史上最大の鳥とキウィの卵
いまだに卵や鳥について
「しらなかった!びっくり。」が
しょっちゅうあって楽しい毎日です。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
今週のビックリは、
キウィが『史上最大の鳥』の親戚だ
ということ。
史上最大のトリって知ってますか?
ダチョウじゃありません。
少し前に絶滅した鳥。
エピオルニス、
通称エレファントバード
って言いまして、
400年ほど前までマダガスカル島に住んでいました。
体重が半トンもあってダチョウの4倍。
すごいですね。
ちなみに卵も史上最大でした。
ダチョウ卵の7倍、鶏卵140個分に相当するサイズ。
でっか~い!
しかしその大きさがアダとなり
人類によって乱獲され滅びたのですが、
飢えと戦う太古の人々にとってみれば
そんな卵はめちゃくちゃ魅力的だったのでしょうね。
◆キウィの卵も世界最大!?
対してキウィ。
平均で2㎏くらいですから
つまりエピオルニスの2百分の一です。
ですが、DNA解析したところ、
「キウィと最も近い近縁種はエピオルニス」
ということが判明したんだそう。
10年ほど前に発表されてまして、
こばやしはそのことをさっき知りました。
へー!
マダガスカル島と
キウィの住むニュージーランド。
1万2千キロも離れた場所に
200倍も体格差がある『最も近い親戚』が。
なかなかのロマンですね~。
ちなみに
キウィも世界最大の卵を産む鳥
なんです。
それは、
卵の『親鳥体重比』が世界一。
鳥類が産むたまごって、
サイズは違えど『比率』はだいたい同じなんです。
体重比で1~8%のあいだ。
ニワトリは体重2キロ程度で
卵は60グラムくらい。体重比で3%です。
ダチョウの卵は1.5キロもありますが、
成鳥は120キロですから
卵は体重比で1%ちょっと。
比率から言うと
ダチョウ卵は『小さめ』
とも言えます。
対してキウィは
体重2キロに対して・・・
卵が500グラムを超えます。
なんと体重比で25%もの
超デカ卵を産むんですね。
人間で言ったら
体重50キロのお母さんが
12キロの赤ちゃんを産むようなもの。
おおお、そりゃ大変ですよね。
なんでこんな
でっかい卵なのでしょう?
◆「小さな巨人」説
従来の説は
もともとキウィがでっかい種から小さく進化した名残だ、というもの。
ニュージーランドに人間とネズミが13世紀にやって来るまで、地面の卵を捕る敵がいなかったんですね。
だから産卵後キウィ母さん父さんが
動かせないくらい卵がでっかくても
問題なかった・・・。
「敵がいないからこのままでいっか。」
・・となった説です。
◆卵がでっかく進化した説が!
ですが、その後の研究で
キウィのご祖先DNA解析から
「卵が小さいキウィ」
の存在が見つかったのです。
つまり
「理由があって、
小さかった卵を
でっかくした」
ということが示唆されたんですね。
※そしてエルピニオスは
「理由があって体をでっかくした」
ということになります。
めっちゃでっかい卵
に進化するメリットって
なんでしょう!?
◆対空防御特化だった
キウィの赤ちゃんは
卵から生まれてすぐ
めっちゃ走り回れます。
また2週間半も食べず活動できる
黄身の栄養をたっぷり身につけています。
ですので、
「地面からの捕食者がいない」
「空からの捕食者に対策したい」
そんな進化をめざして、
栄養タンクとして
めちゃめちゃ大きい卵
これが理にかなっていたんじゃないか。
そう考えられているんですね。
つまり上記の2鳥は、
“史上最大”までそれぞれ
『進化努力』したエリート家系
ということですね。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。
(参照:Ancient DNA reveals elephant birds and kiwi are sister taxa and clarifies ratite bird evolution | Science)
(参照:Why Is the Kiwi’s Egg So Big? | Audubon)
※キウィのことは
こちらにもう少し詳しく書いてます↓
(関連:キウイの卵は世界一 | たまごのソムリエ面白コラム)