小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまご全般コラム 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

オムレツに玉子焼き、たまごかけご飯・・・毎日の美味しい料理に欠かせない「たまご」ですが、これを食べることは「命をいただく」事でもあります。

普段食べている卵への感謝の念を込めて供養する、そんな「たまご供養祭」が奈良・薬師寺で先日催されました。

たまごに感謝 奈良・薬師寺で「供養祭」(朝日新聞デジタル)(http://www.asahi.com/articles/OSK201310240110.html)

これは、たまごを扱う業者の団体「関西厚焼工業組合」さんが行っているもので、参拝者はそれぞれ卵に名前を書き込んで奉納・祈願をします。今年で36回目、結構伝統のある行事なんですねー。

実は仏教では、「殺生」にあたるとして江戸時代に入るまで800年以上の間、卵を食べることが世俗的に禁じられていました。(※法律の上ではオッケーでした)

実際、江戸時代以前の「たまご料理」に関する記録は、ほとんどありません。 ゼロです。

反対に、「たまごを食べたら“殺生”だ、バチがあたるぜ!」というお説教(?)バナシが日本霊異記・沙石集などの説法集で、いくつも見られるんですね。

ところが時代変わって現代ニッポンでは、たまご消費量は世界トップクラス。 一年間に330億個も食べられてるんですねー。 この最も身近な食材・小さな生命をいただくことに対して、「ありがとう」の気持ちをもつ事が、お肉にお魚すべての命をいただくことへの感謝に繋がる良きキッカケとなるのかもしれません。

特にたまごで糧を得ている私は、人一倍この敬虔な気持ちと感謝を意識しようと思います。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2013年10月26日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

コンサルティング会社をしているリヴァンプさんという会社が、卵料理を中心に朝文化を提案する専門店「エッグセレント」を六本木ヒルズにオープンするそうです。

卵料理で「朝活」を支援する、カフェ「エッグセレント」が六本木ヒルズにオープン | WWD JAPAN.COM
http://www.wwdjapan.com/life/2013/10/09/00007398.html 

面白いですね!

朝の活力を増し、脳や体をつくる原料となるたんぱく質、アミノ酸そして各種ミネラルを豊富に含む卵は、朝食として最適な食材です。

朝食が有名なレストランといえば、NY発「朝食の女王」の異名を持つ「サラベス」、そして先々月南青山に日本一号店がオープンした「クリントンストリート ベイキングカンパニー」などがあり、それぞれ名物たまご料理が人気を博しています。 さらに一メニューとしてだけでなく、『たまご』そのものにに焦点を当てた朝食店が増えることは、「たまごマニア」としてとっても楽しみです。(^^)

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内装も、たまごを意識したインテリアになっているようで、ワクワク感がありますね。

11月5日オープンとの事ですので、お近くの方ちょっと早めに贅沢な朝食を食べに出かけられてはいかがでしょうか!?

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2013年10月14日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

写真は木の枝を模したエッグスタンド。小鳥がちょこんと留まっているのもかわいらしくて素敵です。

食卓が華やかになりますね!

シンプルな朝食料理を食べるにも、こういったちょっとした演出で雰囲気がガラッとかわります。

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海外のショップですが、こちらからセットで買えるようです。

http://www.shapeways.com/model/213156/birdsnest-eggcup-quattro.html

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2013年10月7日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

まだまだ暑いですが、あれやこれやとアタマの中はすっかり冬のことを考えています。

さて、冬の準備、というと実はが大きくかかわっているのをご存知でしょうか?

それは、「インフルエンザワクチン」。

いざ大流行した時に備えて、政府はたくさんのワクチンを備蓄するのですが、このワクチン製造にはニワトリさんの卵が必要なんですね。

これは、本来私たちが食べる卵とはちょっと違います。

まず「受精卵」でなくてはなりません。なので、本来なら飼うことのない雄ニワトリさんも飼育します。

そして生産場所も一般の食べるためのものとは異なります。 専用の特別飼育施設の中で、ワクチンのためだけに飼われているニワトリさんの卵でなくてはなりません。

さらに、生後半年以上で一年未満の若鶏の卵でなくてはいけません。

うーん、これは大変ですねェ。 要するに一年以上前に「若鶏」サンを用意しなくちゃいけない訳ですから、「来年の冬にどれくらいワクチンが必要なのか?」を一年前に決定しなくちゃいけないんです。急に「もっと作ってくれ。」はムリ、ってことですね。

最近では、もっと迅速な対応ができないものか、一度にたくさんのワクチンをつくる方法はないものか、そういった観点でカイコからワクチンを培養する方法であったりダチョウの卵を使う方法であったりさまざまな検討がなされています。

食べて健康になる!以外にも、卵は我々の元気に関わる、たくさんの方の命を守る役割をになってるんですね!

卵に感謝です。(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2013年09月3日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

昨日中国のたまごアートをご紹介しました。たまごの表面を薄く削って、絵を彫っています。これ、ニワトリさんの卵じゃないんですね。

絵を描くのではなくて、表面を削って細工する場合、やりやすいのは強度があって殻の厚みもある、ダチョウのたまご。

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約2mmもの厚みがあります。一円玉が1mmくらいの厚みですので、これが二枚分・・・いかに分厚いかお分かりになっていただけるかと思います。 ニワトリさんの卵殻は厚さ0.3mm前後ですから、なんと6倍以上の厚みです。

 

もちろんサイズもでっかいので加工もしやすいです。

ほかにも、ガチョウやアヒルのたまごなんかも、入手しやすい卵の中では結構しっかりしていてやや大きめですので、加工に向いています。

ちなみに夏と冬で、卵の殻は強度が変わります。 夏場は水をたくさん飲み飼料の食べ具合が減っちゃう事から、どうしても殻の暑さが薄くなっちゃうんですね。 冬場はしっかりと食べるので、カルシウム吸収もたっぷり!の硬い殻になるんですね。

たまご細工を作るなら、冬場のたまごがピッタリなんです。それも大寒前後のもっとも寒い時期あたりから春にかけてが最高です。(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2013年08月9日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

突然ですが、ポーチドエッグ、という卵料理をご存知でしょうか?

沸騰したお湯にお酢を垂らし、生たまごをソッとそこに割り込んで固めたものです。 黄身が半熟で、ふわとろ食感になる、なかなか素敵な料理です。

イングリッシュマフィンにこのポーチドエッグを乗せオランデーズソースをかけた「エッグベネディクト」は、NY発で『朝食の女王』の異名を持つ名店「サラベス(Sarabeth’s)」にて、『世界一の朝食』として親しまれています。

さて、このポーチドエッグ、実際に作ってみると結構コツがいるんですね。 調理時間が短く朝食向きなのですが、形にまとめるのがナカナカ難しい。

なにか良い手はないか・・・・・・

そう思っていたら、こんな最新調理グッズが英国で発売されていました。

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直接お湯に入れるんじゃなくて、専用の袋に入れてから加熱するんですね。 袋は特殊な半透過性紙繊維でできていて、お湯はちゃんと通すけど、たまごはしっかりと封じ込めるんだとか。これなら散ってしまうこともない!ですね。(^^)

・・・・・・あれ、でもこの料理法、ってどこかで聞いたことがあるような・・・・・・?

と、思って資料をあさってみると、ありました!江戸時代のたまご料理「包玉子」。 これは、和紙で生卵を包み、お湯にそっと落として茹でたものです。

これは、まさしく上記のポーチドエッグ最新調理法と同じ!

 

◆江戸のたまご文化もスゴイ
江戸のたまご料理本『百珍』(万宝料理秘密箱 前編1785)に、『磯菜卵』と呼ばれるポーチドエッグと浅草海苔を合わせた料理が紹介されています。 この和製ポーチドエッグを発展させ、和紙包みで調理したものが「包玉子」と呼ばれていたんですね。 文献での初出は『江戸料理集』延宝二年(1674)ですので、江戸文化のかなり早い段階で包玉子は食べられていたようです。

ポーチドエッグは直接お湯に割りいれるため、鮮度が良いものじゃないと作りにくいです。 冷蔵技術の無い当時、鮮度の落ちた卵でもカンタンに作れる工夫として、和紙を使う技法が考案されたのではないでしょうか。

最新の紙フィルター素材を使った英国の調理技術と、200年以上昔の江戸の調理技術が一致するとは、なんとも興味深いです。

ちなみに上記英国のポーチドエッグ調理グッズ「Poachet」はお値段20枚2.99ポンド(約450円)、発売後2ヶ月で50万セットも売れたそうです。すごい!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2013年07月31日