小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごの出てくる映画名シーン、というコラムを時々書いています。今回はその第五弾&絶品オムレツのコツを書いていきます。

本日ご紹介するのは、サメ恐怖映画の名作「ディープ・ブルー」。

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アルツハイマー研究のため遺伝子操作された人間並みの知能を持つサメたち。 実験中に誤って逃げ出してしまい、そのおそるべき知恵を駆使して基地の人間を襲いはじめる・・・・・・というストーリー。

知名度の高い俳優はサミュエル・L・ジャクソンのみ、しかも真っ先に殺されちゃうものですから、残った登場人物中誰が生き残るのか全く予想できないという、B級の特色を最大限に活かしたスリル満点の映画です。

その中に黒人のコックさんLL・クールJ)が登場するのですが、彼がまた面白いんですね。 単独行動するわ遺言ビデオレターを録画しはじめるわ、つぎつぎと「死亡フラグ」をまき散らしながら進む、ある意味一番ドキドキさせられるキャラクターです

さて、彼が「もうダメかも。」と家族へ向け残すビデオメッセージですが、その内容が面白いことに「カンペキなオムレツの作り方」なんですね。

完璧なオムレツは、卵は3つじゃなくて2つ。シロウトはミルクを入れるけど、これは大きな間違いだよ。

この言葉、まさにオムレツを作るための至言なんです!

◆水でフルフルのオムレツに!
以前ご紹介しましたが、米国鶏卵評議会(American Egg Board)なる全米組織は「オムレツに入れるのはミルクよりも水の方が最適なんだ。」という発表を出しています。

一見ミルクを入れた方が味が濃くなって美味しいオムレツになりそうですが、実際にはミルクを入れるとたんぱく質含量が上がるため焦げやすくなり、熱で固まるのも早くなるため調理タイミングが難しくなります。

また、卵の個数についても3個よりは2個!というのも事実です。ようするに、小さいオムレツほどひっくり返しやすく形づくりやすいんですね。フライパンに対して混ぜた卵液の量が多いことでキチンと形づくれなかったりひっくり返せなくなります。

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もし、「オムレツをうまくひっくり返せない。」という悩みをアナタがお持ちでしたら、ぜひ卵液の量を半分にしてみてください。クルリ!と綺麗に仕上がるかも!?

 

◆世界一のオムレツ料理人のコツも同じ!

 ちなみに米国卵評議会のスポークスマンで「世界一のオムレツ早焼き男」ハワード・エルメル氏によると、完璧なオムレツを作るためのコツは下の3つ。

・オムレツには水、スクランブルエッグにはミルクを入れるべし
・たまご2個に対して水は 大さじ2杯
・プロが使う小さ目のフライパンはNG。10インチくらいの大き目でテフロン加工のヤツを使うべし

まさに、映画「ディープブルー」の黒人コックさんの言葉と同じですねー。名言です。

実際にこの映画放映後「このビデオメッセージのシーンがいちばん心に残っている!」「この映画みてから水を入れるようになったよ!」、という方が沢山いて、わずか10秒ほどのシーンなのに強烈に印象を残しているようです。

ぜひこのオムレツのコツ、そして映画をごらんになってくださいませ!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごのソムリエ日記 - たまごの名シーン【映画編】の一覧)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2015年04月16日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

Sea egg(海のたまご)”という生き物がいます。

なんだか分かりますか!?

皆様も良く知ってる美味しい食べ物です。

 実はこれ「ウニ」のことなんです。

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ウニって見た目もトゲトゲで全然たまごっぽくないんですが、どういう由来で「海たまご(sea egg)」の名前がついたのか・・・、とても興味深いです^^; 日本の場合海栗」と書いて「ウニ」と読みますが、こっちの方がそれっぽいと思います。(ちなみに“雲丹”は加工済み食品を指します)

そして、“海のたまご”だけじゃなくて「海の目玉焼き」もいます。

これは“friedegg jerry(フライドエッグジェリー)”といいまして、訳すと「目玉焼きクラゲ」。

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こちらは見ての通り、めちゃめちゃ目玉焼きっぽいです。

では“海のニワトリ”はどうでしょう・・・!?

ふつうに英訳すると「シーチキン」ですが・・・・・・

シーチキンは「はごろもフーズ」の登録商標ずみ商品名。

日本でしか通じません。外国人にシーチキンと言っても「??」という反応です。 海外では“a can of tuna(ツナ缶)”。

ざんねん。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2015年04月13日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ26弾、今回はスコットランドから。
<ナイフの背で卵を割れるのに、石を用いる必要は無い>
(Never take a stone to break an egg, when you can do it with the back of your knife.)
『おおげさな方法をとらず、ちゃんとした手段をとりなさい。』というような意味です。以前ご紹介した中国のことわざ、「牛刀割鶏」と同じような意味ですねー。「ナイフの背」=適正な方法、というのは面白い表現ですが、これはおそらく英国風ブレックファストとして世界的に有名な「英国風半熟ゆでたまご」を割るときの事。
正式にはコツコツとナイフで切るようにぐるり“切れ目”を入れるのがマナーですが、それは、『英国風の半熟ゆで玉子』を食べるとき。 エッグスタンドに置いた後、テーブルナイフの横っぱらでパコン!と叩いてやると、上っ側がペチャンコになってキレイに取れるんです。

たまご鶏のことわざ27弾、今回はスコットランドから。

<ナイフの背で卵を割れるのに、石を用いる必要は無い>

(Never take a stone to break an egg, when you can do it with the back of your knife.)

おおげさな方法をとらず、ちゃんとした手段をとりなさい。』というような意味です。以前ご紹介した中国のことわざ、「牛刀割鶏」と同じような意味ですねー。

『ナイフの背 = 妥当な方法』、というのは面白い表現ですが、これはおそらくイングリッシュブレックファストとして世界的に有名な「英国風半熟ゆでたまご」を割るときの事。ゆでたまごを割るのにはナイフを使うのが正式マナーとされているんですね。

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正式にはコツコツとナイフで切るようにぐるり“切れ目”を入れるのがマナーです。

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あまり良くないマナーだけれども、てっとりばやいのは、エッグスタンドに置かれたたまご上面をテーブルナイフの横っぱらでパコン!と叩いてやること。上っ側が平らになってキレイに取れるんですねー。

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だからでしょうか? 海外では、料理中にもナイフでカン!とやって生卵を割る人を時々見かけます。日本ではあんまりやらないので、なんだか新鮮です。

ナイフじゃないですが、こんな動画もあります↓

カッコいい!ここまで来ると「お金が取れるレベル」ですが、ことわざと逆に超大げさですね!言うなれば「ナイフの背で卵を割れるのに“曲芸”を用いる必要は無い」・・・・・・なんて新しいコトワザになりそうです ^^;

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

関連:たまごのソムリエコラム・・・たまご・鶏さんのことわざシリーズ一覧

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2015年04月9日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

エルサレム賞受賞の際に「壁と卵」のスピーチで話題になった村上春樹さん。少し前に期間限定ブログ「村上さんのところ」を始められたのですが、これがまた面白いんです。一月末までに募集されたメールの質問(なんと2週間で3万通も来たそうです!)を、毎日応えられているんですね。

内容は多岐に渡り、「村上さんが一番好きな自分の小説は?」など作品に触れる質問から、「夫が自己啓発セミナーにはまっています」みたいな人生相談や「コロッケをおいしくするコツについて」などどうでも良いような質問まで本当に様々です。

私は徳島県在住ですが、「徳島のすだちをご存じですか」という質問が昨日あってビックリでした。大作家に何を聞いているのですか(笑)

どの質問に対しても軽妙でユーモアがあって考えさせられるさすがの回答となっています。

当ブログは基本たまごの話しかしないのですが、「そういえば村上さんは卵のスピーチをしていたなぁ・・・!」とムリヤリつながりでご紹介でした。

ちなみに村上さんの小説にはいろんな美味しそうな料理が出てきまして、再現レシピ本まで出版されているくらいです。 個人的にはそっちも非常に興味アリです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト

(関連:「たまごを石に投げると・・・」:視点を変えて勝つべし【たまごの諺】 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2015年04月7日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

ベシエール、という町をご存2知でしょうか?フランス南西部にある人口3000人ほどの小さな町です。 ここには一年に一度、イースターの日(復活祭)に全仏から沢山の人が訪れ、おお賑わいするんですね。

それは、巨大オムレツづくりのイベント。

一度に数千個のたまごを使用した巨大オムレツで、プールかよ!とツッコみたくなるくらい大きなフライパンを使い、なんと40人ものコックさんが一度に調理をします。

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お祭り中に使用するたまごの数は、15000個!おおぜいのスタッフで割ります^^

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できたオムレツは訪れた人たちにふるまわれるのですが、美味しいパンと共に食べるんですね。40人のシェフ自らふるまってくれます。

みんなニコニコでホント美味しそうなんですよねー!

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この巨大オムレツイベント、もう40年以上も続いているのだからビックりです。しかも発祥は19世紀、かのナポレオンボナパルトに始まるんですね。

かつてナポレオンがこの地を訪れた際、町中の卵を集めさせ、彼とその軍の兵士たちにオムレツをふるまったことがキッカケなのだとか。

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偉人のエピソードが毎年のお祭りになったんですねー。 いま静岡で開催されている、徳川家康公の「大御所花見行列」みたいなものでしょうか?


◆フランスはオムレツ発祥の地
とはいえ、なぜ復活祭(イースター)の日にオムレツなのか?というと、それはキリスト教と関係があります。

キリスト教において卵は「復活」の象徴なんですね。なので、イースター=たまご、という図式がしっかりとできあがっているわけです。

米国にヨーロッパ、いろんな地域でイースターに卵関連の催しがなされますが、この町のお祭りがゆでたまごでも無く「オムレツ」なのは、やはりオムレツがフランス発祥でもあるから。そもそも「オムレツ」という言葉自体フランス語ですし。

オムレツの語源には諸説ありますが、素早い男hommeleste・オムレスト)が元だという説がありまして、なるほどナポレオンと兵士に早く料理をお出しをするには、ピッタリだったのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

通りがかったお店の前にデッカイ「缶コーヒー」があってビックリしました。イベントカーのようですね。見慣れた光景が一気に非日常になって、面白いです。

でっかいものに恐怖を感じる人はわりと多いのですが、こと食べ物に限っていうと、でっかい食べ物にワクワクを感じる人が多数派のようです。

たとえば卵でいうと、「ぐりとぐら」なんかもそうですね。

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これは、赤ちゃんの頃、小さい頃に見たいろんな食べ物への憧憬が刷り込まれているんじゃないかと思っています。

子供のときって、普通のハンバーガーやオムレツだって、でっかく見えますよねー。そして食べきれないサイズに憧れちゃうわけです。

スイカなんて、小さい頃は「超デッカイ果物」ってイメージでしたし。

みなさんどう思いますか!?

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2015年04月2日