小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

ビックリ!発酵食品としてのたまごがスゴイ

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごと言えば新鮮…

というイメージはあるかと思います。

 

ですがその逆なのが、

時間をかけて美味しくする
発酵食品としてのたまご

これに、
すごくおもしろい魅力があります。

どれもちょっと変わった
食べ物になるんですね。

 

◆たまご発酵醤油

普通は小麦と大豆と麹で
作るのが醤油ですが、

なんと!
卵の白身と小麦
醤油ができるんです。

特徴としては、
味が濃いのに色が
すごく薄い・・!

あとほんのりと
たまごの風味がすること
でしょうか。

ふつうの醤油や味噌は
発酵の過程で黒褐色になる
メイラード反応が起こります。

たまご醤油の場合は
これが少ないんですね。

 

ちょっと面白いのは
その作り方でして、
醤油麹菌の発酵って
液体な卵の白身には
生やせないんです。

ですので、
たまご+小麦粉で固める

つまり、
いったんケーキを作って
砕き、そこに麹菌を生やして
発酵させてるんですね。

ケーキ→醤油

何年か前に京都女子大発の
ベンチャーから出まして

現在、たまご+大麦で
つくった卵醤油が市販されています。

超たまごづくしのメニューなんかも
おもしろいんじゃないでしょうか。

 

◆麹熟成卵黄

さっきの発酵醤油は
卵白に麹でできたものでしたが、
卵黄+麹発酵でも
かなり面白いものができます。

それが、麹熟成卵黄
キューピーさんが研究してまして
なんと黄身のうまみが5倍
香気成分は90倍に。

なかなかスゴイですね。

どちらかというと
競合がたまごじゃなくて
チーズなどになってくる
感じです。

まだ新しい食材ですので、
今後も何か面白い使い方が
ありそうです。

 

◆中国伝統の高級食材
「卵白粉」

最後は、
超レア食材「卵白粉」です。
発酵醸造学・小泉武夫氏の著書
「発酵食品礼賛」に出てきます。

『卵の卵白だけを発酵槽に入れ、
夏期で2から3日、秋期で4から5日
冬季で1から2週間、放置した状態
で空気中から進入した菌で発酵を行わせる。

(中略)この発酵した卵白を濾過した後、
乾燥させてから粉末にしたもの』

これがとてもきめ細かい
優良な粉となって、現在では
滋養剤や高級菓子なんかに使われて、
希少価値からなかなか手に入りにくい
ものになっているとのこと。

 

位置づけ的に
和三盆みたいなカンジですね。

発酵させるのは、
「卵殻膜や胚などを
発酵による泡とともに
浮遊させて除去し、
製品純度を上げるため」
とのことですが、
これ、めっちゃ大変なんですよ。

 

なにせ、生の卵白って
溶菌作用がありまして、
菌にめちゃくちゃ強いんですよ。

つまり、そんな簡単に
菌が生えたり発酵したり
しないんです。

上記の卵白発酵なんて
めっちゃ手間なんですね。

そこまでして、
上質の食材を作り上げるなんて
ホント感動します。


いかがでしたでしょうか。

そもそも卵の発酵食品を
そこまで見かけないのは、

「たまごが長期保存食だから」

なんですね。
意外と長もちするので、
発酵して保存する必要がなかった。

ですが、
「よりおいしくなる」
その目的で考えると
いろんな発酵が
新たな食材として
おもしろい可能性があるんです。

 

ちなみに
ピータンやたまごの糠漬けは
菌による分解が進むわけでは
ありませんので、
厳密に言うと発酵食品ではありません。

 

ぜひ、たまご繁盛メニューの
新たな選択肢として、
たまご発酵食品を活用して
くださいませ~。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学2023年04月16日