小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

実は3年前より深刻な昨年の鳥インフルエンザ

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

お米の高騰にまぎれてますが、
実は今年のたまごも記録的な相場高です。

 

それは昨冬にあった鳥インフルエンザ大発生のため。

51農場で発生し、
932万羽のニワトリが殺処分になりました。

その分の生産回復していないため、
いま数量が足りないんですね。
それで高騰中。

 

◆自給率の高さと高騰リスク

お米・葉物野菜、そして卵、
国産で自給率の高い食材って、

実はほんの数%足りないだけでも
価格が跳ね上がりやすいという
リスクがあるんですね。

冷凍や輸入による調整幅がないから。

たとえば日本のどこかで卵が不足すると、

それを別の場所から買う→
その地域で不足する→また別の地域で買う・・・

・・とわずかであっても
連鎖的に不足しちゃうことで
全国で高騰するんですね~。

もちろん飼料や肥料の値上がりなど
生産コスト増の要因もありますが、
短期間の高騰は上記のメカニズムで
起こっていたりします。

 

◆たまごは3年前よりも深刻な事態に!?

3年前(令和4年冬)にも鳥インフルで
卵が大不足・大高騰したのは
記憶に新しいですが、

その際の被害は今回の約2倍、
84農場で1771万羽が殺処分になりました。

「ならまだ今回はマシかなぁ。」

と思いますが、そうじゃないんです。
より事態は深刻だったりします。

 

業界で話をしていると
被害後に

「もう廃業する。あとやらない。」

という農場さんが、
前回よりも今年はずっと多いんです。

歴史的な大発生のあった3年前から
2年かけて、大手さん中心に全国で
かなり手間とお金を投資して
設備対策をしたんです。

それなのにわずか2年後に
やっぱり大発生してしまった・・・

「これじゃあ対策してもムダなのか。」

「ツキに頼るしかないのか・・・。」

という悲観的な雰囲気が
たしかに前回よりも広まっています。

 

◆生産量が回復しない!?

再開・増産を多くの農場がためらう。

 

すると
生産量が減ったままになるわけで、
現状も今後も、鳥インフル発生後に

卵の高騰・不足が
長くつづいてしまう

可能性もあるのです。

 

これって単年度の被害の
何倍も深刻な問題なんですね~。

 

◆すぐ打てる手は多くない

業界からの提言で
ニワトリへのワクチネーションなど
いくつかの対策が上がっていますが、

世界的に歩調を合わせるなど
議論が必要なものも多くどれも
少し時間がかかりそうです。

 

長期でかんがえつつ
打てる手に優先順位をつけ
地道にやっていくしかない・・・

そして多くの方の知恵をお借りする
必要がありますね~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト2025年06月8日