小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

じつは飲んべの卵酒として生まれた!?魅惑のエッグノッグ

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

寒くなってきましたね~。
さすが12月!です。

米国や欧州ではこの時期
「エッグノッグ」という
たまごドリンクがめちゃめちゃ飲まれます。

「クリスマス時期の飲み物」でして、
この時期は量販店でもボトルや
容器に入ったエッグノッグが
山積みされています。

米国だけでなんと!
1億3500万ポンド(6万一千トン)
ものエッグノッグが
1シーズンで飲まれるのだとか。

エッグノッグは
いわゆるミルクセーキでして
小さい子供でも楽しめる飲み物です。

ですが!
本来のエッグノッグは

アルコール度数の高い
超酒好きのためのドリンク

なんですね。

子供好きそうで
あま~いのに、
なぜお酒なんでしょう?

 

◆イギリス生まれの食前酒だった

エッグノッグは
中世ヨーロッパが起源で
英国で誕生しました。

もともと「ノッグ」とは
英国の「アルコール飲料」を
指す言葉でした。

中世のイギリス
西アングリア地方では、
“ノッグ “と呼ばれる
アルコール度数の高い
ビールが醸造されていたんです。

そこから、
『アルコール度の高いたまご酒』
としてエッグノッグができたのです。

じゃあ、なんでそんなに
アルコールが重要かというと
じつは、

安全に美味しく卵を食べるため

だったのですね。

 

◆エッグノッグのお酒は細菌を殺すため

そもそもは美味しいからお酒を
入れたわけじゃなくて、

安全に牛乳を飲み、
安全に卵を食べるため
だったのです。

中世の時代には、
牛乳をそのまま飲むのは
かな~り危険なことでした。

現代でも殺菌されていない牛乳を
飲むのは超危険ですよね。

たまごも同様で、
しっかり火を通す以外は、

卵殻に付着した菌もあって
非常に勇気のいる食べ物だったのですね。

そこでアルコールだったのです。

当時のレシピでは、
生卵をラム酒などのアルコールに
数日間漬け込んで、卵に付着した
細菌を確実に除去することが推奨されていました。

多くの人は、
エッグノッグを数日から1週間ほど
寝かせて、菌がいなくなったこと
を確認してから飲んだと言われます。

なるほど・・!

ですね。
あまくておいしい卵ドリンクは、
アルコール無しでは危険で飲めない
大人で飲んべだけのための
安全ドリンクだったのですね~。

考えてみれば、
マヨネーズだって同じです。

殺菌作用のあるお酢と
生たまごを合わせるのは、
菌を殺すため、だったとも言えます。

昔の人の知恵ですね。

そして、現代ではもちろん
牛乳もたまごも衛生的に
管理されていますから

何の心配もなくお子さんと
ノンアルコールで飲めるわけです。

う~ん、でも念のため・・!

なんて言ってお酒を入れちゃあ
ダメですよ!? お父さん。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

エッグノッグのレシピは↓をどうぞ。

(関連:クリスマスの定番!あまーい卵のお酒・エッグノッグ【レシピ紹介】 | たまごのソムリエ面白コラム)

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学2022年12月6日