小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ワクワクすること 記事一覧

満足度を上げるには、
より良いものを使う。
つまりコストを上げるしかない。
そうお考えのあなた。

そんなことはありません。

コストを下げつつ満足度を上げる。

卵でそんな方法があります。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前に函館に参りまして、
経営者の勉強会の全国大会に
参加しておりました。

そこで、
株式会社セコマ  丸谷智保会長の講演を
聴いてきたのです。

北海道カバー率99.7%
全国コンビニエンスストア部門
顧客満足度でずーっと1 位

そんなすごいコンビニチェーン
『セイコーマート』の運営会社です。

 

さすがの感動する取り組みでしたね。

 

その時に、「コスト」
・・・のお話がありました。

「たまご料理」の事例で。

 

◆たまごのロス問題がでかい!

たまごを茹でる
→煮玉子をつくる

僕もよくやります、
あなたのお店でも
毎日されていらっしゃるかも
しれません。

で、ですね。
僕は不器用なので
やっぱり一定の割合で、
失敗品ができちゃいます。

剥くときに失敗したり、
割れてしまったり・・・。

その率がたとえ低くても、
すごい品数をつくる
チェーン店の食品工場では
どうなるでしょう?

セイコーマートの工場では

年間900万個のゆでたまご

の商品を作っていて、
機械で剥くと、5%くらい
失敗ができちゃうんだそうです。

 

とすると、
45万個のたまごが失敗に・・・!?

うう~む・・・
単純計算で30トンも
無駄になってしまいます。

そこで、セイコーマートでは、
崩れたゆでたまご
フレッシュエッグサンドとか、
野菜サラダにするとか、
タルタルソースにするとか・・、

そんな風に使って
5%の廃棄だったものを
100%使う。

それによって
5%原価を下げているんですね。

たとえば、上記のようなカンジです。

崩れたものも野菜とあえて
ステキに使っていらっしゃいます。

 

そうすると、
多様なたまご料理のメニューが増えて
お客さんは喜ぶわけです。

 

より良いモノだけ使って
コストを上げ満足してもらう・・・
じゃなくって、

コストを下げながら
お客さんに喜んでもらう
方法を実行しつづける。

これってスゴイことですよね~。

 

◆地域貢献は儲かるべき!

北海道じゅうにチェーン展開しよう!
・・と思ったら、
配送ルートひとつとっても、
隣の店舗から数十キロ離れている
そんなお店がでてきます。

丸谷会長は、
「地域密着こそが事業を続けさせるんです。」
っておっしゃるんですね。

だからそんな遠くのお店も
継続しないといけない。

 

だけど、
「『赤字覚悟で地域貢献』は大嫌いです。」
っていうんです。

 

ちゃんと
どのお店も儲かってないと、
代表が変わったら次の社長さんは
店舗をやめちゃうかもしれない。

それじゃあ、
地域の人に迷惑かけちゃうよね、って。

だから、利益が出るように全社あげて
全力で考えていらっしゃるんですね。

 

上記のコストの話は、
たまごに限ったことではありません。

セイコーマートでは他にも、
売物にならない見た目の悪い
規格外メロンを100トンもつかって
大人気のメロンソフトを作ってます。

ムダを使って安くてうまいから、
年間260万個も売れるんだそうです。

 

フードロス削減はSDGsのテーマですが、
同時に原価を下げる歩留まり向上にもなります。

僕もたまごのスペシャリストとして、
しぼった知恵で、あなたのお店の
ファンを増やしながら利益も増やす、
地域にも喜んでもらう。

そんな貢献になるよう、
提案してまいります!

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2023年06月21日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

旅先で時間があると、
美術館や博物館的なところに寄ります。

思ってもみないステキな作品に
出会えたりして、旅先が
更にいろどり鮮やかな体験に
なるんですよね~。

 

個人的に
気に入っているのが

「控えめな体験企画」

ただ建物や作品、展示を見る
・・・だけじゃなくって、

あまり派手なPRはしないけど
面白い「体験」につながる
そんな企画をどの施設もやってるんですよ。

たとえば、
五稜郭の箱館奉行所では、
『函館奉行所クイズ』なんてのを
やってます。

大広間の畳は全部で何枚?とか
庭の松の木は合計何本?とか
意外とハードル高いクイズです。

 

おもしろかったのが、
京都の京セラ美術館。

先月仕事のついでに訪れたのですが、
常設展示のテーマが
「和モダン」でした。

明治~昭和のステキな『カッコいい和風』を
いろいろみることができる、
超ステキな展示企画。

 

で、ですね。
それに合わせて、

「モダン・ガールの服を
デザインしてみませんか」

という企画をやっているんです。

大々的に、じゃなくって、
ふと入口そばに置いてある紙を見ると
顔だけ描いてあるコピー用紙が
置いてあるカンジで。

で、鑑賞しながら作品から
インスピレーションをもらって、

京セラ美術館は2Fに
ワークショップができる空間がありますので、
そこで色鉛筆でデザインしてみました。

これがむずかし~い!

和モダンを理解できてないし
そもそも芸術的素養がありません。

なんとかデザインしたのがコレ↓

どうでしょう(笑)

スタッフに見せたら
「なんかつまらないですね~。」
と言われてしまいました。

たしかにモダンではないなぁ・・・。

 

ちなみに一緒にチャレンジした
スタッフのミカさんのがコレ↓

おお・・・!
思ったより斬新です。
いいですね!
・・・っていうか右は妖怪!?
ロックバンドにいそうです(笑)

 

ちなみに優秀作品が2Fに
飾られていましたが、
さすがのセンスです。

みんなステキだな~。

 

◆たまごでも体験企画ができる!?

こういう企画って
考えるのは大変ですが、
維持コストは比較的安いですよね。

コピーしていけばいいんですから。

 

たまごで何か面白い企画を考えるなら、

エッグペインティング

があります。

用意するものは、
ゆでたまごとペンだけ。

たまごのカラに、
好きな絵を描いていくんですね。

ヨーロッパでは定番の遊びなんです。

紙とちがってカラは曲面ですから、
またちがった味わいと面白さが
あります。

飲食店さんでもお店企画でやってみると
かなり盛り上がりますのでおススメです。

親子でワイワイと楽しめますよ~。

 

ちなみにこれもレベルがあがると
すごい芸術になります。

上記はウクライナの『ピーサンキ』
伝統芸術です。

すんごくカッコいい!ですよね。

冒頭の博物館・美術館企画は
「好きで閲覧してくれている人に
もっと楽しんでもらう」
という企画です。

お店のイベントでも、
すでにお店を気に入ってくれた方に、
さらに食材のこだわりを知ってもらう
よりお店のファンになってもらう

そんな企画として考えると
非常に意味があるんじゃないでしょうか。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2023年06月17日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

北海道の函館を中心に展開する
ハンバーガーチェーン店に
「ラッキーピエロ」さんというお店があります。

超のつく繁盛店で、
全国ご当地バーガー日本一にもなっている
道南の名物チェーン店。

食べに行ってみたら、
午後3時過ぎの平日なのに、
長蛇の列・・・すごい。

いちばん人気の
甘辛い中華風の味付けの
からあげと野菜を挟んだ
チャイニーズチキンバーガーに

目玉焼きを加えた
人気№2のメニューを食べたのですが、

!びっくりな超うまさ!です

一号店が旅行者の口コミから火がついて
全国的人気になっていったというのも
うなづけますね~。

すべて店内で、注文を受けてから
作り始めるスタイルだそうで、
美味しいのも納得です。

 

おもしろいのが、
ハンバーガー「以外」の人気メニューです。
なんと、

オムライス

カツ丼

カレー

が大人気メニュー。
じっさい多くの方が頼んでいましたね~。

オムライスは昔ながらの包み系
かなりボリュームがあって
おいしく、食べるのもあっという間でした。

店内にも
「オムライスは店の超人気メニューです。」
「北海道№1」と大きく貼られてるんですよ。

なかなか面白いですよね。

いったいどういう理由で人気メニューに
なっていったのでしょうか・・・!?

 

◆人気メニューを増やすのは〇〇〇〇で

そもそも人気メニューって、どうやって
作っていくのでしょうか?

 

あなたのお店でも、メニュー開発を
続けられているかと思います。

ただ・・・
「やっぱり既存のメニューが好き!」と
人気メニューにファンがつきますし、
新たなメニューを軌道に乗せるのは
けっこうハードルが高いですよね~。

じつはラッキーピエロさんの特徴は

アンケート重視

なんです。

必ずすべて!社長行きで
ぜんぶ目を通すのだとか。

店頭のアンケートも、
「グループ社長行き」と書いてあります。

 

オムライスもカレーもカツ丼も
アンケートで要望があったから
作ったのです。

他にも店舗の要望によって

ラーメンとか焼きそばピザ

なんてのまであるのですね~。

 

すごい。

 

ここまでお客様重視に
振り切るのは強い!
ですよね。

「そうそうこれこれ。細かいことはイイから
これが食べたいんだよ。」

なんて声が聞こえて来そうです。

 

自分たちがやってない商品やサービスで

「これってできないの?」

そう聞かれることは、
お客さんが「このお店ならできそう。」
って思っていることなんですよね。

案外お客様の方が
あなたのお店の強みを
分かっているかもしれません。

「えーっ!?
ウチはハンバーガー専門店だよ!?」

みたいな
プライドとか思い込みを捨てて、
ゼロベースで喜んでもらう

これって面白い強みの発掘に
なりますよね。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2023年06月11日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

取引先さんの展示会に
参加しておりました。

 

新しい方とのご縁
いろんな新鮮なご意見もいただき、
大変実のある時間でした。

 

その際の昼食で、
ベトナム料理のキッチンカーを
取引先さんが呼んでくださってまして、

バインミーと
コーンスープをいただいのです。

これは珍しいなあ、
うれしいなあ。

と美味しく食べたのですが、
ふと見ると、
スープに模様が。

その展示会を開催した
企業のロゴと名前が浮いてる!

へー!
面白い気づかいです。

ボディの重いとはいえ、
液体に名前が書いてあるなんて
ちょっと予想しなかっただけに、
インパクトがありました。

 

◆たまごに文字のアイデアも面白い

たまごでも、
卵殻に可食インクで
印字ができるんですよね。

賞味期限以外にも
打つことができるので、

こういう、なにかちょっと
気遣いになるようなサービスを
お客様のお店と一緒に
考えてみるのも面白いのかも
しれません。

 

従来は、賞味期限印字なんかに
つかっているのですが、

文字で言うと
けっこういろいろメッセージも
打てるのです。

業務用のお客様にも
印字のうえお届けが可能ですので、

祝〇周年

とか

受験生がんばって!

とか、そんなメッセージを
たまごの殻に刻印することが
可能です。

 

海外では、
ユダヤ教の経典の一節を
印字したたまごもあります。

おもしろいですね~。

 

僕たちの持っている技術を
お店さんのアイデアで
さらに面白く活用できればな~と
わくわくしますね。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2023年05月25日

昨日に続いて、たまご料理関連の
「色」の話を。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ご収録で呼んでいただきまして、
大阪の読売テレビ本社に参っておりました。

 

読売テレビさんの本社前って、

「名探偵コナン」の銅像が
建ってるんです。

しかも、仲間で写真撮影
みたいな雰囲気ですから、
早朝にもかかわらず、
小学生のお子さんが
そのメンバーに入ったみたいな
スナップ写真を撮ってる方が
いらっしゃいました。

なかなかステキですね~。

そして、
面白かったのは
探偵団メンバーの背後に・・・

黒犯人がいる!

 

ちょっと見落としそうなところに
こんなシャレが隠されているなんて
なかなか面白いです。

 


たまご料理でも、
こういう遊び心って
すごく大事だと思うんです。

気づく人だけ気づく
面白い演出があると、
ニヤっとするサプライズになって
たのしいですよね~。

 

例えば最近の可食プリンターでは
海苔に印刷ができます。

たまごかけごはんや
朝食メニューの海苔に
ちょっと仕掛けのメッセージが
あると・・・!思っている以上に
楽しんでくださるかもしれません。

 

 

 

江戸時代の料理本「卵百珍」に
「かもじ卵」という料理があります。

これは、「鍋炭」を白身に混ぜて蒸し
細切りにしたもので、
一見海苔やひじきに見えるのに
たまご料理という面白い見た目のメニュー。

(参照:かもじ卵 『万宝料理秘密箱 卵百珍』 | 文学オープンデータ共同利用センター

これなんかも今なら
イカスミで代用できるわけですが、
食感なんかも含めて
おもしろいサプライズな
料理メニューになるんじゃ
ないでしょうか。

 

特に黒い色って、
じつは卵の黄身とめちゃくちゃ相性が良くって
ものすごく映えるんですよね。

神は細部に宿る

という言葉もあります。
特にたまご料理は
自宅でも食べることの多い食材です。

その分だけ特別感を感じてもらう仕掛け、
ぜひ、普通ならやらない点でこだわると
すごく魅力が上がります。

ぜひ、あなたのお店でも試してみてくださいませ~。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(関連:お店のたまごメニューをより高そうに見せる工夫 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2023年05月18日

たまご料理の
クオリティを変えずに
時にはクオリティを落としても
満足度を上げてしまう。

そんな方法があります。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ぼくは30年ほど、
マジックと大道芸を
趣味にしています。

若いころのこと。

知り合いに頼まれまして
ある公務員部署の忘年会で
マジックショーをすることに
なったのですね。

報酬をしっかり
いただいたこともあって、

6名チームでしっかり
準備をして行ったのです。

会場が食事でワイワイと
盛り上がってるころ、
いよいよ出番がきました。

ところが・・・

だ~れも
マジックショウを
見てくれない・・・!

まったく盛り上がらない!
のです。

 

考えてみれば
当たり前でして、

大人数の部署、
上下関係もある
大勢の大人が集まる
忘年会ですから、

マジックをジッと
眺めるよりも、
お酒を注いでお互いで
話をしたいわけです。

頼んでくださった方だけが
気を使って「パチパチ」と
拍手をしてくれるんですが、
それすら周りの会話に
かき消されるレベル・・・。

 

申しわけなさと悔しさで
皆でやけ酒をあおったのを
覚えています。


 

これって、お酒の席に
かぎったことでは
無くって、

たとえば僕の手元に

『マジシャンのためのウケるキッズショーの作り方』(デビッド・ケイ著)

という専門書がありますが、

その中で

「観客やその親が
こっちを観てくれない
場合にどう対処するか」

についてなんと
43ページにもわたって
細かく解説されています。

 

それくらい
お互いが会話したい場や
お酒の席では、モノを見せる
難易度が高いわけです。


そして
それから・・・

何度もお酒の席、
忘年会なんかでマジックで
お呼びいただくことがありましたが

僕のウデの良しあしは
別として少なくとも
「最初っから観てくれない」
ということは一切
なくなりました。

それも、

たった一つのことを
しただけで。

それは・・・・・・

 

 

観客を舞台に
あげてしまう。

これだけです。

 

演者 舞台 ❘ 観客おおぜい

こういう構図じゃなくって

 

観客
演者 舞台 ❘ 観客おおぜい
観客

こんなカンジですね。

いっしょにやる。楽しむ。

こういう構図をつくるだけで
いとも簡単に、

全員が(時には)
大盛り上がりで
観てくれるように
なったのです。


これって、
飲食店さんのメニューにも
言えるんじゃないかと思うのです。

作る人  ❘ 食べる人

という構図だけじゃなくって、

作る側に引き込んでしまう

たとえその素人の腕前で
料理クオリティが落ちても、
満足になるんじゃないでしょうか。

 

たとえば、
アツアツのチョコソースを
最後にかけて
完成させるデザートがありますが、

 

 

これなんかも
最後のひと手間を
お客様と一緒に
完成させているわけです。

 

以前泊った旅館では、
目玉焼きと湯豆腐を
テーブルで作れる
専用食器を特注して
いましたが、

これも
「作る側に引き込む工夫」
でしょうね。

 

自分も一緒に作ると、
喜びも2倍になるのです

 

あなたのお店でも、ぜひ、
どこかのひと手間で
お客様を作り手に引き込む
そんな演出メニューに
してみてはいかがでしょうか。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること , マジック 2023年04月20日