小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

ニワトリを使った核兵器があった【ニワトリ稼働式核地雷】

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先日、「この世界の片隅で」という話題の映画を観てきました。

戦時中の軍港がある呉市が舞台でしたが、反戦がモチーフの映画ではなく、

一生懸命に生きる人々の温かいドラマが心に沁みる名作でした。

さて、

冷戦中には軍拡が進み、いろんな兵器が開発されました。

その中に、ニワトリさんを使った兵器があったのをご存知でしょうか?

『ブルーピーコック』という名の

ニワトリ稼働式『核地雷』です。

なんだかすごくシュールなカンジですね。

核地雷って・・、

ゴジラ相手にでも準備してそうな・・・。

どんなものかというと、

ソ連地上軍の侵攻を防ぐために開発された

重さ7トンもある巨大核兵器です。

開発したのは英国。

1954年ですから、60年以上前ですね。

地雷と名がつくとおり地面に埋める兵器で、

ひとたび稼働すると、

爆発により深さ180mもの巨大クレーターができ、

広範囲に放射能の被害をまき散らして長期間侵攻を阻むという、

なかなか最悪の大量破壊兵器です。

で、“ニワトリ稼働”、って何のことかといいますと、

実はこの兵器の弱点が

「地雷なので冷たい地中では電子部品が凍ってしまう」こと。

ニワトリさんはそれを防ぐための「あったか生体パーツ」だったのです。

電子部品のそばにニワトリさんを餌と水と一緒に入れておいて、

そのぬくぬくの温かい体で凍らないようにあっためたわけです。

ひえー。

ひどい発想ですねェ。

ドイツ北部への実践配備ということで10発が英国陸軍によって発注されましたが、

同盟国には「野戦用の原子力発電設備」と偽って開発していたことや、

放射能の影響リスクがすごいことから、開発四年後に

「こりゃやっぱりダメだ。」

ということでプロジェクト中止となりました。

 

◆あったかいニワトリさん
ちなみにニワトリさんは人間よりも体温が高くて、

平均体温は42℃。

寒さには割合強い(逆に暑さには比較的弱い)のが特徴です。

だっこすると、ふかふかの羽毛とあいまって、とっても幸せな気分になります^^

こんな素敵なニワトリさんの「良いところ」を、

大量破壊兵器に利用するなんて、こりゃ許せねェ・・・!

、というのが私の気持ちです。

愚かな試みの象徴として、ニワトリさんの名前とともに記録が残り、

現在は英国に一基だけ試作機が残されています。

英国で情報公開された当初は、「エイプリルフールに違いない」

として多くの方が信じようとしなかったそうです。

まぁ、そりゃそうですよねー^^;

 ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごのヘンな研究(イグノーベル賞)その1_ひよこ核融合-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト2016年12月6日