小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

なぜ卵のカラはとりにくい!?【Yahooニュースで取り上げてもらいました】

web記事になって、結構ご反響いただきました。

今日はちょっとマニアックな内容です。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

先週、神戸新聞さんのご取材で

web記事に載りまして、

Yahoo!ニュースにも掲載されました。

悲劇!卵パック落下、粉々に→「卵に混ざった殻が簡単に取れる」裏ワザで救われた 鶏卵メーカー社長が解説(まいどなニュース) – Yahoo!ニュース

 

ありがたいです。

これ内容は、ある方がウッカリ

卵をパックごと落としてしまい

殻が割れてしまった、でも

「卵の殻は水に濡らした指で簡単に取れる」

というTwitterの発信がバズったのですが、

 

それに対してボクが

「それってなぜなのか?」

という回答をしております。

 

なぜ水をつけると殻が取れやすいのか?

塩水ならもっと取れやすいのか?

 

その答えを上記のリンク先で

記事にしてくださっていますので

ぜひ読んでみて下さいね~。


以下はその手前の補足。

そもそも、

なんで生卵の中身と

小さな殻がくっつくと

取りにくいのでしょうか??

◆なぜ生卵に入った小さな殻は取り出にくいのか?

それは、卵液の性質のせいなんです。

理由は2つ、

「たまごが高分子だから」

「チキソトロピー効果があるから」

です。

 

理由➀ たまごが高分子であること

卵白は『アミノ酸』という構成単位が

た~くさんくっついてできた

鎖状の「高分子」と水分の集合体です。

 

その結果、

ちいさい分子の集まりと比べて、

めちゃくちゃ大きな

粘度と弾力性を発揮します。

 

例えばアミノ酸の代表

メチオニンであれば

分子量150前後ですが、

 

卵白中でもっとも長い高分子

オボマクログロブリンになると

分子量65万もあります。

 

それが、分子間力という

弱い電気的な結合や、

水素結合でゆるくつながって、

弱い白身のゲルを形成しています。

 

なので、たまごの殻がそこに付着すると、

『アミノ酸の鎖』が絡みついて

離しにくくなる…

なので取りにくいのですね。

理由② チキソトロピー効果がある

卵白と卵黄は例えるなら、

絡み合った長い鎖が

 

ところどころ弱い磁石で

ピタピタとくっついていて

立体的なカタチになっている状態です。

別の言い方をすると

弱いゲル(ゼリーのような)性質を

持っているんです。

 

ですが、くっつく磁石の部分は、

鎖のつながりに比べて

非常に弱い力なため、

 

少し力が加わりますと

となりの鎖とのくっつきが離れ、

流動しはじめます。

つまり

力が加わるとゲル(ゼリー)から

流動性ゾル(ジャムみたいなドロドロ状)へ

変化するんです。

 

これをチキソトロピー効果と言いますが、

 

卵白にも卵黄にもその性質があるため、

くっついた殻をつまもうとして

力を入れると、

 

ゲル→ゾル(ゼリー→ジャム)となって、

とたんに流動性が増して

中の方へズブズブと沈み込んでしまう

 

なので、「見た目にすぐ取れそう」

であったのに、触るととたんに

沈み込んでしまった…!

みたいな感じで取りにくくなるんですね。

 

◆卵殻が水をつけた指にひっつく理由!

こちらは、上記のリンク記事

「2つの理由」と

「2つのコツ」をお話させてもらってます

ぜひ、ご覧になってくださいね~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学2022年03月22日