小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

まだまだ暑いですが、あれやこれやとアタマの中はすっかり冬のことを考えています。

さて、冬の準備、というと実はが大きくかかわっているのをご存知でしょうか?

それは、「インフルエンザワクチン」。

いざ大流行した時に備えて、政府はたくさんのワクチンを備蓄するのですが、このワクチン製造にはニワトリさんの卵が必要なんですね。

これは、本来私たちが食べる卵とはちょっと違います。

まず「受精卵」でなくてはなりません。なので、本来なら飼うことのない雄ニワトリさんも飼育します。

そして生産場所も一般の食べるためのものとは異なります。 専用の特別飼育施設の中で、ワクチンのためだけに飼われているニワトリさんの卵でなくてはなりません。

さらに、生後半年以上で一年未満の若鶏の卵でなくてはいけません。

うーん、これは大変ですねェ。 要するに一年以上前に「若鶏」サンを用意しなくちゃいけない訳ですから、「来年の冬にどれくらいワクチンが必要なのか?」を一年前に決定しなくちゃいけないんです。急に「もっと作ってくれ。」はムリ、ってことですね。

最近では、もっと迅速な対応ができないものか、一度にたくさんのワクチンをつくる方法はないものか、そういった観点でカイコからワクチンを培養する方法であったりダチョウの卵を使う方法であったりさまざまな検討がなされています。

食べて健康になる!以外にも、卵は我々の元気に関わる、たくさんの方の命を守る役割をになってるんですね!

卵に感謝です。(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2013年09月3日

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こんにちは!たまごのソムリエ、小林ゴールドエッグのこばやしです。

たまご、鶏さんのことわざ、第14弾です。今回はドイツから。

<まだ産まれていない卵を気にかけるな>
(Kümmere dich nicht um ungelegte Eier.)

egg_hand.JPG

英語では<孵化してない鶏を数えるな>という諺があります。(“don’t count your chickens before they’re hatched”)

どちらも同じ意味で、ようするに「獲らぬ狸の皮算用」ですね。「飛ぶ鳥の献立」なんていう言い方もあります。

 

◆毎朝生まれるとは限らない
ちなみにニワトリさんは毎日確実に卵を産むわけではありません。卵を産んでくれる確率を“産卵率”と言いますが、若いニワトリさんでだいたい90%くらい、ある程度年を取っちゃったニワトリさんでは70%前後になります。 明日生んでくれるかどうか?はわからない訳です。

そして卵からヒヨコになるのも、残念ながら100%確実ではありません。 状態にもよりますが、だいたい95%から98%くらい。 諺でいうと、ドイツの諺(たまご)より英語の諺(ヒヨコ)の方が、未来に対して厳しい戒めとも言えますね。(^^;)

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そういえば「獲らぬ狸の皮算用」ですが、英語では「獲らぬクマの皮算用」“Catch your bear before you sell its skin.”

という諺もあって、考えることは同じでもスケールの違いを感じますね! (^^;) タヌキくらいなら狩猟の予想も立ちそうですが、クマとなるとホントに獲ってこれるのか、“皮算用”するにも大変そうだなァ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

関連:たまごのソムリエ日記・・・たまご・鶏さんのことわざシリーズ一覧

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2013年09月2日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。いよいよ8月も最後!ですね(^^)夏休みの宿題・工作に大あわて!・・・・・・なんてお子さんもいらっしゃる事と思います。

写真はロシアのアーティスト、ブライアン・ベイト氏(Брайан Бэйти)による卵細工アート。 めっちゃスゴイですね。

歯科技工などにも用いられる専用の研磨デバイスを使ってつくっているのだとか。

ベイト氏は他にもたくさんのたまごアート作品を製作しておられまして、

こんなのとか、

「〇」がモチーフになったものや、

こんな美しい細工まであります。思わず息をのむ素敵さですね。

なんとなく卵の形が違うのは、いろんな鳥の卵だから。一番最初のはガチョウ、4つ目の丸っこいのはダチョウのたまごだそうです。

もともと卵の持つフォルムは人の目に自然の調和と安心を感じさせてくれる特性があるそうです。

上記の作品も、卵に大胆な加工をしていますが卵そのものの持つ美しいフォルムはそのままです。 だからよけいに感動を覚えるのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:【芸術】世界のたまごアート 中国の超絶技巧にビックリ! – たまごのソムリエ日記

カテゴリー | ソムリエ日記 , 世界のたまごアート 2013年08月31日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

朝夕ちょっと涼しい風が吹いてきましたが、まだまだ暑い日が続きますねー。

お盆に旅行に出かけられた皆さん、お孫さん息子さんに夏休み最後の家族サービスをされているお母さんおじいちゃん、もしかするとお疲れも残っていらっしゃるのではないでしょうか。

さて、疲れを取るのには卵が最適!なんです。特に、白身に含まれる「卵白ペプチド」は、疲労回復にはスゴイ効果があるんです。

ranpakupeputido.jpg

上記の表は、登山をした後での、筋肉疲労物質を計測し、時間と共にどのように変化するかを調べたデータです。

卵白を食べない場合と比べると一目瞭然、なんと卵白ペプチドを摂ると疲労減少に劇的な効果があるんですね・・・!

更に、黄身に多量に含まれるビタミンB2も疲労回復には抜群の効果があります。

卵を食べることで、疲れが取れ、ぐんぐん元気になるんです。

shiromi_misosiru.jpg

夏バテして胃腸が弱っている体には、麹や大豆サポニンの作用でたんぱく質を吸収消化しやすくしてくれる「味噌汁」に卵の白身を入れると、もうホント最高です。 ふわふわで美味しいですよー!

食欲がしっかりあるときには、黄身も白身も一緒に取っていただいた方が、疲労には効果あり!です。(^^)

 

ぜひお試しになってくださいませ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2013年08月29日

ミネソタの卵売り

たまごのソムリエ小林です。

ミネソタの卵売り」という歌をご存知でしょうか?

昭和26年の大ヒット曲です。歌手は暁テル子さん。更にその後即席ラーメンのCMで替え歌が話題になりました。

おそらく65才以上の方、ちょうど「あまちゃん」の夏ばっぱが小さいころに聴いていらっしゃったようなイメージでしょうか。

歌詞をちょっとだけ紹介しますと、

 

ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番の人気者 つやつや生み立て 買わないか
卵に黄身と 白身がなけりゃ
お代は要らない ココココ コケッコ
2.
ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番ののど自慢 私のにわとり自慢です
卵を生んだり お歌のけいこ
ドレミファソラシド ココココ コケッコ
3.
ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番の美人です 皆さん卵を喰べなさい
美人になるよ いい声出るよ
朝から晩まで ココココ コケッコ

ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番の人気者 つやつや生み立て 買わないか
卵に黄身と 白身がなけりゃ
お代は要らない ココココ コケッコ

ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番ののど自慢 私のにわとり自慢です
卵を生んだり お歌のけいこ
ドレミファソラシド ココココ コケッコ

ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番の美人です 皆さん卵を喰べなさい
美人になるよ いい声出るよ
朝から晩まで ココココ コケッコ

・・・・・・てなカンジです。

軽妙な詩で明るくて、なんというか楽しそうです。

卵を売って町一番の人気者・・・あこがれるなー!(^^)

いやー、でもインパクトもスゴイですね。

なにせ「ミネソタ」ですからね。

いったいどこなの、ソレ!?・・・てなカンジです。

ちなみに「アメリカ合衆国ミネソタ州」は、全米で5本の指に入る大規模鶏卵養鶏会社「マイケル・フーズ」の本社があるなど、全米中でも採卵が盛んな地域です。 最近では昨年、同社が33州にまたがる大規模なリコール(菌汚染による回収騒ぎ)を起こして卵関連の知名度が不名誉に上がっている州でもあります。(^^;)

まァもっとも、作詞をされた利根一郎さんは、ミネソタ州行ったこともなく卵売りサンがいるかどうかも知らずに詞を書いた・・・・・・のだそうで、「ミネソタ」は単に語感とイメージの良さから、または利根氏の家にたまたまいらっしゃった知人がミネソタ出身だっただけ・・・・・・、そんな説もあるようです。

短いですが、実際に歌われた映像がyoutube動画にあります↑。

昭和56年にヒットした替え歌のCMは、ハウスの「たまごめん」という即席ラーメンです。かなり流れていたので、こちらを覚えている方も多いようです。

軽妙で楽しい曲なので、その後もたくさんの方がカバーし歌っているようですね。 冒頭の写真は、BS放送の歌謡番組のワンシーンです。 おもわず聞きほれてしまいました。

個人的にはJAZZが大好きなので、youtubeで検索すると出てきました下記のスィングジャズバージョンがめっちゃ素晴らしかったです↓↓。ぜひ生で聴いてみたい・・・!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2013年08月28日

 

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こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

本日は、

たまご屋が一晩寝て起きると、不思議なことに保管している卵が減っている。

・・・・・・というお話をします。(※ドロボウとか猫が捕っていく訳じゃないですよ)

たまごの殻には、「気孔」と呼ばれる小さな穴が開いています。 ミクロの微細な穴で、約一万個!も開いているんですね。

卵は「生き物」でして、この気孔から「呼吸」をしています。 産みたての卵は内部に炭酸ガスを含んでおりまして、産卵後3日ほどかけて徐々にこのガスが抜けていきます。

ちなみに産みたて卵の「茹で玉子」が剥きにくいのは、この炭酸ガスのせい。

この気孔からは、炭酸ガスだけなじゃくてほかにも抜けていくものがあります。それは、「水分」

少しずつ少しずつこの小さな穴(気孔)から水分が外へ蒸散していくんですね。

yudetamago_kishitu.jpg

かなり古い卵を使って茹で玉子を作ると・・・ホラ! この右図のようになります。 水分が蒸発して卵の空気部分が広がり、まるでおシリをスパッと切り落としたようになっちゃってます。

もちろん、産みたてから一週間やそこらでは、ほとんど変わりません。 蒸発して水分が「数ミリグラム減ってる!」・・・・・・なんて食べて気づける人はいませんよね。

・・・・・・が、何万個、何十万個単位になるとハナシは別なんです。

たまご屋さんならば、一日に数十トン単位で卵を扱う会社はザラにあります。 仮に10トンの卵を明朝出荷予定で一晩保管したとします。 1000分の一、つまり0.1%0.006gの水分がそれぞれの卵殻内から蒸散したとすると、単純計算で10kg、約160個のタマゴが一晩で蒸発して無くなっちゃったことに・・・!

ワインやウィスキーの熟成中に樽から水分が蒸発して中身が減ってしまうことを「天使の分け前」なんて言うそうですが、卵の場合はお酒と違い熟成して美味しくなるわけじゃァございません。 むしろ鮮度も下がってマイナスです。 とにかくスピードを上げて新鮮なウチにお客様の冷蔵庫まで届いてしまう事・・・、それが、味だけじゃなく「ささやかな儲け」の面からもメリットになるということなんですね。(^^;)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(写真参照:改訂増補タマゴの知識(幸書房))

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2013年08月26日