小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

エッ、日本だけ!? あなたの店のニコニコ顔を陰から支える強力ツールとは・・?

みなさん、外食ってされますよね? 多寡はあるにせよ、全く行かない方は珍しいかと思います。
そこでちょっと質問です。
「世界中の飲食店で、日本だけにしかないサービスはなんでしょう?」わかりますか?

答えは「おしぼり

そうなんです。 いつも当たり前の様に使っていますが、コレ、世界中で日本でしかないんだそうです。 勉強仲間でもあるおしぼり業の「徳島ランドリー」寺田さんの話では、その理由とし「衛生観念が高い日本人の潔癖さ」「茶道にも通じる『おもてなし』の文化」「店の食中毒対策・リスク軽減」など、様々な側面があるようです。 実際キチンと塩素殺菌された「おしぼり」で手を拭くことで、劇的に衛生リスクが下がるそうです。そして、なんと心理学の最新研究結果から、おどろくべき「おしぼり」のメリットが明らかになってきました。 それは・・・

さて、おしぼりの意外な効果として、興味深い記事を見つけました。(下記リンク)
「人は手を洗うと寛大になる」
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081202_wash_your_hands_say_yeah/
プリマス大学の心理学者Simone Schnall博士らの研究によると、『判断を下す前に手や体を洗う人は、寛大になりがち』なことが明らかになりました。手を洗った被験者は、同乗しやすく良く言えば寛大で融通が利くようになったとの事。
なんとなくわかる気もします。スッキリしたりホッとする事で、自分の気持ちに影響することも、少なからずありそうです。(^^)

さて、前述の「おしぼり」に目を向けると、日本中多くの飲食店で、お客さんは席に座ったとたん、半分無意識に「おしぼり」で手を拭きます。そう、メニューを選ぶという「判断」の前に。コレも、上記のさっぱり効果(?)といいますか、手洗い後に近い心理状態になるんじゃないでしょうか? であれば、お店の「オススメ料理」にも素直に乗ってくれやすいでしょうし、ウェイターのプラス一品提案にも「それおいしそうだね。一つもらおうか。」となりやすいかもしれません。 もちろん寛容になるということは、クレームも減少するかも?

日本は世界一のグルメ大国、と言われるくらい、あらゆるジャンルの料理、そして一店でも多岐にわたるメニューが存在します。そんななか、店側は、お奨めしたいメニューへの誘導がしやすくなり、結果として調理効率の向上や利益率を上げる事ができる。 お客さんは店の自慢の料理を迷わずに楽しめる。もちろん寛容になるということは、料理にも満足しやすくなるでしょう。

上記はあくまで素人考えの仮説ですが、何気なく使っている「おしぼり」が、もしかしたら「顧客満足の陰の立役者」として、意外な心理的パワーを持っているのかもしれませんね。家でケンカばっかりしているお父さんお母さん、寒い外から帰ったら、あったかいオシボリでちょっと手を拭いてみてはどうでしょうか?「最近お客さんの要望がキビシくなった。」と嘆く店長さん、ちょっとコストがかかっても、紙オシボリを止めてフカフカの布オシボリに替えてみてはいかがでしょうか? もちろん飲食店さん以外でも、お客さんの満足度が上がるかもしれませんね。(^^)

※ 前述の徳島ランドリーさんでは、「おもてなしの文化」として、お店の想いを「おしぼり」に込めてお伝えしています。『モノではなくコト』の経営哲学、たまご屋としても大いに学ぶところがあります。

徳島ランドリーリンク
http://nttbj.itp.ne.jp/0886323678/index.html?Media_cate=populer&svc=1303

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ2009年01月11日