小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ちょっとつぶやき 記事一覧

たまごの利点をどう伝えるか
というお話です。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

たまごを毎日食べると「健康寿命」が延びる。

こんな研究報告がありまして
テレビでも良く取り上げられる
ようになりました。

ですが、業界からの発信で

「卵はこんなに健康!
だからもっと食べましょう。」

…なんて言っても
あまり効果ないと思うんです。

なぜなら日本では

たまごは空気化しているから。

日本は世界トップクラスの卵消費国で
一人当たりの消費量は世界第二位。

世界のたまご総生産量を
76億人で割ると、
一人当たり年間161個です。

でも、日本の場合は
一人当たり337個!

平均すると一人一日約一個
世界平均の2倍以上です。

すごいですね~。

でも・・・

「そんなに食べてたっけ?」

って思いません?

◆空気化するたまご食文化

東京大学遠藤秀紀教授は著書で
「日本で卵は空気化している」
と述べてます。

どういう意味かと言うと

身近にありすぎて
意識せずとも食べている

という意味です。

お弁当の玉子焼き

コンビニのサンドイッチ

居酒屋の一品料理

ふりかけ

スナック菓子

おまんじゅう・・・・・・

「ああ・・!そういえば食べてるわ。」

というレベルで日常生活の一部に
すでになっちゃってるんですね~。

むしろ、避けるのが難しいレベル。

ですので、健康のために
「もっと卵を食べたほうが
いいんです。」

なんて言っても、あまり
ピンと来ないわけですね。

たとえば

リンゴってすごく健康に良い

って聞きますよね?

「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」
という欧州のことわざもあります。

ですが、リンゴは
意識しないと毎日食べるのって
ハードル高くないです?

買おうと思えばすぐ手に入りますが
毎日『気づかず食べてた』は
なかなか起こりにくい食材です。

一時期話題になっていた
ココアなんかもそうですよね。

そいういった食材は
「意識して食べましょう!」
なんて伝えるとメリットある
かもしれません。

でも卵の場合は“空気化”
しているので、ちょっと
伝え方を変えるべきです。

 

◆伝わるたまごの健康

2つありまして、

ひとつは「卵と食材の相性」

ビタミンのバランスや吸収の効率など
一緒に食べるとすんごく効果がある
そんな食べ相性があります。

積極的にメニューなどでも
お伝えすべきですね。

もうひとつは、

“毎日”食べることの大事さ。

平均消費量は337個/年でも
偏りがあるかもしれません。

コンスタントに毎日食べることが
たまご食の健康に最高!
ということは、知ってもらえると良いですね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年08月13日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ウクライナ・ロシア戦争について記事を読んでいたら

『必要条件は何か』という文章が目に留まりました。

 

論調として

「プーチンが悪い。」という考えが

メディアも個人発信も大勢ですが、

世界の政治学者さんの中では

そう断定するのには慎重なんだとか。

なぜなら

『必要条件じゃない可能性があるから。』

 

“必要条件”ってなんだっけ…?

中学?高校?くらいでやったっけ。

という感覚ですが、

 

『〇〇なら→必ず△△になる。』

これが必要条件だそうです。

 

水蒸気が昇る →雨が降る

みたいな感じでしょうか。

 

で、

「プーチンが大統領になる→ウクライナに攻める」

これが必ず起きるか?

というと、もしそうなら大統領歴20年ですから

もっと以前に最良のタイミングはいくつもあった。

 

なので、今年これを引き起こした必要条件は別にあるのでは。

ならば、それは何か。

…という考え方なんだそう。

 

アメリカの発言なのか

自国ナンバー2の後押しなのか。

見えていない条件、

そこを見極めないとならない。

…ということです。

なるほど。

たまごの世界は、

必要条件がはっきりしています。

生まれてくる卵は必ず

直前2週間のお母さんニワトリの

環境に影響されて生まれてきます。

 

2週間かかって、ゆっくりと形成され

最後に卵殻ができます。

この間にもし

飼料が安定しないと黄身は

まだらな色になりますし、

途中で雷雨があってびっくりすると

卵質にその影響が出ます。

 

ですので、

一個のたまごが美味しくなるには

この2週間をどんなステキ環境にして

さらに最高の目利きでたまごを磨いて

最短でお届けできるか。

これが問われるのですね。

 

そして、ご飲食店さん洋菓子店さんも、

お店のご繁盛についてきっと

“必要条件”となるものがありますよね!?

 

お店が繁盛した・・・

〇〇をしたから→ 来店数増えた

 

または売り上げが下がった・・・

△△が理由で→ 売り上げダウン

 

この「〇〇」「△△」は何か。

もし間違っちゃうと、対処が遅れますよね。

 

そして、

いろんなお客様と話をしている中で

『たまご』が「必要条件」に

なっている事が

ささやかながらいくつもあることに気づいたのです。

利益率アップ

メニュー注文数

満足度アップ

 

そういったプラスの点に

必要条件として

お届けするたまごがかかわっている。

このことは

非常に重要だと思っています。

 

「おいしいですよ。」

「いいたまごなんです。」

以上の効果と価値の引き出しを、

 

取引先さまと話しあい

ご繁盛につなげてまいります。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年08月3日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

先日入ったカフェが紙ストローでした。

最近増えてますね~。

 

環境配慮、悪いことではないのですが、

ただ・・・

ちょっと違和感があったのは、

そのお店の“容器”はプラスチックだったのです。

紙カップならともかく

これじゃぁプラスチック量は

下の写真と変わらないのでは…

ホントのところ、

意味があるのかなぁ?

そんなことを考えてしまいました。

 

いや、ストローは細長いから

海で問題になるのは知ってますが、

東京都内のエキナカ店で

配慮する要素でもないですよね。

 

「なんとなく意味のなさそうな要素」

って、たまごの業界でもありまして、

 

たとえば「業務用たまごの㎏固定」。

慣習的に取引のしやすい10㎏など

キログラム重量での流通になってますが、

そのためにひと箱の中身は

計量にあわせて空きスペースができます。

 

たとえばMサイズのたまごなら

10㎏は164個平均で多少のブレがありますから

ひと箱にもっと多く入る空きがあるんです。

 

よくよく考えると

10個入りパックに9個しか入れずに

流通するようなものですから、

なんだかヘンなカンジです。

 

じっさい、

愛媛の鶏卵会社さんが

卵パックと同様に

「常に満タン」の販売にすることで

配送コストを1割下げた

そんな取り組みもあります。

 

細かな計量も必要ないですし、

お客様が納得ならそれで良いんですよね。

 

あと、ビタミン強化卵も、

個人的には再考の余地があると思っています。

 

飼料で

特定の栄養分をたっぷり食べさせ

そのほんの一部だけたまごに入る。

それを人間が食べる。

 

たとえばビタミンEなら、

ごまひとつまみ食べたほうが

良くとれるかもしれません。

 

ならニワトリに食べさせる

そんな手間かけなくても良いんじゃないの…!?

と思うこともありますね~。

 

意外と飲食店さんでもこんなこと

あるんじゃないでしょうか。

 

以前、肉まんをつくる食品会社さんで

手作業でやっていた上部のねじねじを

億単位の投資をして機械で自動化した

で、いよいよ工場稼働の時に

現場担当の方が

「この線って無くちゃダメですかね…?」

とポロっと言った…。

 

そんな話を聞いたことがあります。

良く分からないけども

慣習的にやってること

早めに一度見直してみるべき

なのかもしれませんね~。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月29日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

今朝の徳島新聞に

価格高騰に関する当社のコメントと

写真が載っています。

「たまごは物価の優等生」

ホント良く言われる言葉ですが

実はそもそも優等生ではありません。

 

ニワトリの飼育って、

飼料価格、ひいては穀物価格に

大きな影響を受けるんですね。

 

また、保存できない生鮮食品のため

その日その日の需給バランスで

価格もかなり左右されます。

 

遠く過去には

オイルショックの際には

大変な飼料原価の高騰があり

大きな影響も出ました。

 

また昨年は、

鳥インフルエンザ大発生により

ほか農場への飛び火を防ぐため

全国の1割のニワトリが殺処分

需給バランスの崩れから

相場高騰を招きました。

◆ずーっと原価の高騰が続いていた

短期的には

ロシアウクライナ戦争の影響

円安の影響による

飼料向け輸入穀物価格の上昇

などの影響が大きいのですが、

 

原油価格は以前より高騰してましたし、

それによりプラ容器包だけじゃなく

紙包装やガスも上がっていました。

 

飼料もバイオエタノールの影響で

あがり始めはずっと以前です。

 

たまご業界・鶏肉の業界では、

戦争要因抜きにしても避けがたかったかもしれません。

 

◆高い、とは何か

あがるコストに対して何ができるか

スタッフと皆で話し合いをするのですが

結局のところ

「より価値を高めるしかない」

と思うのですね。

 

高いなあ。と感じるのは

価値が価格を上回ってないから。

 

あがるコストを避けられないなら

「この品質でこれなら安い。」

そう思ってもらえる

商品質・サービスとなるまで

高めていくしかないですよね。

 

「お、ねだん以上。」

というのは家具ニトリの

キャッチフレーズですが、

商いとはまさにこれに尽きるなぁ。

と感じます。

 

われわれは普段、

五千円のマンゴーでも

百万円のクルマでも

「安い。」と感じることもありますし、

 

お値段相応の価値が無ければ

100円のお菓子でも高いと感じます。

 

コストが上がるなら

お役立ちを上げる

 

これからの挑戦として

僕たちの存在意義が問われていると感じます。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月23日

飲食店さんでは、何のために“卵”を使うのでしょうか。

「安い食材だから」「メニューのため」

…だけじゃない役割があります。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

突然ですが、

スーパーで売っている総菜コロッケと

飲食店のたまご料理の役割って、

実は同じなんです。

 

少し前に「コロッケの面倒くささ」

についての議論がTwitterでバズっていました。

 

コロッケって、

買うとお手頃な価格だけど

自分で作るとなると

めっちゃ手間のかかる料理なんですよね。

 

売っている総菜コロッケが

かなり高レベルで美味しい

なのに自分で作るとなると、

手間がかかりすぎて

それに見合った家族の満足度になりにくいわけです。

 

だって、売ってるものを

買ってきたら、かなり美味しいわけですから。

 

価値と手間のギャップ

これが、総菜コロッケの魅力なんですが

飲食店さんのたまご料理にも

同じことが言えます。

たまご料理って

家庭でも頻繁に作られていますが

ある一定の料理以外は

けっこう調理スキルを必要とする

料理が多いんですよね。

 

めちゃめちゃ美味しいオムライス

めちゃめちゃ美味しいだし巻き玉子

親子丼…

どれも、家で調理はしますが、

けっこうな技術が必要で

プロの料理と大きな開きがあります。

 

たまご料理はこの差が、

ほかの料理よりも大きいのです。

 

以前にご紹介しましたが、

毎年キューピーが出す「たまご白書」によると、

卵を食べたいけどもガマンしている。

作るのが面倒くさいから

作る技術がないから

という方が、かなりの割合でいらっしゃいます。

ですので、

飲食店さんのたまご料理が

お届けする価値は、

『面倒くさい手間の提供』

なのです。

 

ですから、

飲食店さんのたまご料理は

「より面倒くさく見える」

ほど、単価が取れます。

 

温泉玉子が比較的高くても

受け入れられるのも、

温度管理などが自宅で面倒だからですね。

 

そうすると、

お店でのご提供の際に

魅せ方によって、より人気が増し

高単価でも受け入れられやすくなる

その方向性がはっきりしてきます。

 

ふつうのオムライスよりも

ドレスドオムライスの方が

面倒に見えますし、

 

吉野家の朝定食の

たまごかけごはんは200円ですが、

 

トッピングをふんだんに準備した

土鍋ごはんのたまごかけごはんは

1000円でも大人気です。

 

味の美味しさも大事ですが

「めんどうに見える」

このキーワードの力を

ぜひご飲食店様は

たまごメニューで意識して

頂ければご繁盛につながります。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月21日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

本日は僕がサラリーマンだった頃の話を。

20年ほど前、

ぼくは大手食品メーカーで

マーケティング開発職をしていました。

 

新しい技術などを取り入れて

食べ物の新商品をつくる仕事です。

 

新商品の開発・・・

と一概に言っても

いろんなものがありまして

 

既存品の容量を変えただけの

ちょっとしたリニューアルから、

 

予算をかけた

CMだってバンバン打つ

鳴り物入りの新商品、

 

また、

「こんなの見たこと無い…。」

と言うくらい、

尖った開発品だってあります。

 

当然、並行して

いろ~んな検討が進められます。

そんな中に、

僕の上司が取り組んでいた

「未来的プロジェクト」

がありました。

 

食品の分野として画期的な

当時の考えでは、

「ありえね~!!」

と皆が言う構想商品でした。

 

本気でその商品を発売するなら、

まず容器をイチから考える

調理加工の製法が全く変わる

包装の工程が全くちがってくる

 

前代未聞なので、

保健所さんとのやりとりも膨大になる

 

でも…

とても便利になって

食べるお客様はかならず喜ぶ。

 

そんな構想の新商品開発でした。

膨大な手間

作れるかもわからない

売れるかもわからない

喜んでもらえるのは確実

 

あなたなら、どうしますか…?

定期的な開発ミーティングに出ていた上司は

各部署のリーダーと少しずつ話を詰めていましたが

なにせ雲をつかむような話です。

例えるならトヨタが

宇宙へ行く車を開発するようなものでしょうか。

 

「できたらいいなぁ。」

みたいな遠い先の蜃気楼を

皆が見るようなカンジだったのを、

横目でみて覚えています。

 

そして…

僕がその会社を退職して数年後

いきなりその商品が発売!になったのです。

当時ものすごく話題になりまして、

売り切れ続出

そのチルド食品を食べない人も

「クルっとやったらすぐ食べられるんでしょう?」

なんて話題にするくらいのヒットになりました。

 

まさか・・・!

 

で、元同僚の友人に電話して

聞いてみたのです。

「10年20年単位じゃないと

とてもムリって言ってたのに、

いったいどうやって商品化までこぎ着けたのか!?」

 

その答えは、とても驚くものでした。

雲をつかむような構想

それを商品化できた理由は

 

社長が“発売日”を決めたから

とのことでした。

 

〇年後の〇月〇日に

この商品を必ず発売する

 

強い意志で社内を統一したことで

いろんな部所間のやりとりも

飛躍的に進んで

皆で難しかったいくつもの課題を

クリアーしていったのだとか。

 

「夢に日付を」

これは実業家・渡邉美樹さんのお言葉だったかと思います。

みんながぼんやりと夢だと思うことを

未来で具体化するのは

経営者の仕事なんですね。

お役立ちに対する覚悟とも言えます。

 

先代の後を継いで数年の

ドシロウト社長の僕に

強烈に印象に残ったできごとでした。

 

商品の具体名は明かせませんが、

いまでも心に留めている

エピソードです。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月13日