小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

たまごの面白研究(イグノーベル賞)その1_ひよこ核融合


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たまごのソムリエ、こばやしです。

人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られるイグノーベル賞で6年連続日本人が受賞ということで、話題になっていますね。

そこで、以前も簡単に紹介したイグノーベル賞受賞の「面白鶏・たまご研究」をシリーズでご紹介。
<94年 物理学賞 ルイ・ケルヴラン>
鶏卵の殻中のカルシウムは(生体内の)常温核融合過程によってつくられる、という彼の結論に対して。
ナント!鶏サンは「核融合」でたまごを作っているんだそうです・・・こりゃビックリ! (゚□゚*)

聞くだけで面白い、まさにイグノーベル賞にふさわしい研究ですが、実は研究者のケルヴランさんはこの研究でノーベル賞候補にもなっているスゴイ方です。

◆生体内で起こる錬金術・・・!?
彼の提唱する、「体内で核融合し、元素が別の物質に変わる」というこの”生物学的元素転換説“は、190年前の研究『鶏の卵から生まれたヒヨコに含まれるカルシウムが卵の4倍にも増加している』、との報告(W・プロウト 1822年)がベースになっています。

当時はそのメカニズムは謎とされていましたが、ケルヴランさんは「酵素やバクテリアが作用して、物質を別の物質に転換しているのではないだろうか。」そう考えて詳細な研究を重ねました。

その結果、体内で起こっているアミノ酸などの生体結合反応が、pHや温度がある条件になると、原子核レベルでも起こるとの確信を持つに至ったのです。 実例としてマンガン→鉄分へと転換させるバクテリアの驚くべき研究報告も発表しています。

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一般に、原子核どうしがくっついて重い原子核に変わる「核融合」は、大きなエネルギーを生み出します。 太陽だって、「核融合」で燃えてるんですね。 ですが、自然の中ではそのようなエネルギー発生や消費を必要としない融合や転換が常に起こっている・・・。これが彼の主張です。

 

上記ケルヴランさんの研究は大論争を巻き起こし、賛否両論の末、「最後の錬金術師」などと不名誉な(?)あだ名もつけられ、現在ではほぼ顧みられることもなくなりつつあります。  まァもしこれがホントなら、鉄から金が生まれる様な、まさに「錬金術」といえるスゴイ発想です。

もしかしたら我々の体の中でも・・・!?

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学2012年10月5日