小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの健康情報(研究など) 記事一覧

卵アレルギーの3日続けてのお話、最後です。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

昨日、一昨日と卵アレルギーについてお話しました。

どうして卵アレルギーになるの?それを防ぐには?【アレルギー最新話 その①】

早期に微量の卵を食べると卵アレルギーにならなくなる【卵アレルギー最新話 その②】

赤ちゃんのうちに、

ほんのちょっと(0.2g)の

ゆでたまごをできるだけ早期

(4ヵ月~)から食べると

卵アレルギー発症率が8割減になる

 

というお話でした。

すこし補足ですが、

卵に限らず他の食材も

早期に食べるほど

アレルギー発症を抑えられますので、

 

海外では

いろんなアレルゲンになり得る食材が

微量ずつ入ったパウダーが売ってまして

それを毎日ミルクにまぜて

飲ませるだけで

アレルギー発症予防になります。

なかなか合理的です。


さて、

とはいえ、残念ながら

卵アレルギーになっちゃった

というお子さんもいらっしゃいます。

 

そんなお子さんが、

数あるたまご料理を楽しむには

どうしたら良いのでしょう?

また、お店のメニューを

食べてもらうことって

できるのでしょうか?

 

ざっくり言うと、

卵アレルギーのお子さんが

たまご料理のチャレンジできる

3つの方法があります。


その①:加熱する

卵アレルゲンは

比較的熱に強いですが、

それでも加熱によって比較的反応が弱まります。

 

クッキーや揚げ物の衣のように

強い熱を加えた料理なら、

症状を弱く抑えられる可能性もあります。

 

その②:水にさらしてアレルゲンを除去する

強い卵アレルギーを引き起こす

たんぱくは水溶性ですので、

流水に10分程度さらすことで

反応を弱くできます。

 

その③:たまご抜きの「たまご料理」を作る

最後に、あくまで

「たまご料理を楽しむ」

ことを主に考えてみます。

 

ぶっちゃけると、たまご抜きでも

「たまご料理」を楽しんでもらう事はできます。

じつは、『卵を使わないたまご料理レシピ』

というものがあります。

 

けっこうすごくって、

卵無し「卵かけご飯」や

卵無し「玉子焼き」、

「スクランブルエッグ」「目玉焼き」…

などなど、「それホント!?」と

言ってしまいそうな

ビックリな卵抜きレシピが存在します。

専門書もいくつかありまして、

ウチの事務所には

必ず一冊おいてあります。

 

年に何度か、

卵アレルギーでも食べられるたまごを、

とお探しに来られる方が

いらっしゃるんですね。

 

そんなときに

「卵を使わない玉子料理の本」を

差し上げることがあります。

 

子供さんが

ずっとたまごが食べられないと

大人になった時に

たまご料理があまり

好きじゃなっちゃうかもしれません。

 

それじゃあ、将来もったいない。

なので、たまご抜きのオムライスや

目玉焼き、プリンなんかを

楽しんでもらって、

 

未来で治ったときに、

たまごを是非、楽しんで欲しいのです。

なので、積極的に

たまごレス玉子料理について

お伝えしてるんですね。

 

また、最近は、

ヴィーガン向けに

植物性素材だけで作った

たまごっぽい食材が

海外でも数社、

日本でもキューピーが出してまして

 

アレルギーのお子さんの

選択肢も広がっています。

ぜひアレルギーの方向けの

お店のメニューとしての

こういった素材の導入も、

考えてみてはいかがでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2022年03月29日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

昨日の続き、

『赤ちゃんが

ちょっとのゆでたまごを

できるだけ早いうちから

口にすると、

劇的に卵アレルギーの

発症率が下がる』

というお話をします。

 

昨日は「なぜ卵アレルギーになるのか?」

を中心にお話しました。

どうして卵アレルギーになるの?それを防ぐには?【アレルギー最新話 その①】 | たまごのソムリエ面白コラ

アトピー性皮膚炎の症状がでている

赤ちゃんのひふに食物の粒子がつくと

それを敵だ!

と誤認するようになった抗体が、

食物アレルギーを起こすようになる

 

食べた人、大人の口からも

食べものの粒子が出て

空気中をただよって

赤ちゃんの皮膚についちゃうので、

 

卵に限らず

アレルギーを起こす可能性が

あるんですね。

 

じゃあ、どうすれば良いかと言うと…

 

◆微量を食べるだけで体が慣れる!?

それを解決するのが、

『はやくに微量を食べて

体内から慣らす』という方法。

 

「経口免疫寛容」って言いまして、

口から食べてると

「あら!これって“敵”じゃなくて

カラダに役立つ栄養なんだな。」

ってカラダがだんだんと考える

ようになるんですね。

つまり、

皮ふにくっついて

敵認定される前に

さっさと口から取り入れて

先に味方認定させる

これが、

最新のアレルギー研究による予防対策なんです。

(2重アレルゲン暴露仮説といいます)

 

内と外の

『競争』ですから、

食べるのが早ければ早いほど

良いわけです。

 

日本アレルギー学会も、

これらの研究結果を受けて

『アトピー性皮膚炎はつるつるにして

生後六か月から卵を食べましょう』

って提言しているんですね。

 

うーん、

興味深いですね。

まぁ人間だって、

会った事無いヒトが

いきなり窓から入って来たら

怪しい!泥棒か!?

ってなりますよね。

 

きちんと玄関(口から胃へ)から

しょっちゅう遊びに来る人は、

「友達だもんね。」

ってなるわけです。

なるほど。

でもそうは言っても・・・

 

まだおっぱい飲んでる赤ちゃんに

食材を食べさせるのって

すごく大変ですよね。

 

そこで、浜松医科大学では、

めっちゃ微量の卵を食べても

効くかどうか!?

を検証したのです。

 

その結果、

生後4か月~の赤ちゃんが、

一日0.2gのゆでたまごのカケラ

米粒8つぶ分くらいの少量を

毎日口にするだけで

効果はバツグンという事がわかったのですね。

 

なんと、8割の赤ちゃんがこの方法で

発症予防できたそうです。

つまり5分の一に

卵アレルギーを減らせたということ。

 

すごいですね。

 

ほんのちょびっとのゆでたまご

早期の離乳食(4~6か月開始)

 

赤ちゃんがいらっしゃる

お母さん、ぜひ!お考えくださいませ。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:子供をアレルギーにしない、「お母さん」の食事 | たまごのソムリエ面白コラム

(参照:卵の早期導入と卵アレルギー発症予防の研究 浜松医科大学 夏目統氏 たまご研究会2022)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2022年03月28日

3日にわたって、卵アレルギーについてお話します。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

すこし前ですが、

浜松医科大学・小児学専門夏目氏の

最新の卵アレルギーに関する知見を

聞く機会がありました。

 

ざっくり言うと、

『赤ちゃんが

少量のゆでたまごのカケラを

できるだけ早いうちから

口にすると、

 

劇的に卵アレルギーの

発症率が下がる』

というもの。

 

以前にも同様の結論で

20万人を対象とした

海外の研究をご紹介しましたが、

 

さらに研究を重ねた結果

微量のたまごでも

その効果は大きい

ということが分かったのです。

 

◆そもそもなんで卵アレルギーに…?

もともと

『アトピー』と『食物アレルギー』

両方になる人が多くって

 

この2つ

関係あるんじゃないの?

…と分かっていたのですが、

 

どっちが先か?というのが

ずっと論争になっていました。

 

で、最新の研究で、どうやら

「アトピーが先にあって、

その影響で食物アレルギーになる」

という事が分かってきたのです。

つまり…

アトピーの子供がいて

皮膚が炎症している

 

そこに、

卵など食物を

一緒に住むひとが食べると

空気中にその食物の

微量な成分が拡散する

 

それが赤くはれている皮膚について、

だんだんアレルギーとなっていく

 

どうもそうらしい、ということが

分かってきたのですね。

 

蕎麦アレルギーが大変

って聞いたことありませんか?

 

でも実は、そばアレルギーの人は

近年激減しているんです。

 

それは、なんと

『そば殻』のマクラが減っていて

皮膚につける人がいなくなってるから

と言われているんですね。

 

つまり、

過剰反応している最中の皮ふに

食べ物の粒子がくっつくと、

「敵だ!」と認定しちゃう。

残念ながら、

たまご料理をつくって食べると

卵の粒子、抗原が

部屋の中に増えます。

それが、皮ふについて敵認定されるんです。

 

これは、食べた後の口からも

粒子が出ちゃいますので、

料理も食事もしない場所、

ベッドルームでも増えます。

 

うーん、困りますね・・・

「じゃあ、大人も食べなきゃ

いいんじゃないの?」

と思われるかもしれませんが、

 

このメカニズムは

どの食材でも起こり得ますので

卵を食べなくても結局他の食材で

起こっちゃうかもしれないんですね。

 

じゃあ、どうすれば良いのか…?

すこし長くなりましたので、

明日ご説明しますね~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2022年03月27日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

糖質制限フードとしても卵が見直されている卵。

少し前の話ですが、米国の有名ラッパー・アクション・ブロンソン氏が、卵とチキンのメニューでなんと!57kgの減量を達成した事を自身のSNSで報告して話題になっていました。

たまごは

・低糖質(というか糖質ゼロ)

・理想的なアミノ酸バランス

・炭水化物や中性脂肪分解するビタミンB2が豊富

・ダイエットで不足しがちな鉄分ミネラルが豊富

と、ダイエットには非常に向いている、

というかメリットだらけなんです。


ブロンソン氏はどんな食事を毎日していたのかというと、

朝食… やわらかめのスクランブルエッグとプロテインシェイク

昼食… 卵の白身5~10個分とチキンソテー、大量ブロッコリーのガーリックオリーブオイル炒め

オヤツ… シナモンと蜂蜜でローストしたナッツ

夕食… 鶏肉とブロッコリー中心にした低糖質料理

だそうです。

卵の白身は特に高たんぱく低カロリーで水溶性ビタミンが豊富、ボディビルダーやプロレスラーなど、筋肉づくりをされる方が好んで食べることが多い素材です。とはいえ、昼食1食で卵5~10個分とは結構な量ですよね。

それに加えて朝食スクランブルエッグの分もありますから、更に卵を摂ってるわけですよね。

僕も毎日10個程度のたまごを17年間食べ続けていますが、

1食あたりとなるとせいぜい3個ずつくらい。

うーん、負けてます(笑)

ちなみにブロンソン氏はラッパーとしても有名ですが、シェフ業も営むプロの料理人。

同じくSNSで挙げている料理もダイエットフードには全く見えないステキ料理でした。

きっと美味しいんでしょうね~。

あと運動ですね。ブロンソン氏は、毎日の筋トレは欠かさなかったそうです。

僕もブロンソン氏ほどではないですが、たまご+運動+糖質制限で3か月で15kg痩せましたので、理にかなってるんだなぁ、と感じています。

「コロナ太り」なんて言葉もあるようですが、ぜひ打破してスリムな体系を取り戻すために、卵&鶏肉ダイエット、試してみてはいかがでしょう!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:Action Bronson Lost 127 Pounds Eating Eggs, Chicken, and Broccoli)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2021年07月7日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

つい先日、献血に行ってきました。

半年に一回の習慣です。

僕は仕事柄、毎日たまごを食べます。

メニューの試作や趣味、開発、品質チェックなどで多い時で十数個のたまごを一日に食べることもありまして、計算してみると、たまご屋の3代目を継いでからすでに5万個以上のたまごを食べ続けていることになります。

ところで、医学研究発表によると、

卵を食べると血中のコレステロール量は下がります

卵自体にはコレステロールは比較的多く含まれるのですが、

コレステロール総量自体は大きな問題ではありません。

なぜなら人体に必要なコレステロールの7割は体内で作られているからです。

事実、数年前に厚生省はコレステロール摂取量の上限撤廃をしています。

ただし、血中に多量のコレステロールがずっとあると、その油分が血管中で邪魔をして血流を阻害するなど、健康にマイナスな面もあるのです。

たまごの黄身に多くある「コリン」という物質に

両親媒性という油とも水とも親和する効果があるため、

血管中にこびりついているコレステロールを包み込んでミセル化し、肝臓や細胞へコレステロールを片づけてくれるのです。

いわば、血管の掃除屋さん!

なので、血管を狭めてしまう……なんていうリスクを、卵を食べると低くできる、とされています。

下記は僕が半年に一度やっている献血の結果ですが

僕の血中コレステロール値を見ると・・・

少し見にくいですが、基準の線が140~260ミリグラム/dlです。

毎日これだけ卵を食べているのに、

コレステロール値は標準より低い!

うーん、ステキですねェ。

僕はくいしんぼうなので、いくら卵が健康に良くても摂取カロリー自体が多いので、そのヘンをもう少し改善しないといけません。料理の塩分もですね(汗)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2020年05月8日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先週発表された最新の研究によると、

卵を毎日食べることで、子供の成長率が著しく伸び、

発育障害のリスクが半分になることが判りました。

学術誌「ジャーナル オブ ペディアトリクス(小児科)」発表の報告によると、

エクアドルの貧困地域にて、生後6ヶ月から9ヶ月の乳児80人

一年間毎日たまごを食べたところ、

・成長率が著しく増加

・発育障害の発症率が47%低下

という効果が見られたそうです。

発育障害とは、

成長期に成長が阻害されることにより、

大人になっても身長や体重コンディションにずっと影響が出てしまうこと。

ちなみに低体重の子供は、研究中に74%も減ったそうです。

すごい!

WHO(世界保健機関)によると、

現在、発展途上国などを中心に、

5歳以下、1億6200万人の幼児が発育障害の危険にさらされており、

卵を食べることで、大幅に、

その危険性を減らす助けになるわけですね。

主任研究者であるワシントン大学(米国)のローラ・イノッティ博士いわく、

「たまごは胃の小さな子供達にとって最高の食べ物です。」

「たまごの沢山ある栄養素のうち、どれがその効果に効いているかは、まだわかっていません。ほどなく研究にて判明するでしょう。 今の段階では、卵の黄身に含まれる『コリン』が重要な役割だと予想されています。」

とのことで、

日本の研究でもアルツハイマー予防や記憶障害、動脈硬化を防ぐと言われている『卵黄コリン』の、また新たな効果が出てきたようです。

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以前に当コラムでも書きましたが、

乳児が卵を食べることで、

「卵アレルギーの発症率も劇的に下がる」ことが判明しています。

実は赤ちゃんとたまご食の相性はとてもとっても良いんですね。

この報告を受けエクアドルでは、

政府がさっそくこれまでの勧告を訂正、

以前は「1歳未満は卵を食べさせちゃダメよ。」

だったのを、

「7ヶ月の乳児には、ぜひ安全な卵を食べさせてね!」

と変更しました。

エクアドル含む発展途上国では、

4割を超える子供に発育障害のリスクがあり、

世界で見ると実に四人に一人がその危険にさらされています。

たまごは比較的安価に飼育・調達でき、

貧しい地域でも普及させやすい食材です。

元気な子供の未来を創るためにも、

たまごは大きな貢献ができる、ということですね。

余談ですが、

上記の卵を毎日食べた子供達は、

砂糖菓子など甘い食べ物の摂取が減っていたそうです。

もしかすると、

たまご食でバランスよく栄養が満たされた事で、

オヤツなど「甘い物が食べたい!」

という気持ちを減らせるのかもしれませんね。

お菓子好きなお子さんに悩まれているお母さん、

そして赤ちゃんのすこやかな成長を願うお母さん、

毎日のたまご食をお試ししてみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:An egg a day may prevent stunted growth in infants-NHS Choices)

(関連:早期に卵を食べれば、赤ちゃんがアレルギーにならなくなる!?【研究】 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2017年06月12日