給食から卵メニューが無くなって論争に【インド】

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
インドの東の端のほうにある
西ベンガル州。

そこの公立学校給食から
「卵」メニューが無くなったことが
大きな騒ぎになっています。
“ベンガル州の学校給食から卵が除外。トリナムール党は「言った通りだ」とコメント”
Eggs Out Of Midday Meal Scheme In Bengal. Trinamool Says “Told You So”

◆菜食主義団体が運営に
西ベンガル州は
先月(2026年5月)に総選挙があって、
州政権が変わったんですね。

国政与党のインド人民党(BJP)が
政権を取りまして
いろいろな方針が変わる事に。
その中の一つに、
学校給食の変革
があったのです。

州内の給食事業を
ISKCON(国際クリシュナ意識協会)
が実施することになりました。
この団体、
美味しい給食を提供するんですが、
何が揉めているかと言うと
菜食主義の教えを守る
宗教団体なんです。
それで、
州内の学校で出される給食から
卵をいっさい排除する予定に
なったのですね。

このベンガル地方、って
川や自然がたくさんあって
卵や魚、肉をたっぷり食べる、
食にこだわる地域でして、
日本で例えるなら北海道とか
京都みたいなカンジでしょうか。

ちなみに州といっても
1億人が住んでいます。
その給食がガラッと変わる、
となると大ごとですね。

野党反対派議員は
「食事から卵を取り除くのは間違っている。卵は重要なタンパク質源だからだ。ベンガル地方では、伝統的に肉類を含む食事を摂っている。これらが除外されれば、提供されるのは菜食料理だけとなり、ベンガル地方の食文化の伝統にそぐわない。我々は今回の措置に強く反対する。」
と声明を出しています。
◆公衆衛生的な食材「卵」
つまり、
“文化的な面から言って
菜食主義を押しつけている。
そして
それ以上に
子供は栄養面で、
卵を食べた方がいい。”
という反対意見です。

うーん、
後半はその通りですね。
宗教や文化は置いておいて、
成長期の子供にとって
卵は理想的な栄養食材です。
たとえばエクアドルでは
一年かけて貧困地域の小児に
毎日卵を食べさせる研究を行った結果
低体重児を74%減少させ
発達障害児を47%も減らしています。
(関連:1億人を救う!?たまご一日一食で子供の成長率が著しく伸び、病気リスクが半分に | たまごのソムリエ面白コラム)

ベンガル州も
日本のNGOの報告によると
農村中心に貧困地域が
まだまだあるのです。
公立校の給食が
ある意味栄養インフラに
なっているんですね。

あと、ベンガル地方は
他の地域とくらべて伝統的に
牛乳をあまり飲まないんだそう。
そのため、同地方の貧困層や
中流階級の家庭にとって、卵が
手頃で入手しやすいタンパク質の
メイン供給源となっているんですね。

ちなみに政権与党のBJTは
「卵の代替モデルは
ちゃんと考えています。」
「お祈りを唱える必要はありません。
とても美味しい食事ですよ。」
なんて答えています。
宗教の多様化がおおきくて
食材も統一するのは
苦心が多いとは思いますが・・・
◆日本でもあり得る!?
菜食主義が日本で導入されることは
まずないでしょうが、
べつの懸念もあります。
いま日本の学校給食で、
食中毒やアレルギー対応の
リスクを下げるため
卵の献立をなくす学校が増えています。

たしかに衛生・管理面で
安全な給食をだすことは
とても大事ですが、
給食における卵は
前述のように
家庭の食事バランスを補う
大事な存在でもあります。

管理の難しさがあるのは
重々承知していますが、
未来ある子供たちの健康にかかわる
問題だと思っています。
厚生労働省の発表では
いま日本における子どもの
約9人に1人が貧困状態にあります。
給食での卵食は、
いまだ日本でも大事な要素なのです。
「宗教的思想」と「リスク軽減」
2つの国で理由こそ異なりますが、
育ち盛りの子供にとって卵は
決して「使わなくても良い食材」
では無いと思っています。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。


