小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

飲食店さんは、たまごを冷蔵庫に入れないほうがよい!?

昨日の続きで、本日も
たまごの保存性について。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前にイギリスのTVで

たまごを冷蔵庫に入れるな

という内容のシェフの提言が
報道され、少し話題になりました。

そのほうが美味しさが
長持ちするから

そんな趣旨です。

Food storage hacks: Chef warns ‘never put eggs in the fridge’ – where to keep them | Express.co.uk

今イギリスでは、食品ロスの問題に
焦点があたっていまして、年間で
450万トンの食品廃棄を減らす

そのために「スーパーの賞味期限撤廃」
などの取り組みが進んでいるんですね。

「牛乳も賞味期限なくそうぜ。」
なんていう議論もありまして、

そんな中で、プロのシェフさんから

「たまごは長持ちな食品だ。」

「常温で保存するべきだ。」

「そのほうが美味しくなる。」

という提言があったわけです。

実際のところ、どうなのでしょうか?

飲食店さんでも冷暗所、冷蔵保管
様々なケースがありますよね。

実はこの提言は正しくもあり、
間違ってもいるのです。

 

◆常温でも長持ちするのは事実

たしかに、たまごは生鮮品・
無加工畜産物としては異例の
菌耐性がありまして、ちょっと
意外なほど常温でも長持ちします。

映画「火垂るの墓」でも、
空襲があった際に貴重品を
地中に埋めた長もちの中にも
たまごを入れておいて、
ずいぶん経ってから取り出す
そんなシーンがありました。

温度にもよりますが、
皆さんがイメージされるよりも
意外と長もちなのは事実です。
(通年の常温であれば2週間はゆうに生食可です)

そういう意味では、
たまごを使い切るまでが
さほど長期でなければ常温でも
大丈夫、ということになります。

 

◆品質は高温ほど変わりやすい

ただしデメリットがありまして、
たとえば食感の変化

たまごの保存中には
たまごの白身と黄身の間で
水分の移動がおこりまして

食感がどんどん緩くなるのです。

夏場などには鶏が水分をたくさん
飲む事で食感が弱くなるのですが

それと同じことが
常温保存だと冷蔵よりも
早く起こるという事です。

ですので、
ぷるんと食感を楽しむ
生食の場合や、目玉焼きなど
ハリの良さが必要な料理は
冷蔵保存したほうが使いやすい
ということになります。

 

◆常温保存のメリットもある

前述の英国人シェフさんも
指摘していますが、常温保存には
メリットもあります。

それは、

「他食材の香りが付かない」

ということ。

たまごは殻に一万個の気孔が空いてまして、
そこから常にガス交換をしています。

そのため周囲にあるものの香りを
吸い込んでしまうのです。

そして、冷蔵庫ではこの
香りがついてしまうことが
往々にして起こってしまうのです。

『繁盛しているお店のたまご料理は美味しい』

よく聞く話ですが、これは

たまごに香りがつく
前に使い切るから

という理由です。


まとめますと、

・卵は常温でも長く保存できる
(生食2週間以上)

・冷蔵ほど経時変化が少ない
(長く品質を保てる)

・冷蔵庫以外だと、他食材の香りがつきにくい

 

つまり、
基本は卵を冷蔵保存する
方が品質的に望ましく、

客数の多いお店さんや
加熱前提の卵メニューの
お店さんなら

常温保存で、

新鮮なうちに
サッと卵を使い切ったり

食感のゆるみをカバーしながら
加熱で使う

そのほうがメリットもある
ということですね。

ご参考くださいませ。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース2022年09月6日