小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ちょっとつぶやき 記事一覧

コロナ禍の防疫で、

他の病気が激減しているそうですね。

 

インフルエンザ、コロナ前は

毎年1000万人超がかかっていたのに、

昨年は1万人ちょっと。

1/1000です。

手足口病なんかも激減しています。

 

そうすると、

「子供の免疫が育たないんじゃないか。」

と心配される親御さんが増えているんだとか。

 

あえて、

かかっておいた方がいいんじゃないか?

ってことですね。

 

ニュース記事でのお医者さんの回答は、

「感染症はちいさい内にかかるほど重症化する。わざわざかかりに行く必要は無い。」

とのことでした。

 

ぼくたちが小さい頃は、

「バイキンに触れて病気になって、抵抗をつけるんだ!」

みたいな考えが多かった気がしますが、

 

一見正論に見えても、

やらなくてイイことと

やるべきことがハッキリあるってことですね。

 

さて、僕たちの仕事でも、

やるべき、やらないべき、

というものがあります。

 

たとえば、商品開発。

ぼくたちは料理別専用たまごや、

地場の素材を活かしたたまごがありまして、

常に新しいものを試しています。

 

僕はとくに、やりたがりでして、

何か興味のあるものがあれば、

試験をしてみたくなります。

 

ですが、

最近はやる事がハッキリしてきています。

 

「ミドリムシの飼料つかいませんか?」

以前、こんなご提案を

いただいたことがあります。

 

「畜産飼料向けとしても

使われ始めていて

鶏卵業界でも採用している

農場さんもありますよ!」

との事でした。

へ~!

面白そう…!

 

…とは思いましたが、

ウチではお断りしました。

試験もしませんでした。

 

それは、

僕たちのたまごをお届けする目的が、

「美味しさと健康提供」

「ご繁盛提供」

だから。

 

つまり、

どんなに良いたまごでも、

「お店でPRして繁盛につながらないことはやらない」

と決めているんですね。

 

「ミドリムシ飼料のたまご使ってます!」

なんてレストランさんで書いてあっても、

「美味しそう!頼んでみよう!」

ってならないですよね。

 

いや、なるかもしれないですが、

僕たちにはその方法が思いつかなかったんです。

もし、僕たちが、

たまごを通して健康だけを届ける会社であれば、

おそらく試してみたでしょうし、

採用したかもしれません。

 

でも、たまごを通して

「料理になった時のおいしさ」

「取引先さんの繁盛」

で喜んでいただくのが目的!

なので、

 

そのために、

僕たちは料理に合わせて

鶏の飼いわけ、育てわけ、

選別分けをしているんです。

 

そこには、めんどうくさいことを

どんどんやっていく。

 

いまは83種もありますので、

ちょっとマニアックなくらい。

繁盛にならないことは、

どんどんやめていく。

 

やる、やらないがハッキリして

仕事がやりやすくなったな~

と感じる今日この頃です。

 

ちなみにボクは新発売の調味料があれば必ず買ってくるんですが、

キッチンでかなりジャマになってまして、

 

「使い切れないんだから、やめて捨てたら?」

と家族に言われ続けてますが、

「いや、これは『シュミ』だから。」

と逃げ回ってます。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年09月17日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

黒木瞳さんが先日の舞台あいさつで、

60歳になった、とおっしゃっておられました。

変わらぬ美しさですのでびっくりです。

 

そういえば、宝塚で名前を決める時に、

瞳が黒くてキレイだから

って理由で名付けたそうですね。

ようはダジャレですね。

 

さて、もしかすると

たまごの業界だけかもしれませんが、

けっこうな頻度で

「ダジャレな名前の商品」

を見かけます。

 

いや、

べつに悪いってことは無いんですよ。

ダジャレ名の商品ばっかり出している

小林製薬は業績右肩上がり、

高い株主配当で人気の企業です。

 

我が業界のたまご銘柄や

飲食店さんのメニュー名

洋菓子店さんの商品名

を見ていて、

 

「いいダジャレと、ダメなダジャレがあるなぁ。」

と感じたんですね。

 

〇ダジャレ名のメリット

ダジャレって何がイイかって、

親しみを持ってもらえて

覚えてもらうのに

とても有効なんですね。

 

たとえば前述の小林製薬のヒット商品、

「のどぬ~る」が

「ヨウ素・ヨウ化カリウム配合のど殺菌消毒薬」

なんて名前だったら、

『こんなの使っていいのかな‥‥‥?』

ってなりますよね。

問題は、

ダジャレの『方向』だと思うんですよ。

 

たとえば、僕たちたまご業界であれば、

「たま」とか

「らん」をかけたダジャレネームが

けっこうあるんですが、

コレ「売れる」という点で言うと、

すご~くもったいないんですよね。

 

だって、ダジャレで「卵」

をアピールしなくたって、

売り場で見たら卵って

わかりますもん。

 

そうじゃなくって、

 

その商品の『他と違う部分』

『優れている部分』を

 

ダジャレにしないと

いけないんですよね。

 

「アスクル」という上場企業があります。

これは、文具などが「明日来る」

 

つまり翌日届くという

物流サービスに特化して、

このシャレを名前につけたそうです。

 

この発想が大事なんですね。

お客様のメリットが伝わるから、

このダジャレネームなのです。

 

卵商品で「卵のダジャレ」

ネームを付ける意味ってなんでしょう?

誤解を恐れず言うならば、

そこにメリットはありません。

 

 

世界的に有名なお店に「エッグセレント」

というパンケーキ専門店がありますが、

コレはエッグ(卵)と

エクセレント(素晴らしい)

をかけたダジャレです。

 

「卵料理を強みとした飲食店ですよ。」

というコンセプトを押し出すために

卵のダジャレを使っているわけで、

ちゃんと意味があります。

なので、卵で言うならば、

「たまたまランラン」みたいな名前よりは、

放し飼いをアピールするために

「花ハナはなしがい卵」とか、

 

有精卵であることをアピールするため

「有精(卵)からの物体X」

みたいな方が

お客様にとって意味がある、

という事ですね。

僕自身のダジャレセンスがイマイチなのは別として…(汗)

 

もし、あなたのお店で

「愛すコーヒー」みたいな

ダジャレ名メニューがあるならば、

それが『差別化の特徴』かどうかですね。

 

ぜひ、自家焙煎の「良い香り」ダジャレとか、

「挽きたて」ダジャレとか

何か『特徴』を伝えるダジャレメニュー名

商品名にすべきだと思います。

 

しじみ66個分の成分がはいった

オルニチン配合の乾物

「オルニ珍味(ちんみ)」という

おつまみがありますが、

まさにダジャレパワーの

正統な使い方じゃないでしょうか。

ぜひ、あなたのお店の

ステキさを

わかりやすくあらわす、

名ダジャレネーム!

を商品名メニュー名として

名付けてあげてください!

 

ちなみにウチの妻に

「最近ダジャレの商品がめだつよね?」

って聞いたら、

「おっさん化してオヤジギャグだけが目に付くようになったんじゃないの?」

って言われました。

そうかも…

 

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年09月15日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ゲーム業界の方から以前、

ディズニーの呪い

なるものを聞いた事があります。

「ディズニーっぽいキャラクターゲームを出したら、たいていコケる。」

というもの。

 

聞いてみると、

ゲーム会社の社長さんや

ディレクターさん、

 

我が子が育ち

ゲームをするようになったのを見て

「こんなゲームをさせたいなぁ。」

…と考える。

それでディズニー。

 

できあがったものは、

毒も無く

品行方正

 

親もうなづき、

学校のセンセイも

問題視しないようなゲームです。

 

で‥‥‥、

子供は買わないんですね。

 

そんなゲームよりも、

銃をブッ放して

ゾンビが出まくるような、

そんなものを買うわけです。

ゲームづくりのプロですから、

自分達だって

そんなこと分かっていたはずです。

 

でも、親の立場になっちゃうと、

分かんなくなるんですね~。


飲食店さんでも同じで、

かつて食べる立場で

「こうだったら良いのに。」

と思っていたことが、

立場が変わると

わからなくなってしまう。

そんなことがあります。

 

たとえば、

「減塩で健康な料理を食べさせたい。」

ってあなたが思ったとします。

 

お父さんが年で血圧に問題がある。

それを見ながら、

「同じように困っている人は多いだろうなあ。そんな料理を専門で出すお店をつくろう。」

そう思うわけです。

 

でも‥‥‥

正直に言いまして、

そのままでは流行りません。

 

「みんなそんなお店があれば!って言ってるのになぜ…?」

って不思議がりながら、

店をたたみます。

 

じっさい、そんなお店が

定期的にできては消えるのを

何度も見てきました。

 

なぜか。

 

それは、血圧に問題がある人

健康に問題がある人

高齢の人

 

そんな人は、

薄味の料理

さっぱりした煮物

ゆで野菜ばっかり

みたいな料理は、

「食べたくない」からです。

そこにお金を払いたくない。

 

本人たちは、

むしろ、揚げ物が食べたいんです。

しっかり塩味の効いた

若い人と同じものが食べたいんです。

 

自分もかつては

「薄味だけのお弁当なんて買いたくないよ…!」

って想像できたはずなのに、

 

親が心配な年齢になっちゃうと、

とたんに忘れちゃうんですね。

 

差別化やコンセプト、

店主の想いは大事ですが、

本当にお客様がほしいことに

ちゃんと寄り添えているかどうか、

常にお客さんの視点で見直す必要がありますよね。

 

「両立」は可能なんです。

ちなみに任天堂は

野蛮な銃撃ゲームを

内容そのままに

 

可愛いキャラの

ペンキ塗り合戦にした

「スプラトゥーン」というゲームを出しました。

これは親・子供どちらも納得する大ヒットゲームに。

 

同じ様に料理でも

食べる人の望み通り!

かつ、健康なコンセプトは

じゅうぶん可能です。

 

見た目も味もおんなじだけど、

より健康な料理

 

めっちゃ揚げ物が多くても

ノンフライでカロリー激減化とか

 

塩分はあるけど、

カリウムの多い野菜を

ソッと増やして

ナトリウム排出を

しっかり促すとか、

 

また、

たまごの白身はカロリーが

低いのですが、

白身割合の多いたまご

を使うだけで、

 

玉子焼きの

ふわふわ感を増しながら

十数パーセントものカロリーを

落とせます。

お米の味そのままで、

煮汁から糖質を半分除去できる

炊飯器も話題ですよね。

 

カロリーオフの技術は

近年すごく伸びています。

 

セブンイレブンも、

糖質制限になりながら

めちゃくちゃボリュームもある

お弁当を出して、

話題になっています。

 

ぜひ、

ディズニーの呪いならぬ

減塩の呪いとか

あっさりの呪い

にならないよう、

お店のご繁盛につなげてくださいませ!

 

ボクは100歳になっても

すき焼きやトンカツを食べて

生きるのが目標です。

ぜひそんな料理をいっしょに考えませんか!?

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年09月14日

本日も、飲食店さん小売店さん洋菓子店さんの繁盛のためにお伝えします!

 

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

実は引っ越しまして、

我が家の冷蔵庫が17年ぶりに

新しくなりました。

つい最近、SNSで話題になっていましたが、

なんと!

最近の冷蔵庫は

マグネットがひっつかない!!

 

子供のプリントが貼れないじゃないか~!

なんてビックリしております。

 

そんな冷蔵庫の変化を見て、

思い出したお話をひとつ。


ずいぶん前ですが、

冷蔵庫なんかの

ステンレス・アルミ加工をされている

会社の副社長さんから聞いたお話。

 

昔はあちこちに八百屋さんがあって、

そこでちょっと野菜を買ったり

 

店内に小さな冷蔵ケースがあって

アイスクリームなんかを

買ったりしてましたよね?

そういった小売店向けの

冷蔵庫(冷蔵ケース)が

昭和の後半には

ものすごく注文があったのだそうです。

 

ところが、

いきなりパタッと注文が減った、

八百屋さんは全国すごい勢いで

減り始めたんですね。

 

何があったかというと、

冷蔵庫の性能が上がって

中にたくさん入れられる

ようになったからなんだそうです。

 

スーパーさんがいっぱいできたから

八百屋さんがつぶれた

じゃなくって、順序が逆だそうで、

 

一回の買い物で沢山入れられるから、

誰も八百屋さんで

アイスも野菜もちょっとずつ

買わなくなってしまった。

それで、まとめ買いできる

スーパーが増えた。

 

「電化製品が進化したから

街の八百屋がつぶれたんだよ。」

 

その社長さんいわく、

冷蔵庫なんて

違う業界のハナシだから

 

最近何で売れないのかなあ?

理由がわからない、

って言いながら八百屋さん次々と廃業していったんだそうです。

 

これって、すごく考えさせられます。

不動産屋さんも、

昔は人通りの多い所に事務所

かまえて良い物件を貼りだせば、

お客さんは来てくれました。

 

今はネットで探さない人

いないですよね?

 

やっぱり同じで、

ネット普及したころ、

「なんかお客さん来なくなったなあ。」

「こんなに人通り多いのに。」

って不思議がりながら廃業したところも多いのだとか。

 

こんなカンジで、

ゼンゼン違う業界の革新技術が、

自分達に大きく影響するかもしれない

 

でもまったく気づかずに、

なんでかなぁ…?

って考えながら衰退するのって

ホント、ホラーですよ。

 

たとえば、スナック菓子では、

「手が汚れるもの」は売れなくなりました。

スマホが触れなくなるから。

 

あの「カール」が販売終了になったのは有名ですよね。

手が汚れない「じゃがりこ」の売上は伸び続けています。

 

あなたのお店のおつまみで

出しているフライドポテトは、

どうでしょうか?

 

シュークリームは、

両手で食べるサイズなのか、

片手スマホで片手で食べられるのか

ちょっとした違いが

大きな売上差になるかもしれません。

たまごサンドイッチも、

厚焼たまごのサンドイッチが

流行ってきているのは、

 

もしかすると

普通のサンドイッチより

片手で食べやすく、

スマホ触りながら食べられるから

なのかもしれません。

そう考えると、サイズも変わってきますよね?

 

老人が増えると、

スーパーさんでは、その商品の

値段表の文字が小さいだけで、

売り上げ激減するそうです。

 

加えて、一番上の段はとどかないんで、

売上皆無になったりします。

一番目立つ場所だぜ!なんて考えて

いたら売れない理由がサッパリわからなくなります。

 

ぜひ、

あまりカンケー無さそうな業界の

新しい進歩も、つなげて考えてみてくださいませ。

 

ちなみに卵は、

平安時代に“仏教”が流行ったおかげで

いっさい食べられなくなったことがあります。

 

800年間も!

 

激動する流行りのなか、こんどは

消えて行かないように

お客様といっしょに

ぜひ革新していければと思います。

 

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年09月8日

洋菓子店・飲食店さまご繁盛につながるお話を毎日してます!


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

新型コロナに

「抗体カクテル療法」

の薬投与が緩和されましたね。

 

重症者の抑制ができるのは

とっても良い事です。

 

ただ…

そのネーミング

 

もし、今後

ひろく普及していったら

お酒の「カクテル」

がとっても調べにくく

なっちゃいますね‥。

 

じっさい現時点では、

「カクテル」

でニュース検索すると

点滴のお話しか出てきません。

これ、意外とやっかいなんですよね。

 

たとえば僕は先月ブログで

『哲学者の卵』なる

中世の古い道具について

書いたのですが、

手元の書籍はともかく

ネットで調べものしようと思っても、

 

『哲学者のタマゴ』って

検索すると「新人哲学者」のこと

しか出てこないんですよ。

 

「〇〇のタマゴ」ってのは、

新人さんのお話ばっかりです……

 

ちなみに「ゆでたまご」

で調べると、

あの人気プロレスヒーロー漫画に関するページが

大量にひっかかってきます。

 

あと、

新米の時期なので、

お米に関するニュースを

調べようと思ったのですが、

 

「米」で調べると、

ほぼおコメのニュースは出てきません。

 

モデルナ社は…」「欧では…」

アマゾンのシステム障害が…」

みたいな記事ばかり。

 

何が言いたいかといいますと、

何かメニュー名を考えたり、

イベント名なんかを打ち出すときは、

検索で被らないものにする必要がある

という事なんです。

 

たとえば昨年末、ローソンから

「チンするだけでおうちクリスマスパーティ」

として、

『ラクパ』なるキャンペーンを

提唱していたのですが、

当時「ラクパ」で検索しても

楽天の駐車場シェアリングサービス

「ラクパ」

ばっかり出てくるんですね。

ローソンの方が気になって調べても、

なかなか行きつきませんでした。

ちなみに楽天は2017年サービススタートですから、

ちょっと頑張れば避けられたんじゃないかと思うんですよ。

 

フツーに発信力のあるローソンさんですら

こうなるわけですから、

僕たち中小企業は推して知るべしです。

 

避けられるものは避けておく方が無難じゃないかと思います。

 

有名ライトノベル作家で大崎アイルさん

という方がいらっしゃいますが、

 

これ、「大崎」も「アイル」も

大阪にある隣あう駅名から

付けられていまして、

 

「検索しても地名や不動産ばかりヒットする…。」

とTwitterで嘆いておられました。

 

今はヒットする本を何冊も出されていて

そんなことは無いと思いますが、

出版されてから(もう変更できないので)

ずいぶん後悔されたとか。

 

あなたのお店のこれからの

メニュー名、店名、キャンペーン名、

アイデア段階でちょっと検索して

確認しておくと良いのではないでしょうか。

 

ただし…!

相乗り的に大手企業さんの発信力と

勝手に相乗効果を出すことも

僕たちには必要でして、

 

それについてはまたの機会に

ご紹介できればと思います。

 

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年09月3日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

スターバックスが

フラペチーノのストローを

すべて紙ストロー化する

と発表しましたね。

 

賛否あるようですが、

変化対応、という意味では英断だと思います。


僕はたまご屋になる以前、

食品メーカーの開発研究者だったのですが

その時に得た最大の学びは、

 

「大手はゼッタイ手を抜かない」

 

ということ。

 

その食品会社の主力商品のひとつに

「味ぽん」という調味料

がありました。

というか、いまもあります。

発売後57年も続いている

ずーっと全国売上シェア№1

の商品です。

 

なにがスゴイって、

毎年、味のリニューアル

をしていたのです。

 

毎年ですよ?

 

とても優秀な先輩たちが

何人も担当して、

味を毎年変えるんです。

 

「今の味でも売れてるんですよね?」

「なんでそんなことするんですか?」

 

と、聞いてみたのです。

その答えは、

 

「味を変え続けないと、

かならず飽きられるから。」

というものでした。

 

味ぽんって、

発売当初はもちろん

「鍋を楽しむ」ためのものでした。

 

でも途中から、

おろしハンバーグにかけたり、

サンマにかけたり、

醤油代わりにつかったり、

 

食シーンでの

用途がだんだん変わってきたんです。

 

すると、使い方がちがうから

合う味だって変わる。

 

また、今の若い人は

酢の物なんて食べません。

「酸っぱい」

に慣れてないんです。

 

「だったら酸味は

ちょっとまろやかな方が喜ぶよね。」

 

こんなふうに、すこしずつ、

世の中に合わせて

味を変えているんです。

 

聞いてみたら

カルビーの

ポテトチップスだって、

バーモントカレーだって同じでした。

 

ながく売れているからこそ、

手を抜かずにしょっちゅう

リニューアルしているんです。

 

そうやって進化つづけて、

やっと「変わらぬ美味しさだね。」

と言ってもらえるんですね。

 

ところが、

中小企業はどうでしょう?


以前、県の勉強会で、

ある大手百貨店のバイヤーさんと

お話する機会がありました。

 

いわく、

「『〇〇年の伝統』があって

『頑固に味と製法を守っています』

って、

ホント多くの方がおっしゃるので、

正直ウンザリします。」

とのことでした。

 

つまり、小さな会社の多くは、

「味を変えないこと」が

作り手の矜持であって

強みだと思っているんです。

 

そして、徐々に飽きられる。

ところが、大手は違ったんです。

どんなに売れてる商品でも、

ためらわずに

時代に合わせて変えている。

 

でもそれって、ホントは

中小企業の強み

なんじゃないでしょうか!?

 

一回の生産ロットだって小さいんですし、

小さい会社の方がより

細かい変化対応ができますよね?

 

春夏秋冬で年4回味を変えたり、

極端に言うならば、

毎月味を変えることだって

できるはずです。

 

※僕たちもそう思って「夏のあっさりたまご」

という商品を作りました

 

どの分野でも同じかもしれません。

任天堂へゲーム機を修理に出すと、

子供が貼ったシールまで付け替えてくれるそうですね。

 

しかもおんなじ角度で

わざわざ貼りなおしてくれる。

 

サービスに感動したいろんな人が

SNSにアップしています。

象印へポットの修理を依頼すると、

まず「修理中に使う代わりの電気ポット」を送ってきます。

それが入っていた段ボール箱に、

修理するポットを入れて送り返すんです。

 

実に細やかなサービスですが、

こんなのもホントは、

小回りの利く中小企業の得意なサービスのハズ。

 

小さなたまご屋の経営者となったとき、

ボクはこの事実に恐怖しました。

 

業界大手のとても優秀な人たちが、

いっさい手を抜かずに、

ぼくたちの得意な領域で

強みを発揮してくる。

 

きっと、たまご業界もそうだろう。

じゃあどうすればいいか?

 

ボクらも手を抜かずに

取り組むしかないんですよね~。

 

取引先のラーメンチェーン店さん。

二十数店舗を全国で展開する

有名店さんですが、

 

本部にお邪魔するたびに

「スープを新しい味にしたんだけど、

今度のはどう?」

 

と試食をさせてもらいます。

こうやって今があるんだなぁ、

と元気をもらっています。

 

手を抜かずに、

勇気をもって

変化していきます!

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年08月28日