小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

英国の高級ベーカリーチェーン、卵不足で人気たまごメニューを削除

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

英国の人気ベーカリー「ゲイルズベーカリー」が
キッシュやスフレといった
卵をたくさん使う人気料理を
「当面のメニューから外す」
という対策を取って話題になっています。

Upmarket bakery Gail’s hit by egg shortage / the teregraph)

このベーカリーは全英で
100店舗を超える人気店。

じつは英国はいま、
大変なたまご不足でして、

どのレストランや
洋菓子店、ベーカリーでも
最低限のたまごを確保するだけで
たいへんな状況なのです。

一流シェフ御用達として創業した
ゲイルズベーカリー(Gail’s Bakery)も、

「最低限、パンを焼くのに
使う量のたまごしかない。
たまごメニューに使ってる
場合じゃない・・・!」

というわけです。

これ、なぜそうなっているかというと
理由は2つありまして、
ひとつには飼料価格の高騰による減産。
もうひとつは鳥インフルエンザの猛威。

ニワトリは穀物を食べて育つのですが
ウクライナ戦争などの影響で
飼料用穀物が大変な高騰中で、
「産ませるだけ赤字になる」
という状況です。

また、英国では
鳥インフルエンザが大変な猛威を
ふるっており、
直近12か月で280万羽が処分に
なっていまして、

今はこの鳥インフルの影響が
特にすごいことになっていますね~。

 

◆日本の大問題とおなじ!

そして、このたまご不足の問題。

今の日本の状況と全く同じ

なんですね。
いや、むしろ日本の方がヤバい!
ともいえます。

鳥インフルエンザは今年の冬に入り
今日の時点ですでに34農場で発生
すべてのニワトリが処分されており、

また英国と同じ理由、
飼料大高騰により多くの農場で
廃業・減産が相次いでいます。

日本でも
都市部を中心にすでに
「うばいあい」の様相になりつつあるんです。

いやむしろ、
世界有数の卵消費国である
日本の方が深刻な状況ともいえます。

いやホント大変なんです。

一年半前に日本で鳥インフルが
猛威をふるった際は、

全ニワトリの約1割におよぶ
1200万羽が殺処分となり、
空前のたまご不足となりました。

そして今回はその再来どころか、
それ以上になりつつあります。

いまの鶏卵相場の高騰も
その際を超えてますし…。

日本ではまだ大手チェーンでの
たまごメニュー見直しまでには
至ってませんが、

今後の状況では十分あり得るんじゃ
ないかと思っています。

 

◆世界的な問題

世界動物衛生機関によると、
2021年10月から2022年9月の間だけで
世界で1億1200万羽の鳥が死亡または
処分されています。

現在は世界的な流れてとして
ニワトリ等に対するワクチネーションは
状況把握が難しくなることなどから
禁止されていますが、

こういった生産時の管理についても
見直しをすすめる時期に
来ているのかもしれません。

※ちなみに鳥インフルは
人間にはうつりません。
「卵を食べて大丈夫かな?」
なんて気にする必要はありませんのでご心配なく。
下記リンクにその理由を書いてあります~。

(参照:なぜ人は鳥インフルエンザにゼッタイ感染しないのか? | たまごのソムリエ面白コラム

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース2022年12月12日