小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

9マイルは遠すぎるたまご

取引先のご飲食店さんとのコミュニケーションについて。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「9マイルを歩くのはカンタンじゃない。ましてや雨の中となるとなおさらだ。」

という有名なセリフがあります。

ハリー・ケメルマンのミステリー短編小説
「9マイルは遠すぎる」に出てきます。

飲み屋でふと耳にした
誰が言ったかも分からないセリフ。

ここから名探偵の教授が

・話し手は雨を予想していなかった。

・スポーツマンではない。

・歩いたのは夜中か早朝のはず(交通機関が無い)

・9マイルという正確な数字から、町へ向かってきていたはず。

・用事があったのは始発前だから・・・~~

と推理をして、
最終的に「話し手は夜中0時過ぎまで隠れ家のホテルで連絡を待った。指示を受け・・・」

と殺人をおこなった推論を立てていくのです。
最終的には、この会話を耳にしたバーで
まだ飲んでいる犯人を逮捕、となるお話です。

短編推理小説の名作ですが、
初めて読んだとき、そのテンポと切り口に
感動したのを覚えています。

 

◆日常にもありえることかも!?

ちょっとした推論から
物事が判断できる。

このことは僕たちの仕事でも、
気を付けていることでもあるんです。

たとえば僕たちは
いろんなご飲食店さんに
たまごを日々納めています。

その際に世間話として
「最近あのあたりのお店ってどう?」
なんて、聞かれることも
時にはでてきます。

そういう時、
僕たちは仕事中に知った
情報はお出ししない、
と決めています。

かりに、
「あのお店、たまごの使用量が
2倍になったんですよ~。」
なんてポロっと話してしまったら

「あのメニューでたまご使用量
大幅増なら、あれを仕掛けているに
ちがいない。」

なんてふうに、
プロの料理人・経営者さんなら
そのお店のメニューイングから
ライバル店の集客状況や戦略が
分かってしまうかもしれません。

たまごって基本的な食材なので、
意外とお店の集客状況や
注文状況の増減とも細かくリンク
していたりもするんです。

ですので、
「いや~、和食業態全般ではこの流れですね。」
なんて風に
全体状況をお伝えするか、
すでにリリースされている
既知の情報からの判断について
お伝えさせていただいてます。

「そんなに気にしなくても・・・」

なんておっしゃる方も
いらっしゃるのですが、

「9マイルは遠すぎる。」
の犯人にならないとも限りません。

著者はこのお話の構想に
14年かかったそうですが、

ご飲食の世界では
「この道14年」なんて方は
ザラにいらっしゃるわけで、

『名探偵がいるのが当たり前』
だと思って仕事で耳にした
個別の情報はぜったい伏せる。

これを鉄則にして
たまごのご納品を日々しております。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき2023年02月17日