雨降りのニワトリ【たまご鶏のことわざ その90】
昨日で四国九州は梅雨入りですね。
野菜がすくすく育つ季節です。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
たまご・鶏の慣用句第90弾!
今回は日本・江戸の言葉です。
<雨降りの鶏>
「首をかしげる様」
「よくわかっていないのに
首を傾げる」
ことを言います。
「いいかげんな相槌打ちやがって
おめえみたいなのを
『雨降りの鶏』ってんだ。」
なんて説教でつかったり。
こういうことってありますよね。
大人になるとプライドもあるので
なかなか「知らない」とは言いにくい、
つい適当なあいづちをうっちゃうんですよね~。
ですが孔子さんも
“知らないことは知らないと
はっきり言うことが
本当に知っているってことだ”
なんておっしゃってます。
おのれが『雨降りの鶏』になってないか、
素直なこどものような気持ちで
「ちょっとわからないんです。」
といえる自分でありたいですね~。
◆なぜよく動く!?ニワトリの頭
たしかにニワトリはコッコッと
首をよく動かします。
なので農場で
ニワトリを前にして
独り言をつぶやいてみると
「へー、フンフン。」なんて
軽いコミュニケーションを
取ってもらってる気分になります。
そしてニワトリは
このことわざのように
よく左右に首を傾けますが、
これは『上下』を見るため。
人間は眼球をくるくる動かして
上下左右を見ますが、
ほとんどの鳥類、
ニワトリは眼球が大きいので
目だけギョロッとうごかすことができません。
そして顔の側面に目がついているため、
天地上下を見ようとすると
首をかしげるしかないんですね。
ちなみに歩くときに
ニワトリが首を振るのも
両側の目でなんとか
立体視するためだそう。
雨降りの方がよく首をかしげるかどうかは
あまり気にしたことがないのですが、
古い研究データによると
ニワトリは『雨降り後の晴れ』の朝に
最もたくさん鳴くんだそうです。
(参照:鶏の發聲に關する研究(実験第8) 森 戸 義 一1937)
ということはニワトリは
けっこう天候を気にして雨の時は
「はやく晴れないかなぁ。」
なんて気持ちでたくさん首を傾げ
しょっちゅう空を見ているのかもしれません。
◆たとえになるくらい鶏がいた江戸時代
いずれにせよ、江戸時代には
『雨降りの鶏』のイメージが
共通認識になるくらい
ニワトリが普及していたわけで、
そこは大変興味深いです。
現代でもぜひ、
あなたのお店の梅雨時の
たまご料理・鶏料理の豆知識として
ぜひご紹介してみてはいかがでしょうか。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。