小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

卵を殻ごと食べる人々

スゴイ食べ方を知ったのと、その理由についてお話を。


こんにちは!
卵のソムリエ・こばやしです。

 

「ゆでたまごは丁寧にむいて食べると微妙だけど、カラごとバリバリ食べるとタイパよくて満足度たかい」

というツイートが少し前に話題になりました。

からごと、って
ええ~~!!??

 

この意見にはネットでも反対が多数でしたが

「わかる」

と共感・賛成の声もけっこういらっしゃって
二重にびっくりです。

こばやしは
たまご屋でありながら
「カラごとたまごを食べよう」
と思ったことがありませんでした。

でも・・
考えてみるとメリットもいろいろあるんですね。

 

◆手も汚れないゴミも出ない

ゆでたまごを食べると、
やっかいなのがカラ。

カラって割れ方によっては
とがった部分ができまして
捨てる袋を突きやぶることもあるのです。

出先では面倒ですよね~・・・。

しかし!もし、カラごと
そのまんま食べてしまえるなら
そんな捨てる心配はいらないということです。

 

◆栄養面でメリットが

たまごのカラは
主成分が炭酸カルシウム

これは胃酸で溶けますから、
小腸でカルシウムを吸収できます。

 

卵殻カルシウムは卵一個に約7グラム。
多孔質構造でリン含有量が少ないため
他のカルシウムよりも吸収率が良いことがわかっています。

(参照:卵殻カルシウムがヒトの骨量を増加させることがわかりました・ベトナムのハノイ国立栄養研究所との共同研究 | キユーピー

足りてない人には手軽な摂取手段・・
『カラごと』たまご食が有効なのかもしれません。

 

◆カラごと楽しむ卵料理がある

大阪にあるお店さんでは、
うずら卵をゆで串に刺したれをつけ
カラごと焼いて食べる名物があります。

室蘭焼き、って言いまして
殻は薄いですから、
パリッとして香ばしくてなかなかいけます。

なんというか、命をいただく
という意識をつよく感じることが
できる食しかただと思いますね。

 

そういう意味では
ウズラ卵のように鶏卵も
カラごと食べることは

あながちNGな食べ方では
ないのかもしれません。

 

そういえば東南アジアには
卵を串に刺しカラごと焼いて
調理する文化があります。

こちらは剥いて食べるはずですが、
あんがいカラごと食べている人もいるかも
しれません。

 

◆衛生的には問題なし

ちなみに殻を口に入れることの
衛生面の心配は基本的にいりません。

日本で流通している鶏卵の
ほとんどは殺菌水で洗浄され
包装されたものです。

旅館の朝食の生卵が
殻ごと小鉢に入っているのを
衛生面で心配する人が増えたと耳にしますが、

その心配は必用無いのですね。
(無洗浄の卵を使っていれば別です)

 

◆自分でもやってみた

そして!

やはり卵屋としては
知った以上、試さねば・・・!

ゆで卵をカラごと食べてみました。

うん・・・

これは・・

ここまで書いてきましたが、
個人的にはかなり『無理』よりですね。

違和感なく食べるには
かなり慣れが必要だと感じました。

逆に言うと、
それくらい殻ゴミや時間短縮のニーズが大きい、ということでしょうね。

別の方法で解消して
中身のもちつる食感だけを
純粋に楽しめればと思いますね~。

ただ、面白い視点だと
可能性を感じました。

 

時短&廃棄ゼロの観点から考える調理法は
実現できれば提供価値を上げますし、

微細に表面上だけ砕くとか、
調理方法で
タイムパフォーマンスとおいしさと
両立する方法はワクワクする課題です。

いろいろ試作してみます。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。