小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

なぜ玉子料理メニューで粗利が取れるのか!?【面倒な玉子料理の価値】

たまご「料理」の価値が上がっている、というお話をします。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「たまご」は飲食店にとって

「利益提供食材」です。

 

お店のこだわりを

うまくたまご料理に演出することで、

同じ人気店でも

利益率がものすごくアップします。

 

たまご料理メニューは利益が取りやすい。

それは、なぜかと言いますと、ズバリ

「めんどうくさそうに見える

からです。

 

たまご料理をつくる時間がない!?
共働きが当たり前となっている

現代ニッポンでは、

夕食の準備にかける時間が

以前よりもずっと短くなっています。

 

20年前と比べてみると、

夕食準備に30分しかかけない家庭は

2倍に増え

かつて大半を占めていた

一時間以上かける家庭は

半分以下になっています。

 

「はやくカンタンに作れる!」

という価値が過程で求められているんですね。

ところが、“鶏卵”って

ちょっと技術がいる食材です。

 

玉子焼き、オムレツ、

茶わん蒸し、

目玉焼きですら…、

どれも「美味しく」作ろうと思ったら

料理のウデを、少~しばかり

磨く必要があります。

 

サッと焼くだけで

美味しく食べられる

豚肉や牛肉に、

手軽さで負けるんです。

 

少し古いデータですが、

「卵の消費動向に関するアンケート」(2002)によると、

60代で毎日卵を食べる人は50%・一日おきが80%超となっており、

対して20代で卵を毎日食べる人は24%と半分しかいません。

一日おきも50%とかなり低くなっています。

 

つまり、

年齢が若いほど玉子料理を食べない

そんな傾向が出ています。

 

調理のめんどくささと

関係があるんじゃないでしょうか。

 

すこし前に

「たまごかけご飯ブーム」

なんてものががありました。

 

これは、

卵かけご飯が好き!

というだけじゃなくて、

 

「卵かけご飯“以外”の玉子料理はあまり作らない」

という流れから生まれているのかもしれません。

 

TKGがブーム

というだけでは、

たまご業界は喜んじゃいけない、と思うんですね。

 

少し前に温泉玉子の小ブームが来ていましたが、これも

「調理済みでパカッと割るだけ」

というカンタンさが

理由の一つかも。

 

「卵の特売は昔ほど集客できなくなったなぁ。」

というスーパーのバイヤーさんの声を時々聞きます。

 

現代人はとにかく忙しい。

SNS・ゲーム・趣味・仕事と

「時間の奪い合い」を

している中で

「卵の使われ方」も

変わって来きているのかもしれません。

 

〇たまご好きのニーズは「外食」で満たす時代!

じゃあ出汁巻き玉子は作らない、

オムレツも作らない。

茶わん蒸しなんてもってのほか。

 

そういう方が増える一方であっても、

“卵大好き民族”

としての日本は変わっていません。

 

一位こそ譲りましたが

「一人当たりのたまご消費量」は

世界でもずっとトップ3内です。

 

キューピーの「たまご白書(2020)」によると、

『食べたいけども卵を制限している理由』として、

「調理をしないから」「調理が面倒だから」「時間が無いから」が合わせて40%もあります。

 

逆に言うと、

「調理をしてくれて」「面倒じゃなく」「サッと食べられる」

が満たされるなら

もっと玉子料理を食べたい!

と多くの人が思っているということになります。

これ、まさしく「飲食店」の出番ですよね。

居酒屋で食べるめちゃくちゃ美味しい出汁巻き玉子

ホテル朝食の季節食材を使った絶品オムレツ

観光地で食べる煮玉子

卵→非日常となりつつある状況こそ、

 

たまごメニューでお客さまに喜んでもらいながら

粗利を「技術料」としてしっかりとれる。

そんな食材が卵なんです。

忙しい現代のお客様がいちばんワクワクするメニューを、

一緒に考えてお届けして参ります!

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ2021年10月18日