小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまご全般コラム 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

少し前にも書きましたが、

「たまごって、大量生産のために

抗生物質なんか食べさせてて

危険なんだ!」

みたいなデマ(後で説明します)を

発信される方がいます。

 

「それって違うんだよな~・・・」

と思いながら悔しく思う事があります。

 

正しく認識してくれる人もいるから

無視しておけばいいんじゃない。

と言ってくださる方もいます。

僕たちは

自家配合飼料のたまごなど

少量生産でやっている卵

ばかりですから、

 

「こばやしさんのところのたまごは、

少量でこだわってるから安心だわ。」

なんておっしゃってくださる

そんなことも良くあります。

 

その事自体は、

とってもありがたいですし、

 

もしかすると

「大量生産品は食べてキケン!」

みたいなデマが・・・

 

小規模の僕たちに

プラスになっていることも

あるかもしれません。

 

しかし。

こういったデマを放置すると

そんなちょっとしたメリットなんか

どうでも良いくらいの、

 

業界全体として

致命的に良くない事が起こるんです。

 

◆抗生物質を用いた卵は違法で、作られてない

書き出すとキリがないので一例だけ挙げますと

「病気を防ぐために飼料に

抗生物質を混ぜたり

投薬を行ったりしてるんやな!」

なんて風なデマ。

 

ごく最近でも、とくに根拠くなく

ブログなんかでこう書かれている

こともあります。

 

少なくとも現在、

採卵養鶏業界では、

卵を産まないヒナの頃を除き、

抗生物質の投与は法的に禁止されています。

 

しかも、2重の法律で厳しく。

飼料安全法という飼育の法律と

食品衛生法という販売の法律。

 

僕たちが使っていないのはモチロンですが、

それだけではなく、同業者も含め、

全国で使用はしていないと思いますね。

 

使用しするメリットがないのです。

 

そんなことをしなくても、

死亡鶏を減らす手段は

いくつもありますし

 

わざわざコストをかけて

2重に法律違反をしてまで

使用するだけの利点がないのです。

 

食の情報を知ることは

とっても大事です。

 

ですが、

根拠なくいたずらに

食の不安をあおることは、

 

日々健康に気を使われる

多くの方にとって、

ぜひとも避けて欲しいなあ、

と思いますね。

 

そして、

そんなデマ的な情報を

発信されている方に反論せず

 

「いつか分かってくれるだろう。」

・・・と考えた結果

大変なことになった例が

他業界であります。

 

長くなりましたので、また次回に。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年04月8日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

昨日のブログで、

「当たり付きたまごチョコ」に

ついて書きました。

 

さて、今日のテーマはその続き

「あたりつき」について。

お菓子やジュースなんかでは

けっこうありますが、

 

ご飲食店さんのメニューに

こういった要素を取り入れると

どうなるでしょうか?

 

しかもたまごで。

今回は、ゆでたまごで

「剥くとビックリ」

となっちゃう

たまごメニューを

ご紹介します。

 

◆ミョウバン液で内部に字を書く

ドラマにもなった人気マンガ

「喰いタン」(講談社)で、

料理人のお父さんが

娘の婚約者にあてたメッセージを

 

剥いたら初めて気づくように

ゆでたまご内部に書いて伝える

というシーンがあります。

これは、酢でカラを薄くし

ミョウバン液で殻の上から

筆で書くと内部に

浸透して白身と反応し、

一見カラの外からは

分からないけれども、

中のゆでたまごにだけ

字がうつるんです。

 

ただチョット条件がむずかしくて、

やってみますと、

字など細かい模様は

ちょ~っと写りにくいですね。

 

シンプルなマークなら

なんとか、というカンジでしょうか。

「当!」くらいの。

僕はマジックと大道芸が趣味なんですが、

マジックのトリックにも

ミョウバン液+お酢の混合液を

塗って内部のゆでたまごにだけ文字を出す

というトリックがあります。

 

「剥くと当りがでる!」という企画には

使えるんじゃないでしょうか。

 

◆ビックリ!剥くと中身がプリンに!?

カラにも切れ目のない、一見ふつうのゆでたまご。

でも、剥いてみるとあら不思議!

中身はプリンのようになっちゃっている…

そんなゆでたまごが作れます。

これは、生卵をガッチリホールドして

高速回転させてつくります。

じつはタカラトミーが

このマニアックなたまご料理をつくる

「おもちゃ」を販売していますので、

3000円くらいあれば「割ってビックリ!」の

サプライズ当りのゆでたまご、が完成です。

(関連:おもちゃを活用して繁盛メニューを | たまごのソムリエ繁盛コラム

 

 

◆ビックリな煮卵の模様!

また、煮卵などを作る際に

ちょっとカラを残しておくなどすると

 

そこだけ色づかずに

狙った模様やマークが残せます。

これは「剥いたら」ではないですが、

ちょっとした「当たり」や

サプライズにはなります。

 

紅茶たまご、という料理がありまして、

ゆでたまごのカラにヒビを入れて

紅茶やウーロン茶で煮込み、

キレイな模様にするんですね。

これの応用です。

 

以上、

たまごを食べてビックリ!の

もようの工夫を3品ご紹介しました。

 

当たり付き、でなくても、

ちょっとしたお祝いなど

サプライズにもご使用いただけるのではないでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年03月18日

]こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

昨日、イースターのイベントで

ご飲食店さんなどで

「たまごのカラに色づけをする」

イベントも面白いのでは、

というエントリを書きしました。

イースターのイベントをお店で活用するのはいかが!? | たまごのソムリエ繁盛コラム

お問い合わせをいただきまして、

「たまごのカラに色づけをしたとき

中身は食べられるのか?」

というご質問です。

 

なるほど・・・!

ステキな色づけをした卵は

たくさんありますが、

あとでコレ果たして食べても良いのかどうか…!?

 

結論から言うと

マジックペンや

絵の具などで色づけした場合は

そのままでは食べられません。

 

たまごのカラには気孔

という細かな穴が

一万個ほどあいていまして

 

色づけの溶剤によっては、

内部まで浸透してしまうこともあります。

 

同じ理由で「これはゆでたまご」

なんてペンで書いたりも、

しない方が良いですね~。

 

ですので、

食べられない、もったいない!

とならない方法は2つ。

方法➀:中身を出してしまう

最もポピュラーな方法で、

たまごのお尻の部分に小さな穴をあけ

ハリのようなもので中身をかきまぜ

 

フリフリして

そこから出してしまいます。

乾かしておくと

長く飾れますので、おススメです。

 

デメリットは、

「ちょっとめんどくさい」

ことでしょうか。

海外ではこんな風な

「たまごの中身出し器」も

売ってまして、

 

それくらい広く

たまごのカラ色づけを

みんなしているんですね~。

 

穴をあけたあと、

クリップなんかでかき混ぜて、

こんな風に出してしまいます。

 

後は、オムレツでもたまご焼きでも

美味しくつかっちゃって

残ったカラに色づけです。

 

 

方法②:食紅など食用染料をつかう

これもすごく多くて、

昨日紹介した米国ホワイトハウスの

たまごイベント「エッグローリング」で

使われるゆで卵は

食用色素でゆでてまして

鮮やかな色味のたまごになりますが

中身は美味しく食べられます。

そもそも中国や東南アジアでも、

たまごのカラに赤や黄色に色づけして

お祝いに使う、という風習がありまして、

 

赤ちゃんが生まれたお祝いに

みんなで食べるんですね。

ですので、

食紅などで2、3色をそろえて、

色づけをしてみるのも面白いのではないでしょうか。

 

ぜひ、お店のちょっとしたイベントで、

お試しくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年03月16日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「美味しいよね!」

と言っても、

いろんな意味があります。

 

単に味が美味しい

食感がスキ

匂いがイイよね…

 

そしてもう一つ

美味しさに関わる重要な要素として

おいしそうに見える「色」

があります。

 

たまご料理の場合は

鮮やかでおいしそう!

となるのですが

 

本日のテーマは、

明後日のホワイトデーに向けて

「白い料理」。

 

ホワイトデーに白いメニューで

女性に美味しいごちそうを、

という意味で

白いメニューを

この日だけ、

作られるお店もあります。

 

なので、

僕たちのお客様には、

たまごで白いメニュー

のご提案、ご提供をしているのですね。

 

2つありまして、

ひとつは

「黄身の白いたまご」です。

江戸時代の飼料に模して、

玄米などを多く食べさせます。

すると、飼料由来の色素が

たまごに入りませんので、

真っ白の料理ができる

面白いたまごになります。

オムライスでも、こんなに白い色味に。


(伝説のダイニングTatsuMaki 人気メニュー)

 

もう一つは、

「白身だけ」の料理。

おなじくオムレツで言うと、

こんなカンジですね。

これは、白身だけをつかった

ギリシャ風スフレオムレツ。

美味しいですよ~。

レシピはこちら

 

すごもり風料理や

つくねの付けダレ、

 

黄身だけをつかった

ぜいたく料理って結構あるんですね。

すると、「白身が余る!」

なんてお店も少なくないんです。

 

そういうときに、

白身だけメニューがあると、

カロリーはとても低いですし

健康アピールとしても

悪くないですよね。

 

少し前に、

アメリカで白身だけ料理の

ブームがありまして、

こぞって外食産業が

白身だけメニューを

打ち出していたことがあります。

これは、健康のため。

肥満が社会的問題となっているため、

「何とかしよう」と政府がプログラムを組んだその影響でした。

 

 

◆白い料理は単価も取れる!

白いたまご料理のメリットは

「ほかの食材の色味が映える」

という点もあります。

 

春野菜の緑がとてもキレイにみえたり

するんですよね。

 

さらに、他にはない珍しさもありますので、

差別化メニューとしても有効です。

 

ご提案したホワイトデー料理や

夏の涼し気に魅せる料理

クリスマスなど

 

そして、ウェディングに

ご活用されるケースもあります。

 

ぜひ、

あなたのお店の差別化に

白いたまごの可能性2つ

ぜひお試しくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年03月12日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ひさびさにカップ焼きそばを食べたんですが

ときどき無性に食べたくなりますよね~。

 

以前、友人がツッコんでいてなるほど、と思ったのは、

「焼きそばじゃないじゃん。」

ということ。

 

たしかに。『ゆでそば』ですよね。

 

でも、

よく考えてみれば、

たまごでもこんなメニューがあるんですよね。

 

たとえば、煮玉子。

とくに「“半熟”とろとろ煮玉子」

煮こんでいたら、こんなのできませんよね?

実際の名前とするならば正確には

「漬け込みゆでたまご」?でしょうか。

また、目玉焼き、といいつつ、

日本では、片面焼きでふたをして水を差す、

という作り方をする方が多いですよね。

それって厳密に言うと「蒸したまご」

でもあります。

 

いや、だからだめだ、

正確にやれ、って言ってるんじゃないんです。

 

カップ焼きそばとおなじで、

作り方と「名前」がちがっても、

同じ様に美味しくできればいい

 

そう考えると、

たまご料理って

もっと自由に美味しく作れる可能性があるんじゃないでしょうか。

 

たとえば目玉焼きは

鉄板から熱するんじゃなくて

完全に蒸して作ってみたら、

中心とした側のぷるぷる具合が

独特の目玉焼きになったりもします。

 

京料理には、

だし汁に溶きたまごを入れて

固まったら水分を切って

巻きすで固める、

 

「まったく焼かないたまご焼き(出汁巻き玉子)」

があります。

これ美味しいんですよね~。

低温調理や減圧料理、

最新機器を使った料理が近年伸びていますが、

 

生卵に深海のように水圧をかけてやると、

加熱してないのに「ゆでたまご」になります。

生卵の風味を持った

ゆでたまごです。

塩よりも醤油と抜群に合う

面白いゆでたまごなんですね。

 

また、温泉玉子もおなじです。

温度コントロールがむずかしいため

ガスの普及する近代までほぼ作られておらず、

 

また生食文化が浸透していない海外では

ほぼ知られていない温泉玉子は

玉子料理の中では

まだまだ知見が少ない

面白いポテンシャルがあります。

 

たとえば、

温泉たまごを巻いて作った

オムレツは絶品ですし、

 

温泉玉子の技法を応用した

出汁巻き玉子は

かなり美味しいんです。

 

絶妙の温度帯で

ふるふるの食感ができている

それを利用した半調理は、

かなり面白い食感となります。

 

ぜひ料理の名前にしばられない

調理方法で、

面白い繁盛メニューを

考えてみませんか?

 

ここに出したのはホンの一例ですが、

「えっ!?そんな方法が!?!」

みたいな楽しいやりかたがありますよ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年01月29日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

知人から美味しい野菜を箱でたーくさんいただきました。

どう料理してやろうか、とワクワクしています。

 

冬はいいですね~。

旬のいろんな野菜や魚

がたくさん出ているので、

料理をするのに

テンション上がりますよね!

そういえば、旬の野菜や魚って

価格が安くなりますが、

考えるとオカシイ気がします。

 

これ他の業界だと

逆だったりしますよね?

 

たとえば「服」だと、

シーズンのものって高くて、

過ぎるとバーゲンです。

 

「人」もそうでしょうか?

旬の人気俳優さんやCM女王は、

めちゃくちゃギャラが高いです。

 

野菜だって、

美味しいんだから、

高くってもいいような気もします。

 

もちろん需給バランスで

価格が変わるわけですが、

 

いっそそんなのカンケーなく、

「気温〇度以下になると甘味が増すから

出荷量にかかわらず値段〇〇〇円にする!」

 

みたいな、

多く出す時期こそ高くなる!

 

なんてのも、

じつは納得性が高いんじゃないでしょうか。

だって「美味しい」んだから。

 

業界の常識、非常識って

考えてみるとおもしろいです。


さて、

たまごには2つの「旬」があります。

 

ひとつは、1月後半のいま。

『大寒』の候2週間は、

寒さが快適な鶏さんにとって

一年でいちばん餌食いがよく、

滋養に富んだたまごを産みます。

 

中国の風水では

この時期のたまごを食べると、

活力が増して金運が上がる

そんないわれもあります。

 

たしかにこの時期は、

たまごの味も濃いし

黄身のハリもばつぐんです。

 

もうひとつの旬が、

「春」

3月中旬~4月にかけて。

 

そもそも千年ほど前、

たまごって春先にしか

食べられなかったのです。

ほら、ツバメだってスズメだって

カモメだって、

春先しか卵を産みませんよね?

鶏さんだって同じでした。

 

その証拠に、

俳句や和歌の“季語”も、

「たまご」イコール「春」です。

じっさい、

春先の鶏のコンディションってばつぐんです。

産卵率も上がりますし、

卵質の良いたまごを産んでくれます。

もちろん、味も絶品です。

 

ぼくたちは、この鶏さんが

いちばん元気な時期に

短期間だけ飼料を切り替え

 

特別なたまごをお出しして

「春の旬たまご」や

「春の若どり旬たまごフェア」

なんて銘打ったフェアを

していただきます。

 

一般のお客様のご反応も良いですし、

料理人の皆さまのご評価も高いです。

 

きっと昔の人は、

すこしずつ陽気があったかくなる

空気のぬるみを感じた時に

「たまごがそろそろ食べたいなぁ。」

なんてワクワクしていたのでしょうね。

 

なんだか感慨深いです。

 

お客様との春の打ち合わせがそろそろ始まりますが、

千年前に思いをはせて、

ワクワクしながら進めていくのが楽しみです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年01月28日