小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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大企業のたまご使い分けの工夫って
なかなか面白いんです。

飲食店さんで面白い応用ができるかも!


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

『マクドナルドには
4タイプのたまごがある』

というのをご存じでしょうか。

 

◆4つのたまご!?

米国のマクドナルドでは、

ラウンドエッグ

スクランブルエッグ

フォールドエッグ

ソーセージブリトーエッグ

という4つを店内で
使っています。

元マクドナルドのコーポレートシェフ、
マイク・ハラッツさんいわく
これらは『全部違う卵』で、
つまり

卵の使い分け

をしているんですね。

 

まず
ラウンドエッグとは『目玉焼き』のこと。

月見バーガーなどに入っているアレです。

オーダーがあってから
一つずつ割って焼きます。

これは『最良品質』の
新鮮たまごを使うのだとか。

たしかに目玉焼きって
鮮度がよく、張りがしっかりしていないと
キレイにつくるのが難しいんですよね~。

味だけじゃなくって提供する手間、
オペレーションにもかかわる問題です。

 

次にスクランブルエッグ

ビックブレックファスト、
つまりモーニング用のメニューに
パンケーキとともに出される
スクランブルエッグです。

日本でも以前メニューにありましたよね。

 

これは『液卵』で作ります。

スクランブルエッグは
たまごの混ぜ具合、
均一さが大事になってきますので、

すでに殻を割って中身をかくはんした
卵液を使うんです。

理にかなってますね。

米国や英国では上記のように
液体でパックに入ったものが売られています。

 

3つ目に
フォールデッドエッグ(フォールドエッグ)。

たまごを薄く焼いて
折りたたんだ料理です。

日本だと薄焼きを細切りにして
ちらし寿司にしたりしますよね。

あれをシート状のまま
折りたたんだ感じです。

この薄焼き玉子は、
冷凍ができます。

なので、専用の調理場で
作って冷凍したものを
店舗で解凍調理しているそう。

 

逆に言うと
カラに入った普通のたまごは
冷凍できません。

黄身が変性して食感が変わっちゃいます。

 

ですが、うすーく焼いて
急速冷凍すると、
食感に違和感を持つことなく
解凍して楽しめるんですね。

 

最後に
ソーセージブリトーエッグ

ブリトーは
小麦粉でうす~く作ったパン
「トルティーヤ」で、
いろんな肉や野菜などを巻いた
メキシコ発の料理。

日本のスタバにもありますよね。

 

米マクドナルド・ブリトーは、
ソーセージ炒り卵っぽいものを
巻いた定番メニューです。

この『炒り玉子』も冷凍できまして
別の調理場で調理冷凍したものを
現場で解凍して使うんだそう。

 

以上、
4つのメニューで
4つの卵、

・殻つき新鮮卵

・液卵

・薄焼き

・冷凍調理たまご

を使い分けているんですね~。

 

◆たまご使い分けのメリットはいろいろある

チェーン店であるマクドナルドは
このような使い分けなのですが、

あなたのお店でも
「卵の使い分け」が
大きなメリットになるかもしれません。

たとえばサイズ。

同じ10㎏サイズの箱であっても、
小さいたまごサイズなら個数が多く採れるので
目玉焼きや釜玉うどんなどのメニューに
コストを下げながら使えます。

反対に大きいサイズ卵なら
カラの割合も少なく割る回数も減らせるため、

オムライスや玉子焼きを使うのには
とても向いています。

スペースは取りますが、
使い分けをすることでコストや手間を減らし
味を美味しくできるんですね~。

 

たまごの使い分け、
ぜひ取り入れてみませんか?

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:卵サイズを使い分けると利益がめっちゃ増えます | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2026年01月24日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第96弾、
今回はバスク地方(フランス・スペイン)から。

<メンドリが手に入った
と思えば金曜日>

「運が悪い」の意味になります。

手に入ったのに・・!?
金曜日だとなぜダメなんでしょうね。

 

これは
キリスト教の風習から。

 

昔のカトリックでは金曜日

『肉類を食べちゃダメな日』

と決まっていました。

そして、鶏肉って
内臓に近い肉が多いため
牛やヒツジよりもいたみやすく

手に入ったらすぐ料理して
食べないといけないんです。。

なのに

木曜日まで食べたくても
手に入らなくって、

やっとゲットできたと思ったら
肉食べちゃダメな金曜日・・!

タイミングが悪い。
え~~そりゃないよ。

 

・・・ということわざです。


「あのライブ行きたいって
言ってたよね。
チケット手に入ったけどどう?」

「え~!その日は出張だよ。」

「残念!
“メンドリが手に入ったら金曜日”
ってやつか~。」


みたいな。

 

「うれしい事だけど
タイミングが悪い」

まぁまぁ起こり得る
事だと思いますが、

日本語でこの
シチュエーションを表す
ことわざって
そういえば無いですね。

なんででしょう。

 

ちなみになんで金曜日に
肉類がダメかというと、

キリストが磔にされたのが
金曜日だったから。

この習慣は今でも残っていまして、

地域によっては
イースター直前40日間(四旬節)の
金曜日にかぎり肉を断つこともあります。

日本でも
お盆に肉を食べない風習が
ありましたし、
ちょっと似た感じですね。

 

◆むしろ卵を食べる金曜日になった

“禁欲”のためなので
ぜいたく品にあたる肉がNGなんですが、

当初は
や牛乳・バター・チーズなんかも
金曜日はダメ!』に含まれてたんです。

それが、ルネサンスや大航海時代あたりに
卵が安価に手に入るようになり
貧しい人々も食べられるようになったことで

「たまごは贅沢じゃないなぁ。」

となりまして、

欧州の多くの地域で
「卵やミルクは金曜日食べてオッケー」に。

 

現代ではむしろ
お肉が食べられないなら

金曜日はたまご料理!

と積極的に玉子料理を楽しむ曜日に
なっていたりします。
(※宗派や地域によります)

ちなみに
水生動物だから
「ビーバー」「ワニ」肉は
金曜日に食べてOKだったそうで
調べてみるとなかなかおもしろいです。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: Abstinence)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2026年01月20日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

西洋に
「バッドエッグ」
「バッドアップル」
という表現があります。

これどちらも「悪いヤツ」のことですが、

見るからにワルなのがアップルのほうで、
「見た目じゃ分からない
悪人」が
バッドエッグ。

たしかに卵って野菜や肉とちがい
外からじゃ新鮮なのか悪いのか
分からないんですね。

かといって割ってしまうと、
どのみちすぐ使わなくちゃいけなくなる。

 

なので昔から、

殻の外から鮮度を知る方法
多くの人が関心を持っていたのです。

本日はそんな鮮度チェックの歴史をご紹介。

 

◆ビックリ!?ビクトリア朝の鮮度チェック

ヴィクトリア朝時代の英国で
主婦に大ヒットした家事料理本

ビートン婦人の家政読本』(1861年)には、

卵の鮮度をはかる方法として
こんな手法が紹介されていました。

 

“たまごの太い方に舌を当ててみて温かく感じたら、それは新鮮なたまご”

 

へー!

なかなか興味深いですね。

なぜなんでしょう?

 

2つ可能性がありまして、

ひとつは「気室」の大きさ。

たまごのまるい方(太い方)の先端には
気室(きしつ)という空気のある部分があります。

卵が古くなって
中の水分が蒸発してくると、
この空気が入った部分は大きくなります

室温で保存しているなら
舌で触った場合に中空よりも
中が液体で満たされているほど
ぬくもりを感じる
ということはあり得ますね。

 

もう一つは“湿潤熱”による熱感。

粉薬なんかを飲むと、
「ちょっとあったかい」
という感覚を持つことがあります。

これは、
乾燥している粉が水分で濡れて
溶ける際に弱い熱反応を起こすから。

 

たまごが新鮮で
表面が十分に乾いていると、
舌で触れた際に同じことが
起こる・・・
かもしれません。

卵が古いと中の水分がにじみでてくる
ことがありますし、
また保存場所に湿気があると
日持ちがしないこともあるでしょう。

表面の乾燥ぐあいが、
温かさ=鮮度チェックとして
機能していたのかもしれません。

 

◆中身を「視る」卵チェックに

その40年ちかくあとの米国。

南北戦争の兵士を支援する
婦人互助会のフローレンス・エックハルトさんが

こんな鮮度チェックを提案しています。

“清潔で殻が薄く、長めの楕円形で、先がとがっているのが良い卵だ。卵を光にかざしてみて、卵白が透明で卵黄が真中に位置していれば新鮮で、そうでなければ古い。”

なるほど
光で透かして中身をチェックしよう
という手法ですね。

 

とがった卵がよい、というのは
科学的には否定したいところですが

黄身の張りと盛り上がりが強い
『若い鶏』のたまごは
シャープで細長い卵がやや多めなので、
そのことを言っているのかもしれません。

この光で透かしてチェック、という方法
じつは現代の卵チェックと同じなんです。

 

◆現代の検査工程でも光で透かす!

透光検卵」といいまして、
たまごに下から光を当て、

中身を透かして
ひび割れをチェックしたり
血が混じったり腐ったものが
万一にも混ざらないように
取り除く工程なんです。

当社選別工場にもありますが、
とても優れた検査方法です。

人の目でのチェックもしますが、
ウチの最新メカでは機械で一瞬で
中身を透かして判断してくれています。

百年以上前のノウハウが、
現代技術でちゃんと活かされているのは
なかなか興味ぶかくてスゴイですね。

 

ちなみに前述のエックハルトさんは
別の卵鮮度チェックとして

“水の中に置いてみると、横になれば新鮮でタテになれば古く、もし水に浮かぶなら腐っている。”

ともおっしゃってまして、
これも現代にしっかり継承されていて、

鶏卵鮮度チェックの豆知識として
語られることが多いですね。

いろんなチェック方法がありますが、
賞味期限が分からなくなった卵は

「しっかり加熱して使う」

「割って中身をチェックして使う」

を心がけていただければと思います。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:『卵の歴史』『the EGG』)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2026年01月17日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

もう少しすると、節分ですね。

民俗学の第一人者新谷尚紀氏によると、

「豆を投げる」風習って
世界的に見てもレアで、

『穀物』イコール「霊力がスゴイ」という
日本人独特の考えらしいですね。

 

米も麦も豆も霊力があって
悪鬼を退散させる。

『食べ物で邪気をおっぱらう』

ってステキな発想ですね~。

 

さらに面白いことに、節分って
神道で始まって
仏教にバトンタッチした神仏混合
めっちゃ日本人らしいイベントなんですよ。

 

『穀物で祓う』は神道
『鬼』は仏教

よ~く考えると混ざってる!

 

平安時代に宮中で始まって
いったん廃れかけたのを、

鎌倉時代に寺社が
『鬼はらい』にリメイクして
広まったのだそう。

 

この「どっちでもイイんじゃないの。」感は
実に日本らしくていい感じです。

 

◆『おっぱらう』すら無くなった恵方巻

そして現代の節分に
台頭してきたのが、

恵方巻。

これって、
豆まき以上に面白いんです。

だって節分って

鬼をどっかにいかせる

というイベントじゃないですか。

 

なのに恵方巻って
悪いものを祓う効能が、

ない

んですよ。

マイナスをゼロにはできない
プラスオンするのみ。

『福がくる(招福)』だけの
シンプル設計です。

かなり割り切りましたね!

節分なのに。

考えたら不思議です。

◆『続・おせち』の位置づけ

それもそのはず、

恵方巻ってもともと
お正月のイベントだったのです。

江戸時代に『恵方参り』という
方角を決めて神に参るならわしが正月に
ありまして、それが上方で巻きずしになった。

なので福をよぶだけ。

恵方巻の具は
7種類入れるのが定番で、
これは縁起良い七福神にちなんだから。

オーソドックスなのは
たまご焼き・あなご・えび・桜でんぶ
かんぴょう・しいたけ・きゅうり

具にはそれぞれ縁起の意味がありまして

たとえば玉子焼き
黄金色→『金運』です。

あれ・・・!?

食材それぞれに縁起がある。

これって
正月のアノ料理と
おんなじですよね。

そう、『おせち』です。

つまり恵方巻は、
おせちの続編。

『おせちのスピンオフ』と
いえるんですね~。

なんにせよ、
めでたいことはどんっどんやって
盛り上げていきたいですし、

 

お正月の縁起ノリを
2月に持ち越すなんて・・

・・・アリですね!

そう考えると
もっと明るいノリで
恵方巻をたのしみたくなりますね~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2026年01月12日

ヘンだった米国の卵・鶏肉の
販売表示が変わりました。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

米国でちょっと話題になっているのが
先週より施行されている改正食品表示法。

アメリカでも
スーパーなどで売られている
食肉や卵商品には“産地表示”があります。

「オーストラリア産」「カナダ産」とか
「米国産」「テキサス州産」みたいな。

日本と同じですね。

 

ですが、昨年までは米国のそれは
ちょっと『ヘン』だったのです。

 

◆びっくり!?ゆるすぎた産地表示

米国農務省によると、
2026年1月1日から、

『「米国産」食品表示を
アメリカ国内で生まれ、飼育され、
屠殺された動物由来の製品にのみ
使用することを義務付ける』

となりました。

米国で生まれ育ったら“米国産”。

うん・・・?

 

それって
当たり前じゃないの・・・?

そう、日本人の感覚だと

「そりゃそうだろう。」

という感じですが、
じつは米国では2025年まで

「米国で包装されれば
“米国産”と表記していい」

というルールだったのですね。

つまり、
カナダやメキシコやブラジルから
輸入した卵や鶏肉牛肉を、

アメリカ国内で“包装”して出荷すると
「米国産」になっていたってことです。

 

ええ~・・・。

それはダメですよね。

 

◆そもそも表示義務じゃなかった

じつは米国ではもともと
「米国産」「〇〇州産」などの産地表記は、

企業や製造業者が
「製品に表示してもいいよ。」
というだけの『任意表示』でした。

義務じゃなかったのです。

なので縛りもなかったのですね。

 

これに対し
米国内のたまご生産者や
畜産業者は以前から

「米国産」表記が
不正に利用されている!

と批判していました。

大企業はコストの安い別の国で
大量に飼育させていて、

それを米国内に持ち込み包装して
「国産です」と表示するので

ホントの米国産業者が
価格で勝てなくなっちゃっていたんですね。

 

ひどいのになると
「アリゾナ州」などの
地図イラストまで入れて
「アリゾナ産」として
輸入肉や輸入卵を売っている商品もあったそう。

 

特に鶏卵でいうとアメリカは、
数年にわたり鳥インフルの大打撃を受けて
大きく減産→不足していて

インドやブラジル韓国トルコなど
海外からの輸入卵が急増しています。

ぜんぶ「アメリカ産」じゃあ、
ちょっと問題ですよね~。

それが今年(2026年)から
「米国内で生産・加工したものだけが“国産”」
となったわけです。

また、表示する場合は
厳格な書類提出も必要となるそう。

 

米国農務省(USDA)は、
新たな規則ができることで

「市場における米国産表示の誤解を招く表示を禁止し、消費者が食品の産地について受け取る情報が真実であることを確保するのに役立つだろう。」

と発表しています。

 

この法令スタートに、

・表示が怪しいから地元の農家からだけ買うようにしていたよ。これで助かる!

・これは素晴らしいニュース!アメリカの農家を支援しよう。

・ここ2年くらい(?)卵(たぶん鶏肉も)の
味が違っていて餌の配合を変えたのかな?と思っちゃってたよ。
産地表示をよく見るようにする!

なんて歓迎の声も多く出ていますね。

いっぽうで、

・米国産が良いってわけじゃないし、
米国産を避けることもできるね。

・ラベルの上部に小~さな文字で「このラベルは」米国製品と記載されているかも。

なんて皮肉を言う人も。

たしかにそうですよね~。

『厳格な表示義務』って、
自分たちだけを守ってくれるわけじゃなく
ちゃんと品質を良いものにしていかないと

逆に避けられて
品質の良い他国のモノを選ばれちゃう
・・・なんてこともあり得るわけです。

 

これは日本でも同じですよね。

信用してもらえるように
しっかりした良い品をお出しし続ける。

これしか無いですね。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:The subtle change coming to America’s eggs and meat in two days… and the major implications it has for you | Daily Mail Online

(関連:植物性卵・代替卵を「卵」表記したらだめだよね?と議論【米国】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2026年01月10日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

考えてみれば
「お正月」の歌って
じつは12月のうたですね。

も~いくつ寝ると~~
ですから。

 

年が明けてから詠むなら別の歌、
なんといっても

百人一首!
カルタです。

あれ、
小倉百人一首といいまして、
鎌倉時代に選ばれた
奈良~平安時代の厳選ヒット集です。

 

その中に一首だけ

ニワトリについて歌ったものがあります。

『夜をこめて 

とりのそらねを
はかるとも 

よに逢坂のせきは
ゆるさじ』

作者は清少納言さん。

どんな意味なんでしょう?

 

現代語訳を
小学館の情報雑誌「サライ」から引用すると

「夜がまだ
明けないうちに

鶏の鳴き真似で
騙そうとしても、

函谷関(かんこくかん)
ならともかく、

逢坂の関は決して
通さないでしょう。」

となります。

 

んん・・・!?

函谷関、って何?

そんな文字、どこにも入ってないじゃん。

 

それに
『鳴きまねで だます』
『関は通さない』
ってどういうシチュエーション・・?

 

なんて思いますよね。

 

ご安心ください。
小倉百人一首が出されて以来、

江戸時代にも

室町の世にも
そう言われてました。

コレわからんなぁ・・・、と。

 

この歌、

『教養がないと分からない
難解な歌』

の代表格なんです。

 

◆中国故事を知ってる前提の歌

この鶏の歌は、
先日もご紹介した中国の「史記」
にあるエピソードが元になっています。


中国の戦国時代に
孟嘗君(もうしょうくん)という
超ウルトラすごい有能政治家がいました。

彼は『才能マニア』で、
何か秀でた才がある人を見ると
すぐに自宅へ食客として
住まわせてしまう。

中には、

鶏の鳴き声名人

なんてだけの人もいて、

「そんなの意味あるのかい。」

なんて周りに言われていたんですね。

ところが・・・

その孟嘗君さんに
命の危険がせまり逃亡した際、

 

その鳴きまね名人が
まだ夜明け前に
「コケコッコー!」と鳴いて
早めに函谷関という関所を
開けさせたことで
命を救われたのです。


・・・という故事がありまして、
それを踏まえた歌なんですね。

 

つまりこの古代中国書を読んで
知っていないと、前述の和歌は

「なんのこっちゃ???」

となってしまうわけです。

 

◆言い訳に対するチクリ!と皮肉の歌

なんで清少納言さんが
そんなエピソードを歌に用いたかというと、

藤原行成(ゆきなり)さんという
文学仲間がいまして、
ある夜に楽しいトークをしていたんです。

ところが
行成さんは翌日に用事があって、
早めに帰っちゃったんですね。

「ニワトリが鳴いたので
あ!もう帰らなきゃ。
と思っちゃいまして・・」

と行成さんは翌日に
手紙で言い訳したんですが、

それに対する返答が、
この歌だったんですね。

「函谷関は
ニワトリで通れても、
逢坂じゃあ通じないわよ。」

という。

 

◆同じハイレベル文学仲間だった

このお二人は
同レベルの教養があって
話がめっちゃ合う、

男女の垣根を超えた友情で
結ばれた文学仲間なんですね。

なにせ
藤原行成さんは超インテリで、
24歳にして蔵人頭(くらうどがしら)という
天皇直属の秘書長官トップを務めるほどの
有能官僚、大出世頭。

 

対して清少納言さんは
天皇にも男性貴族たちにも

「女ながらにすごい奴だ。」
と人目おかれる売れっ子作家です。

 

そんなハイレベルの文学好き同士が
語り合うわけですから、

『当然あのシーンだと分かる』

そんな前提で
難解なメッセージが書けるわけですね。

 

もっとも、
趣味つながりですから、

アニメファン同士が
『「第三話のあのシーン」だけで通じる』
みたいな感覚かもしれません。

こんな友人がいると
人生楽しいですよね~!

 

 

史書が2千年前、
清少納言は千年前ですから、

千年単位で時空を超えて
ニワトリエピソードが
伝わっているのは、

たまご屋としては
とてもテンション上がります。

 

・・でもこれ、

よく考えると鶏の歌じゃなくて
ニワトリの鳴きまね(をする人)の歌ですね。

タイトル「お正月」なのに年末の歌、
みたいな。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

※清少納言と藤原行成のやりとりエピソードは他にもあります↓

(関連:清少納言も食べたって!?平安のおもち玉子サンド | たまごのソムリエ面白コラム

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2026年01月7日