小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ちょっとつぶやき 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「台所のシンクは
昔はクリーンなイメージ
だった。
途中から変わった。」

という記事を
以前どこかで読みました。

昭和には
シンクというと
清潔でキレイ、

そんなイメージもつよく
直接シンクの中に
食材を入れたり
フツーにしていた。

そのことに皆
違和感もなかった。

という内容だったかと思います。

たしかに、
カタログで
シンクに水を張って
ぷかぷかとりんごを浮かべたり
そんな写真を見ていた
イメージがありますね。

 

ですが、
いまは『キレイじゃない所』
というイメージも強く、

お皿を洗うスポンジで
シンクを洗うなんて
「信じられない!」と
衛生観のちがいから
「友やめ」や「離婚」につながった
なんてエピソードも耳にします。

僕自身
シンクは菌的にリスク高い
と思っていまして、

野菜などの食材なんかも
ゼッタイにシンクには
接触させません。

 

同じように考えてないヒトには
キッチンに触ってほしくないなぁ
・・・とも思っていました。

 

ですが、
その以前読んだ記事で
指摘されてある意味
間違っている部分に
気づいたのです。

 

飲食店さんでは、

シンク=清潔で
調理するスペース

なんですよね。

 

魚や野菜を処理するのも
シンクの中だったりします。

そして店を閉めるときに
衛生に掃除しますから
まな板なんかとおなじ
調理器具てきなものに
準ずる装置だったりします。

むしろ家庭でも
飲食店さんとおなじ運用を
するなら、

昭和のごとく
食材をシンクに浮かべても
問題ない場所になるんだなあ、
とある意味自分の不見識に
反省しました。

 

と、同時に、
この認識の差が炎上を産む可能性も
あるかと思っています。

飲食店さんでは
『当たりまえ』のつもりで
シンクで魚をさばいたり
野菜や果物をあらっていて

それをSNSあたりにUPしたり
取材で公開した際に、

「衛生的じゃない・・!」
と感じられて
炎上するかもしれません。

そうじゃないよ、と
ご自身が『知っていても』
何にもならないかもしれないですよね。

さらに

たとえば
シンクの底に器具を
置く行為ですら
炎上するかもしれません。

 

同じような構図が

「旅館のたまご小鉢」

にもあります。

「たまごは
表面が菌で汚れている。

だから旅館の朝ご飯で出る
『生卵を入れる小鉢』
そこでたまごを割って
混ぜるなんて
信じられない。」

という意見をネットで
見たことがあります。

多くの賛同の声もついていました。

あなたもそう思っている
かもしれません。

 

ですが、
未選別卵を除く
日本の鶏卵って基本100%
GPセンターで衛生的に洗浄され
卵殻表面は菌的にクリーンなものなんですよね。

ウチもそうです。

僕はそのことを
『知っている』ので
旅先で朝ごはんに
『たまごの小鉢』を見ても

いままで気になったことが
ありません。

 

ですが、
令和の時代
より衛生的な観念が
すすんでいます。

そうじゃないん
だけどなぁ…

なんて思いながらも
それが拡散され、
時には炎上してしまう

そんな可能性も
あるんじゃないでしょうか。

 

知識とあわせ、
「どう見えるか」に
より敏感でいるべき
時代ですよね~。

大変です。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2024年01月28日

失敗メニューを
繁盛につなげる、そんなお話です。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

昨日は数年ぶりの
金曜ロードショーでの
千と千尋の神隠し
放送でした。

やっぱり面白かったですね!

以前も書きましたが
たまご屋としては

「たまごから親鶏になれなかったヒヨコの神様」

オオトリさまがイチ推しです。

ぼーっとした雰囲気と
ふわふわな雰囲気

ぜひ会ってみたい
キャラクターナンバーワンです。

 

さて、昨日放送中に
バズっていた小ネタで、

「千尋が契約書の名前を
書き間違えていたから
名前を忘れずに済んだ」

というものがありました。

 


ほんとだ・・・!

 

ミスったことが
あとの成功につながる

ストーリー展開として
おもしろい点ですね。

 

ちなみに
千尋の契約自体が
無効になっていたわけでは
ないように、

現実世界でも
名前の記名ミスは
契約の有効性を減じない
んだそうです。

僕が
小林真作と書こうが
小林眞作と書こうが
双方が契約を理解できていれば
問題なく成立します。

リアルでやっちゃったら
ただ恥ずかしいだけですので、
注意ですね~。

 

◆失敗から生まれる人気メニュー

こんな風に、
料理の世界でも、

失敗したことが
あとあと成功の
もとになる

ことがあります。

下の画像の
料理の数々
これは
以前に味の素がだした
広告なのですが・・・

ぜんぶ、
失敗から生まれた
人気料理なのです。

 

うっかり
ガンガン煮込み続けて
しまったことで生まれた
豚骨ラーメン

うっかりバターを
入れ忘れてできた
サクサクのパイ生地・・・

 

そういえば
名古屋名物の
『手羽先唐揚げ』も
発注ミスから生まれた
料理なんだそうです。

 

◆『ミスして生まれた』の意味

失敗から人気メニューとは、
つまりどういうことでしょうか?

お店のご繁盛メニューを作る際に
重要な考えが2つ見えてきます。

ひとつは、

前向きな多くの試行
をしている、
ということ。

日々多くの料理をして
失敗に対しても
前向きだからこそ、
その偶然できた
おいしさを見逃さなかった
ともいえます。

 

そしてもう一つは

ストーリーとして
活用すること

 

人は、
世代や年齢問わず
逆転劇の物語が
大好きなんです。

単にめっちゃ考えて
美味しいものができた

・・・というよりも、

何かの失敗や逆境が
もとになって
美味しいものができた
良い商品ができた

そんなストーリーは
より食べる人に
元気と魅力を与えてくれます。

 

たまごや鶏がらみでいうと、

『カクテル』の由来は
コック-テイル(鶏のしっぽ)
との説がありますが、

これは
伝説の軍鶏をうっかり
逃がしてしまったミスが
娘の結婚という

幸せにつながって
生まれた飲み物だから
といわれます。

(関連:カクテルの語源は鶏さんと卵なんです(1) | たまごのソムリエ面白コラム

生の卵黄をつかうドリンク
『プレーリーオイスター』
カキがまったく手に入らない
状況で病気になってしまった事から
生まれました。

(関連:アメリカ由来の生卵料理「草原の牡蠣」って!? | たまごのソムリエ面白コラム

 

また、

卵料理は
たくさんのレシピが
世界中にありますから、
失敗からの応用やリカバリーも
いろんな可能性が出せます。

 

なにか料理でミスった時にも

「これ繫盛メニューに
ならないかな!?」

とぜひポジティブに
試してみてくださいませ!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2024年01月6日

 

明けましておめでとうございます。

たまごのソムリエ・小林です。

今年は辰(たつ)年ですね!

すなわちイヤーオブドラゴン。

じつは西洋では

ドラゴンと卵が
ワンセットの伝説が
多くあります。

いろんな
バージョンがありますが、

聖なる新鮮たまごで
勇者が暴れ竜を治める

そんな物語です。

また
「辰(たつ)」の漢字は
「振(しん)」「動き回る」が
由来だとか。

今年は僕たちも
卵でいっそう動き回り、

おいしさと健康で
世が元気になる!

そんな物語を
つくってまいります!

本年もよろしくおねがいします。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2024年01月2日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

大晦日で仕事納めでした。

ことしは業界まるごと
大変な年でした。

そして全国的、いや世界的な
たまご大不足の一年のなかで、
どれだけ多くの人が
たまごを必要としてくださっているのか
再認識できる一年でした。

いつものにも増して
いただいた沢山の御恩を
来年の成果で返してまいります。

一年間ありがとうございました!

来年もよろしくお願いします。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年12月31日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

毎年クリスマスには
得意先さんでつくっていただいた
チキンの丸焼きを食べます。

これ、家族も
すごく楽しみなんですよね~。

カットしてしまえば
フツーの鶏料理のはず
なんですが、
すごく美味しくって
感動があります。


そういえば、

一昨日のTV番組で
上沼恵美子さんがかつて
七面鳥と鶏の丸焼きで
猛抗議を受けた際の
エピソードを語っていました。

 

ある番組で上沼さんが
料理アシスタントをやっていた際、
付いた先生が

「クリスマスにはチキンの方が
美味しいですよ。七面鳥なんて
美味しくないわよ。」

と言ってしまい、
七面鳥協会から猛抗議を
受けたのだとか。

その時の紹介メニューは
チキンの丸焼き」
だったのです。

 

なかなか興味深いですね。

もともとは
七面鳥の丸焼きが
正式なんですよ。

日本では
七面鳥が手に入らないから
チキンになっただけで。

僕も米国に滞在していたとき、

クリスマスや
サンクスギビングに
七面鳥の丸焼きを
食べさせてもらったことが
あります。

ちょっとあっさりしていて
食感がすごく滑らか、
いろんな料理や
ソースにも合う
感動的なおいしさがありました。

 

ただ・・・

ニワトリの3倍くらい
大きいので
調理しにくい、

また、ニワトリ肉のほうが
脂質が多いので
ジューシーに感じるかも
しれません。

 

とはいえ
「クリスマスには
チキンにすべき。」
・・・と述べるのは
一言でいうと

「野暮」

というヤツです。

 

開拓民がネイティブ
アメリカンとの
交流でもらったのが
七面鳥の発祥。

一年をすごせた収穫感謝の
ごちそうとして食べ始めた。

いまでも
サンクスギビングや
クリスマスには
開拓の際の苦労と喜びに
想いを馳せて
七面鳥料理を食すわけです。

なので、
言うなれば

「お餅」

みたいなものです。

 

「チキンの方が~」は

『おせちには雑煮よりも
ご飯の方が合うのに。』

みたいな意見なわけですね。

『年末はそばより
パスタの方が合うのに。』

とか。

 

それくらい場違いな
意見ではあります。

 

◆七面鳥のたまごはなぜ食べない?

ちなみに米国では
2億羽以上の七面鳥が
毎年食べられています。

大人気なお肉ですね!

 

ですが、
おもしろいことに
七面鳥の卵は流通していないんですよ。

これは、
七面鳥のたまごが

・鶏卵と風味がよく似ている

・なのに年間で一羽から
100個しか採れない
(鶏は約300個以上)

・体も大きいのでエサ代もかかる

…と、コストは数倍かかるのに
味は鶏卵と変わらないため、
メリットが少なくって
食卓まで届かないんです。

 

仮に売ったら

スーパーで鶏卵の10倍

くらいの値段になっちゃうとか。

 

たまごに関しては、

「七面鳥よりも鶏ですよ。」

と言ってもさしつかえ
なさそうです。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:肉は大人気なのに、七面鳥のたまごはなぜ食べられていないのか? | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年12月28日

ゲゲゲの鬼太郎
映画の最新作が好評価で
めっちゃ盛り上がっていますね!

水木しげる生誕百周年を
記念して作られ、
大人でも十分楽しめる
内容に皆さん大満足とのこと。

 

ウチでも
仕事が少し落ち着いたら
息子と観に行こうと
楽しみにしてます。

 

ですが、盛り上がりで
ちょっと残念なことに
鳥取県境港市の
「水木しげる記念館」は
現在改装中なんですね。

普通に考えると
冬場でシーズンオフですから
長期閉まっていても
問題ないハズですが、
異例の大ヒットとなっているため

興味持ってくださった方が
いらっしゃるタイミングが無く

「もったいない!」

との声もネットで大きいようです。

 

こういうことって
ままありますよね~・・。

ぼくたち卵業界も今年は
似たような状況にありました。

5月からの
コロナ第五類への移行に
ともなって

外食産業が
ようやく活気を取り戻す
タイミングだった頃。

いままで縮小していた
お店さんがいっせいに
メニューや時間を再開し
盛り上がっていくときに、

 

たまごは
鳥インフルエンザの影響で
空前の大不足でした・・・

なんというタイミングの悪さ。

ご注文に応えたくても
たまごがない・・・!

とウチふくめ
全国のたまご屋は
嘆いておりました。

 

コロナ禍が落ち着く前に
ご廃業なさった農場さんも
かなりあったのですが、

せめて一年
何かがずれていれば
良かったのに、
ということがよくありました。


そしてこの
「タイミング」
これ、たまご業界でも

ご飲食店さまの業界でも
すごく悩ましいキーワード
でもあります。

「卵が不足しているな。」

「相場も高いし。」

「だから増産すれば、
すごく高収益になるだろう。」

相場取引が多い
鶏卵業界では
一年前から
来年の過不足と相場価格を
読んで生産計画を立てます。

 

しかし
むずかしいことに、
期せずして
多くの同業者さんと
その思惑がかぶってしまう
んです。

自分たち「だけ」増産すれば
高い相場で利益も出ますが

全国でいっせいに増やすため
半年後~一年後には
あまってダブって
卵の値段が暴落・・・。

こんなことが
起こるんですね。

たしかに
世間の同業者の思惑と
まったく逆にいければ、

 

世間で
不足している時に増産
余っている時には減産

こうやって
価値を高めていけます。

ですが、
裏の裏を読んだつもりでも
キレイに全国の農場さんと
思惑がそろっちゃいまして
さくせん大失敗!
こうなっちゃうんです。

鶏卵先物のプロですら
「半年先はサッパリ分からない」
というのが常でもあります。


おなじことは
ご飲食店さんでも
お聞きします。

 

世間に合わせ
独自のメニューを
思いついたつもりでも

意外とみんな
同じ事を考えている。

「どこもやってるなぁ。」

なんて思われることが
あるんですね。

 

持ち帰りやすい
プラカップ入りのうどん

お菓子の個包装や
小分けビジネス

色づかいや
商品のネーミング・・・

 

ファンを魅了しつつ
大手や他店さんと
ちがう価値をだしていくのは
なかなか難しいと
お聞きします。


ですので、
世の中のひとが
まずしない思考に
あえて踏み込む勇気

ここがどこかで
必要になりますよね。

「バカじゃないの?」

と言われるくらいの。

 

冒頭に話したヒット中の
映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』も
子供層ターゲットから

横溝正史ばりの
ホラーミステリーに
振り切ったことで
大成功しています。

原点回帰でありつつ、
今の顧客層から
外していく勇気!です。

 

ぼくたちも
一見バカげた、
でも価値のある。
そんな提案をしていければと思います。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年12月19日