小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまご全般コラム 記事一覧

 

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本日10/10は、目の愛護デーです。

 

なんでだと思いますか?

10と10で、ちょうど目とまゆ毛に見えるんだとか。

つまり、

_ _
○ ○

__

こう見える、って事ですね。

横に見るのはなんとなく、海外のアスキーアート(絵文字)を連想しますね。

こんなの→ (:-l)

さて、実は卵には、目に良い成分が含まれています。

 

■目の大事な部分はどこか?
眼球の中で、水晶体の真後ろ・網膜の中心部に「黄斑」という部分があります。

ここは、目に映る画像の解像度にかかわる、つまりハッキリと物を見る重要な部分になります。

ここにある黄斑色素が、網膜を傷つける光(青色光)によるダメージを防いでいるんです。

しかし、加齢とともに進行する病気の中に、加齢黄斑変性(AMD)というものがあります。

これは、年齢とともに物が歪んで見え、ひどくなると失明の可能性もある恐ろしい眼の病気です。

欧米では失明の原因上位になっており、日本でも増加中とか。

これを防ぐためにも、黄斑色素濃度を上げる必要があるんです。

 

■目を守るビタミン、「ルテイン」
さて、そこで登場するのが、ホウレンソウやたまごに含まれるルテイン(Lutein)という成分です。これはカロチノイドの一つで、卵黄に含まれます。

この成分は上記の青色光を遮光し、黄斑色素濃度を高める作用があります。

ルテインを多く含む食材を食べることで、白内障の発症率を下げることが知られています。

 

■さらに目に良いたまご
このルテインという成分は、千寿菊(マリーゴールド)の花に多く含まれます。

弊社の「親子丼専用たまご」や「スクランブルエッグ専用たまご」は、農場さんでこのマリーゴールドの花抽出物を配合した特別な飼料で育て、鶏さんを飼育しています。

なんと、このたまごはルテイン成分が、通常の卵の3倍以上含まれているんです。

また、ゆでたまご専用たまごには、同じく網膜保護作用のあるアントシアニンが多く含まれる(さつまいもの皮)を、飼料にして育てています。

 

■相乗効果を出す
ビタミンAを多く含む、うなぎやホウレンソウ、ブルーベリーと一緒に食べると、より効果が高そうです。

浜松で有名な「うなぎのたまごとじ」、ブルーベリーのケーキなんかも良さそうですね。

 

いかがでしたでしょうか?

「人間は二つの目と一つの舌を持って生まれたのは、しゃべるよりも、二倍も見るためである」

これはイギリスの作家コルトンの言葉です。

できるだけ長く楽しい人生を送るためにも、目は大事にしたいものですね。

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アラビアンナイトに出てくる、アリババと40人の盗賊のお話。

 

あれに、「開けゴマ!」って呪文がありましたよね?

未知の世界、次々と湧き出る物語にワクワクしつつ、子供心に、「ゴマってなんだ?」と思っていました。

 

■イスラム世界とゴマ
「知っておきたい食の世界史(宮崎正勝 著)」によると、

熟したゴマのさやが突然縦に裂けて、種子が地上に落ちるイメージが、「洞窟の扉が開く様子と重ねられているんだそうです。

また、滋養に富むゴマの種は、イスラム世界で神秘的なイメージが抱かれていたんだとか。

なるほど、パカッ!と開くビジュアルイメージと、中からお宝(ゴマ)が突然出てくるイメージが、その呪文に込められていたんですね。

キャラバンの夜語り、文字ではなく口伝で伝えられてきたアラビアンナイトだけに、こういう「伝わりやすい工夫」は物語のあちこちになされているのかもしれません。

日本だと、開けクリ!でしょうか?

開け、あさりの酒蒸し!とか(^^;)

・・・。

ええ。

完全に酒飲みの発想ですね。

 

■ゴマのビタミンとたまご
さて、このゴマに多く含まれる、「ビタミンE」は、

たまごの「黄身」に含有されやすい成分です。

ビタミンEは脂溶性ビタミンで、ニワトリさんの肝臓に蓄えられたのちに、黄身に含有されます。これは、黄身に脂分が比較的多くて、脂溶性成分を溶かしやすいからです。(実際に、ゴマをたくさん食べさせてビタミンEが通常より多く含まれている卵もあります。)

ゴマに限らず、海藻や落花生など、脂溶性ビタミンであるビタミンEやビタミンA(カロテン類)などを多く含む餌を食べれば、必ずたまごの黄身に多く含有されます。

反対に、ビタミンBのような水溶性のビタミンは、比較的白身の方に多く含有されます。

効率よくいろんな性質の栄養成分を卵の中に持てるようになっているんです。

素晴らしい自然の工夫ですね。(^^)

 

■ところで・・・。
東京ごまたまごっていう銘菓がありますよね?

私も大好物です。

「ごまたまご」ってなんか語感がいいな、と思っていましたが、これ逆さから読んでもごまたまごなんですね。美しい・・。(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2009年10月9日

今日の地元紙朝刊に、↑こんな記事が載っていました。

レストランなどでソースの染みがついちゃったときは、

パンで吸い取ると応急処置になるみたいです。

なるほど。

でも、できるかなー・・、うーん、

と考えてしまいます。

やっぱりもったいなくないですかね?

もちろん大事な服の食べこぼしシミで困った方はたくさんいらっしゃるでしょうし、この記事の提案はすばらしく、大いに助けとなる方は多いかと思います。

ただ商売柄なのか、なんとなく抵抗を感じてしまいます。

知っててもやっぱりナプキンやオシボリを使っちゃいそう・・。
(あとで食べちゃうなら別ですが)

絵画でも、鉛筆画スケッチを修正するのにパンを使いますが、

これも初めて聞いた時に抵抗ありました。(^^;)

 

■たまごの意外な用途
とはいえこの「食べる」意外の用途、たまごの場合も実はたくさんあるんです。

例えば乾燥した卵白

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少し昔には、捺染用糊料として染物工業に使われたり、接着剤としてコルク製造用に使われていました。

他にも魚網の防染剤に使われていたそうですが、コレいったいどんな効果があったんでしょう・・?詳しくは不明だそうで、気になります。

そして今話題のインフルエンザワクチン。

これの培養製造には、卵が欠かせません。

有精卵を用いてワクチンを増やしているんです。

今冬の新型インフルエンザ対策は卵にかかっているといっても過言ではありません。

こんな利用は、抵抗感をあまり感じないんですよね。

やっぱり身びいきなだけなのかもしれません。(^^;)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2009年09月19日

 

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「モノではなく、価値を売る。」

 

こういう発想があります。

例えばレストランでも、ある店は「健康」を売っていたり、

また別の店は「家族の団らん」を売っていたりします。

さて、話変わって、クノールの「たまごスープ」。

発売開始から十数年たった、ロングセラー商品です。

この商品が、伝える「価値」を変えることで、売上を伸ばしているのをご存知でしょうか?

スープ飯ブームのおかげ!? 味の素のたまごスープが好調(日経トレンディネット)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20090903/1028550/

この記事によると、

家庭でのご飯に関する調査によると、不景気の影響で家でご飯を炊く頻度が増えており、80%の家庭がご飯を余らせているんだそうです。

さらに約80%の家庭の主婦は、余ったご飯を有効に活用するレシピを知りたがっているそうです。

余ったご飯の活用にスープ飯はもってこいなんです。

そして、「たまごスープの素」は、このスープ飯にピッタリで、しかも応用力大。

そこの食べ方を提案して、新しい価値を伝えているんですね。

不況の中、余ったご飯を無駄にしたくない、そしてそのご飯を使って、もっとおいしい食事をしたいとのニーズが、スープご飯のファンを増やしているようです。

つまり、「おいしさ」だけじゃなくて「節約」を売っているということですね。

だから不況のなか、新しいお客さんを創出しているわけです。

うーむ、なるほど。

では、自分たちはいったい何を売っているのか?

たまごという商品は一緒でも、

「おいしさ」なのか、「繁盛」なのか、「ワクワク感」なのか、届ける価値をハッキリさせて方法(戦略)を変えていくことが、「経営」なんでしょう。

我が社は今月末が決算。

来期の計画へ向けて、いろいろ考えさせられるニュースでした。(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2009年09月8日

 

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鶏と卵、どっちが先か?

 

なかなか決着がつかないこの問題、「食材の歴史」に限ってみると結果は明らかなんです。

では質問。

鶏肉と、鶏卵。どっちが先に食べられ始めたでしょうか?

 

答えは卵。

ニワトリさんはもともと、たまごを産んでもらうのが目的で飼われたんですね。

食材として卵が注目されたのは古く、古代ローマでも卵料理が広く食べられていました。

対して、鶏肉を食べるのは、たまごを産まなくなったニワトリさんのみ。

当然老いてますし、あんまり美味しくなかったようです。

庶民の味方、おいしい若どりの鶏肉が広く食べられるようになったのは、なんと19世紀以降なんです。

うーん、実に2000年以上の開きがあるってことですね!?

この、鶏肉の大量供給技術が発達したのは、アメリカ。

グリル用のニワトリ飼育法として、大量飼育方式が開発され、これにより安価な鶏肉の供給が世界中で可能となったんです。

加えて、19世紀以降の、冷凍技術の発達のおかげでもあります。

鶏肉は淡白でやわらかいですが、反面傷みやすく長持ちしない性質をもちます。

広く食べてもらうには、保存技術も重要だったんですね。

そう考えると、

卵白が菌を殺す作用を持ち、殻に守られることで、自然に日持ちする「たまご」の重要性、

長い歴史の中でしみじみありがたく感じますね。

参考:「知っておきたい食の世界史」(角川文庫)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2009年09月1日

 

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暑い日が続きますね。

こんな日は、ビールも麦茶も美味しいですね!

 

さて、先日の続きです。

(関連) なぜ豪華客船のシェフは二流が良いのか? たまごの風味1

暑い毎日、鶏さんのコンディションもたまごの味も、ちょっと変化します。

もともと、卵の風味は季節によって少し変化します。

自然に近い飼育をしている開放鶏舎では、

夏場は鶏さんもさすがに暑さで食欲が落ちます。

やはり水を飲むことが増えるんですね。

そうすると、卵も水分含量が増え、濃厚卵白といわれる白身の盛り上がりや黄身の盛り上がりもわずかに低くなります。味もややあっさり目になっちゃいます。

「えー、じゃあだめじゃん。」

そうおっしゃるかもしれませんが、私は逆にすごいことだと思っています。

鶏さんの食の好みが変わる様に、人間の好みも季節環境で変わります。

先日の日記に書いたように、一年中同じ味では、どうしても飽きちゃうんですね。

「身土不二(しんどふじ)」という言葉をご存知でしょうか?

「土と体は切り離せない。」という意味で、自分が住み育っている環境で土地のものを食べるのが一番体に良い、とも言われる仏教由来の考えです。

暑い環境に人間がいれば自然に、体も季節に合ったみずみずしい味やさわやかなものを体が求めます。

あっさり素麵に錦糸卵を作るんであれば、やはりあっさり目の卵の方がおいしく食べられるかもしれません。反対に冬のおでんなら、コクがあって濃い玉子ですよね。

もちろん安定した品質、完全温度調節した飼育条件の卵も素晴らしいと思います。

ですが、暑い時には暑さに合った味、寒い時には寒さに合った味になってくれる、食べる者とおなじ気候に住む鶏さんから生まれる自然な味「季節一番の卵」も、無意識に「いつもおいしいな。」と食欲が増す秘訣なのかもしれませんね。

※注:ここで言う「身近な」、とは「同じ風土の中で育ったもの」として書いています。同じ県産でなきゃとかいう意味ではありませんので。^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2009年08月17日