ニワトリが酒を飲む・・・!?
お盆のさなか
ゆっくりとお酒を飲まれている方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
ニワトリも・・・!
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
イベントや美術展に現地ツアー・・・
今年は大河ドラマ効果で
江戸時代の情報がいろんな形で体感でき楽しいです。
NHK番組「浮世絵EDO-LIFE 」が
大河ドラマ「べらぼう」とコラボして、
ドラマ放送回の内容に合わせた
リバイバルをしていますね。
少し前には蔦重と瀬川の恋にちなんで
男女の恋とニワトリが題材の浮世絵を
紹介していました。
鈴木春信の作。
所蔵の太田美術館も紹介していますが、
逢瀬を楽しむ男女が
少しでも別れの時間を延ばそうと
ニワトリに酒を飲ませて
よっぱらって朝鳴きを遅らせる
そんな状況の浮世絵です。
若いカップルが鶏に何かを飲ませようとしていますが、実はお酒。日が昇るのが早くなってきた初夏、恋人たちは夜の逢瀬の時間を少しでも長くしようと、鶏を酔わせて、朝に鳴かせないようにしています。鶏の目つきは、その企みに気が付いているのか…。鈴木春信の作品です。 #おうちで浮世絵 pic.twitter.com/eyV9LvPOsQ
— 太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art (@ukiyoeota) May 12, 2020
それくらいニワトリの鳴き声が
江戸に暮らす人々の習慣になっていたという点、
興味深いです。
以前も書きましたが
この絵の時期・江戸中後期は
食材としての鶏卵は一般家庭に浸透していまして、
江戸の玉子料理文化も花開いた時期でもあります。
そして上の浮世絵は
とってもロマンチックな情景ですね~。
・・・と言いたいところですが、
たまご屋としては
「鶏に酒を飲ませても
大丈夫なのかな・・!?」
という点が気になるところ。
◆酒を飲む鳥はけっこういる
ポーランド・ポズナン生命科学大学
トリジャノウスキー博士の研究によると
半野生動物・ペット含め、
55種の鳥がアルコールを飲んでいる
ことが判っています。
へー。
自然に発酵してお酒になった果実を食べて
酔っぱらっちゃうそうで、
オウムやカラスなど賢い鳥は
好んで飲むこともあるそう。
論文読んでみましたが、
ニワトリの飲酒も17例が確認されてました。
なるほど~。
ニワトリが
お酒を飲めることはわかりましたが、
健康面の影響はどうなのかな?
・・・この点に関しては
あまり研究がなさそうなんですよね~。
誰得なテーマですから
そりゃそうかもしれません。
『鶏の胎児へのアルコール影響の有無』
を調べた古い研究によると、
エチルアルコール、つまり飲むお酒は
鶏の肝臓には影響を及ぼさないっぽいです。
ニコチン及びアルコール類の鶏胎仔に及ぼす影響(日薬理誌55,(1959))
つまりたまの逢瀬のためならば
ニワトリを酔っ払わせてもオッケー・・・!
『ロマン優先』でも大丈夫そうです。
かといって飲ませたりはしませんですが。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。