小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ちょっとつぶやき 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

NHKでむかし

「妄想ニホン料理」

という番組があったのをご存じでしょうか。

ぼく、大っ好きでして
海外、いろんな国にお邪魔して、
現地の料理人さんに

ある日本食の名前と
カンタンな特徴を伝えて
それだけで料理を作ってみていただく

そういう番組です。

 

たとえば

『いなり寿司』

の説明を、

「キツネの好物である」
「食べるとジュワッ」
「ピクニックの定番」

と3つだけ伝えて
イタリアのシェフに作ってもらう、とか。

これ、大変面白いんですね。

「狐の好物ってなんだよ!??」
「日本人ってそんなの知ってるの?」

みたいな素直なイタリア人の驚きに

「たしかになあ。
そもそもなんで
狐は油揚げなんだろ…?」

なんて、一緒になって文化の再確認もできますし、

また
「ピクニックならパイだな。」
みたいなステキな別解釈の
イタリア風お稲荷さん(?)になる、
海外の文化との思わぬ融合があります。

「そう解釈するか!なるほど!!」
みたいなすごい料理ができまして、
とっても刺激になるんです。

特に印象的だったのは、ときどき

「日本独特の料理文化」が見える

ことがあるんですね。

たとえば、

「三ツ星シェフも参戦 親子丼の巻」

というテーマの時がありましたが、

親子丼がテーマで、

「食材が親子」
「ご飯の上に何かのせた料理」
「出来上がりはトロトロ」

というヒントでした。

 

上記のヒントで、どれが一番
日本らしいと思いますか?

スペイン・セバスチャンの三ツ星シェフも
ネパールの老舗料理店シェフも、

もっとも理解に困っていたのは

「トロトロのできあがり」

だったのですね。

イカとイカスミを活用したリゾットや
里芋の茎と葉を親子にみたてたスープなど

感動するくらいステキな料理でしたが、

トロトロ、という食感に関しては
「ちょっとわかんないなあ。」
というのが終始の感想でした。

あまり意識ないかもですが、

『日本は食感の国』です。

食感に関する語彙の数は世界一。

たとえば『トロトロ』の親子丼
に関しても、多くの方が
そのイメージはすぐに『わかる』
んじゃないでしょうか!?

 

そして、それを作るのは
時間差で卵液を加熱するのに

「ちゃんと火を通して絡める」部分と

「生でトロトロになるように
できあがり直前に加えるたまご」

 

と二段階にする工夫だったりします。

僕も米国出身のかたにご説明した際
「信じられない」と言われたことが
あります。

 

日本では、意外なほど食感への
こだわりは強いのです。

たまご消費が世界トップクラスに
多いのも、食感の多様性が
出しやすいから、かもしれません。

 

ぜひ、
あなたのお店のたまご料理でも

「どう、ふわふわ、トロトロ、
独自の食感が卵で出せるのか!?」

こんな観点で、いちど
メニューを考えてみてくださいませ。

きっと、わくわく人気で
集客につながる新メニューになります!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年09月9日

うこんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

おととい8月31日の地元新聞
一面は

「命懸けで学校に行かなくていい
死にたいと思ったらSOSを」

というタイトルでした。

読み手をおもんばかって
理由は書いてはありません
でしたが、

この翌日9月1日は一年で
最も子供の自殺が多い日なんです。

ですから、その前日に

最大多数の人へ向けてじゃなく、

本当に目にしてほしい人へ向け
最大限目につく第一紙面に
ピンポイントにメッセージを
記しているんですね。

もしかすると
家の食卓にある
この朝刊タイトルをみて、
思いとどまった学生さんが
何人かいるかもしれません。

このメッセージ、
もし新聞の地域面とか生活欄
だったら、悩んでいる子供はきっと
めくってまでは目にしてはくれ
ないでしょう。

一年に一度だからかも
しれませんが、贅沢で意義のある
新聞のお役立ちですよね。

徳島新聞さんのこの発信に
心から敬意を表します。


 

僕たちの仕事でも

特定のだれかに向けて
強いメッセージを伝えることがあります。

PRだけじゃなく「商品」で、ですね。

たとえば、僕たちは

「カルボナーラ専用たまご」

というたまごをお届けしていますが、

来店のお客様に
シンプルで
ごまかしの利かない
カルボナーラという料理で
絶品感動してもらいたい!

という飲食店さんにとってだけ
強いメッセージとなる商品です。

お使いの方は、
強く気に入ってくださいますが、

それ以外の方には、
「なんでそんな卵があるの?」
と言われます。

あなたのお店のメニューでも
ピンポイントなだと強く響く、
という事があるかもしれません。

 

たまご料理での一例を出しますと、

少数派に向けた
「固ゆで」指向の
たまごメニューが考えられます。

一般的には

「半熟」のキーワード

ってめちゃくちゃ
訴求が強いんですね。

黄身トロトロ

これってめちゃくちゃ魅力的です。

ですが、
そうじゃない人もいらっしゃいます。

以前、「マツコの知らない世界」さんで
マツコ・デラックスさんと
ゆでたまごのお話をしたときに

「わたし、固ゆでが好きなのよね!」

とおっしゃっていただいたことがあります。

しっかりした黄身って
たまごそのものを味わいたい
人へは、とっても魅力が大きいんです。

半熟トロトロが主流な世の中で、
お客様によっては少数派な
固ゆで玉子への想いを募らせているかもしれません。

またたとえば
温泉玉子でも、飲食店さんでは
他の食材と合わせやすくするため

黄身もトロトロな温玉

が広く使われています。

でも、そもそも温玉って、

「白身半熟で黄身しっかり」

が伝統なんです。

しっかり固い黄身と
ぷるんぷるんの白身を
同時に味わう

昔ながらのしっかり温玉

が食べたい人には、
それを打ち出したメニューだと

強いメッセージになるんじゃ
ないでしょうか。

NHKさんで以前、
そんな温玉の作り方を
お伝えしたところ、
かなり反響をいただきました。

少数派のための
強く伝わるたまごメニュー

ぜひ、お考えになってみてくださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年09月2日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

イタリア人が食べている
料理はイタリアン

フランスで食べる料理は
フレンチです。

では、日本で日常食べる
料理は、なんでしょう?

 

「そりゃ『和食』とか
『日本料理』だろう?」
とおっしゃるかと思います。

ですが、
よ~く考えてみますと
僕たち日々の食事で
食べているのは「和食」
じゃないですよね。

例えばウチの昨夜の
晩御飯は「チキン南蛮」
でしたが、
これは和食・・・?
のイメージではありません。

作家の村松友視さんのエッセイに
「日本における和食や日本料理は
我々が普段家で食べる家庭料理と
まるで違っている。

外の店で食べる料理と
家庭で食べる料理に
これだけ差がある国は珍しい
のではないか。」

というお話がありました。

たしかに、家庭で
味噌汁・ごはん+おかず
という家庭料理って、

料亭で食べる料理とは
メニューも考え方も
ぜ~んぜん違います。

でも、
たとえばイタリアンでしたら、
お店のイタリアンと家庭料理
に大きな差はありません。

「パスタなんて外でしか
食べないよね~。」

なんてことはないんですね。

チャーハン食べない中国の家庭も
無いわけです。

でも日本だと、
懐石料理なんて
食べる家庭のほうが
超レアでしょうし、

料亭のように
香の物とごはんが
最後に出てくる

…なんて家庭は
ほとんどないでしょう。

和食=日本人が普段に
食べている家庭料理じゃない
ということです。

なかなか興味深いですね~。

中華料理と中国料理
みたいな、

何か、別の呼び方があったほうが
良いのかもしれません。

B級グルメ、ともちょっと違いますし。

日本家庭料理?とか

 

大戸屋や吉野家さんなど
家庭料理や定食系の認知度は
海外でも上がっていますが、

たまご料理でも
僕たちが家庭で食べる
甘い玉子焼きや
野菜たまご炒め

みたいな
もうちょっと家庭よりの
料理で、まだまだ外国の
方にウケる要素があるの
かもしれません。

 

コロナ禍が2類認定となって
海外の方がふたたび日本に
たくさんいらっしゃるように
なれば、このへんに
新たなニーズが出てくるかも
しれませんね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年08月31日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ウチの田んぼは今年、早々と
収穫を終えました!

まだ旧米が少し残ってまして
新米を食べるのがめちゃくちゃ楽しみです。

そういえば、

海外で「お米を調理するのは専用の機械です。」と言ったら大爆笑された

そんなツイートがバズってますね。

 

 

こばやしは外国の方と接していて
笑われたことは無かったですが、

「お米を炊く機械は
各家電メーカーから
毎年新商品が出ている。
20機種くらい。」

と言ったらすごく
驚かれたことがあります。

「え!?お米を炊くため
だけの機械だよね?」

と聞き返されました。

うーん、
ヤマダ電機なんかに行くと
“今年の新モデル”の炊飯器が
ズラ―っと並んでいるわけですが

言われてみれば
そこに疑問をもったことって
無かったですね~。

そんなものだよな、というか

「だってお米炊くのって
大事じゃん。」

という感覚です。

以前にネットで、

「ヘビメタのライブで
聖書を引き裂く行為の
バチ当たり度合いは、

日本で言うなら
ごはんを踏んづける
くらいの行為」

って見かけて

「あ~、そりゃバチ当たりで、
すごい行為だ。」

って思ったのを思い出しました。

あまり自覚してないですが、
お米は日本人にとって
すごく神聖なんですね~。

 

上記のツイートには
「イタリアではパスタの
自動茹で機がある、
みたいなもんかな?」
なんてコメントもありましたが

どちらかというと

『自動でコーランを
読み上げる機械がある。
各家庭に。』

みたいなスピリチュアルな
こだわりに近いのかも
しれませんね~。

さて、
そんな海外の方の非常識に
あたる日本の常識の一つが

『たまごかけごはん』

です。

香りの強い新米には、
たまご自体は香りを邪魔しない
ちょっと爽やかな、
でも食感の強い卵が
よく合います。

ぼくたちの卵でも
究極のたまごかけごはん専用たまご
と併せて、

新米の時期に特に
メニュー採用が多いのが

すだち等を食べ育った
香りの良い卵

「あわそだち濃厚赤」

というたまご。

この時期ばかりは、
新米の引き立て役!としての
卵の価値が活きますね~。

以前、間寛平さんが2年かけて
4万キロ地球一周走って
日本に帰ってきた際に
最初に食べたかったのが
『たまごかけごはん』でした。

全国での新米のシーズンは
もう目前です。

海外の人がおどろき呆れる
お米好きのこだわりを
最大限に活かす
たまごかけごはんの魅力があります。

ぜひ新米の一杯目として
お楽しみくださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年08月30日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

夜仕事をしていて、
煮詰まったら近くの
マクドナルドにコーヒーを
よく飲みに行きます。

いや~、便利ですね。
徳島県という田舎ですら
近くに2店舗あります。

マクドナルドくらいの
規模になると、

単独チェーン店のメニューで
食材相場を左右する影響力が
あるんですよ。

もちろん鶏卵にも。

毎年9月初旬から一か月

月見バーガーの
キャンペーン

がありますが、
そのときにス~っと
小サイズ卵の相場があがります。

たまごは生鮮野菜と同じで
短期間に需給バランスが崩れると
相場価格に反映しやすいんです。

 

全国の方が手軽に
『目玉焼きバーガー』を
一年に一時期食べてくれる。

これって、たまご好きからすると
うれしいかぎりです。

ただ・・・・・・、
ご飲食店様は
相場の上がる時期になっちゃい
ますから、早め早めの
ご発注が吉ですね~。

特に小さめサイズの卵です。


そういえば、

日本マクドナルドが
まだ売上60億円くらいのころに、

当時社長だった藤田田さんが
銀行の常務に呼びつけられた
ことがあるそうです。

どんどん出店していた
日本マクドナルドに対して、

「急拡大しすぎです。

ハンバーガーなんか
そんなに売れるわけ
ないでしょう。

いいかげんにしてください。」

 

それを聞いた藤田さんは

「何言ってんですか。

まだ60億ですよ。

一千億は行きますよ!」

と反論したら、
売り言葉に買い言葉で
取引が止まっちゃったのだ
そうです。

 

ところがその後
わずか3年で売上500億を超えた。

すると、
その銀行の常務さんが
飛んできて

「ぜひウチから借りてください…!」(大汗)

「だってあなた、ハンバーガー屋
なんてあぶなくてダメだ、って
言ったじゃないですか。」

「そんなことを言うくらいだから
私は銀行に勤めてるんです。
見通せるくらいなら、銀行じゃなく
もっと気の利いた仕事をやってます。」


なかなか面白い話ですね。

2022年の今、
日本マクドナルドは
売上6千億を超えています。

この話の頃から更に
10倍以上の規模です。

 

この銀行常務さんのカンジって
僕たちの仕事とも相通じる
ものがありまして、

つまり、お得意先の
飲食店様の発展って
ホント分からないんです。

お店さんによっては急激に
店舗数を増やして拡大される
ことがあります。

「将来どうなるかなあ。」

なんて考えるのですが、
日本マクドナルドのごとく
さらに順調にご発展されて
店も増やしていかれている、
そんな古くからのお得意先
様もあります。

また、残念ながら
「いったん縮小だ。」
とふたたび堅実なご経営に
もどるお店さん、

はたまた既に
無くなってしまったお客様
など・・・様々です。

後から思い返して
それぞれの共通点が
ないこともないですが、

その当時の予想では
まったく当たるものでは
なかったですね~。

 

ただ、読めないだけに

先代の頃より僕たちが
決めていることがあります。

それは、

お客様のされることを
全面的に応援すること。

ご発展に向けてのメニューや
料理の取り組みに、

「それはできないです」
じゃなくって

こうやったらできますよ。

を考える、と決めています。

むしろ僕たちの方から
一千億行きましょう!
なんて言いたいですね(笑)

当社のお客様は、
10年以上のお取引
ご縁を続けていただいて
いるお店さんが半分超も
いらっしゃいます。

本当にありがたいお話だなぁ、
と思います。

ともにご発展へ向け
僕たちも良い卵で
精進してまいります。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年08月22日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

サバイバルゲームをやっている人が
知らない人とのやりとり
「おもちゃで戦って面白いの?」
「本物で撃ち合って楽しいと思う?」
という切りかえしがSNSで
話題になってましたね。

なるほど~。たしかに。

これ、ほかに武道なんかでも、
あると思うんですね。

たとえば剣道

幕末のガチンコ殺し合いを
していた頃と現代だと、
剣士はどちらが強いでしょうか?

「そりゃ殺しあいやって
いた幕末だろう。」

そう感じる人が
多いかもしれません。

でも、逆だとおもうんです。

たしかに一握りのすごい剣豪は
いたとは思いますが、
全体レベルとしては
おそらく現代の方が
はるかに高いんじゃないでしょうか。

だって、
死なずに次も
頑張れるんですから。

何百回も頑張れる。
ミスった理由を振り返れる。試せる。

幕末や戦国時代だったら
死んじゃって終わり。

成長もそこでストップです。

AIがディープラーニングで
何万回も試行と思考を
くりかえしてめちゃめちゃ
性能を上げていくように、
死なずにたくさん失敗できるから
成長できる事って多い気がします。

トヨタやGoogleが、
小さな都市でスマート化などの
いろんな実証実験をしていますが

これも同じで、
地方の小さい範囲で試して
いっぱい失敗しつつ
上手くいくようになれば
ドーンと世界規模で
広げられるサービスや
商品が生み出せるからです。

少し前に高校生の方に
「SDGsで学生のうちにできること
考えられることってなんでしょうか?」
って質問頂いたことがあります。

上記の理由で、
小さい範囲でまわせる仕組みを
どんどん試すことじゃないかとお伝えしました。

学校の取り組みだと
お金も絡まないですし、

みんなで試してどんどん失敗すれば

世界に広げられるすごい仕組みに
なるかもしれません。

僕たちで言うならば
自分たちの売り場が持てる
産直店さんで、
いろんなことを試します。

ちょっと変わった商品や
お伝えの仕方で、
お客様に「おっ!?」と
言ってもらえる反応から
次のワクワクする商品を
探していっているんですね。

失敗してもご迷惑は
かかりにくいですし。

ご飲食店さまでは、
期間限定サービスなどを
そんなお試しにあてられて
いらっしゃるかと思います。

特にたまご料理周りは
お客様から意外な反応が
返ってくることも
少なくないですし、

うまく好反応になればかなり
粗利が取れる新メニューに
なる可能性も高いです。

コロナ禍で、
お客様のお店と
試作を重ねることが
以前より増えてきております。

ぜひ、アフターコロナへ向け
あなた様のお店と

次のワクワクを生む
面白い失敗ができましたら幸いです。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年08月17日