小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまご・鶏のことわざ 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ第66弾、今回はドイツから。

<目の見えない鶏でも小麦に行き当たる>

とにかくトライ続ければ良いものに当たるよ、の意。ヘタな鉄砲数撃ちゃ当たる、ですね。

東欧にもまったく同じ表現のことわざがありまして、これは『才能がなくっても努力すれば成功するよ』の意味だったりします。

どちらもポジティブな意味ですね。


ちなみに鶏さんはあまり目が良くありません。

遠くを見通すワシやトビなんかは人間の4倍の視力があります。

ただ鶏さんは、視力で言うと0.07程度。視力検査でいうと、一番上っかわの大きなのがゼンゼン見えないレベル。

そして、夜はサッパリ見えない。

「鳥目」という言葉も、もともとは鶏さんが由来です。

これはやはり、空を飛ぶ必要がなくなった事が大きいんじゃないかと思います。

遠くまで見る必要が無いわけですから。

同じく空を飛ばない鳥たち、

ペンギンも視力0.1程度でほぼ鶏さんと変わりませんし、

オーストラリアのキウィにいたっては全く目が見えません。

とかく生き物は無駄なリソースには極力エネルギーを割かないように進化しますので、恐竜から鶏までいろんなものを捨てて洗練されてきた結果だとも言えます。

コロナ禍、ふたたびのまん延となっており先が見えない状況ではありますが、僕たちもニワトリさんのようにとにかく行動・トライで結果につなげていくしかないですね!

ここまでお読みくださってありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2021年04月29日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第65弾、今回は中国から。

<王述擲卵(おうじゅつてきらん)>

カッとなって愚かな事をする、というような意味です。


昔々、東晋という国に、王述さん、という方がいました。

この方、めっちゃくちゃ短気でせっかちな人で、

ある時、ゆでたまごを食べようとしたところ、

ツルン!と箸から逃げた。

思わずカッとして手でつかんで床へ投げつけたところ、

どこまでもコロコロと転がっていく……

その転がるたまごを追いかけてゲタの歯で踏みつけようとしたら、

またまたツルン!とすべってあちこち転がり続ける

さらに激怒した王述さんはその玉子を手づかみにして口に入れ噛み潰し、即座に口から吐き出した。

そのハナシを聞いて、王羲之さんは大笑い。

「あの才覚あった親父(王承)がもしおんなじことをやってたら、今頃あんな富ある名家にはなってなかっだろうね。ましてやあのボンボン息子の王述がするなんて(笑)」


というお話。

この王述さんのお父さん(王承)は晋の国で出世し名門貴族となった方で「とにかくすごい立派な人物だ。」という評判でした。息子の王述さんもそれなりには優秀な方だったようですが、とにかく癇癪持ちで「親父はすごかったのに。」と言われがちなポジションの人。あと『王義之さんと仲が悪かったこと』で有名です。

最後に出てきた王羲之(おうぎし)さんはとんでもない大人物です。大将軍で超有名書家、皆さんのパソコンにも入っている行書・楷書・草書の書体を作った方。

なにせ遠く離れた日本ですら、奈良時代~近代に至るまで王羲之さんの書がずーっと字のお手本だった。それくらい超メジャーな人。

じつは怒りんぼの王述さんは、役人だった若い頃の王羲之さんの失礼な態度に腹を立て、上司(州知事)の立場からパワハラをかけ王義之さんを辞職&隠遁させたという過去があったのです。

王羲之さんからすると、アノこんちくしょう「笑い倒してやれ!」という気持ちがあったのでしょうね。

なんだかいろんな意味で小っちゃいエピソードですが、

結局のところ、このお話が現代まで残っているのは、

現代で言うならば『有名人が自分の持ち番組で、気に入らないヤツの失敗を笑い飛ばした』みたいなものでしょうか。

「あの」王羲之サンがそう言った……という事が、1600年未来の現代までエピソードを残したのです。

このお話が書かれた書物『世説新語』では、

ゲタの歯で踏むのを失敗したシーンや、卵が転げて止まらない様子も、不必要なくらい目に浮かぶようにかなり詳しく描写されています。

当時も、巷で面白おかしく広まっていたのかもしれません。

とはいえ千年以上も残る『ことわざ』にされてしまうなんて…書物の影響・メディア(?)の力おそるべしですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ニワトリさんは見飽きた!?【たまご鶏のことわざ】その30 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2021年01月19日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ第64弾、今回はイギリスの慣用句。

<闘鶏のニワトリのように暮らす>

(To live like fighting cocks)

『めっちゃ気力体力ともに充実した暮らし』のことです。

闘鶏のニワトリって、

気力と持久力を増すために、たっぷりの栄養と運動で超健康的に養われているんです。

なかなか良いたとえですね~。

闘鶏のように暮らす!そうありたいものです。

コロナ禍で外出が減り、

むしろ『フォアグラ鴨のように暮らしてるよ……』なんて人も多いのでは!?

ちなみに闘鶏向けのニワトリ、

日本でも軍鶏(しゃも)がいますが、

でっかいだけじゃなく、

背筋もスラっと伸びていて目つきも鋭い、ホントカッコいいです。

ちょっと壁にでも写真を貼って、目指す姿にしなくちゃいかんですね~。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:エッ!?闘鶏で独立を決めた国があるってホント? | たまごのソムリエ面白コラム

(参照:英米文学鳥類考)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2020年10月6日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごの故事ことわざ・第63弾、今回は中国から。

<二卵弃干城>(二卵を以て干城の将を捨つ)

「卵2個で将軍を捨てちゃう」→「小さな欠点にこだわって大事なものを逃がす」という意味です。


昔々、中国の春秋戦国時代のお話です。

衛という国に、孔子の孫・子思(しし)さんという方が住んでいました。

ある時、ししサンが王様に「苟変(こうへん)という者がおりまして、大変優秀です。ぜひ干城(将軍)に採り立てるべきです。」と提案したんですね。

ところがそれを聞いた王様、

「ふ~む…!?そのコウヘンとやらは、税の徴収の際に卵2個ずつをちょろまかしていたと聞いたぞ。そんなヤツを重要な職につけるなんてダメじゃろう。」

との返答。過去にセコい着服をしていた人物のようです。うーん、

すると子思さんは、

「何をおっしゃるんですか。立派な大木だって、小さく朽ちてる所は何か所かあります。でも優れた大工ならそんな所があったってちゃんと大木を活かしますよ。たった2個の卵で、大将軍を捨てるおつもりですか?」

と返したそうです。

つまり、欠点に目をつぶって長所をちゃんと見ましょうよ、というお話ですね。


『欠けたドーナツ理論』と申しまして、

まん丸なドーナツの一部が欠けていると、残りのほとんどは欠けてないのに、とにかく欠けた部分ばかりに目が行ってしまうんです。

人間も、ステキで立派な長所がたくさんあるのに、とかく欠点ばかりに目がいきがちなんですね。

皆さんもそんな経験ありませんでしょうか?

つい欠点が気になる、そういう一面がある以上、

意識して「良い面」を見るように訓練していかないといけませんよね。

二卵を以て干城の将を捨つ』は、人間は誰でも長所半分・短所半分である、短所は無くならないんだから長所を見て伸ばしていきましょう。そんなことを教えてくれる故事成語です。

 

〇たまご2個はちっちゃなこと……!?

このお話の時代はだいたい2500年くらい前なのですが、その頃に卵が世に普及していて卵2個が「小さな横領」として出てきているという事に、卵屋としては注目したいです。

中国から鶏が日本に伝わってきたのもだいたい2500年前のその頃で、またローマでも卵を沢山産むように鶏が品種改良され始めたのが同じ時期なんです。世界的に鶏卵が広がりつつあった時期なんですね。

貴重品から「割と身近な食材」へ、そんな過渡期のエピソードとしてのこの故事成語「二卵弃干城」、なかなか興味深いです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2020年08月12日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごのことわざ第62弾、今回は中国のことわざ。

<探卵之患(たんらんのうれい)>

お母さん鳥が巣から離れている時に、卵を心配する気持ちのことですね。

転じて、大切な場所を襲われることへの恐れのことを指します。

「探卵之患があるので、当面は一人で店を回そうと思います。」

のような使い方ですね。

――――――――――――

昔々、中国の「北斉」という国のお話です。

王様に対してある客が、

「強い鷲であっても巣を離れてしまったら卵を取られてしまう危険が生じます。王様が王宮を離れても良いのですか?」

と諫めたことがあった……という記録。それがこのことわざになっているのですね。

この王様、孝昭帝さんは減税して経済を立て直し軍事でも成果を発揮したやり手の王様でしたが、身内や政敵を謀殺したり結構物騒な人生を送っています。

そんな生き方に対して、

「王は王宮にいて後継の天子を育て支えて行くべきですよ。」という、心やすらかな生活をしてはどうかというアドバイスですね。

孝昭帝さんはまだ幼い先帝から立場を奪い更に殺して王様(帝)になったのですが、今度は自分が息子達に殺される事を恐れ、別の親族に皇位を譲っています。

上記のことわざのように、巣の卵を愛し心配するくらいの気持ちがあれば、また違った穏やかな人生となったのかもしれません。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(出典 :『北史』「北斉孝昭紀」)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2020年07月16日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ第61弾、今回はオランダの古いことわざ。

<最初の卵を産むには、最初の卵から始めないといけない>

(To lay down the first egg, you have to start with the first egg)

道理や順序を違えてはいけない

そういう意味ですね。

日本で言うと「千里の道も一歩から」でしょうか。

基礎ができていないのに

ついつい

『もっとラクで早い手段があるんじゃなかろうか。』

そう考えてしまうこともありますが、

やっぱり一手、一手順番に、ですよね~。

卵はお母さんニワトリの「卵管」という場所で2週間ほどかかって卵になります。

ほぼ毎日一個ずつ生まれますから、

でき始めの卵から→生まれる寸前の卵まで、

順々に『2週間分のたまご』がお腹に詰まっています。

最初に黄身

その次に白身

最期に卵のカラができます。

今日生まれたたまごは、

黄身ならば「2週間前」に

親鶏さんが健康で良い環境だったかどうかが影響し、

卵のカラが丈夫かどうかは

「昨日」の環境が影響します。

できる順番、このルールには例外は無いのです。

そういう意味では、

上記のことわざは人生訓として良い例えだな~と感じますね。

ちなみに、

このことわざを元にした巨大アートがあります。

オランダ人アーティストのハンク・ホフストラさんという方が、地元の街に作った物。

10年ほど前の短期間だけでしたが、かなりの反響があったとか。

ぜひ直接見てみたかった!

子供達にもことわざメッセージが伝わりやすいかもしれないですね~。

僕たちにとっては、

まず今日のお客様ひとりひとりに満足してもらうこと、

それを忘れてはいけないよ。

そういう基本に、立ち返りなさいよ、というメッセージです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:町に巨大目玉焼き出現!【オランダ】世界のたまごアート-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2020年06月12日