小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

たまごで魂が浄化できるって!?卵の伝説か迷信か

生活に根付いている卵にはときどき

なんじゃこりゃ!?

と驚く情報が流行することがあります。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「エッグクレンジング」

というものをご存じでしょうか。

直訳すると『たまご浄化』
何年か前からネットで見かけるようになりました。

これは健康法でなくレシピでもありません。
なんなら食べません。

『卵の儀式』です。


生卵を持って
反対側の手の指先から頭に向かって
ゆっくりと転がしていく。

あたまの上まで転がしたら、
今度は卵をへそへ向かって転がし、
そのまま
足先まで体の表面を移動させる。

こうすることで
全身の「悪い気」が卵に取り込まれる。

 

最後に「気」を吸い取った卵を
水を入れたコップに割っておしまい。

悪い気が吸収された証拠に
たまごの白身が濁っているのがわかります。

また、その色や形であなたの状況が占えます。

最後にその卵は捨てます。


・・という儀式。

 

SNSで定期的にバズってまして、
この信仰に共感した人たちが広め
バイラル化しているんですね。

つい最近も
TikTokインフルエンサー、Hoodwichの
ブリ・ルナさんが家族で実践していると紹介し
何度目かの話題になりました。

 

◆「南米の民間信仰」が発祥

調べてみると発祥はメソアメリカ、
メキシコやカリブ海あたりで生まれた
呪術・占い民間信仰のようです。

いわゆる『スピリチュアル』系として
認識されていまして、

生れは比較的新しく
始まったのはここ40年くらい?っぽいです。

 

なるほどわか・・・らないですねェ。

 

◆「卵=聖」は世界にあるが・・・

卵を『聖なるもの』とする考えは
ヨーロッパ中心に古くからありまして、

卵でドラゴンを退治したり
卵から聖人が生まれたり
卵で地震から町を守ったり・・・

いろんな伝説が残されています。
なんならアジアにも日本にもあります。

しかし、
それらの卵伝説と
このエッグクレンジングが大きく違うのは、
この儀式で卵が

「悪しきものを“吸収”する」

という点。

 

古くからある卵信仰って

「卵イコール聖なるもの」

であって、

「悪しきものには
けっして染まらない」

んですね。

キリストが病気を治しても
自身が病魔に染まらないように

たまごは『生命の源』であって
何か奇跡を起こしても
その神聖さは失われないわけです。

 

決して
ごみを吸い取って汚れる
コロコロみたいなイメージじゃないんですね。

 

そういう意味では
「わるい気を吸い取って捨てる」
このエッグクレンジング、
こばやしはやや違和感があります。

元気になる人がいるのは、
もちろんステキな事ですが・・・。

 

なにより『食べずに捨てる』という点が
卵屋としてはナシですね!

僕にかぎらず、
「もったいない」が根付く日本では
あまり広がらないかもしれません。

 

ちなみに
「白身が濁っている」としたら、
それは悪い気を吸い込んだからじゃなくて
新鮮な卵がたっぷり含む炭酸ガスのせい。

むしろめっちゃ良い品質の証拠と
喜んでほしいです。

このエッグクレンジングで
「健康になったよ。」という人は

・卵を全身に転がす行為が、
ゆっくりとした柔軟体操になっている。

・皮膚の上を転がすことで
ツボが刺激され血行が良くなる。

なんて事かもしれません。

 

あなたはどう思いますか?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごがドラゴンを倒す伝説 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話2025年10月21日