小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

甘党の人は感じが良い!?

 

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こんにちは。 こばやしです。 つい先月、こんな発表がありました。

  甘党の人、感じ良く人助けする傾向=米調査 (ロイター)
[ニューヨーク 21日 ロイター] 米国の科学者による調査で、甘い食べ物を好む人は人当たりが良く、人の手助けをする傾向が強いことが分かった。ただ、甘いものを好むからといって、性格がより外向的または神経質などとは言えないとしている。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111024-00000644-reu-int)

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ということで、「甘党は良い人」という、面白い研究結果が出ています。
この研究結果で興味深いのは、
    ・甘いものを食べた後の幸福感が影響するわけではない
    ・周囲の人も、「甘党の人」を無意識に「気立てが良い」と認識する傾向がある
と判明したこと。 いったいどういうことなのかというと、

ポイント1 ・・・『甘いものを食べた幸福感は影響しない』
  → 今から甘い物をたくさん食べても、性格は優しくならないということ。 あくまでもともと「甘党」だった人が「人当たりが良い」だけです。 これは残念ですね。

ポイント2 ・・・『周囲の人も、甘党の人を無意識に「気立てが良い」と考える』amatou1.jpg
   → 同じ人物写真を見せ、プロフィールに「好きなもの:チョコレート」の一文が有る無しで印象がどう変わるかを見た結果です。 つまり・・・、俺って甘いもの大好きなんだよねー。」と周囲に伝えるだけで「良い人」そうに見える ということになります。 こりゃスゴイ!

 

◆なぜそう感じる・・? こばやしの仮説
本質的に「甘い」とは、脳が“ほしい!”というメッセージを出しているということ。 言い換えると「これは体にとって吸収しやすいエネルギーです。」という信号なんですね。 ごはんのような炭水化物だって分解すると糖になりますが、より分子の小さい砂糖の方が“甘く”感じるのは、脳がより「快」だと認識しているということです。 
対して「苦味」や「酸味」は、元々は「危険信号」の味覚と言われています。 酸味は「腐っている」ことを脳に伝えるため、苦味は「毒」であることを伝えるため・・・。 だからたとえば子供がピーマンや酢の物を苦手なのは当然なんですね。 じゃあなぜ大人が酸味や苦みを好きになるのかというと、これは「食経験」によって「本能」を上書きしてしまうから。 「危険 → これは毒じゃない → こういう味もアリだよな♪」と自分の本能をすこしずつ書き変えていくんですね。

ならば、「甘党の人」とは、より本能に従って体に良いものを求める「感性」を重視する人、苦味酸味を好む人は、より自分の「経験」を重視する「理性」の人・・・なのかもしれません。 そのあたりが「人助け」の差となって現れるのではないでしょうか。 そして周囲の人も、食べ物の好みから、本能的にその人柄を察知する。 ・・・のかもしれません。

なにはともあれ、もうすぐクリスマス。 独身の方、ご予定無い方、まだ間に合います。 少しでも良く自分を見せるなら、「甘党アピール」ですよ!(^^)

Sweet taste preferences and experiences predict prosocial inferences, personalities, and behaviors. – APA PsycNET(8月29日)

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学2011年12月9日