小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごのビックリ科学 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

毎日暑いですねー。(ーー;)

これだけ暑いと、「アスファルトの上とかボンネット上で、太陽熱で目玉焼きができるんじゃないの?」なんて考えたこと、ありませんでしょうか?

意外とたくさんの方が連想するようで、昔からTVでも時々企画を目にします。 東野浩二さんのベンツのボンネットを使い炎天下に目玉焼きを焼いてみよう!なんて企画もありました。

さて『太陽で熱せられた鉄板などの上で、目玉焼きは作れるか?』という命題、

この答えは・・・、不可能であって可能でもあります。

説明します。

まず、普通の状態では太陽熱だけで目玉焼きはできないんですね。 黄身は約65℃、白身は約75℃程度で凝固します。 カンカン照り太陽の地表へのふく射熱は最大でも49℃程度で、たとえ真夏でも、卵の凝固温度には達しないんですねー。

上記の東野さんTV企画時も、目玉焼きにはならなかったと記憶しています。米国ニュースサイト「LIVE Science」でもつい先日検証記事がありましたが、やはり炎天下でも目玉焼きにはなりませんでした。

ただしある条件下では太陽で目玉焼きができるんですね。

それは・・・・・・

熱のこもる状況。 「車内」に置いたとき。

恐ろしいことに、カンカン照りではぜったい焼けない生卵も、車内に置くだけでちゃんと目玉焼きになるんです。

実験によると夏場の車内温度は、ダッシュボード上でなんと74℃になるそうで、卵だって焼けるわけです。 (http://www.ueharaweb.com/tempcar.htm)

これはオソロシイですねー!

そして、この「太陽と卵」の実験が、アメリカで大きなトラブルになっているんです。これについては明日のブログにてご説明!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

 

◆おまけ
個人的には
 あの「アメリカ横断ウルトラクイズ」の企画創設メンバーの方が書かれている「アメリカ横断ウルトラクイズヒストリー」というサイトにある、灼熱のデスバレー(死の谷)で、「熱された岩に乗せて目玉焼きを作る」、というエピソードがすごく面白かったです。

http://ameblo.jp/ultraquizhistory/entry-11334903588.html

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2013年07月16日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

上の写真は「たまごのカラ」を使った絵の具で描いたものです。 タンパク質膜粒子の影響により、淡い色調のしっとりとした絵柄になるんですねー。 なんというか、日本画っぽいとても侘びのある絵になります。

たまごの殻は多孔質で、ミクロの微細な穴がたくさん開いています。 色素をはじめ「水と油」両方の成分を吸収する珍しい作用があります。 このため化粧品の保湿剤や脱水剤、凝固剤など天然由来原料として様々な用途で使われています。

さて、「タマゴの殻 絵の具」ですが、実はご家庭でも結構カンタンにできてしまいますので、ご紹介します。 用意する道具は、冷蔵庫にあるものと、薬局ですべてそろっちゃいます。(^^)

 

【準備するもの】

・たまごの殻の微粉末  (各色)100g
・水           50g
・色素(お好みの色)    3gずつ
   食紅・藍など天然色素、なければnyubati.jpg
赤色1号
   青色2号
   黄色5号
・乳鉢(※薬局で買えます。アマゾンでも400円くらいからあります)
・ニカワ液(膠液)(※絵を描く時に使います。アマゾンでひとビン400円くらい)

 

【事前準備】 たまご殻 微粉末の作り方

   たまごの殻から、白身のねばねばを水洗いしたあと、日陰で乾かします。 コレを乳鉢で少しずつ粉末にします。 内側の薄皮はそのままでも大丈夫です。

 

【卵殻絵の具作成方法】

keiranenogu1.jpg

(1)透明のプラスチック容器に、卵の殻微粉末100gを取り、水50gを加えます。(割合は2:1ですので、量はお好みで御調整ください)

(2)食用添加物色素の微粉末を、単独、あるいは混合したもの3g(卵殻粉末100gあたり)加え、全体が均一の色調になるまでよくかき混ぜます。

(3)風通しの良い気温の高い場所で乾かします。全体が固まった状態になります。

(4)もう一度、微粉末に砕きます。 乳鉢があればいいのですが、ご家庭では厚めのビニール袋に入れてビンの底などでトントンたたくだけでもオッケーです。

(5)ご使用の際は、上記(4)を、ニカワ液などで溶いて絵の具にします。
※ニカワ液(膠液)とは、日本画や書道などで使われる薄め液のようなものです。

 

◆身の回りの「再利用」と夏休みの自由研究
たまごはご家庭やレストランで、だいたい300億個程度が食べられています。 ご家庭で卵の殻約25万トンが生ゴミとして廃棄されるわけですね。

身の回りにあるものの有効利用、リサイクルとして、たまごの殻の利用方法を考えてみることは、とっても意義があることだと思います。ぜひ、夏休みの自由研究の課題として、チャレンジしてみてください。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。(^^)

(参考:たまごの殻の利用法・1993年・株式会社日報)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2013年07月2日

こんにちは!たまごのソムリエ、小林ゴールドエッグのこばやしです。

三菱重工業がこのほど完成させた、最新型の海底資源探査船「ラムフォームタイタン」がこのほど披露されましたが、いやー、すごい形ですね!http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130427-OYT1T00267.htm?from=main1

二等辺三角形の船! これは斬新です。

天然ガスなど資源の海底探査に使う超音波ケーブルを、できるだけたくさん船尾に付けられるように、このようなフォルムになったのだとか。

なるほど納得です。 変わった形にもちゃんと意味があるわけですねー。

たまごの形だって、意味があります。

完全な○ではなくて楕円、しかも片側がちょっととがった円弧になっていて細長く、もう片方が丸っこい円弧です。

ぜこんな形なのかというと、これは

「どこまでも転がっていかないため」

なんですねー。

片側がとがった円弧になってる分、転がっても途中で方向が変わってしまい下まで転がっていかないわけです。 これは、木の上や崖の上、外敵に襲われない過酷な場所で巣をつくるために必須のカタチなんですね。

その証拠に、急な崖や斜面など危険な場所に住む鳥ほど卵はとんがっています。 地面でたまごを育てる爬虫類(カメさんやトカゲさん)の卵は、まんまる〇、もしくは上下対称の楕円形です。

kamome_supponn_tamago.jpg

そういえば、全然関係ないですが、あのスーパーマリオブラザーズ、背景の木と雲はおんなじ形なんですね。

mario_onaji.jpg

これは、当時のファミコンの容量ギリギリまで使用していたため、違う絵を入れられない苦肉の策だったとか。

この場合は「おんなじ形」であることに意味があったわけです。 面白いですねー。(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2013年05月9日

pafectegg_flash.jpg

こんにちは!こばやしです。 入試シーズンまっただ中ですね! 受験生の皆様大変お疲れ様です。

さて、ちょっと下の式をご覧くださいませ。egg_shiki_fomula3.jpg

なんの式か、判りますでしょうか!?

これは、エクセター大学のチャールズDHウィリアムズ博士が算出した「パーフェクトなゆでたまごの公式」なんですね。boillingegg_paper2.jpg

この方は物理学者なのですが、超真面目に「ゆでたまご」について物理学の観点から論文を書いています。 読んでみましたが、式ばっかりでウヘェー、ってカンジです(^^;)

 要するに、『料理本に載っている「茹で時間」って、アイマイすぎるよ。 なぜなら、卵の大きさや温度でだって、水の温度でだって変わっちゃうんだし。 色んなパラメータを考慮しないと、美味しいゆでたまごはできっこない!

・・・・・・といういかにも研究者らしい理系発想というか、非常にウザイ難癖をつけたわけです。 そこでこのウィリアムズ博士は、膨大なデータと卵の相関を取って、上記の式を作り上げました。

更になんと、「標高」と茹で時間の相関データまで取って、これも式に繰り入れているんですね。 なんというか・・・スゴイです。

それで結局、どれだけ茹でたらいいんだよ!

という方におススメなのが、下記のサイト。(^^)

http://www.mn.uio.no/kjemi/tjenester/kunnskap/egg/parfectboildegg_flash2.jpg

上の公式を活用した、flashサイトです。 四つのバーをクリックして調整し、スタートボタンを押すだけで上部に理想の茹で時間が算出され、タイマーとして時間を知らせてくれます。(残念ながらノルウェー語のページですので読むのは難しいです)

物理学の見地から考えた、完璧なゆでたまご

受験でピリピリしている息子さんとの会話のネタに、

ぜひお母さん、一度こちらの作り方を試してみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。 

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2013年02月4日

 

chikkinn_canon1.jpg

たまごのソムリエ、小林ゴールドエッグのこばやしです。

人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られるイグノーベル賞「面白たまご・鶏研究」シリーズのご紹介第三弾です。
97年 イグノーベル賞 気象学賞 バーナード・ヴォネガット(ニューヨーク州立大学)>
『論文「ニワトリの羽がちぎれる現象を指標とした、竜巻中の風速の概算方法」に対して。』

そもそも突発的に起こる竜巻の風速を測ることはとても難しく、長らくの間、竜巻の風速は「ニワトリさんの羽のちぎれ具合」が指標になってました。
なぜか?というと、この根拠は昔の研究『大砲でニワトリを発射してみた検証データ(1842年)』…なんですね(;°ロ°)
ニワトリを大砲で発射・・・うーむ、まるでトムとジェリーみたい。 上記のイグノーベル賞受賞研究は、これを「ホンマかいな?」と150年経って再検証(!)した研究に対して贈られています。
再検証した結論としては、「ニワトリの健康状態や体つき・空気抵抗によってもちぎれ方は変わるので、正確とは言えない。」だとか…。(^^;) 
まァそりゃそうですよね。

ちなみに現在では、地面の模様や証言、録画映像などを組み合わせた「藤田スケール」というもので竜巻の風速を推定しているので、もう大砲で打ち出される鶏サンの悲劇が繰り返されることはなさそうです。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2012年11月19日

uchuu_tamagokake.jpg

たまごのソムリエ、こばやしです。

米国の民間宇宙船がISS国際宇宙ステーションと初のドッキングを成功させるなど、いよいよ宇宙時代に近づいてきましたね。 そこで、本日はたまごと宇宙のお話を。

◆宇宙時代の食事生活は・・?
月や火星、宇宙に住むようになると、いったい何を食べていけばいいの?

こういった疑問に対する研究は、1960年代から繰り返しなされてきました。

ずーっと暮らすのでれば、インスタントや乾燥クッキーみたいなものばっかり食べてられないですよね? そうなると、「宇宙で新鮮な野菜や畜産物を手に入れる方法」を考える必要が出るわけです。

また、そもそも無重力空間で生き物が普通に育つのか…、ここに生命探求のカギがあったりもします。

例えば将来、宇宙ステーションでたくさんの人が生活するようになったとして、そこでニワトリさんは飼えるのか? 増やせるのか? はたしてオムレツは食べられるのか・・!? は重要な問題です。大切ですね(^^)

 

◆宇宙でタマゴは孵らない・・・?
ニワトリさんに関しての最初の実験は、1989年。スペースシャトルSTS-29号に有精卵32個が積まれ、宇宙空間でもきちんと育つかどうかの実験がなされました。 これには2種の卵、産まれてから2日目と9日目のの卵が使われました。 その結果・・・

  産卵日目で宇宙へ行った卵 → ヒヨコにならずすべて失敗

  産卵日目で宇宙へ       → ヒヨコになった

ということに。 どういうことでしょう・・・? じゃあもっと詳しく調べよう、てなワケでそuchuu_hiyoko.jpgの翌々年再実験が決まります。 今度は産みたて直後0日目)、7日目、10日目の卵を宇宙へ送りました。

すると・・・0日目のたまごは失敗7日目&10日目のたまごは正常に発育してヒヨコになった!という結果に。 産みたてすぐに宇宙へ行くと、ヒヨコにならない・・・いったいなぜなのか??  調べてみると、たまごがヒヨコになるには、カラの内側に酸素を取り入れる血管を張り巡らせる必要があって、それは「浮力」を利用して作られるために、無重力状態ではうまく形成されず死んでしまうということが判明しました。

つまり、ヒヨコになるためには・・・、

  産みたてすぐ →重力が必要

  その後 →無重力でも大丈夫

ということが分かったわけです。

ということは、産みたて後の数日間に遠心力などを利用して「人工重力」をつくりだしてやれば、あとは無重力空間でも元気なニワトリさんになるということですね。  宇宙ステーションでニワトリさんを飼って、新鮮なたまごかけご飯を食べられる可能性が出てきたわけです。

 

◆宇宙まで、ソーッとたまごを送る・・・!nasa_tamagorakku4.jpg
さて、有精卵はそもそも、とっても振動に弱いんですね。 ロケットが打ち上げられるすさまじい振動に耐えられない可能性もありました。 そこで、この写真の様な専用のラックが開発され、これによって宇宙まで運ばれたんですね。 開発したのは日本人。 スプリング & ゲル & スポンジの三段構えで通気性を上げつつ轟振動にも負けない卵ラックとなっているわけです。 こんなところにも、世界一のたまご消費国で技術立国、日本の知恵が活かされているんですねー。(^^)感動しました。 

 

◆理想の食材「たまご」が宇宙飛行士を救う!?
以前にも書きましたが 、比較的近代に量産され始めたタマゴや鶏肉は、宗教の戒律による規制が極めて少なく、世界中のどの宗派に属する民族でも食べられるんです。 たまごは奇跡的な無宗教食材。なおかつ卵はアミノ酸ミネラルなど人の生活に欠かせない栄養素をパーフェクトにそなえた完全栄養食なんですね。

誰でも宇宙へ気軽に出かけて、名物のたまごかけご飯を食べて帰ってくる・・・そんな新時代になる事を、ワクワクしながら期待しています!(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2012年11月2日