小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

アメリカ由来の生卵料理「草原の牡蠣」って!?

「生卵を食べるのは日本だけ。」
なんて言われますが、まったく
そんな事はなくって、海外でも
生卵を使った料理がいくつもあります。

本日はその一つをご紹介。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

プレーリーオイスター(草原の牡蠣)

という飲み物をごぞんじでしょうか?

これは、

生の卵黄を使った
カキのとろみ食感が味わえる
ノンアルコールカクテル

なんです。ちなみに

二日酔いの特効薬

でもあります。

アメリカのテキサス州で
病気で死に瀕した若者が
「牡蠣が食べたい・・・!」
と床で知人にもらした。

それを聞き、
苦心のあげく卵の卵黄を
ゲットし、カキの味と食感に
似せて作ったのがこのカクテルだとか。

有名にしたのは、
作家のP.G.ウッドハウスの大ヒット
小説『天才執事ジーヴズ』のひ弱
独身主人公バーティ・ウスター
が飲む二日酔い対策のドリンク
として話題になりました。

このシリーズ本で何度も登場して
いる、主人公の(作者の?)とても
お気に入りのドリンクです。

飲み物なのに「牡蠣に似せて」
というだけあって、
レシピも相当変わってまして、

生卵
ウスターソース
赤とうがらし
以上を混ぜたもの

・・・・・・これ、
ドリンクって言っても良いんでしょうかね・・・

ちなみにいくつかバリエーションが
ありまして、ロンドンの名門ホテル
「ザ・サヴォイ」の名バーテンダー
が1930年にまとめたカクテル本では

卵黄にトマトケチャップ、
黒胡椒、ビネガーを
大さじ1杯ずつ入れる

となっていたりもします。

ウスターソースや
トマトソース・・・

どちらにせよ、
なかなか斬新なレシピです。

なんでウスターソースや
トマトソースが牡蠣なのか
といいますと、

アメリカ南部では、
生ガキの殻を外してすぐ、
ケチャップやソース、
マスタードなんかをかけて
生そのままパクっと食べる
そういう食べ方が
大変好まれていたからなんです。

僕も20代のころに南部を車で
旅をしたことがありまして、

ニューオリンズに滞在したとき
オイスターバーで生ガキを
食べたことがあります。

衝撃的なうまさでした。

死ぬ前に食べたい…!という
気持ちもさもありなんです。

 

◆たまご卵黄の滑らかさ

生の黄身のなめらかな食感を
活用する料理って世界でも
意外と多くあります。

すなわち、生食または半熟
ということですね。

たとえば、
イタリアの「ティラミス」
フランスの「マヨネーズ」は
生の黄身を使っています。

超半熟たまご料理の
「エッグ&ソルジャーズ」も
この範疇に入るかもしれません。

もともと生食文化のある和食に
応用できる調理方法も
けっこうある、と感じますね。

この「草原の牡蠣ドリンク」
プレーリーオイスターも、

ゆず胡椒や山椒など、
和風のアレンジで面白い
ドリンクができるかも!?

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話2022年11月16日