小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

コロナ禍で出かける機会が減ったので

BBQもどきをするようになりました。

 

ちょっと食べるだけだと、ほんの数十分で

火起こしから片付けまで完結するんですよね。

 

量はすくなくても

バーン!と肉を食べると

テンションあがります。

 

そういえばすこし前に、

「なぜ日本人はお肉を薄切りにして食べるのか?」

というハナシがTwitterで話題になっていました。

 

ぼくは30年近く前、

アメリカに住んでいたことがあるのですが

「どうしてもすき焼きが食べたい!」

…と思いたって、

お肉屋さんに特別に薄切りしてもらったことがあります。

 

「何考えてるんだ。アタマおかしいんじゃないか。」

みたいな怪訝な顔をされたのを、

いまでも覚えています。

『ホントの肉のうまさは、

分厚い肉をミディアムレアで

シンプルに塩で焼いて食べるのだ。』

 

そう聞きますし、

たまさかにステーキを食べると

「なるほど、そうだなぁ。」

と考えもします。

 

「日本人は薄切り肉が好きな理由」

SNSで話題となっていたその答えは

 

ごはんを美味しく食べるため。

ごはんが主役だから。」

なるほど…!

すごく腑に落ちますね~。

 

分厚いお肉では、

ごはんをいっぱい食べられない。

シンプルな塩味では、

ごはんをたくさん食べられない。

 

薄切りで甘辛く味付けしたお肉こそ

なるほどご飯を食べるのに

最高の『わき役』です。

 

◆生卵食もごはんのせい

日本人は世界でもめずらしく

たまごの生食文化がある。

そう言われますよね。

フランスのマヨネーズだって

イタリアのティラミスだって

『卵の生食』ですので

 

日本だけかと言うと

かならずしもそうではないのですが、

 

「生卵を割ってすぐ食べる」

は世界的にもインパクトがある

超珍しい食べ方です。

 

そして、これも

『ごはんが主役』のせいですよね。

 

たまごかけごはんが

日本人の生卵食文化の根っこにあります。

「すき焼きだってそうじゃないか。」

という反論もできますが、

 

甘辛いすき焼きの醤油味だって

そもそもご飯のための味付けで、

たまごはその補完なわけです。

 

根っこの根っこは、ごはんです。

 

◆究極のTKGメニューが見えてくる

そう考えると

お店の「たまごかけごはんメニュー」、

味の活かし方が少し変わります。

 

『ごはんが主役』という前提で考えると、

 

たとえばオーダーが入って

たまごかけごはんメニューを出す際に

「ごはんをレンジで30秒加熱する」

それだけで、

めちゃくちゃ評価が上がったりします。

 

ほんのり温かいごはんも

美味しいのですが、

 

TKGで、

濃厚たまごに負けない

『ごはんの魅力を』引き立てるなら

 

アツアツにして

ごはんの香りを立てて

水分を飛ばして粒をしゃっきりする

そんな一工夫がとても重要になります。

 

前提をかんがえると

味の高め方が変わるんですね。

 

ぜひご一考下さいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ひさびさにカップ焼きそばを食べたんですが

ときどき無性に食べたくなりますよね~。

 

以前、友人がツッコんでいてなるほど、と思ったのは、

「焼きそばじゃないじゃん。」

ということ。

 

たしかに。『ゆでそば』ですよね。

 

でも、

よく考えてみれば、

たまごでもこんなメニューがあるんですよね。

 

たとえば、煮玉子。

とくに「“半熟”とろとろ煮玉子」

煮こんでいたら、こんなのできませんよね?

実際の名前とするならば正確には

「漬け込みゆでたまご」?でしょうか。

また、目玉焼き、といいつつ、

日本では、片面焼きでふたをして水を差す、

という作り方をする方が多いですよね。

それって厳密に言うと「蒸したまご」

でもあります。

 

いや、だからだめだ、

正確にやれ、って言ってるんじゃないんです。

 

カップ焼きそばとおなじで、

作り方と「名前」がちがっても、

同じ様に美味しくできればいい

 

そう考えると、

たまご料理って

もっと自由に美味しく作れる可能性があるんじゃないでしょうか。

 

たとえば目玉焼きは

鉄板から熱するんじゃなくて

完全に蒸して作ってみたら、

中心とした側のぷるぷる具合が

独特の目玉焼きになったりもします。

 

京料理には、

だし汁に溶きたまごを入れて

固まったら水分を切って

巻きすで固める、

 

「まったく焼かないたまご焼き(出汁巻き玉子)」

があります。

これ美味しいんですよね~。

低温調理や減圧料理、

最新機器を使った料理が近年伸びていますが、

 

生卵に深海のように水圧をかけてやると、

加熱してないのに「ゆでたまご」になります。

生卵の風味を持った

ゆでたまごです。

塩よりも醤油と抜群に合う

面白いゆでたまごなんですね。

 

また、温泉玉子もおなじです。

温度コントロールがむずかしいため

ガスの普及する近代までほぼ作られておらず、

 

また生食文化が浸透していない海外では

ほぼ知られていない温泉玉子は

玉子料理の中では

まだまだ知見が少ない

面白いポテンシャルがあります。

 

たとえば、

温泉たまごを巻いて作った

オムレツは絶品ですし、

 

温泉玉子の技法を応用した

出汁巻き玉子は

かなり美味しいんです。

 

絶妙の温度帯で

ふるふるの食感ができている

それを利用した半調理は、

かなり面白い食感となります。

 

ぜひ料理の名前にしばられない

調理方法で、

面白い繁盛メニューを

考えてみませんか?

 

ここに出したのはホンの一例ですが、

「えっ!?そんな方法が!?!」

みたいな楽しいやりかたがありますよ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年01月29日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

知人から美味しい野菜を箱でたーくさんいただきました。

どう料理してやろうか、とワクワクしています。

 

冬はいいですね~。

旬のいろんな野菜や魚

がたくさん出ているので、

料理をするのに

テンション上がりますよね!

そういえば、旬の野菜や魚って

価格が安くなりますが、

考えるとオカシイ気がします。

 

これ他の業界だと

逆だったりしますよね?

 

たとえば「服」だと、

シーズンのものって高くて、

過ぎるとバーゲンです。

 

「人」もそうでしょうか?

旬の人気俳優さんやCM女王は、

めちゃくちゃギャラが高いです。

 

野菜だって、

美味しいんだから、

高くってもいいような気もします。

 

もちろん需給バランスで

価格が変わるわけですが、

 

いっそそんなのカンケーなく、

「気温〇度以下になると甘味が増すから

出荷量にかかわらず値段〇〇〇円にする!」

 

みたいな、

多く出す時期こそ高くなる!

 

なんてのも、

じつは納得性が高いんじゃないでしょうか。

だって「美味しい」んだから。

 

業界の常識、非常識って

考えてみるとおもしろいです。


さて、

たまごには2つの「旬」があります。

 

ひとつは、1月後半のいま。

『大寒』の候2週間は、

寒さが快適な鶏さんにとって

一年でいちばん餌食いがよく、

滋養に富んだたまごを産みます。

 

中国の風水では

この時期のたまごを食べると、

活力が増して金運が上がる

そんないわれもあります。

 

たしかにこの時期は、

たまごの味も濃いし

黄身のハリもばつぐんです。

 

もうひとつの旬が、

「春」

3月中旬~4月にかけて。

 

そもそも千年ほど前、

たまごって春先にしか

食べられなかったのです。

ほら、ツバメだってスズメだって

カモメだって、

春先しか卵を産みませんよね?

鶏さんだって同じでした。

 

その証拠に、

俳句や和歌の“季語”も、

「たまご」イコール「春」です。

じっさい、

春先の鶏のコンディションってばつぐんです。

産卵率も上がりますし、

卵質の良いたまごを産んでくれます。

もちろん、味も絶品です。

 

ぼくたちは、この鶏さんが

いちばん元気な時期に

短期間だけ飼料を切り替え

 

特別なたまごをお出しして

「春の旬たまご」や

「春の若どり旬たまごフェア」

なんて銘打ったフェアを

していただきます。

 

一般のお客様のご反応も良いですし、

料理人の皆さまのご評価も高いです。

 

きっと昔の人は、

すこしずつ陽気があったかくなる

空気のぬるみを感じた時に

「たまごがそろそろ食べたいなぁ。」

なんてワクワクしていたのでしょうね。

 

なんだか感慨深いです。

 

お客様との春の打ち合わせがそろそろ始まりますが、

千年前に思いをはせて、

ワクワクしながら進めていくのが楽しみです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年01月28日

4月のイースター

中小の飲食店さん洋菓子店さんは、

「乗るしかない!」くらいのメリットです。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

「たまご」の無宗教さ・認知度高などの特性は

じつはとても季節イベント向きなんです。

 

イースター、

復活祭とも言われます。

年々市場が拡大している

「たまごが主役」のイベントで、

クリスマスと同じくらい大事なお祭りだ!

…という国もあります。

 

いちおうキリスト教の

お祭りですが、

 

「生命の源」として

卵を崇める土着信仰が

キリスト教とくっついたお祝い事、

 

と考えられてまして、

それだけに多宗教な地域でも

受け入れられやすいと言えます。

 

日本でもイースターの

認知度はついに8割を超え、

市場はわずか8年程度で7倍近くに急拡大しています。

 

人気アイドルを起用し大々的に宣伝したイオン、

昔からPRしているディズニーランド、

そして森永・キューピー

アサヒビールなど、

ジャンルを問わず企業が参入する

ビッグイベントになっています。

 

こういう大きなイベントは

大手が盛り上げてくれるので、

僕達中小や飲食店さんも

「いっちょやってみようか…!」

と始めやすい利点があります。

 

実際イースターに

なにがしかの取り組みをされている

飲食店さんも多くいらっしゃいますよね。

 

ただ…もともと卵をたくさん消費している日本では

「イースターだから卵を食べよう。もっと!」

という風潮には…

まぁなっていません。

だって、毎日食べていますし。

ちょうどお米で

「 新米の奉納日“新嘗祭”だからお米を食べましょう!」

なんてイベント感を打ち出しても

「今朝も食べたしなぁ。」

となってあまり拡売になってないのと同じですね。

ですので、ご飲食店さんで

利益のとりやすい『たまごメニュー』で

イベント感をだして

売上アップを念頭におくならば、

『絞り込み』が必要です。

 

例えば上記のおコメ業界では

「日本の誕生日に『おむすび』を食べよう」

というイベントがあります。

 

ただ「お米を食べよう」よりも

料理法をしぼっていて

間口が狭いですが、

「ちょっと食べてみようかな…!?」

と惹かれるものがありますよね。

例えば米国ではこの時期、

コロナ前まで

ホワイトハウスで大量の

「ゆで玉子」が使われる

イベントがありました。

木の棒で卵を転がして競争→食べるというもので、

一日でその数なんと一万九千個!のたまごを消費します。

 

また、フランスのベシエールという町では、

イースターに超巨大な「オムレツ」を

作って食べるイベントがありますが、

これも世界中からお客様が

詰めかけていたのは

「オムレツを食べに行く」

という点に「フランスの田舎町らしさ」が

うまくマッチしているからじゃないかと思います。

お店の雰囲気とあわせて

何か一品のたまご料理にしぼると

イースターでの話題性もあがるのではないでしょうか。

 

コロナ禍で

イベント的メニューの組み立ては

すこし難しくなっていますが、

・利益メニューである卵が主役

・大手が宣伝してくれる

・春は鶏卵相場が安い

 

と、メリットがそろっています。

ぜひ、イースターを活用して

繁盛につなげてみませんか?

 

あ、今年のイースターは4月17日(日)です。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2022年01月27日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ホンダの新型ステップワゴン

アイデア後部ドアの

「わくわくゲート」をやめたんですね~。

 

「めちゃくちゃ便利でユーザーの

満足度はめっちゃ高いけども、

見た目がダサくて新規客が買ってくれない。」

 

…というのが廃止の理由だそうで、

いま使用しているユーザーさんからは

たいへん残念がる声がでているようです。

 

これ、何かって言いますと、

車の後部ドアってあるじゃないですか。

ワゴンであればよく使います。

 

ただ、ガバっと開けると、

冷気や雨が吹き込んできたり、

狭い場所では出し入れしにくい・・・

 

そこで、ドアが折りたたまれて

半分だけ開けることができる。

人の出入りもできる。

 

こんな画期的なドアです。

知人の車で体験しましたが、

ホント便利でした。

ただ・・・・・・

「喜んでくれいるのに売れない」

これって、ホント食べ物の業界では

よく耳にするハナシなんです。

 

「買ったお客様には非常に好評なんですが…。」

とホンダ担当者さんはおっしゃっているようですが

 

これって、

「食べてもらえばわかるんだよね…。」

って言って、その『食べてもらう』までが

めちゃくちゃタイヘンな

食品業界とよく似ている気がします。

 

飲食店・洋菓子店さんも、

車のディーラーも、

こういう場合っていったい

どうしたら良いんでしょうね…?


ひとつには、

『一言で伝えるチカラ』

がいるんじゃないでしょうか。

 

「わくわくゲート」って言われても

見たことない人からすると

なんのこっちゃ、ですよね。

 

飲食店さんでも、たとえば

「こだわりだしまき玉子」

なんて書いてあっても

まったくピンときません。

 

「一言」で自分たちのウリを伝える言葉を

『USP(ユニークセリングプロポジション)』

と言いますが、

「ようするに『〇〇』なんだってさ。」

って言えないものは、

この多忙な情報化時代、

人には伝わりません。

 

僕たちたまご屋でいいますと、

ちょっと大きめのたまごがあります。

 

とくに規格外で老鶏が産んだものは

黄身のハリも弱く

大きすぎて使いにくい

そのくせ

重量があるので意外と高い

 

どこの農場さんも

「売れないたまご」です。

 

他社さんでも

「ビッグたまご」とか「大玉たまご」

なんて名前で売ってたりしますが

聞く限り売れてないようです。

 

僕たちもさいしょは

「規格外で売れないたまご」

というイメージを持ってましたが、

 

白身が多くてハリがやわらかいという特徴は

オムレツや玉子焼きをつくるなら

加熱でふわとろになりやすい

って気づいたんです。

 

なので、そのものズバリ

「加熱でとろふわたまご」

として、ある年齢を超えたら

飼料も選別方法も変える

差別化商品にしたのです。

 

結果、つねに欠品に気をつけなくてはいけないくらい

人気のたまご商品になりました。

ステップワゴンの『わくわくゲート』も、

「ぜったい濡れないゲート」とか

「買い物めっちゃラクちんゲート」とか

「サッと出られて遅刻ナシゲート」

みたいな、

ヒキの強い名前の方が良かった

のかもしれませんね~。

 

ちなみにボクの出すネーミング案は、

「なんか小林製薬みたいですね。」

って言われてボツのほうが多いです。

 

一言でいえてセンスもある、を勉強します。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年01月26日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

先週、一年に一度の経営方針発表会をしました

飲食店さんで教えて頂いた

ちょっと面白い取り組みを

その際にします。

 

◆お互い「しくみ」でほめあう

それは、「頑張ったところの表彰」。

いくつかありまして、

そのひとつ「MVP表彰」

『一年間でがんばった人に投票する』

のですが、

ちょっと変わった風にやってまして

 

・一人がかならず大勢に投票する

・投票理由をかならず細かく書く

という社内ルールがあるんです。

年によりますが、今年はひとり9人投票しました。

ひとりが「9人を選ぶ」って事は、

ウチは23名いますから…

207個の票と、詳細な理由がでてきます。

これが、すごくイイんですね~。

それだけ選ぶと、

『全員が』誰かに何票も投票してもらう事に

なるんです。

 

そして、

それを、打ちなおして全員にお渡しするんです。

こんなカンジで↑

「面と向かっては言いにくいなぁ。」

というステキな言葉を

みんな一生懸命書くんです。

 

今年は、Nちゃんとフクさんが同数一位でした。

表彰状もお渡しします。

みんなにお渡しする前に

僕はまとめて読ませてもらっていますが、

ホント笑顔にあふれていてとても元気をもらえます。

 

たまご屋の仕事って、

お客様のお店に毎日毎週、

定期的にお届けするのが主ですから、

 

考えずに仕事していると

「ミスをしないこと」

が主目的になってしまいます。

 

ちゃんとできて当たり前

 

自分から積極的に提案するとか

お互いを褒め合うよりも、

 

ミスをしたときだけ

その人が目立つ「減点方式」

かつて、ぼくたちはそんな社風でした。

 

いや、ミスしないのも

もちろん大事ですが、

それだけを考えてだとやっぱり

萎縮しちゃいますよね~。

こうやってホメる言葉をたくさん出すやりかた

これを教えて頂いたのは

飲食店の社長さんから。

 

一般のお客さまとの

コミュニケーションを

大事にされているためか、

 

外食産業の皆さまは、

こういった喜びの共有が

とてもうまいと思うんですね。

 

お取引だけでなく、

ステキな部分に沢山触れて学び、

僕たちも成長させてもらってます。

ありがとうございます。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2022年01月25日