小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまご・鶏のことわざ 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ ついに第100弾!
今回はイタリアから。

<固ゆで卵が雄鶏の喉を詰まらせる>
L’uovo sodo strozza il gallo.

 

『たとえよく知っているものでも、
自分に荷が重すぎる事柄であるなら
窮地に追い込むことがある』

という意味です。

 

ニワトリにとって
卵はよく知った存在。

ですが、
固く茹でられた卵は
飲み込みにくい、困難さがあります。

また、オンドリは
勇気と男気、リーダーの象徴です。

でも

「オレはすごいぜ。」

と自信たっぷりであっても
自分の優秀さを超えたものは・・・

やっぱり失敗するわけです。

むしろ
よく知っているからこそ

「やめておこう。」
という判断をしない

ことになりがちです。

 

泳ぎに長けた人が
急な潮の流れに入ったとき、

その場所が
小さい頃から知っている海辺だと
油断し溺れてしまう・・・

そんなニュースも時折耳にします。

 

そんな懸念があるならば、

「オイオイやめとけよ。
『固ゆで卵が雄鶏のノドを詰まらせる』
って言うぜ?」

みたいに、慢心を戒め
「謙虚にふるまおうよ」と伝えることわざですね。

イメージが分かりやすくて
おもしろいです。

 

あと、
めんどりじゃなくて
オンドリなところもポイントかな、と感じます。

良く知っている、
といっても産んだ当事者じゃないわけです。

ニュアンス的に、
知ってはいるだろうけれど
細かな詳細は詳しくないだろうな、
という絶妙なところがオンドリと卵。

 

またオンドリって先に述べたように
リーダーの象徴ですが、その一方で

小さい小屋の中だけで偉いという
「お山の大将」的なニュアンスも含みます。

 

『知ったつもりで慢心しないように』
という例えとしては良いところをついてるなーと感じます。

 

いや、実際こういうことってありますよね。

家族のことは俺がいちばん知っているぞ。

なんて言って
盛大に思い違いをするお父さん。

 

部下のアイツのことは
よくわかってるんだ。

なんて言って、
ため息をつかれる上司や社長。

うーん、耳が痛いことわざです。

能力や知識が不足している人ほど
自分を「できる」と思い込んでしまう、

そんなカン違いを
ダニングクルーガー効果
というそうですが、

自信があることでも
「実は知らないだけかも・・!?」
と謙虚に考えて、さらに学ばないとですね。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2026年09月11日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

たまご・鶏のことわざ 第99弾
今回はエチオピアから。

 

<粘り強く続ければ、
卵も脚で歩く>

「がんばって続ければ
不可能に見えることでも
変化する」

という意味です。

なるほどそうだなぁ、
と思いますし
ビジュアル的にもイメージしやすい
ステキなことわざです。

 

日本語だと、

「雨垂れ石を穿つ
(あまだれいしをうがつ)」

でしょうか。

こっちも努力―結果が
ビジュアルで分かりやすいですが、

エチオピアの卵の方が
ユーモラスで好みですね~。

考えてみると

「ずっと続ける」

イメージが「水滴」なのは
水が豊富な日本ならでは
なのかもしれません。

エチオピアは
北アフリカの高山地帯でありながら
砂漠もサバンナもあって
干ばつもたびたび問題になっています。

「落ちる雨水」より
大地を踏みしめ「歩く努力」の方が
頑張りのイメージなんでしょうね。

このことわざは正確には
エチオピア国民の4割を占める
オモロ族のもの。

オモロ族は国内の
二大民族のひとつでありながら
もう一方の民族アムハラ人に
ずっと支配されていました。

それが、
民主化が進む中で
すこしずつ少しずつ変わってきて
2018年にはオモロ族から初の首相が
誕生したんですね。

まさに
卵が脚で歩く』がごとく
粘り強く取り組んだ結果です。

僕たちも努力と継続を
大事にすべきですね~。

エチオピアは
ほぼ植民地になったことが無いため
独自の歴史が長く、
食事も面白いんですよ。

先日ちょっと触れた料理
「インジェラ」もエチオピアです。

(関連:ドラマ「古畑任三郎」に見る卵メニューの魅力 | たまごのソムリエ面白コラム

日本の茶道みたいな
珈琲でもてなす文化があったり、

場所柄インドや中東にも近くて
たくさんスパイスを使う
料理の文化があるんですよ。

たまご料理もステキなメニューが
いくつもあります。

いずれこのブログでご紹介しますね~。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:International network for family poultry development – INFPD Newsletter Vol. 13)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2026年07月4日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ 第96弾
今回はキューバから。

<目玉焼きになるな>
(No seas huevo frito)

『バカな真似するな』
『ボーっとするな』
の意。

友人同士なんかの
カジュアルな言い方です。

「しっかりしろ!目玉焼きになってんじゃねーよ。」

みたいな。

日本語だと、
なんでしょうね?

「ネジが緩んでるぞ。」

とかの比喩が
近いかもしれません。

 

面白い表現ですが、
なんで『目玉焼き』
なんでしょう?

これは焼いている
フライパンの様子から
来ています。

ニュアンスとしては
動かずとろ~んとした生卵が、
じりじり焼かれていく・・

受け身っぽい、
なすがままだなぁ。

「しっかりしろよ!」

みたいな感じです。

 

ほら、あれ、
サンリオのキャラクター
ぐてたまみたいなイメージ。

 

ちょっと話は変わりますが、
こばやしが高校生のころ、

校長先生だったかなぁ、
先生の挨拶で「ゆでガエル理論
という話を聞いたことがあります。

カエルを熱湯に入れると
熱さに飛び出すが、

水に入ったカエルを
ゆっくり熱していくと、

温度変化に慣れてしまい
茹で上がってしまう。
逃げるタイミングを見失う。

「ゆっくりした変化にも
敏感に対応しなさい。」

みたいな趣旨でした。

「気づかないと死ぬ」

というインパクトある例えは
高校生には衝撃的でした。

『目玉焼きになるな』
のことわざと似てますが、

やろうと思えば動けるカエルより

『フライパンの生卵』の方が
どうしようもない感が強い、
「このままじゃダメ」感が強い気がします。

それだけ
気の置けない仲間だけに許される
強めの叱咤激励なんじゃないかと
思いますね。

 

固まる前にうごけよ~!

ですね。

 

そういえば、今年
あるシンポジウムの講演で
ご一緒した農水省の方に、
会場から

「いろいろ高騰しているが
これから設備投資するなら
いつごろが良さそうでしょうか?」

という質問が出たんですね。

 

すると即答で

「投資をできるだけ安く
抑えたいなら

今後数年間はまちがいなく

思い立った瞬間

がいちばん安くつきます。」

と断言されていました。

つまり
下がるタイミングは無い・・・。

「目玉焼きにならない」
ためには「即行動」ですね~。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2026年05月14日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ第97弾、中国から。

 

<クレーンで鶏の羽毛を吊り上げる>

(起重机吊鸡毛)

『お安い御用』の意味です。

たしかに・・・!

鶏の羽毛は一枚約0.1g、
重機は数トンから数百トンまで
持ち上げられます。

なかなかのステキたのもしい表現ですね~。

 

ちなみに本来の意味ではなく
ややネガティブな表現として使われる
こともありまして、

『大材小用』つまり
“すごい能力の人にしょうもない仕事をさせる”
という意味で使われることも。

なるほど
こっちもイメージしやすいですね。

◆ルールのある中国のことわざ

この諺は
以前紹介した“歇後語”という
中国のかけ言葉”のひとつ。

唐の時代からあるジャンルだそうな。

 

前と後の2文で構成されていて

前文が
「たとえ(なぞかけ)」
後文が
「言いたいこと」

になりますが、
後ろは省略されることが多いんですね。

 

今回のことわざ

<クレーンで
鶏の羽毛を吊り上げる>
(起重机吊鸡毛)

も正式には後ろの文がありまして、

<灰を吹くくらいカンタン>
(不费吹灰之力)

と続きます。

前後あると
「ああ、なるほどね。」
となるわけですね。

でもみんな知ってるから
言わなくてもオッケーみたいな。

 

日本でもありますよね。

たとえば「やぶへび」は
「藪をつついて蛇を出す」ですが、
ちゃんと言わなくても
伝わるから良いわけです。

 

いずれにせよ、
これくらいデカいスケールで
「簡単だぜ!」って快諾してくれたら
頼んだ側もうれしいですよね。

クレーンで羽毛ですから。

めちゃめちゃチカラのある人が
全力でやってくれそう、みたいな。

 

こばやしは若い頃、

「頼まれごとは即受けろ。」

と教えられたことがあります。

 

「君にできそうなことしか
相手も頼まない。

“日本外交を何とかしてくれ”
なんて頼まれないだろう?
それは総理大臣が頼まれること。

“百万円貸してくれ”だって
百万円が自由になるやつが頼まれる。

だから頼まれた時点で、
『オレにできること』だから
快諾すれば相手も気持ちいいんだよ。」

と言われて、なるほどでした。

人生の心がけですね。

 

ただ・・それって
自分を「盛ってない」前提ですよね。

ぜひとも正直に生きて、
それで頼まれたときは、
ニワトリの羽を吊り上げるがごとく、
気持ち良い返答をしなくちゃです。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

 

(関連:にわとりが鳴くと良くなるぞ!【たまご鶏のことわざ その92】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2026年02月22日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第96弾、
今回はバスク地方(フランス・スペイン)から。

<メンドリが手に入った
と思えば金曜日>

「運が悪い」の意味になります。

手に入ったのに・・!?
金曜日だとなぜダメなんでしょうね。

 

これは
キリスト教の風習から。

 

昔のカトリックでは金曜日

『肉類を食べちゃダメな日』

と決まっていました。

そして、鶏肉って
内臓に近い肉が多いため
牛やヒツジよりもいたみやすく

手に入ったらすぐ料理して
食べないといけないんです。。

なのに

木曜日まで食べたくても
手に入らなくって、

やっとゲットできたと思ったら
肉食べちゃダメな金曜日・・!

タイミングが悪い。
え~~そりゃないよ。

 

・・・ということわざです。


「あのライブ行きたいって
言ってたよね。
チケット手に入ったけどどう?」

「え~!その日は出張だよ。」

「残念!
“メンドリが手に入ったら金曜日”
ってやつか~。」


みたいな。

 

「うれしい事だけど
タイミングが悪い」

まぁまぁ起こり得る
事だと思いますが、

日本語でこの
シチュエーションを表す
ことわざって
そういえば無いですね。

なんででしょう。

 

ちなみになんで金曜日に
肉類がダメかというと、

キリストが磔にされたのが
金曜日だったから。

この習慣は今でも残っていまして、

地域によっては
イースター直前40日間(四旬節)の
金曜日にかぎり肉を断つこともあります。

日本でも
お盆に肉を食べない風習が
ありましたし、
ちょっと似た感じですね。

 

◆むしろ卵を食べる金曜日になった

“禁欲”のためなので
ぜいたく品にあたる肉がNGなんですが、

当初は
や牛乳・バター・チーズなんかも
金曜日はダメ!』に含まれてたんです。

それが、ルネサンスや大航海時代あたりに
卵が安価に手に入るようになり
貧しい人々も食べられるようになったことで

「たまごは贅沢じゃないなぁ。」

となりまして、

欧州の多くの地域で
「卵やミルクは金曜日食べてオッケー」に。

 

現代ではむしろ
お肉が食べられないなら

金曜日はたまご料理!

と積極的に玉子料理を楽しむ曜日に
なっていたりします。
(※宗派や地域によります)

ちなみに
水生動物だから
「ビーバー」「ワニ」肉は
金曜日に食べてOKだったそうで
調べてみるとなかなかおもしろいです。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: Abstinence)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2026年01月20日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第95弾、
今回はイタリアから。

<ニワトリはくちばしから卵を産む>
(dal becco vien l’uovo)

想像するとすごいですね。

 

もう少し長いバージョンもありまして、

『牛は口から乳を出し、
ニワトリはくちばしから卵を産む』

と前にウシが付くことも。

いったいどういう意味でしょう?

これは、

『食べたもので
良し悪しが決まる』

という意味です。

「ちゃんと野菜を食べなさい。
“クチバシから卵を産む”って
言うでしょう?」

なんて風に使います。

 

転じて、

『良い結果を出すなら
良いインプットが必要』

という意味でも使われます。

なるほどですね~。

あまり意識しないですが、
僕たちの体は
頭のてっぺんからつま先まで、

髪の毛一本残らず
『食べたもの』でできています。

 

あなたの体をつくる『素材』は、
口から入ったものだけ・100%。
なんですね。

だったら
良いものを食べれば
高性能なパーツになるし、

わるい物しか食べてなければ
できたパーツだって
ちゃんと動かないこともあるだろう。

という考えは
シンプルに『食』というものの
意義を表しています。

 

 

◆良い学びが良いアウトプットに!

また、『よい結果』に対しても
同じですね。

 

僕たちが発する言葉、文章、
考え方や行動って

以前に触れ学んだモノからしか
生まれることはありません。

一枚の絵を見たこともないのに
黄金比の構図はわからないですし、

ラテン語を見たこともないのに
その韻を踏む詩は作れないのです。

 

かつてシェイクスピアは
世界の人を魅了する
37の戯曲を書きました。

その中には
『当時存在した言葉』の
8割近くが使われているそう。

 

当時のあらゆる言葉
あらゆる表現を駆使していた。

つまり、
その言葉を『知っていた』わけです。

彼の知識として
インプットしていた。

 

だからこそ
シェイクスピアの戯曲は

庶民から貴族まで
みんなが泣いて笑って楽しめる

魔法のようなエンターテインメント
として親しまれたんです。

 

じっさい「ハムレット」を読むと
めっちゃ下品な下ネタのダジャレから

流れる小川のように韻を踏む愛の言葉まで

「どうやって思いついたの!?」

と言いたくなるバラエティーさがすごいです。

 

 

◆たまごはマジで餌に影響される

そして、

卵の品質は
ニワトリが食べる飼料に
おおきく影響します。

たまごが産まれる
直前2週間の飼料の影響が
たまごのおいしさに

たまご料理の特徴に
ものすご~~く出ます。

 

たとえば
暑くてバテやすい季節から
涼しくなってエサの食べ量がアップすると

その2週間後に
卵の品質が良くなるんですね。

 

また、季節別のたまごのために
エサを切り替えた時も、
その影響は2週間後から出てきます。

<ニワトリはくちばしから卵を産む>は
生き方としても
実際のたまご品質に関しても、

真実そのとおり、
ステキなことわざだなぁ、と思いますね。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:うそくさいって!?雄鶏と雄牛ばなし【たまごの慣用句 その88】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2025年12月12日