小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

テイクアウト冷めても美味しいか問題

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

急に冷え込みましたね!

先週とガラッと違っていきなり冬!の装いです。

 

さて、本日のテーマは、玉子料理の温度、について。

 

コロナ禍でテイクアウトを

始められた飲食店さん。

かなりの数になるかと思います。

 

あなたのお店でも、

スタートされたかもしれません。

これまでの売上は、いかがでしょうか?

 

また、緊急事態も解除になって、

お店も忙しくなり

「続けようか、どうしようかな?」

って思っていらっしゃるかもしれません。

 

順調であれば、いう事はありません。

もし、そうではなく、でも、

ご継続なさるのであれば

僕たちが感じている事を

すこし聞いていただければと思います。


僕たちのお客様には、

ご来店の飲食店をされておられて

コロナ禍でテイクアウト販売を始められたお客様と、

もともとテイクアウトのみを

長年続けてこられた「お弁当専門店」さんがいらっしゃいます。

 

どちらがすごい、ということではなく、

両方の考え方に、

大きな隔たりを感じることがあります。

 

ひとつは、料理の温度に対する考え方。

ご繁盛なさっている「飲食店」さんは、

できたての温度提供にとてもこだわられます。

 

あつあつの鉄板で提供されるお店もありますが、

そうでなくても、

できあがりから速やかに

短時間でお客様のテーブルにお持ちする。

当然のことと、考えていらっしゃるかと思います。

ですが、

テイクアウトは

そうはなりません。

 

家に持って帰るあいだに、かならず冷めちゃいます。

「当たり前だろう。」

「だから、直前で温めてくださいね、ってウチのは書いてあるんだよ。」

なんて思われるかもしれません。

 

ですが、実際問題として、

かなりの割合のお客様が、

家にかえって温めなんて、しません。

 

あっためると美味しい

と思っていても、

「まだほんのり温かいし、大丈夫だろう。」

なんて考えて、そのまま食べるんですね。

だって、「早く食べたい」から。

 

すなわち、お店で言うならば、

テーブルにお持ちしてから

15分後、20分後に召し上がられる

その状態の料理を賞味されるわけです。

 

対して、

テイクアウト専門のお弁当屋さんの皆さんは、

「冷めても美味しい」料理を最初からメニュー提示して、

「冷めても美味しくするノウハウ」を

ホントにたくさんお持ちなんですね。

 

たとえばオムライス。

テイクアウト向けでは、

2種の油を使われるお店さんがあります。

 

多くの飲食店さんでは、

香りを立たせるためにバターをつかわれるかと思いますが、

ある程度冷めるとバターは固まり

食感が悪くなります。

 

テイクアウトのオムレツ調理には、

バターよりも

オリーブオイルの方が

冷めたときでも

とろふわ感が演出しやすいのです。

 

逆にご飯部分は、

バラバラになるとお持ち帰りの間に

ふりまわすと

かなりみっともなくなりますので

くっつきやすくするために、

バターをつかうんです。

 

また、

できたてアツアツとろふわでご提供するのと、

少し冷めてからでは、

感じるたまご料理の甘味が違います。

 

冷める前提なら

少ししっかり目の味付けが必要になるかもしれません。

 

これは一例ですが、

ようはテイクアウトって、

店内飲食と比べて、

食べる条件をお客様にゆだねる部分がすごく大きくなるんですね。

ですから、

「30分放置されてから食べても美味しいかどうか?」

など、いろんな条件を考えてみるべきですね。

 

僕たちも、

賞味期限ぎりぎりで食べると、この卵はどんな味か?

温度管理をちゃんとしていないと、どんな味になるのか?

うっかり凍らせちゃったら…!?

野菜室に卵パックを入れて放置していたら…?

みたいな試食を、ときどきやってみます。

意識しないと

僕たちの周りにあるたまごは、

ぜ~んぶ産みたて新鮮なものばかりですから、

それがお客様が食べる味だと誤解しちゃうんですね。

 

寒くなってきたこれからの季節、

ぜひ、テイクアウトの更なる売上アップのために、

「悪条件での美味しさ」を考えてみて下さいませ。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ2021年10月19日