小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ちょっとつぶやき 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前の休みに、
葛飾北斎・歌川広重の展覧会を
観に行ってきました。

いや~、数百点におよぶ名作。
これだけの表現を間近で見られたのは
本当に眼福でした。

江戸時代、浮世絵の風景画で
大ヒットを飛ばした二大巨匠ですが、
見比べると印象がずいぶん違いますね。

 

広重さんの絵は、

「ここ、行ってみたいなぁ。」

と思わせる風景。

一方、北斎さんは、

「こんな世界があるのか!」

と驚かされるような、
想像力を刺激する風景に感じます。

 

そして、もうひとつスゴイのが
これらが「庶民の芸術」だったこと。

木版による大量印刷で、
一部の権力者だけではなく、
庶民が楽しめる身近な文化になりました。

◆日本の技術は「楽しむ」に向かった!?

面白いなとおもうのは、
同じような技術でも
国によって発展の方向が違うことです。

ヨーロッパでは活版印刷が
大量の「知」を広め、
宗教や社会を変える
革命にまでつながる大きな力になりました。

いっぽうで、
日本の多色木版は
高度な技術を使って

「庶民の日常を楽しくする」

方向にも発展したわけです。

『数学』もそうですね。

江戸時代の日本では
「和算」が独自に高度な発達をし、
一説にはニュートンよりも早く
微分積分を考案していたとも。

 

でも、
そこから産業発展に
つながることなく

難問を解いた人が「算額」として
神社仏閣に奉納する

「クイズ」文化として
広く『趣味』だけが発展していきました。

役に立つだけじゃなく

難しいこと
そのものを楽しむ。

なんだか平和で、
これはこれでステキですよね。

 

◆卵にも「2つの価値」がある

これって、卵にも
似ている気がします。

 

ひとつはもちろん、

「おいしく食べる」価値。

焼く、蒸す、茹でる、泡立てる。
料理にもパンにもお菓子にも使える、
とんでもなく万能な食材です。

でも飲食店さんにとっては、
もうひとつ、

「繁盛をつくる」

という価値があります。

目の前で作るふわとろオムライス。
黄身が流れるハンバーグ。
美しいだし巻き玉子。
濃厚プリンやカスタード。

卵は身近な食材なのに、
技術や演出、こだわりを伝えることで
お客様の「食べたい!」を
大きく膨らませることができます。

しかも、高級な肉や魚ほど
食材コストを上げなくても、
「特別感」を作りやすい。

 

つまり卵の価値は、
仕入れ価格だけでは測れないんですね。

北斎や広重が
一枚の紙に大きな価値を生んだように、

一個の卵から、
どれだけワクワクを生み出せるか。

そこにあなたのお店の
『粗利の取れる腕の見せどころ』
があります。

 

僕たちが卵屋としてお届けしているのは
「卵」ですが、

本当にお届けしたいのは、
その先にある「繁盛提供」なんです。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2026年10月24日

 

「AIに読ませるための文章を、人間が書く」
という仕事が話題になっていますね。

AIの性能をさらに高めるため、
質の高い文章を人間に書いてもらい、
学習や評価に活用する仕事です。

報酬は案件によっては
時給30~100ドルほどになるとか。

なかなかスゴイ話です。

 

「僕も毎日こうやって
ブログを書いてネットに上げているけど、
わざわざ書いてもらう必要あるのかな?」

なんて思いますが、

ネット上にはAIが生成した文章も
どんどん増えています。

そんな中で、

「人間が考えて書いた、質の高い文章」

そのものに価値が出てきているんですね。

なるほど~・・!

 

文学や文章表現のような、
一見「すぐ仕事に結びつかない」と
思われがちだった能力が、

AI時代になって逆に
希少なスキルになりつつある。

面白いですよね~。

 

便利なものが増えるほど、

「人がわざわざやること」の

価値が上がる。

これ、飲食の世界でも
同じことが起こっている気がします。

 

◆たまご料理の価値も上がっている

いまはレトルトや冷凍食品、
便利な調味料など、

手軽なのに美味しいものが
世の中にあふれています。

ですが、
たまご料理って
人の技術がそのまま出るものが
たくさんあります。

かつては家庭で当たり前に
作られていただし巻き玉子も、

いまでは居酒屋さんや和食店で
わざわざ注文したくなる人気メニューです。

つまり、

家庭で作る機会が減るほど、
プロが作る価値は上がる。

AI時代の「人が書いた文章」と
ちょっと似ていますよね。

だから卵は、
飲食店さんにとって面白い食材です。

 

高価な材料をたくさん使わなくても、

技術、手間、
見せ方、ストーリー

を加えることで、
仕入れ価格以上の価値を
お客様に感じてもらいやすい。

目の前で仕上げるオムレツ

ふわふわのシフォンケーキ

絶妙滑らかクリーミーなカルボナーラ。

便利な時代だからこそ、

「わざわざ人が作る」こと自体が、
ごちそうになります。

AIが文章を書いてくれる時代に
人間の文章が見直されるように、

便利な食品が増える時代だからこそ、
職人さんが作る卵料理の価値も
まだまだ上がるのかもしれません。

 

現代では
たまご料理は飲食店さんにとって
原価と売値のあいだに
大きな価値を生める
利益を取れる食材です。

ですのでぜひ、
あなたのお店では

AIには作れない文章……ではなく、
手軽なレンジで
は作れない卵料理を
ストーリーに組み込んでくださいませ。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2026年10月8日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前ですが、
強豪・桜花学園にある「2つのバスケ部」が
ネットで話題になっていました。

同じ学校に、特待生中心の
「優勝を目指すバスケ部」と、
楽しむことを目的とした
「みんなでバスケ部」があるのだそう。

 

へー、面白い!

「ゆる部活」って大事ですよね。

僕も学生のころ血迷って強豪部活に
入ったことがあります。

ですが、
そのハードな取り組みになじめず、
その後なんとな~く運動に
「苦手感」を持ってしまっていました。

ところが社会人になって、
先輩のお誘いでバドミントンを始めたんです。

週一回、ゆる~く。

これが、面白かったのです。

なんというか、
スポーツの「楽しい部分」を
初めて味わえたというか。

 

◆料理にも「ゆる部」がある

これって料理にも言えます。

技術を磨いて追求する
プロの料理も良いですが、

食べたいときに、テキトーに
ゆる~く手軽に作れるのも
料理の良いところ。

いわば、
「追求する料理」と「ゆる料理」です。

ですが、

たまご料理って、この2つの差が
意外と大きいんですよね。

たとえば豚肉なら、
あまり料理をしない人でも
塩コショウして焼くだけで、
それなりにおいしくなります。

いわば簡単に「80点」くらいまで行って、
残り20点を技術と経験で埋めていく感じ。

ところが卵料理は、

だし巻き玉子を
気軽につく…れない!

オムレツをテキトーに
つく…れない!

もちろん、
簡単においしく作るコツはあります。

ですが、

「豚肉が好きで、よく炒めて食べるんだ。」

と、

「卵が好きで、オムレツをよく作るんだ。」

では、受ける印象がちょっと違いません?

後者にはなんとなく、

「おっ、料理上手なのかな?」

という感じがでます。

 

卵かけご飯はともかく、

オムレツ、
ポーチドエッグ、
だし巻き玉子、
カルボナーラ……。

火加減や時間、混ぜ方ひとつで
仕上がりが大きく変わるヤツです。

◆だから飲食店さんの「利益の源」になる

ここが商売として面白いところです。

家庭でも作れる。
材料もよく知っている。

なのに、

「家では、あんなふうに作れない。」

この差が、飲食店さんの
たまご料理の価値になります。

ふわっと巻いただし巻き。
中がとろっとしたオムレツ。
絶妙な半熟のポーチドエッグ。
なめらかなカルボナーラ。

高価な食材を使わなくても、
お客様が「さすがプロ!」と感じる
瞬間を作りやすいんですね。

洋菓子店さんなら、
なめらかなプリンやカスタード。

製パン店さんなら、
しっとりやふわっと、
食感にこだわった玉子サンドなども同じです。

身近な卵だからこそ、
家庭との差が分かりやすい。

つまり卵料理は、

「知っている味なのに、自分では再現しにくい」

という、なかなか優秀な商品なんです。

ですからお店では、
難しい料理をさらに難しくするだけでなく、

「家で作れそうで、作れない。」

そんなたまご料理の表現とアピールが
繁盛のヒントになるかもしれません。

料理の「ゆる部」は家庭におまかせして、

お店ではぜひ、
「さすが強豪!」な卵料理を。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2026年09月14日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

朝晩の少し涼しい短時間に

いまだ!と、

連日敷地や畑まわりの
草刈りをしてます。

 

この時期はなんでも
良く伸びますよね~・・。

ウチの庭につるバラが
生えているのですが、

梅雨のあいだ放置していたら
いつのまにか椅子が
占拠されてしまってました。

とはいえ
悪い事ではなくって、
田んぼで言うと稲が今がいちばん
すくすくと育っている時期でして、

日ごとに伸びる
ウチや近所の田んぼも、

風にそよぐ緑の美しいじゅうたん
がどこまでも続いていて、

今の時期が
僕はいちばん好きです。

◆夏のたまごの特徴

さて、この時期、
夏ごろのたまごは味が
ちょっと変わってまいります。

ちょっとあっさりした風味になり、
黄身や白身の張りが弱めになります。

これはニワトリが暑くなると
多めに水を飲んで、
食べる飼料の量が減るから。

人間と同じですね。

 

「じゃあ夏の卵って
美味しくないの?」

と思うかもしれませんが、
そうではありません。

◆食感の弱さがメリットに

白身の張りが弱い、

難しい言葉で言うなら
黄身や白身の『粘弾性』の数値が低くなると、

たまごを焼き上げた時の
食感が良くなる

ことが知られています。

つまり、
玉子焼きやオムレツに
とても向いているのです。

張りが強い卵って
生で食べると濃厚さを
感じやすいのですが、

白身が混ざりにくいため
加熱すると部分的に固い食感に
なりやすいんですね。

 

◆あっさり味が体調に合う

また、
この暑さで人間もバテ気味です。

ちょっとあっさりした卵の方が
食べても受け入れやすいことも。

身土不二

という言葉があります。

『体と暮らす土地は切り離せない』

という仏教の考えです。

その土地その季節に採れるものを食べるのが
体にいいんだよ~、という意味ですね。

卵ってほぼ100%国内産です。

つまり、
暑い時期のあなたのカラダには、
同じく暑い日本に適応しつつ
鶏が産んだあっさりした卵がとても合う、

食べやすい、
口に合いやすい、
という事が言えるのです。

自然を活かす飼育だと、
よりその傾向は出ますので、

僕たちも、
お客様にその特徴を
分かりやすく打ち出して
商品に説明することもあるんですね。

このあたりの
表現や価値の伝え方は
あなたのお店でもお客様にひびくかもしれません。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2026年07月26日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前にお客様のお店で
美味しいカニ料理を楽しんでまいりました。

食べながらふと、

「カニって赤い色が
とても美味しそうで、

じっさい味も
おいしいんだよなぁ。

こんなに
見た目と味の魅力が
一致しているのって
すごいよな。」

なんて考えたんですね。

なんでなんだろうなぁ、と。

本来なら
見た目「まずそうな」色で
美味しい成分を蓄えている、
そんな生き物の方が
捕食されなくて有利そうなのに。

 

でもこれって
「逆」なんですね。
考えてみると。

 

『美味しい』とは
“カラダが必要だ”と感じる信号です。

 

「甘い」は糖分エネルギーだから、
脳が「うれしい」サインを出す。

「塩味」もそう。
体の神経を動かすミネラルが
手に入ったサイン。

「旨味」だって体に必須な
アミノ酸の信号です。

「美味しい」と感じるのは、
それが体に必要な栄養素だからです。

 

これは色もおなじで、

栄養のあるもの
=カラダが要る物の「色」
=「おいしそうな色」

だと判断しているわけです。

仮に栄養のあるものが
みんな「青色」だったら、

真っ青な食材を

「美味しそうだなぁ!」

と思ったはずなんですね。

つまり旨味たっぷりのカニは
どんな色味だろうが
「おいしそうな色だ♪」と
思われちゃうということです。

 

◆たまご料理もそう

・・・ということは、
栄養たっぷりの卵の黄身も、
同様のことが言えるかもしれません。

たまご料理を見て

「めっちゃおいしそう」

と思うのも、
ひとくち食べると

「美味しい」

と感じるのも、突き詰めると

カラダにとって
卵が完全栄養食で
栄養たっぷりメリットでっかい!
という点から来ているのですね。

 

◆メニューに黄身シズルは活かすべき

ですので、
繁盛メニューには
卵の黄身の写真(シズル)が有効なんですね。

うまく取り入れることで
来店数を増やしたり
粗利の高いメニューに
オーダー数を増やす、

そんなことができます。

お客様をつかむのは
本能の色です。

ぜひあなたのお店の
看板やメニュー、工夫してみてくださいませ。

 

※ちなみに「青色」の
果物がないのは
空が青色だかららしいです。

空と区別がつかないと、
食べて種を鳥が運んでくれない。

なので
真逆の色となって目立つ
『赤色』が熟れたサインに
なっているんだそう。

地球の空が火星のように赤かったら、
木の実も果物も卵も
真っ青だったかもしれませんね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2026年07月7日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

20世紀最大の発明

って何だと思います?

 

現代経営学の始祖、
経営学者のピーター・ドラッカーさんは
この質問に対して、

「海上コンテナ輸送」

と答えています。

海上コンテナ輸送が
20世紀最大の発明。

 

なるほど、
世界が同じ規格で
効率よく大量の荷物を行き来できる。
これってすごいことです。

そして
モノが移動するから
情報もうごく。

むかしから「荷の行き来」が
人の流れになって
コミュニケーションが生まれ、
やりとりが積み重なっていくんですね。

いま世界に広がるネット上の
「やりとり」も、

おおもとを辿るならば
遠方間のモノのやりとりが
始まりとも言えます。

◆食メニューは物流の集大成!

そして僕たちがかかわる「食」、

これも
なが~い物の移動の果てに
生まれるものです。

卵一個でも、
遠く海を渡って来た飼料、
機材、ヒナ、
いろんなものが届き、
やっと飼育がスタートます。

産まれた卵が
選別工場に運び込まれ、
水や電力によってきれいに磨かれ
パックに入って移動する。

小売店、卸店を経て
調理場所まで届く。

そして最後に、
料理人、パティシエ、
パン職人さんの技術によって、
お客様の一皿になります。

「卵1個」
「ケーキ1個」
「パン1個」

それぞれの料理に、食材に、
海の向こう世界の反対側から
すんごい数のバトンリレーの果てに
おいしい一口があるんです。

これ考えてみると
すごいことですよね~。

毎日当たり前のように
ご提供している料理も、
実はとても価値のあるものに
思えてきませんでしょうか。

 

イランの海上封鎖によって
あらためてこの『輸送』の重要さが
意識されるようになりました。

 

「輸送」「移動」の観点で
あなたのお店の商品やメニュー
ぜひ背景にあるストーリーを
お客様へ伝えていただくと、

いま多くの人の関心やワクワクに
つながるんじゃないでしょうか。

たとえばシュークリームが
どこから来たものでできているか、
あなたのお店の人気商品で
『地図』を作ってみるとみんな驚くかもしれません。

 

鶏卵は国産ですが飼料は北米産。
ミルクもそうですね。

バニラビーンズはマダガスカル
小麦はオーストラリア
チョコはガーナ
砂糖はフランスやタイ・・・

みたいな。

卵料理に限らず、
料理って単なるメニューではなく、

世界中の人々の仕事がつながって完成した、
小さな「物流の結晶」なんですね。

ぜひこの事実を
あなたのお店のワクワクにしてみませんか?

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2026年06月22日