小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

飲食店さまへ 記事一覧

体にいい成分が入っている事は大事なのですが、

それをダイレクトに伝えたからと言って

繁盛メニューにはなりません。

コツがあります。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

毎月お客様にお出ししているニュースレター

この1月で59号になりました。

 

どんな内容をお客様にお伝えしようか…

スタッフと話し合うんですが、

「ネタに困ると“卵の健康機能”

をつい紹介したくなる」

という流れがあって困ってます。

 

たまごは「完全栄養食」なんて言われまして

例えば体に必要なアミノ酸が

過不足なく100%必要な量が入っています。

 

ところが、

取引先さまのメニューで

このたまご健康機能の情報が

繁盛のタネになるかというと、

さほど役立たない・・・のです。

 

◆食材によって伝え方を変える必要がある

じつは『食材の健康情報』を聞いて

「おお!こりゃ食べなきゃいかんよね。」

となるのは、

『マイナーな食材』だけ…!

なんです。

 

例えば、おコメ。

農水省のHPには「ごはんで健康!」と題して

その健康機能を大々的にうたっています

ビタミンB1、B2、Eが多く含まれて肌に良い。

なんてことが書かれてますが、

これを聞いて、あなたはどう思いますか?

 

すぐに買いに行かなきゃ!

とか

食べに行かなきゃ!

となるでしょうか。

 

いやだって、

もう台所にあるじゃないですか。

すでにまぁまぁ摂取しているものの

健康機能を言われても

「まぁ、食べてるしなぁ。」

となっちゃうんですね。

 

たまごも同じで

日本のたまご消費量は年間366億個超

だいたい日本国民は毎日一人一個平均で消費しています。

 

世界的に見ても結構食べてるんですよね。

「健康だから」

と、訴えたところで

「じゃあ食べよう」となりにくいわけです。

 

豚肉の健康機能、とか

小麦の健康機能、とかも同じですよね。

 

これがたとえば「ココア」

とかだと、テレビで健康機能が紹介されたとたんに

一瞬で棚から無くなるんです。

専門料理店は大行列、

そしてメーカーがパンクして入荷待ちに…。

 

ですので、

お米、とか卵、とかのように

普段食べている食材の

健康機能アピールでメニュー訴求しようと思ったら

「食材」じゃなくて「料理」と「調理法」を

健康訴求すべきなんです。

 

たとえば、

おコメはちょっと炒ってやると、

ピラジンという成分が出ますが

これは香ばしい香りの成分で

食べると血流の流れを良くします。

 

『煎り米の雑炊』

 

みたいな。

 

卵だと、

20分以上茹でることで多く出る

遊離の硫化水素が

毛細血管を広げ

バイアグラと同じ効果があります。(フェデリコ2世ナポリ大学研究報告より)

 

『長茹での活力ゆで卵』

みたいな。

 

白身で脳を活性化する調理

『春眠対策オムレツ』とか。

ちょっと食べてみたくなりますよね!

 

あと、

『目』をいたわるには「うなぎと卵」の組み合わせは

ビタミンの相乗効果が抜群!

みたいな“組み合わせの妙”の紹介とか。

 

まとめますと

・マイナー食材ならダイレクトに健康機能をアピール

・ありふれた食材なら「料理法」または「組み合わせ」の健康機能だけアピール

 

あと、健康機能を伝える「構文」なんかもあるのですが、

またその内にご紹介しますね~。

 

ぜひあなたのお店のメニュー健康感アピールでご繁盛を!

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年01月5日

寅年は、「伸びる」を意味する年です。

ぜひ、繁盛のタネとなるたまごメニューで

今年一年のあなたのお店を繁盛させましょう。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

たまごの料理法っていうと

焼く・煮る

揚げる・蒸す

あと生もありますね。

 

また、活用できるたまごの機能は、

起泡性(泡立ち)

熱凝固性(熱で固まる)

両親媒性(水とも油とも相性良く混ざる)

マスキング効果(味をまろやかにする)

食感をなめらかにする

など、いろ~んな効果があります。

 

たとえば、

熱で固まる性質
ゆでたまごや目玉焼きに、

泡立ちはスポンジケーキやマカロン
スフレオムレツに、

両親媒性(油+水をなじませる)は
マヨネーズに・・・

いろんな活用のされ方をしています。

 

当たり前ですが、これらの効果は
太古の昔からたまごに備わっていますので

歴史的に古い、
むかしむかしの調理法も
新メニューなど現代の料理に活用することができるわけですね。

 

◆古いたまご料理を見直すと面白い!

例えば、1932年にフランスで刊行された料理本

『La cuisine pour tous(みんなの料理)』

には

74の卵料理のほか
42種類ものオムレツレシピが
載っています。

 

今読んでも十分おもしろいレシピがあって
オススメです。

また、
江戸のたまご料理本「卵百珍」
ヒントがいっぱいです。

ちなみにどっちの書籍もたま~に
ヤフオクやメルカリで売ってることも…!

 

◆調理法を「組み合わせ」てみる!

中国のたまご料理に、
「虎皮蛋(フゥヒイタン)」なるものがあります。

これは
ゆで玉子をカリッと素揚げしたもので、
表面が香ばしく「虎の皮」みたいに
なっているからそう呼ばれています。

 

茹でて→揚げることで、

『凝固性』と『熱変性』の機能を
順に取り入れているんです。

技法として面白いですよね。

たまごの調理の効果を
組み合わせることで

今までにない新しい料理ができる

そんな可能性に
まだまだ追求の余地があります。

 

たとえば

泡立てて→揚げる

とか、

油+水となじませて煮る

とか。

2つの調理法を組み合わせると
いろ~んな可能性が広がります。

 

白身と黄身で別調理をする

なんてのも面白いですよね。

 

「エッグインクラウド」

という料理がありますが、

目玉焼きの白身を泡立てて
黄身を乗せて焼いたもので

白身のふわふわと
黄身のトロトロの
両方の食感が味わえる

面白料理です。

これなんかも
2つの技法の組み合わせです。

 

ぜひ、今年一年の
たまご繁盛メニューに
ご挑戦くださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年01月3日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

世界トップ3に入るほど卵好きの日本人。

それだけに、

飲食店さんでのたまごメニューは

「定番」として食べてもらいやすく

利益の源となりやすい食材です。

 

その反面、

ポピュラーであるがため

「けさ家で食べたしなぁ…。」

なんてなりやすいデメリットもあります。

 

いかに「家庭の料理とちがう」という

印象を持ってもらうか、が大事です。

 

ひとつの入り口の工夫として

「呼び名を変えてみる」

ことも有効です。

 

そんなの必要無い、

プロの調理技術で

「食べてみれば分かる!」

 

…のはモチロンその通りなのですが

食べたい気持ちになってもらう

このハードルって結構高いのです。

 

たとえば、

いかにこだわって美味しいとしても、

メニュー表記が

毎朝家で食べている

『目玉焼き』とか

『ゆでたまご』なんてのだと

カフェのメニューで見かけたとき

「食べてみたいな…!」

ってならない人は多いのです。

 

たとえばフランス語で

半熟ゆでたまごは

「ウッフ モレェ」とか

「ウッフ ア ラ コック」(殻入りのとき)

と言います。

メニューでも、

だいぶん印象が変わりますよね。

ちなみにフレンチ定番の

ゆでたまごにマヨネーズをかけた前菜は

「ウッフ マヨ」

 

また、チーズ入りサンドイッチトーストに

目玉焼きを乗せたものを

「クロックマダム」と呼びますが、

個人的に好きな呼び方ですね。

「ハムチーズ目玉焼きトーストサンド」

なんてのよりよっぽど品があるなぁ、と感じます。

 

似たような料理にオランダ名物の

「アウツマイター」がありますが、

これもかなり好きな目玉焼きトーストです。

呼び名もなんかカッコいい…!

 

ちなみに「目玉焼き」は

ドイツ語ではシュピーゲルアイ

タイ語ではカイダーオ

インドネシアではテロール マタ サピ

ロシア語ではヤイチィニーツァ

と言います。やはり、

ちょっと印象変わりますよね~。

 

スパイス調味料や

付け合わせの違いで

「〇〇風」として

呼び名の印象を変えることも

できるんじゃないでしょうか。


あるお茶屋さんの求人で

「販売スタッフ募集」としていて

全く募集が無かったのを

 

同じ業務内容で

「ティーアドバイザー募集」と

しただけで、ビックリするくらい

人が集まった、というハナシを

聞いた事があります。

 

飲食店さんのメニューでも

単に料理そのものの美味しさだけじゃなくって

お客様に与える印象を

名前やストーリーでも

いくらでも変えられる

それによって

美味しさも倍増することだって

ありえます。

 

ぜひ、あなたのお店の

たまごメニューの魅力を

アップしてくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:たまご料理の呼び方を変えてみよう | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年12月26日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

アフターコロナへ向けて

あなたのお店でも

繁盛のため

いろんな工夫を準備されていらっしゃるかと思います。

 

「繁盛提供食材」として見た場合

卵ってかなり優秀だ

と当ブログで言い続けていますが

 

その代表的な理由が

➀コストを抑えながら差別化メニューが作りやすい

②視覚的に目をひくメニューがつくりやすい

こんな特徴があるから。

さて、そんな飲食店さんの差別化について

ちょっと面白いサイトがありました。

 

それは、日本政策金融公庫の資料サイト

飲食店でどうメニューを魅力的に魅せるのか

のノウハウを紹介しているんです。

写真の撮り方ガイド 飲食店編

エッ!?なんで…?

と思われたかもしれません。

 

正直ボクも、

政策金融公庫さんって

お金貸してくれるところ

くらいのイメージしかありませんでした。

 

ですが小冊子の形で、

飲食店さんのメニューの魅せかたや

飲食店さんのインバウンド対策や

飲食店のアルバイトさんの接し方など

いろんな資料を公開してくれているんです。

こんなカンジで実際見た人の

データを示してくれているので

Twitterでも「わかりやすい!」と

とても評判のようです。

おなじ美味しいオムライスでも、

ちょっと光の向きを工夫するだけで、

「このお店に行ってみたい」

と感じる人が2倍になってるんですね。

 

なるほど…!

 

また、

ただ料理を撮るだけじゃなくて、

 

たとえば

ヨコに日本酒を置いたとき

おハシを置いた時

どっちが「美味しそう!」となるか。

面白いですよね。

お箸や飲み物でこんなに差がでるなんて・・!

 

うな重なら

横にビールを置いた方がいいのか

お新香があったほうがいいのか

お吸い物は・・・?

そんな細かなテクニックも

データと共に紹介されています。

 

おもしろいな~。

ボクもたまご料理の資料に

とっても役立ちます。

 

こだわったあなたのメニューを

より魅力的に見える方法です。

ぜひチェックしてみてくださいませ~。

 

◆価値提供業だからやっている・・・!?

金融業って、けっして

お金を貸すのが本質じゃないですよね。

 

融資したお金で、お店に

繁盛して発展してもらう

繁盛提供が仕事の本質だと思うんです。

 

僕たちが卵を通して繁盛提供を目指すのも

おなじですよね。

そういう意味でも

政策金融公庫さんの取り組み

大変刺激になりました。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年12月23日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

寒くなってきましたね!

温かい麺類、そして丼物が美味しい季節です。

 

老舗の蕎麦屋社長さんから聞いた話。

「ウチでは親子丼と蕎麦のセット定食

これを推しているでしょう?

これってすごく意味があるんですよ。」

 

それは、

『蕎麦に食べ慣れてない人のため』

なんです。

 

◆慣れは「タッグ」でつくる!

こちらのお店は

蕎麦専門で数十年前から続く老舗

うどん店の多い四国では少数派です。

 

東日本在住の方は想像しにくいかもしれませんが、

 

四国では、

うどんじゃなくて蕎麦は

意識しないと食べに行かない

 

習慣が少なくって

食べ慣れてない人が多いんです。

 

もちろん山間部へ行けば、

古くから蕎麦処の地域もありますが、

地域としては少数派です。

 

そば処の信州なんかだと

「蕎麦」がメインの

シンプルなメニューの

そば専門店も多いですが、

 

それだと四国では

「まぁ、べつに食べに行かなくてもいいかなぁ。」

となってしまう

そう感じる人も多いのです。

 

なので、

食べ慣れてない人に

蕎麦親子丼のセットは美味しいなあ。」

と感じてもらって

 

そのうちに

そばって旨いんだなぁ。」

「今週も蕎麦を食べに行こう。」

と蕎麦の熱烈ファンになってもらう。

 

そうなるとしめたもので、

その地域に蕎麦店が少ない

→つまり競合が少ない

地域オンリーワン蕎麦店に

なるわけです。

 

蕎麦に限らず、

お店でほんとうに食べて欲しい

自慢の味がある

でも地域ではまだ珍しくて

定着していない。

 

そんなメニューがあるのでしたら、

何か食べ慣れているものと

セットにする

 

そんな戦略が有効です。

 

◆たまご料理の「慣れ」パワーはすごい!

例えば、

牛タン専門店って

ありますよね。

 

今は定着していますが

出はじめの頃は、

「牛タンってそれだけわざわざ食べに行くものかなぁ?」

という声もネットなどで出ていました。

 

ある牛タンの多店舗展開されているお店では、

牛タン塩焼き+だしまき玉子

のめちゃくちゃ美味しそうな定食を

昼の定番化・イチオシしています。

食べにいって見ていると

昼の6~7割のお客様が

ボリュームある玉子焼きとのセットを

頼まれている様子でした。

 

カレーの「ナン」も同じで、

ライスとナン「両方セット」を

メニューにしているお店も多くあります。

(実はインドでナンを食べる人は少数派だそうですが)

これも、

ナンに慣れていない方への

提案になっていて

「ごはんも食べられるわけだし、

ちょっと試してみよう」

という気分になりますよね。

 

日本の卵消費は世界2位

日本人は卵大好き民族ですので、

家庭でもたまごを沢山食べてますし

「慣れ」という部分では

最強に近い食材です。

 

もし、あなたのお店で

こだわりと差別化を打ち出す

新メニューの定着を考えているなら

 

慣れと親しみあるたまご料理

プラス差別化メニュー

のセット組みで、

お客様を定着させていくのが

良いのではないでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年12月17日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「ウチのメニューに一品だけ

刺身定食があるでしょう?

なんでだと思いますか?」

 

あるとんかつ専門店の

社長さんから聞いたお話

 

確かに、

そのお店は肉料理がウリで

 

ほかに魚介系のメニューなんて

あってもせいぜい

季節のカキフライくらい・・・

 

なのに、なぜか、

刺身定食があるんですね。

 

これ、理由を聞いてみると

「家族で食べに来てもらうため」

なんだそうです。

 

つまり、

子供とお父さんお母さん

そして

おじいちゃん

おばあちゃん

 

こんな構成の家族で

外食をしようと考えたとします。

 

「何を食べよう・・・」

と、考えたときに

 

「揚げ物や肉料理はちょっとなぁ。」

・・・となりやすい。

 

だから、高齢の方や

油物はちょっと、という方も

一緒に席を囲めるように

そんな選択肢のために

一品、刺身定食を載せているのだとか。

 

じっさい、週末なんかには

よく出るんだそうです。

 

ほかにも、サラダをたっぷり

食べられるようにしている

肉料理専門店さんも

ありますよね。

 

こんな風に、

一品だけでも、

メインのターゲットから外したものを

メニューに載せることで、

来店を招きやすくする手法があります。

 

たまごでも、

そんな方法があります。

 

卵だけのメニューを

一品入れておくと

集団での来店が

のぞみやすくなる。

 

たとえば、

国際化にともなう

宗教の問題に関して。

 

食材輸入の議論が取り上げられがちですが

TPPが始まれば

「人の移動」条項に伴って

外国人技術者労働者が

沢山日本で仕事に従事するようになります。

 

たとえば

世界の4人に一人は、

宗教的理由で

豚肉を食べません。

 

牛肉は9人に一人が食べません。

 

インド中心の

ヒンドゥー教や仏教のように

殺生を避けるために

肉を食べない人も多くいます。

 

ですが、

卵なら大丈夫

そんな方はかなり多いのです。

それは、

量産され始めてまだ180年少々しか経っていないため

鶏肉や卵は

宗教の戒律に記されていないから

 

もう一つの理由として、

無精卵であれば殺生にならない

そう考える人も一定の割合でいること

があります。

 

今後、国際化に伴って、

もしあなたのお店が

ある程度人口の多い

都市部にあるなら

 

連れだって昼食を食べにくる

同僚の一人が

宗教上の理由で

食べられないものがある

 

そんなケースがこれから増えます。

例え焼き肉店であっても、

豚骨ラーメン店であっても

 

ランチ定食に

玉子料理のみ

鶏肉料理のみ

 

そんな一品を入れておくことで

皆で食べにくるハードルが

グッと下がることになります。

 

ぜひ、

今後のグローバル化を見据えた

メニューイングとしてご一考を。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年12月12日