小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

料理別・たまごのこだわり 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

これはベーコンじゃないだろう。
日本はおかしいのでは?

というツイートが話題になってますね。

 

 

なるほど、言われてみれば
僕たちが売り場で見る
ほとんどの「ベーコン」って、
洋画でみるような
主張するカンジのベーコンじゃ
無いですよね。

これは、厚さだけの
問題じゃありません。

たとえば
「ハウルの動く城」では、

めっちゃ美味しそうな
ハムエッグが出てきますが、
なんかすごくガッシリしていて
肉!って感じですよね?

これはおそらく宮崎駿さんが
「ハウルの動く城」原作(原題『魔法使いハウルと火の悪魔』)
の原作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんのご出身、
英国式に合わせてめっちゃ詳しく描写しているため。

イギリスのベーコンは「バックベーコン」
と呼ばれる、『背中ロース肉』を使った
ベーコンでして、
味と歯ごたえがすごく
しっかりしているんですね。

で、そこからじっくりと
油をだして、たまごを焼くんです。

このうまみたっぷりの油が
たまごとも合うんですよね。

対して日本では、
豚バラ肉を使うため
とてもやわらかいんです。

これはこれで美味しいと思うんですよね。

ただ、ご飲食店さんで
本格的な差別化の朝食
ベーコンエッグなんかを
ご提供しようと思うと、

やはり「非日常」の提供は
重要なテーマですから、
「映画でみたような」
海外のベーコンエッグが
望ましい場合もあるかと思います。

日本でも欧州式で
作られているメーカーさんが
ありますから、手に入りますが、

ちょっとコストが上がったり
入手にすこし苦労がいったり
するんじゃないでしょうか。

日本式のベーコンって、

SNSでも指摘している方が
いましたが、これ、

ごはんにも合わせるため

なんじゃないかとぼくも思います。

ですので、ご飲食店さんでも

いっそ
ベーコンエッグも「ごはん向け」に
特化するのも

面白いんじゃいかと思います。

昨年に、カツ丼チェーンのかつやで

「ベーコンエッグソースカツ丼」

という攻めたメニューがリリースされてました。

ですが、考えてみると
ごはんに合ったベーコン
とんかつ
日本人大好き半熟目玉焼き

と、かなり日本食として
正しい方向の進化のようでもありますね。

ベーコンエッグでも
たとえばスパイスでも
柚子胡椒なんかもなかなか合います、

あなたのお店の
メニュー開発にも、

「和の方向性」の意外な活用が
ベーコンエッグにあるかもしれません。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , 目玉焼き 2023年01月18日

いやそんなわけない・・
と思ったらマジうまい!
というオムレツです。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

昨日のつづきです。

アメリカCBSの人気司会者さん
の炎上騒ぎから話題となった

黄身だけのオムレツ

あまり目にしないわりに、
ためしに作ってみると
ビックリするくらい
特徴があって

めっちゃ美味しいのです。

有名司会者がレストランを
出禁になるという話題。
その発端となったメニューに

「黄身だけオムレツ」って何…?

とネットで大きな話題となりました。

ですが…

・すぐ焦げる
・すぐ固くなる

という特性を持つ黄身だけで
オムレツをつくるというのは

やってみると
けっこう難しいんですよね・・・。

 


◆なにこれウマい!新しいオムレツ

この事件以降、
この難しい卵黄オムレツを
どうにかして美味しく作ってやろう!

と、SNSにアップする人が続出しまして、

「卵黄オムレツを調理してみた。」
なんて特集ネットニュースも、
僕が確認しただけで2本も
上がっていました。

そして・・・皆さん

これ思ってたのとちがう!
でもなんかスゴイ!うまい。

という感想なのです。

超濃厚でねっとりとした食感で

めちゃくちゃ上等なチーズか
フォアグラの料理を食べたような気分

になります。

◆メリットいっぱい!?卵黄オムレツ

試してみましたら
水分含量がとても重要
なんです。

何度か作ってみたところ、

黄身にシンプルに
水分を足したときが食感も
ふんわりして一番うまく
いきました。

具体的には、

卵黄4つに
水おおさじ2杯
かるく塩コショウ
少し砂糖

がイイ感じでした。

卵黄だけなので
たんぱく含量がすでに
多いこともあって、

生クリームや牛乳なんかは
入れないほうが、
口当たりは良くなります。

油はバターでもオリーブオイルでも
どちらもいいカンジですが、
よりボディ感があるのはバターでした。

あと、見た目はどうやっても
なんだか美味しくなさそうなんですよね・・・

見慣れている
とろふわ感のあるオムレツには
頑張ってもなりませんでした。

その分食べてのギャップが良いとも言えますが。

 

◆常識はずれにもアイデアが!

オムレツには白身がとても重要なんです。

ですが、思い切って全排除すると、
まったく違う料理の可能性がありました。

たとえば白身だけの
たまごかけごはんを美味しく出している
お店もあります、

お店の繁盛メニューでも
ちょっと常識を外して試してみると
思いもよらない美味しさに
出会えるかもしれません。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(関連:米国人気司会者を出禁にした激うま「黄身だけオムレツ」って!? | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2023年01月15日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「ハリッサ」が売ってるんですね。
近くのスーパーで。

北アフリカ生まれの調味料、
地中海両岸・ヨーロッパと
アフリカで広く使われる
大人気スパイスでして、

数年前に見つけたとき、
めっちゃテンション上がりました。

ハウス食品すごい。

これがあると、
アルジェリア名物たまごサンドイッチ

『フリットオムレット』

が作れるんですよ。

直訳すると

「フライドポテト入りオムレツ」

名前の通り、フライドポテトと
たまごを一緒にして焼き上げます。

めっちゃカンタンで、

フライパンにバターを入れて
フライドポテトを熱します。

そこに、
軽く塩コショウふって
ハリッサを混ぜたたまご2個と焼きます。

熱いうちにお好みで
トマトスライスと一緒に
バゲットに挟んで完成です。

超ウマいんですよね。

あちらではかなりメジャーな
屋台フードです。

あ、もちろんですが、
できあいのフライドポテトを
使わずに、
ジャガイモを切って多め油で
揚げてからオムレツにすると
さらに絶品です。

◆ポテトとたまごは超合う!

じゃがいも入りオムレツって
世界に結構ありまして、

たとえばスペインの名物
スパニッシュオムレツもそう。

アルジェリアって
元フランス領なんですが、

位置的には
地中海を挟んで反対側に
スペインが最も近いお隣です。

茹でじゃがいもとたまごで作る
スパニッシュオムレツ
影響しているのかもしれません。

ですが、アルジェリアでは
ポテトを揚げてから使う分、
すご~く香ばしくておいしい!んです。

個人的には食感がすごく好みですね。

 

◆サンドイッチの歴史が古いアルジェリア

130年間フランス領だったことから
サンドイッチが広がったのかな…?

と思っていたんですが、
そうじゃなくってかなり前から
あるんだそうです。

フリットオムレット・サンドイッチと
同じくらい屋台で人気の
ガランティータっていうひよこ豆の
サンドイッチがあるんですが、

これなんかは500年もの歴史が
あるんだとか。

アルジェリア的サンドイッチ
アフリカンなたまご料理

奥が深くてかなり面白そうです。

 

◆アフリカ料理は伸びてくるかも?

これからアフリカ圏の料理は
注目されてくるかもしれません。

なにせ人口増加率がトップクラス
2050年には世界の4人に一人は
アフリカ人になります。

必然的に料理文化も
メジャーになってくるでしょう。

また、日本人と逆に、
減塩料理が基本なのです。

内陸の地域が多いため、
塩を摂らなくても大丈夫な
食文化なんですね。

高血圧に悩む日本人にとって
減塩料理の美味しい文化は
積極的に取り入れるべき
なんじゃないでしょうか。

フライドポテトが残った時にでも
ぜひ作ってみてくださいませ。

おススメです!

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2023年01月10日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ゆでたまごがうまくできたかどうかの指標の一つに、

黄身の位置

があります。

黄身がキレイに真ん中に
あるのか、それとも
端っこに寄っちゃっているのか。

サンドイッチなんかのように
つぶして調理するなら
ど~でも良いのですが、

煮玉子であったり
デビルエッグや
カットしてサラダに使う
…なんてのだと、

黄身がはしっこに
寄っちゃっていたら
とても残念な見た目に
なったり、うまく調理
できなくなっちゃいますよね。

黄身のかたよりは、
たまごを静置したまま
茹でてしまうことで

白身よりも比重の重い
黄身が重力で下側に寄って
しまうために起こります。

その対策として、

『茹でながら転がす』

という方法があるのですが、
これはこれで面倒くさい
ですよね~。

そもそもいつまで
お湯の中でコロコロ
やっていれば良いのか。

過去の実験による研究報告では、
水温が19℃→80℃に上がるまで
の間転がし続ければ、
必ず中心に黄身がくる

ということが分かっています。

また、
・60℃で転がすのをやめる
・50~60℃を過ぎてから転がし始める

このどちらかだと、
ころがす効果はサッパリありません。

「これくらいでいっか。」
「あ、忘れてた。」

・・・は、
やるだけ意味がない
ということですね~。

ようは凝固が始まる前から
十分凝固がおわるまでのあいだ
ころがすことが大切
ということです。

僕は理想のゆでたまごの
作り方、ということで

熱湯から茹ではじめる
ことを推奨していますが、

この場合、
だいたい入れてすぐから
1分半~2分程度
コロコロしていれば

ほぼ80℃達温くらいに
なりますので、
理想の中心に黄身が来ます。

あと、まったくコロコロ
しなくてよい方法もあります。

それは、ゆでるのに
エッグスタンドを使うというやり方。

黄身が横側に沈むと
茹でたときに偏りますが、

立てて茹でることで
ちょっと下側に黄身が
沈んでも問題ないわけですね。

専用のゆでるスタンドがいくつも
売ってまして、百均にもあります。

僕はいつも沢山ゆでるので、
百均で買った小ザルを使ってます。

以前にも書きましたが、
少量の水で蒸すように茹でると
めちゃめちゃ美味しくできます。

(関連:なぜ茹で玉子は少ないお湯でゆでるべきなのか? | たまごのソムリエ面白コラム

ぜひ理想のゆでたまごライフを!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

 

「オムレツ、って難しいよね~
上手く作れないんだよ。」

というお話をよく聞きます。

じつはちょっとした工夫で
解決できるかも・・・


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

僕は割と卵料理を作る方ですが
けっこう長いこと

オムレツってつくるのが難しいなぁ

・・・と感じていました。

まず食感のコントロールが難しい。

表面は固まっていて
中がトロトロ、
そしてきれいなカタチに・・・

熱によってできあがりが
秒単位で変化しますから、
短時間に考えることと
やることが多いんですよね。

長らくの間、

調理技術(ウデ)がないから

だと思っていました。

ですが、実は!
そうじゃなかったのです。

たった2つ!のことを
するだけで、
トロトロふわふわのオムレツが
飛躍的に作りやすくなったのです。

それは、

・オムレツには牛乳じゃなく水を入れる

・ほんの少しの砂糖を入れる

たったこれだけです。

 

◆牛乳を入れると固くなりやすい

たんぱく含量を上げすぎない、
という事が重要なんですね。

オムレツに入れるのは水か牛乳か

という論争は、
欧米でもよくあるテーマだったのですが、

研究的には「水の方がイイ」と
なっているんです。

ひとつには、固化温度。

たまごはだいたい65℃を
すぎたくらいから黄身が固化し
そのあとで白身が固まる温度になります。

この温度があっという間に
過ぎてしまうから、食感が
ぼそぼそになったり、焦げたり
固まってしまうわけですね。

で、ですね。

オムレツの卵液に

牛乳や塩を入れると
固化温度が下がる

ことが研究で分かっています。

すなわち、

牛乳を入れちゃうと
すぐ固まってしまう、
水を入れたほうが作りやすい

ということです。

たんぱく含量が上がりますから、
その影響ということですね。

感覚的には、豆乳でも同様ですね。

 

◆砂糖を入れるとトロトロに!

そして、砂糖を入れると
その逆になります。

砂糖はたんぱく質の変性を
抑える効果があるんです。
つまり卵の固まる温度を高め、
固まってもやわらか~くする
働きがあるんですね。

研究では、65℃~の固化が
最大10℃も上がることに。

そのおかげで、
そとはしっかり中はトロトロに
重層的な熱勾配が
つくりやすいですし、

なにより
固まるのをあわてずに
作りやすくなります。

具体的には、

・たまご 2個
・水 大さじ2杯
・砂糖 小さじ半分

これに塩コショウを加える
だけで、めちゃくちゃ
つくりやすくなります。

自分でもとろっとろの
オムレツができたときは
ホント感動しましたね。

もしご家庭で
「オレってヘタかなぁ。」
と悩んでいるならば、

単に上級者すぎる
レシピの問題かもしれません。

ぜひ上の比率で
試してみてくださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:映画「ディープブルー」に学ぶ、最高のオムレツをつくるコツ | たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

目玉焼き、って実は
かなり面白い料理なんです。

香ばしさと滑らかさが
混然一体となった、

パリパリからトロトロまで
重層的にいくつもの食感と
たまごの味が楽しめる

追求するともんのすご~く
奥深い料理なんです。

最近、

「すぐウッカリ焦がしちゃうのよね。」

「油使うからカロリーがちょっと気になるかなぁ。」

なんて声をいただきました。

なるほど・・・
火の加減もちょっと面倒ですし、
油もあまり少なめだと下面が焦げて
上部の熱が不十分、なんてことにも
なっちゃいます。

じつは!

その両方を解決する
面白い調理方法があるのです。

それは、

「ウォーターベイスティング」

直訳すると「水かけ」でしょうか。

『水とスプーン』をつかうだけで、
トロっとろの食感の極上目玉焼きができるのです。

<作り方>

①フライパンに最小限の油をひいて弱火で加熱
いつもの目玉焼きの半分で大丈夫です。
ちょっと大きめのフライパンの方が
やりやすいかも。

②たまごをそーっと割り込む
これは、黄身の中にたくさんある
卵黄球(脂肪球)が衝撃で崩れると、
ぼそぼそ食感になっちゃうから。

③白身にうっすらと火が通るのを待つ

④少量の水をフライパンに入れる

⑤スプーンで水をすくって
黄身にかけ続ける

⑥ちょうどいいカンジに
熱が通ってきたら完成。

という具合です。
フタを閉めての蒸し焼きと
感覚的には近いですが、

こっちの方がより
調整がしやすく、
よりとろ~りふんわりに
仕上げやすくなります。

火を通しすぎることなく
卵の表面を整えることができ、
さらに熱を加えると水分が飛んで
固くなりやすい部分に水をプラス
することができる、
理にかなった手法ですね。

もともとフレンチには
バターベイスティングという
手法がありまして、
バターをすくってかけ続けて

肉料理なんかにコク味を増す
手法なんですね。

ちなみに目玉焼きでこの
バターベイスティングをしても
めちゃめちゃ濃厚で美味しいんです。

カロリーがちょっと気になりますが
こちらもおススメですね~。

『水かけ』の手法、
ヘルシーでかつ極上の食感が
カンタンに楽しめますし、

ちょっとポーチドエッグっぽく
仕上げられますので、

エッグベネディクトなんかに
使うこともできます。

ぜひお試しあれ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , 目玉焼き 2022年11月25日