小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

一般の人はヴィ―ガンエッグをどう思っているか?

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

鶏から、ではなく
植物性100%でつくられた卵

「プラントベースエッグ」

というものがあります。

日本でもキューピーさんが
「ほぼたま」の名前で売り出してますね。

ヴィーガンエッグとも
呼ばれてまして、

ヴィ―ガンに好まれ
先進している米国やEUでは
どこでも手に入る一般食材として
拡大中です。

 

先日イリノイ大学とパデュー大学より

「ヴィーガンエッグに対して
消費者はどう思っているのか?」

を調べた研究結果が発表されました。

1600名の男女で調査したところ・・・

 

・植物性卵を食べたくなる
シチュエーションってあるの?

レストランとか自宅とか、
どういう場所だと食べたくなるか?
を調べたところ、

場所は関係なし

でした。

ちょっと素敵なレストランなら
とか自宅でなら、
とかそういう要素は無いようです。

これは興味深いですね。

プロの腕前で調理したとしても、
多くの人にとって
「植物性卵の料理」は
お店のフックにならないってことですね。

メニューのアピールには
少し工夫がいりそうです。

 

・スクランブルエッグかパンケーキか?

ようは植物性卵をつかって
「もろに卵っぽい料理」と

食材として使った場合
「ふだん食べている料理」では
どっちを食べたいかを
選んでもらったところ、

スクランブルエッグより
パンケーキがずっと上に。

まぁ、
そうかもしれませんね~。

例えるなら
牛乳を飲む人が“豆乳”へ
習慣を変えるなら

まずはそのまま飲むよりも
豆乳ケーキとか豆乳アイスの方が
受け入れられやすい、
みたいなカンジかもしれません。

 

植物性卵メーカーは

『本物の卵みたい!スゴイよ!』

・・・と、
スクランブルエッグや
サンドイッチみたいな
「もろ玉子な料理が作れます」的な
使用例PRをしてますが、

じつは響いていない
可能性がある
わけですね。

 

とはいえ
パンケーキみたいに
卵料理っぽくないメニューでPRしても

「卵抜き菓子レシピと何が違うのか?」

みたいな話になっちゃいますから、
難しいところですね。

 

・試したことがある人とない人

一度でも試食をしたことがある人ほど、
植物性卵を選ぶ比率が高いそう。

「意外といけるかも。」

みたいな。

これは昆虫飼料の鶏卵研究でも同じですね。

 

・味とかイメージについて

味と見た目 鶏卵の方がおいしそう

環境配慮 →植物性卵の方がよさそう

値段は →安いなら買ってみたくなる

このあたりは
「なるほどそうだろうな。」という
範囲ですが、

「環境配慮」など『世のためになるか』で
商品を選ぶ人がたくさんいる、ということは
重要ですよね。

鶏卵でも他食材でも
どんな環境で生まれたのか
ムダのない使い方してるのか・・・
こんなことをしっかり伝えると
お店でプラスになりそうです。

 

・誰がヴィ―ガンエッグを買う?

調査結果では、

「若い人」
「都市部に住む」「米国北東部に住む」
「政治的にリベラル派」

とのことで、
「新しいものを求めている人」
みたいなイメージがありそう。

日本で今後普及するとしたら
同じかもしれません。

 

あと、

「子供のいる人」
「食料援助受給者」
「アフリカ系アメリカ人」(黒人)

が、
植物性卵を「買ってみたい」人が多い
という結果に。

 

これはなぜでしょうね・・・?

前者2つは、
「より効率よく栄養摂取できそう」
みたいなニーズがあるかも。

 

じつはBBCニュースによると、
アフリカ系アメリカ人
他のアメリカ人に比べてビーガンや
ベジタリアンの割合が約3倍も高いのです。

(参照:Why black Americans are more likely to be vegan

そうなんだ・・!

背景としては、
アフリカ系アメリカ人は
以前は高血圧・肥満の割合が
多かったんですね。

貧困から野菜を買わず
ファーストフードを食べがちなど
社会的な要因がわかってきたため

「健康になろうぜ!」

と公民権運動的な面から
健康への考えが広まったのです。

◆まとめると・・・

研究チームのダ・ウン・キムさんは

「植物性卵を消費者が
どんなモノだと認知しているかを、
この研究から知りたかった。」

とおっしゃってます。

 

まとめると
植物性卵(プラントベースエッグ)は

・玉子料理にするのは抵抗感ある

・よく食べる料理に混ぜて使うなら大丈夫かも

・お店で使っても集客になりにくい

・『試食』が効果あり

・環境配慮してそうなイメージが強い

・高価格は手が出ない

ということですね。

 

外食関連でいうと、
専門店以外で使用するメリットは
まだそう多くなさそうです。

もしあなたのお店のメニューとして使うなら
「オムライス」「スクランブルエッグ」よりは

「マドレーヌ」とか「キッシュ」とか
ちょっとたまご感が低いほうが良いかもですね。

あとその意義をしっかり伝えるべき。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:Research cracks the code to trying vegan eggs)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学2025年07月28日