくりだす◆
アンリ4世の治世、1600年代前半は、庶民の食文化が発展した期間でもあります。 アンリさんは「日曜日にプール・オ・ポ(鶏の煮込み)にありつけない農民を無くしたい。」と宣言していました。 この『鶏の煮込み(プール・オ・ポ)』は当時の食文化のだ大発明だったんですね。 新たに食べられるようになったホウレン草、カブなどの野菜と共に、シンプルでありながら栄養と滋味を残さず摂取できる新メニューでした。

貧しさを無くす!

この想いのこもった鶏の煮込みが、後の「シチュー」と呼ばれる料理へとつながるんですね。

さて、

こういった細やかな気配りもあって、アンリさんは「良王アンリ」なんていうアダ名まで付けられる人気っぷりでした。

しかし、

国民の生活、

自分の安全、

そこまで気を配っていても、最後は馬車に乗り込むところを反対派に刺し殺されてしまうんですね。

うーん。

寒い時期になってまいりましたが、美味しいシチューが食べられるのも、このアンリさんのおかげなんだなー。としみじみ感じます。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

偉人と卵のエピソードシリーズ第三弾です。

皆様ご存知、万有引力を発見したニュートンさん。

彼は、とにかく熟考の人でして、何かをしながらずーーーっと考え込むなんてことはザラでした。

代表的なエピソードが、卵を茹でようとしたときのこと。 お湯を沸かしている途中、ふかーく考え込んでしまいました。 ハッと気づいた時には、懐中時計をグツグツ茹でながら左手に生卵を握りしめていたんだそうです。^^;

ちなみに懐中時計は平均すると70gから90gくらいの重さ。 これはちょうど、ちょっと大きめのたまご一個分の重さとおんなじなんですね。 無意識にどっちか間違えて放り込むことも、まァあるかもしれません。

 

◆とんでもないモノの「味」を記録したニュートンさん

ニュートンさんは、隠れて錬金術の研究を続けていました。つまり安い金属を金に変える技法の研究ですね。 その過程で、なんと水銀を舐めて味を確かめていたんですね。

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ひえー!

「舌に強い刺激、しびれる味」という記録を残しています。

ニュートンさんの死後に毛髪を調べたところ、毛根部分から多量の水銀が検出されていまして、『錬金術の過程でしょっちゅう水銀を舐めていたのだろう。』とも言われています。

その結果、、、かどうかは分かりませんが、年を経てからのニュートンさんは奇行をくりかえし、周囲ともひどく対立しまくっておりまして、「もしかして水銀中毒だったんじゃ?」という説もでているんですね。

ニュートンさんは太陽を拡大鏡で観察して瞳を焼き失明しかけたり、とにかく研究のためにかなりムチャをやる人でした。

その強い探究心が数々の大発見につながったんでしょうね。 常人がマネすると大変なことになりますが^^;

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

関連:ライト兄弟の名スピーチと鶏さん – たまごのソムリエ面白コラム

関連:2週間で9kg減!?鉄の女・サッチャー首相のたまごダイエットレシピ- たまごのソムリエ面白コラム

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

ライト兄弟が、世界初の動力飛行機を成功させた後のお話し。

兄オーヴィル・ライトはスピーチを頼まれた場でこう述べました。

「オウムのように良くしゃべる鳥は飛ぶのがヘタです。
飛ぶのが上手な鳥は、おしゃべりをしません。
僕のスピーチもこれで終わります。」

とても短いスピーチでしたが、大喝采だったそうです。

ライト兄さん、ホントにスピーチがヘタなんでしょうか!? かなりセンスありますよね。

 

実はライト兄弟の飛行機が正式に特許を認められてから、まだ100年しか経っていません(1914年正式取得)。

◆大発展は名コンビのおかげ・・・・・・!

さて、「飛ぶのが苦手な鳥」のもうひとりの代表といえば、我らが「ニワトリ」さん。

そのニワトリと飛行機には、ある大きな“共通点”があります。

それは、19世紀後半に発明された科学技術とコラボしたことで、大発展したということ。

まず飛行機ですが、

ライト兄弟が正式に特許を取ってからたった100年(1914年正式取得)。 現在では、約3万機もの航空機が世界中を飛び交っています。

わずか百年で世界中に広がったこの大発展は、飛行機設計が「アルミニウム金属の精錬技術」とくっついたおかげ。

あらゆる土に含まれていながら19世紀後半まで取り出す技術が無かったこの金属は、 めちゃくちゃ軽量でやわらかくて加工しやすくて、飛行機を作るのにピッタリだったんですね。

そして、ニワトリさん。

実は広く一般に食べられるようになってから、150年程度しか経っていません。 小さくて効率よく育てられる反面、内臓の割合が多いため腐りやすく、遠くまで運べないのがネックでした。 それが、同じく19世紀後半の新技術である「冷蔵技術」の発達によって、たくさん飼われるようになったんです。

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現在は世界中で110億羽!畜産動物としてダントツの一番になりました。(牛は13億、豚は約9億頭)

 

◆長所を活かす大切さ
上記のライトさんの名スピーチは、見方を変えると「それぞれの強みを活かす」という意味でもあります。

「空を飛べる」「おしゃべりでカワイイ」…鳥でもその強みが全然違っていて、それぞれ価値があるわけです。

我々も、飛行機やニワトリさんのように、自分の良さを高めてくれる良い「出会い」を見逃さないようにすべきですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:鶏さんとベーコンの意外な関係 – たまごのソムリエコラム

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日は、鶏さんとベーコンについて。

 

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・・・と言っても料理の話ではありません。

 

イギリスを代表するエリザベス朝時代の哲学者、フランシス・ベーコンさんと鶏さんのエピソードです。

フランシス・ベーコン(エリザベス朝の哲学者) 
→鶏の腹に雪を詰め込んで保存する実験で風邪をひいて死亡 

ベーコンさんは哲学だけでなく、数学・論理学・法学・神学、あらゆる面で深い研究成果を残したスゴイ方。

あまりの多方面にわたる博識ぶりから、同時代の謎多き人物「シェイクスピア」と同一人物ではないかとも疑われているほどです。

学問的には「帰納法」を提唱した人で、「知識は力なり」“Ipsa scientia potestas est”という言葉が有名です。

このベーコンさん、実は鶏の腹に雪を詰め込んで保存する実験中に風邪をひいて死亡しているんですね。

天才学者の残念な死ですが、はてさて、なぜそんな実験をしていたんでしょうか?

 

惜しい家畜だった鶏さん

ニワトリさんは小さく飼育しやすい動物なのですが、実はその反面「鶏肉」はとっても保存しにくい畜肉なんですね。

一般的に、動物の肉は内蔵から痛みます。 内臓に多数の「常在菌」を持ってるからです。 なので、体がちっちゃくて内蔵の割合が多いニワトリさんはすぐに腐っちゃうので、たとえ大量に飼育生産したとしてもそれを遠くまで持っていくことができませんでした。

ですから、内蔵から遠い肉部位が多い、牛・豚・ヒツジが食肉として広く普及したわけです。

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紀元前から広く飼われ旧約聖書やコーランでも記される牛・豚・羊と異なり、大量飼育された鶏肉が多くの家庭の食卓に上るようになったのは、なんと冷蔵技術が発達した19世紀後半。たった150年前。 牛豚羊より数千年遅れての一般普及になるんですね!

さて、ベーコンさんの実験は、要するに長年の難題であった「鶏肉の保存性」をなんとかしたいという研究だったようです。(※たまごは肉と比べ「保存しやすい」食材として重宝されていました)

けっきょく彼の死から二世紀半たってようやく鶏さんの大規模飼育が始まるのですが、わずか150年間で鶏さんは110億羽!にまで増え、畜産動物としてぶっちぎりのナンバーワンに輝いているんですねー。

ベーコンさんが生きていれば、また全然違った食の歴史になっていたかもしれませんね。

「ワシの考えはやはり間違ってなかったぞい。」

ベーコンさんもそんな風に天国で言ってるかもしれません。(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。