小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

お客様のトクかどうか、ちょっと別視点で考えてみる

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

朝日新聞が、SDGs推進の文脈で

薪ストーブを特集記事を書き

それって逆に

大気汚染や森林破壊の原因じゃないか!

…と炎上していますね。

 

うーん、言われてみれば確かに。

近視眼的には

燃えるゴミなんかを家庭で燃やし

減らせて良いのかもしれませんが

 

大局的には

大規模森林破壊や大気汚染は

そもそも無秩序にみんなが

モノを燃やしたから…

薪ストーブが広まったら

昔に戻るわけです。

 

こういった考え方って

ホント気をつけないといけないですよね~。

 

うっかりしていると

何か良いことをしているつもりでも

真逆の悪効果になっちゃっていることも

往々にしてあるんですよね。

 

僕が23歳で

大手食品メーカーに入社した時

まず教えられたのがこの

「トータルで考える影響」でした。

 

当時、その会社で販売していた

ガラス容器入りのお酢商品は

「リターナブルびん」と

言われるもので製造していまして

『使ったビンを持ち帰って

工場で洗浄してまた使う』

のが当たり前でした。

それを、「ビンカンペットボトル」で捨てて

溶かして再利用してください。

という通常ガラスビン方式に

切り替えている真っ最中でした。

 

「せっかく繰り返し使えるのに、

環境にやさしくなくなる!」

って批判がでていたのですが、

 

これは、リターナブル瓶の

・一本ずつ回収して

・洗浄して

・乾かして

・また使う

 

その洗浄の水質負荷や

乾燥の燃料代

何度もつかうため

割れないように重く

しっかりしたビンにするためにかかる輸送コスト

 

そんなもののエネルギーロスの方が

よっぽど大きかった。

だから、やめちゃおう。

 

新入社員としての僕にとっては

けっこう新鮮だったのを覚えています。

 

20年近く前のハナシですが、

ときどき新しい環境対策のニュースを見ると

この話を思い出します。

 

トータルコストで見て

はたしてメリットになってるのかなぁ…と。

イギリス環境省がエコバッグ131回使って

やっとレジ袋よりエコ、と発表していますが、

じっさい現状どんな活用ぶりなんでしょうか。

 

環境対策に限らず

お店でのサービスなんかも同じかもしれません。

利便性などお客様のためと

思っていてもそうじゃなかったり

することもありそうです。

たとえば、朝食なんかで

「たまごのカラはキレイじゃないから」

という理由でお客様からの指摘を受け

 

ひとつひとつたまごを小鉢に

割り込んで提供する宿を旅先で

見かけたことがあります。

 

「無洗卵」じゃないかぎり、

ほぼ100%のたまごは

GPセンターと呼ばれる選別場で

次亜塩素酸殺菌水で洗浄されています。

僕たちも抜き取り検査で

カラの菌チェックをしますが、

菌がいた結果はこれまでゼロです。

 

こういったことをキチンとお伝えすれば

コロナ禍では逆に

それぞれでたまごをパカッと割って

自分で朝食として食べる方が

安心に感じるんじゃないでしょうか。

 

時代でも変わるかと思いますが、

「真逆かも!?」と

ちょっと視点を変えてみると

あなたのお店の

サービス進化のヒントになるかもです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ニュースに考える2022年01月9日