小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

オムレツ 記事一覧

いやそんなわけない・・
と思ったらマジうまい!
というオムレツです。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

昨日のつづきです。

アメリカCBSの人気司会者さん
の炎上騒ぎから話題となった

黄身だけのオムレツ

あまり目にしないわりに、
ためしに作ってみると
ビックリするくらい
特徴があって

めっちゃ美味しいのです。

有名司会者がレストランを
出禁になるという話題。
その発端となったメニューに

「黄身だけオムレツ」って何…?

とネットで大きな話題となりました。

ですが…

・すぐ焦げる
・すぐ固くなる

という特性を持つ黄身だけで
オムレツをつくるというのは

やってみると
けっこう難しいんですよね・・・。

 


◆なにこれウマい!新しいオムレツ

この事件以降、
この難しい卵黄オムレツを
どうにかして美味しく作ってやろう!

と、SNSにアップする人が続出しまして、

「卵黄オムレツを調理してみた。」
なんて特集ネットニュースも、
僕が確認しただけで2本も
上がっていました。

そして・・・皆さん

これ思ってたのとちがう!
でもなんかスゴイ!うまい。

という感想なのです。

超濃厚でねっとりとした食感で

めちゃくちゃ上等なチーズか
フォアグラの料理を食べたような気分

になります。

◆メリットいっぱい!?卵黄オムレツ

試してみましたら
水分含量がとても重要
なんです。

何度か作ってみたところ、

黄身にシンプルに
水分を足したときが食感も
ふんわりして一番うまく
いきました。

具体的には、

卵黄4つに
水おおさじ2杯
かるく塩コショウ
少し砂糖

がイイ感じでした。

卵黄だけなので
たんぱく含量がすでに
多いこともあって、

生クリームや牛乳なんかは
入れないほうが、
口当たりは良くなります。

油はバターでもオリーブオイルでも
どちらもいいカンジですが、
よりボディ感があるのはバターでした。

あと、見た目はどうやっても
なんだか美味しくなさそうなんですよね・・・

見慣れている
とろふわ感のあるオムレツには
頑張ってもなりませんでした。

その分食べてのギャップが良いとも言えますが。

 

◆常識はずれにもアイデアが!

オムレツには白身がとても重要なんです。

ですが、思い切って全排除すると、
まったく違う料理の可能性がありました。

たとえば白身だけの
たまごかけごはんを美味しく出している
お店もあります、

お店の繁盛メニューでも
ちょっと常識を外して試してみると
思いもよらない美味しさに
出会えるかもしれません。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(関連:米国人気司会者を出禁にした激うま「黄身だけオムレツ」って!? | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2023年01月15日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「ハリッサ」が売ってるんですね。
近くのスーパーで。

北アフリカ生まれの調味料、
地中海両岸・ヨーロッパと
アフリカで広く使われる
大人気スパイスでして、

数年前に見つけたとき、
めっちゃテンション上がりました。

ハウス食品すごい。

これがあると、
アルジェリア名物たまごサンドイッチ

『フリットオムレット』

が作れるんですよ。

直訳すると

「フライドポテト入りオムレツ」

名前の通り、フライドポテトと
たまごを一緒にして焼き上げます。

めっちゃカンタンで、

フライパンにバターを入れて
フライドポテトを熱します。

そこに、
軽く塩コショウふって
ハリッサを混ぜたたまご2個と焼きます。

熱いうちにお好みで
トマトスライスと一緒に
バゲットに挟んで完成です。

超ウマいんですよね。

あちらではかなりメジャーな
屋台フードです。

あ、もちろんですが、
できあいのフライドポテトを
使わずに、
ジャガイモを切って多め油で
揚げてからオムレツにすると
さらに絶品です。

◆ポテトとたまごは超合う!

じゃがいも入りオムレツって
世界に結構ありまして、

たとえばスペインの名物
スパニッシュオムレツもそう。

アルジェリアって
元フランス領なんですが、

位置的には
地中海を挟んで反対側に
スペインが最も近いお隣です。

茹でじゃがいもとたまごで作る
スパニッシュオムレツ
影響しているのかもしれません。

ですが、アルジェリアでは
ポテトを揚げてから使う分、
すご~く香ばしくておいしい!んです。

個人的には食感がすごく好みですね。

 

◆サンドイッチの歴史が古いアルジェリア

130年間フランス領だったことから
サンドイッチが広がったのかな…?

と思っていたんですが、
そうじゃなくってかなり前から
あるんだそうです。

フリットオムレット・サンドイッチと
同じくらい屋台で人気の
ガランティータっていうひよこ豆の
サンドイッチがあるんですが、

これなんかは500年もの歴史が
あるんだとか。

アルジェリア的サンドイッチ
アフリカンなたまご料理

奥が深くてかなり面白そうです。

 

◆アフリカ料理は伸びてくるかも?

これからアフリカ圏の料理は
注目されてくるかもしれません。

なにせ人口増加率がトップクラス
2050年には世界の4人に一人は
アフリカ人になります。

必然的に料理文化も
メジャーになってくるでしょう。

また、日本人と逆に、
減塩料理が基本なのです。

内陸の地域が多いため、
塩を摂らなくても大丈夫な
食文化なんですね。

高血圧に悩む日本人にとって
減塩料理の美味しい文化は
積極的に取り入れるべき
なんじゃないでしょうか。

フライドポテトが残った時にでも
ぜひ作ってみてくださいませ。

おススメです!

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2023年01月10日

「オムレツ、って難しいよね~
上手く作れないんだよ。」

というお話をよく聞きます。

じつはちょっとした工夫で
解決できるかも・・・


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

僕は割と卵料理を作る方ですが
けっこう長いこと

オムレツってつくるのが難しいなぁ

・・・と感じていました。

まず食感のコントロールが難しい。

表面は固まっていて
中がトロトロ、
そしてきれいなカタチに・・・

熱によってできあがりが
秒単位で変化しますから、
短時間に考えることと
やることが多いんですよね。

長らくの間、

調理技術(ウデ)がないから

だと思っていました。

ですが、実は!
そうじゃなかったのです。

たった2つ!のことを
するだけで、
トロトロふわふわのオムレツが
飛躍的に作りやすくなったのです。

それは、

・オムレツには牛乳じゃなく水を入れる

・ほんの少しの砂糖を入れる

たったこれだけです。

 

◆牛乳を入れると固くなりやすい

たんぱく含量を上げすぎない、
という事が重要なんですね。

オムレツに入れるのは水か牛乳か

という論争は、
欧米でもよくあるテーマだったのですが、

研究的には「水の方がイイ」と
なっているんです。

ひとつには、固化温度。

たまごはだいたい65℃を
すぎたくらいから黄身が固化し
そのあとで白身が固まる温度になります。

この温度があっという間に
過ぎてしまうから、食感が
ぼそぼそになったり、焦げたり
固まってしまうわけですね。

で、ですね。

オムレツの卵液に

牛乳や塩を入れると
固化温度が下がる

ことが研究で分かっています。

すなわち、

牛乳を入れちゃうと
すぐ固まってしまう、
水を入れたほうが作りやすい

ということです。

たんぱく含量が上がりますから、
その影響ということですね。

感覚的には、豆乳でも同様ですね。

 

◆砂糖を入れるとトロトロに!

そして、砂糖を入れると
その逆になります。

砂糖はたんぱく質の変性を
抑える効果があるんです。
つまり卵の固まる温度を高め、
固まってもやわらか~くする
働きがあるんですね。

研究では、65℃~の固化が
最大10℃も上がることに。

そのおかげで、
そとはしっかり中はトロトロに
重層的な熱勾配が
つくりやすいですし、

なにより
固まるのをあわてずに
作りやすくなります。

具体的には、

・たまご 2個
・水 大さじ2杯
・砂糖 小さじ半分

これに塩コショウを加える
だけで、めちゃくちゃ
つくりやすくなります。

自分でもとろっとろの
オムレツができたときは
ホント感動しましたね。

もしご家庭で
「オレってヘタかなぁ。」
と悩んでいるならば、

単に上級者すぎる
レシピの問題かもしれません。

ぜひ上の比率で
試してみてくださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:映画「ディープブルー」に学ぶ、最高のオムレツをつくるコツ | たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

世界的に有名なフランス・

モンサンミッシェル前の名物

ふわふわスフレオムレツ。

世界中にファンがいる

江戸前の玉子焼き。

調理に共通する面白い点があるのをご存じでしょうか。

それは、

「銅製の調理器具」を使う点。

 

カリオストロの城のモデル

海に浮かぶ修道院

モンサンミッシェル前の名物店

スフレオムレツは、

 

まず銅製のボウルで

たまごを思いっきり泡立てます。

それを、一気に焼き上げることで

超ふわふわのオムレツになるんですね。

めっちゃ美味しいんですよ。

 

卵をめちゃめちゃ泡立てると、

 

泡立てによって

たんぱく質の立体構造がほどけて

より小さな気泡を含みやすくなります。

なめらかふんわりになるんですね。

 

しかし、卵に含まれる

システインという含硫アミノ酸がくっつくと、硬くてぼそぼその食感になっちゃうんですね。

 

それを防ぎ、

安定した泡にしてくれるのが、

『銅のボウル』なんです。

 

銅製のボウルだと、

混ぜるときに

溶けだした銅イオンが

このシステイン同士の結合を防ぐんです。

面白いことに、データを取った論文もあります。

 

生クリームに

スフレオムレツ、

白身の泡立てで楽しむ

ふっわふわの料理ってたくさんあります。

 

もしかすると、

あなたのご家庭でも

銅製の容器を活用するだけで

美味しさが倍増するかも・・・!

 

ちなみに、

江戸前の玉子焼き。

だし巻き玉子もそうですが、

プロの皆さんは、銅製の玉子焼き器を使います。

これは、熱伝導のため。

薄く焼き上げるため

均一に熱を伝えるには、

伝導率の高い金属がうってつけなんですね。

だしを逃がさず

一気につつみ焼くことができますので、

だし巻き玉子にもピッタリなんです。

 

こういう、

伝統にちゃんと理由がある

というのはすごくテンション上がりますね。

 

たとえば伝統的な

甘い玉子焼きにするのも意味がありまして、

 

卵の黄身は熱変性する際に

砂糖があるかどうかで固まる温度が変わります。

 

砂糖を入れると、

最大でなんと15度ちかく

固まる温度が上がります。

すぐ固まりにくくなると

それだけ滑らかに作りやすいんですね。

単に甘くておいしい!以上の意味があるわけです。

 

こんな風に

セオリーの理由を抑えると、

和洋問わずほかの新メニューに応用できたり

するかもしれません。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2022年07月17日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

米国のシェフにジョシュ・エルキンさんという方がいます。

ケーブルテレビ・クッキングチャンネルで

人気番組を持ってまして、

またたびたびSNSでバズっている方でもあります。

 

この方、超たまご好きなんです。

なにせ、インスタグラムのタグも

「#neverskipeggday」(ぜったい毎日卵を食べろ)

となってますし、そのTシャツまで作って伝道してくれるくらい↓。

たまご屋としてもめちゃめちゃ敬愛できる方。

 

さて、このエルキンさんが

インタビューに答えて、

イチオシしているのが、

「日本のたまご調理器具

マキヤキナベ オムレツフライパン」

なんです。

 

・・・?

なんのことでしょう??

 

これ実は、

だし巻き・玉子焼き用の

玉子焼き鍋(玉子焼き器)

のことなんです。

四角いフライパンって

海外では珍しいんだそうです。

 

「これでオムレツを作ると

超クールなロールオムレツになるんだ!」

 

なんて言ってます。

海外の方にとって、日本の

だし巻き玉子や厚焼き玉子は、

巻き巻きオムレツ

なんですね。

 

ちなみにインスタで上げて

4万イイね取っているのが、

バターを溶かし

チーズの芯とベーコンを挟んで

「まきまき」した

『ジャパニーズスタイルオムレツ』

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Josh Elkin(@thejoshelkin)がシェアした投稿

うーん!

美味しそうですね。

 

僕の中では玉子焼きとオムレツは

全然別物のイメージなんですが、

 

こうやって

「オムレツ」の構文で

玉子焼きを捉えなおしてみると

いろんな具材や味付けの

新しい組み合わせがありそうです。

 

たとえばイタリアンや

フレンチ・ロシア料理の

レストランでのだし巻きが

めちゃめちゃファンを作ることも

ありえますよね。

 

こんな風に、

視点を変え

たまご料理の再定義をすると

面白いメニューも増えそうです。

 

以前に、知人が

醤油を使ったティラミスを

作ってくれたことがあります。

思った以上に風味があうんですよ。

 

これもよく考えてみれば

ティラミスって生卵を使いますし、

日本のたまごかけごはん的な

組み合わせとして

醤油とティラミスの相性が

すごく日本人受けするのかもしれません。

 

日本独特のメニューだった温泉玉子が

世界に広がっているように、

世界の目から見た日本の玉子料理

ワクワクしますね~。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2022年07月15日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

もう梅雨が明けた、みたいな報道がでてますね。

えっ!?いきなり?びっくりです。

 

となるともう夏いり。

暑さに負けず頑張るしかないですね。

 

暑いと水分過多もあって胃が弱り

食欲が無くなってきますが

そんなときはぜひともたまごメニューです。

 

「たまごは完全栄養食」なんて言われるくらい

栄養はすんごくバランスよくあるのですが、

唯一無いのがビタミンC

そこを補うことで、

夏バテを吹っ飛ばす超元気メニュー!

になるんです。

 

◆世界には野菜たまごオムレツがたくさん!

栄養面だけじゃなくって、美味しさでも

ソテーした玉ねぎ、鮮やかな緑のハーブ、

新鮮な野菜と一緒に食べる卵ほど

おいしいものはないんです。

 

これ、世界共通の考え方でして、

いろんな国に

「野菜たっぷりオムレツ」が存在します。

 

たとえば

スペインの野菜オムレツ「トルティーヤ」

(トルティージャとも呼びます)

日本ではスパニッシュオムレツ、

なんて呼び方もありますよね。

 

ジャガイモとタマネギ、

ホウレンソウやアスパラ・ベーコンなど

具だくさんなのが特徴で、

いわゆるフランス風のオムレツと違って

ひっくり返したりのさほど難しい技術が少なく

ご家庭でも作りやすいんです。

 

また、イラン近辺の名物料理

ペルシャ料理の野菜たっぷりオムレツ「クークー(kuku)」

があります。

これは卵とコショウ・ハーブ

ターメリックで味付けし

たっぷりのパセリとほうれん草

コリアンダやレタスなんかの

緑野菜をいっぱ混ぜて焼き上げるんです。

 

見た目にも「エッ!?これたまご料理なの?」

と驚かれるかもしれませんが、

香り良くって美味しいヘルシー卵料理なんです。

 

味もさることながら、

インパクトあると思うんですよね。

 

北アフリカの「スフレ ド パタータ」

フランス語やイタリア語っぽい名前で

ちょっと不思議ですが、

地中海沿岸北アフリカ発祥の野菜オムレツです。

つぶしたジャガイモと玉ねぎ、

パセリ、エンドウ豆や刻みニンジンなんかも入ります。

口当たりが良くってふわっと美味しい野菜オムレツです。

 

以上、世界の野菜たっぷりオムレツを

ご紹介しました。

 

考えてみると、世界的にはお米=野菜のイメージもあるそうですから、

日本「親子丼」もある意味野菜オムレツだと思われているかもしれません。

 

ぜひ、ビタミンとアミノ酸をたっぷりとれる

野菜オムレツで

夏を元気に!乗り切りましょう!

 

ぜひ、あなたのお店の夏限定メニューとして

ご検討くださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2022年06月27日