小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ、こばやしです。

さて、たまご・鶏のことわざ第13弾、今度は中国です。

<鶏鳴狗盗>(けいめいくとう)

直訳としては、「鶏の鳴きまねをしたり、イヌみたいに物を盗む」となります。

面白いのは、その解釈です。

  1.  小策を弄ろうする人や、くだらない技能をもつ人、つまらないことしかできない人のたとえ。
  2.  つまらないことでも何かの役に立つことがあるたとえ。
                (「新明解四字熟語辞典」(三省堂)より)

……という、ポジティブ・ネガティブ両方の意味があるんですねェ。
なぜでしょう・・・・・・?
コレ、「史記」のエピソードが元になっているんです。
 
◆適材適所の達人!?

斉という国に孟嘗君なる人物がいました。 この方は斉の政治家だったのですが、才能を持つ者を集め、自宅に食客として住まわせていたんですね。 その数、なんと数千人! まァこれだけいると中には「ちょっとモノマネができます。」なんて一発芸レベルの人達もたくさんいて、「なんであんなヤツらまで食わせてやってるのか?」と周囲に不審がられていました。

 

が、孟嘗君が秦の昭王に捕えられちゃったときに、そのピンチを救ったのがこの食客たちだったんですね。 狗(いぬ)みたいな「素早さ名人」が秦の宝物「狐白裘」を取り戻し、王の娘・昭姫にコッソリ献上、その取り成しで釈放してもらいます。 しかしその後追手を差し向けられ、国境の門で追い詰められます。 絶体絶命、そのとき・・・・・・!「鶏の鳴きまね名人」が「コケコッコー!」の名演技、ウッカリ守衛が夜明け前の夜中に国境を開門しちゃったことで、あわやの脱出を図ることができたんですねー。

町の人いわく、「なるほど、人は使いようなんだなぁ。」と孟嘗君の「先見の明」に感心しきりだったそうな。

・・・・・・以上が、「鶏鳴狗盗」の元エピソード。

なので、(1)つまらないことしかできない人のこと   (2)つまらないことでもいつか役に立つ

という二つの意味を持つことになるわけです。

なんにせよ、孟嘗君さんの「人の長所を活かす」という発想は、我々中小企業にとってすごく大切な考え方だと思います。

ところで私は少々整理が苦手でして、「この資料、いつか役に立つかもしれん。」などと思うとなかなか捨てられません。

これって戦国四将の一人と称えられる孟嘗君サンの「いつか役に立つ」思想と共通する・・・・・・・・・と良いなァ。 そう思いながら仕事しています(^^;)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

 

◆おまけ
ちなみにこの孟嘗君さんは5月5日生まれで、中国の占術によると「門戸の高さに成長した頃に親を殺す」凶運を持つ子として生まれました。 日本だったら、「子供の日」なのに・・・!

が、孟嘗君のお父さんはリッパでした。

「そんなもん、ウチの門戸をめっちゃ高くしとけば問題ないだろ」と周囲の意見を取り合わず、孟嘗君を立派に育て上げたのだとか。 こういう柔軟な発想と価値観が後の立派な大人物を創るんですねー。 為になります。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2013年06月29日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。ドラえもんは机の中からやってきました。ウルトラマンはM78星雲から。さて、物語のはじまりがたまごから・・・、そんな伝承やストーリーをご紹介するコラムの第二弾!

○バイキンマン

○ドキンちゃん

baikinman_dokinchan.jpg・・・・・・公式設定によると、この有名キャラ2人は、卵から生まれた事になっています。
我が息子の持っている「アンパンマン大図鑑 公式キャラクター2000」によると、ばいきんまん最初の登場は「あかちゃんばいきんまん」で、「ばいきん星からたまごに乗ってやってきた」とありますので卵は宇宙船の役目もしていたようです。いわゆるエイリアンというヤツでしょうか!?

ちなみに菌の中には、栄養が無い環境に置かれると“芽胞(がほう)”と呼ばれる極めて耐久性の強い外皮を持つ形態に変化するものがあります。 メチャクチャ熱に強い納豆菌もこの「芽胞菌」の仲間です。 固い外皮で守られた芽胞状態は、ある意味「菌のたまご」と言えます。 その特徴、
100℃でも死なない、消毒液でも死なない、
・・・・・・というタフさはまさにバイキンマンのイメージです。
作者のやなせたかしさんは、もしかすると芽胞菌をイメージしてバイキンマンを作り出したのかもしれません。baikinman_tamago.jpg

 

右の写真が「あかちゃんバイキンマン」なのですが、あんまり可愛くないですねェ・・・(^^;)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2013年06月28日

こんにちは。こばやしです。

「味には三つあるんですよ。」

こんな話を、こだわりうどん・とんかつ店の幹部Sさんから伺いました。

それは、

前味

中味

後味

の三つ。

前味(まえあじ)とは、店に入る前に感じる『美味しそう』な雰囲気。期待です。駐車場が広くてとめやすいとか、のれん店構えが老舗の重厚なイメージで期待できそうとか。いらっしゃいませの挨拶や笑顔がすばらしい、店に入った時の雰囲気や清潔感の良さ・・・、すべて食べる前に感じる前味です。『美味しさ』に関わっています。」

中味(なかあじ)は、料理の美味しさそのものです。もちろんコレが駄目なら話になりません。」

「そして、後味(あとあじ)とは、食べた後にまた来よう!と思える満足感のことです。美味しかった。店の雰囲気も良かった。でも食後にくつろいでいるときに、例えばスーッと上から蜘蛛が下りてくるとか、そんな事があると今までの美味しさがいっぺんに嫌な気分になっちゃいますよね?」

「ですから・・・・・・、我々は単なる味としての美味しさだけじゃなくて、その前後、合わせて三つの味で満足していただかなくてはならないんです。」

 

なるほど・・・!

我々だって、おんなじです。

飲食店のお得意先さまに、日々ご納品するのですが、やはり「おはようございます!」の元気な挨拶がちゃんとできていなければ、たまごも美味しそうには思ってくれないでしょう。 「ありがとうございました!」のお礼も同様です。

通販のお客様へのメールやお電話でのお話、良いと思っていただけるかどうかがすべて美味しさ、「味」にかかわっているという事です。

「売れてないけど、とにかく食べてみてもらえば判る!」という意見をときどき聞くのですが、

これは「食べてみたくなるような『前味』が足りていない。」という事かもしれません。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2013年06月27日

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こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

さて、先週宮城同友会栗原支部さんにて当社の取り組みをお話させていただきました。

栗原市は、一次産業にたずさわる方がたくさんいらっしゃるそうで、中小企業家同友会のメンバーさんにも、農業・畜産業で非常に面白い取り組みをされている方がたくさんいらっしゃいます。(^^)

例会前の、少し空いた時間と、翌日に色んな取り組みを拝見させていただく機会がありました。

非常に糖度が高いトマトを作っていらっしゃる「トマトハウス夢風船」さん。 めっちゃ美味しかったです。

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約1000羽を平飼いし、地場の食材を自家配合した飼料で育てている農事組合法人栗駒高原の岩島さん。

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鶏さんにより快適にすごしてもらう手法など、様々な取り組みを伺い、とっても勉強になりました!(^^)

     miyagi_kurihara_doyu2 (2).jpg miyagi_kurihara_doyu2 (1).jpgのサムネール画像

こういった良い品を作っている生産者さんがあり、そして共に学び良さを理解している同友会の洋菓子・製パン店さんがこれらの生産者さんの素材の良さを最大限に高めた料理・食事を食卓に届けてくれるわけです。

私自身は、良いものであってもそれが「伝わらなくては意味がない」と思っています。 単に「食べてもらえばわかる」、ではなくてお客様にとって一番喜んでもらえる伝わり方はなんだろうか?ということを考え抜くべきです。

見せ方、こだわりのどこをお伝えするのか?こういったことはやはり我々だけでは不十分で、より美味しく加工してくださる料理店、洋菓子店、製パン店の皆様と共に、考えさせていただかないといけません。そう思います。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2013年06月26日

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こんにちは! たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

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テレビで火山のシーン、火口で燃えるグラグラグツグツという「溶岩の音」は小豆を煮た音なんだそうです。

正確に言うと、「あんこ」を作るときの鍋の音。

つぶした後の小豆に砂糖を入れて、

「くつくつ」と煮込んでいるときの音なんだとか。

音響の専門家さんが書いた本に出ていて、おもわず「へー」。

お得意先の和菓子屋さんで、あんこを煮るところを見学させていただいた事があるのですが、思い返してみてもまさか溶岩グラグラの音とおんなじとは気づきませんでした。

 

では、なぜ本物の火山の音を録らないのか??

それは録音に使うマイクが燃えちゃうからだそうです。 (^^;)

また、噴火で流れ出た溶岩流は非常に静かで、ほとんど音がしないんだとか。

ターミネーター2のラスト、溶鉱炉のシーンも、この「あんこ」ぐつぐつ音なんだそうです。

あの大ヒット映画にも、日本の和の文化が役立っているとは・・・・・・!おどろきですね。(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2013年06月25日

こんにちは。こばやしです。

ドラえもんは机の中からやってきました。ウルトラマンはM78星雲から。さて、物語のはじまりがたまごから・・・、そんな伝承やストーリーも割と多くあります。

そんなお話を、シリーズでちょっと御紹介。

○オバケのQ太郎

obaQ_tamago.jpg・・・・・・・写真にありますように、オバQはオバケの国から飛んで来たわけじゃなく、なぜか主人公正太郎の前で卵から生まれたんですね。

おばけのQ太郎、最初のアニメ放映は1965年で、漫画が雑誌連載開始された翌年なんですが、アニメ化に際してのグッズ商品化業務は「オバケなんて売れるわけがねえよ。」としてTBSが断ったため仕方なく小学館が請け負う事になります。

その後はご存じのとおり大ヒットを重ねオバQブーム」が到来、莫大なグッズ利益を生むことに・・・。 後年ドラえもんやポケモンなどの小学館キャラクタービジネスへとつながっていったんですね。
オバケのQ太郎は現在の“小学館キャラクタービジネス戦略の卵”でもあったという事です。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2013年06月24日