小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

毎日更新していたブログ更新
事情あって長く空けておりました。

 

ようやく状況が
落ち着きましたので
ワクワクのたまご情報の
発信を今後も続けてまいります!

 


さて、昨年秋より世界規模で
未曽有のたまご不足を引き起こした
鳥インフルエンザ

日本でも70農場を超え発生した
その皮切りが、一年前の10月末でした。

 

今年も涼しくなりまして、
卵の品質管理が
しやすくなった反面、

「また今年も大発生したらどうしよう。」

という心配な時期に
なっております。

 

「コロナ禍だっておさまるのに
数年かかりいまだに継続中だし
鳥インフルエンザも大発生
したら、おさまるまで何年も
多いのが続くんじゃないの?」

こんな質問も、
お客様からいただいたりもします。

じっさいのところ
どうなのでしょう。

 

一言で言いますと、

「昨年より発生件数は
少なくなる可能性が高い
正直わからない。」

というのが僕の考えです。

 

◆まん延の翌年は渡り鳥が減る

コロナ禍と異なるのは、
発生源、つまりインフルに
かかった鳥が治療されずに
減ってしまうという点。

 

ロシアなどで発生した
鳥インフルに罹患した
渡り鳥が、

韓国や日本にやってきて
鶏にインフルエンザウィルスを広める。

そんな感染経路が主なのですが、
これまでの年ごとの傾向で言いますと、

罹患した鳥種は
体調を崩し個体数が減る。
そして次年度にやってくる
渡り鳥が減ることが
確認されています。

人間のコロナ罹患とちがって
治療されないわけですから、

大流行があると野生でも
たくさん鳥が死んじゃうんです。

そして翌年に
日本まであまり来れない。
なので発生も減る。

ということが考えられます。

 

じっさい過去の推移をみると

鳥インフルエンザ流行の翌年は
渡り鳥が少ないことが
報告されており、

そして鳥インフル発生も
おおむねその数に比例して
減っている年が多いんですね。

そう考えると、
世界規模で発生の
めちゃくちゃ多かった
昨冬の状況をうけて、

今年はもしかすると
鳥インフル発生は
少ない・・・!?

・・・かもしれません。

 

もちろん
全国の農場さんごとの
防疫対策も年々進化しておりますし、

またその年の
インフルエンザウィルスが
弱毒性、強毒性のばあいの違い

件数は少なくても
発生農場の生産数の多寡など
で影響は変わってきますので、

一概には言えません。

 

ただ、ぼくたちも
気を引き締めつつも
希望を持って
より多くの方に
美味しいたまごを
変わらず食べていただければ
良いな~と思います。

 

昨年のようなのはホント
かんべんですよね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:なぜ人は鳥インフルエンザにゼッタイ感染しないのか? | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2023年10月12日

日本テレビ系列全国放送
「0円食堂|ザ!鉄腕!DASH!!」様に
当社スタッフおよび代表が出演いたしました。

(2023.10.01 放送)

更なる取り組みの向上と地域の活性化
そしてお客様の美味しさへの貢献を目指し、
今後とも精進してまいります。

カテゴリー | お知らせ 2023年10月1日

NHK Eテレ放送「出川哲朗のクイズほぉ〜スクール」様にて、
当社洋菓子専用卵等のご紹介をいただきました。
SDGsなどテーマに沿った世の中の知恵をクイズ形式で紹介する番組です。
当社の取り組みが、鶏卵の世界を知っていただくきっかけとなりました事、
ご反響を元に更なる精進をしてまいります。
ありがとうございます。

番組HP

https://www.nhk.jp/p/ts/611P8WX76Y/

 

カテゴリー | お知らせ 2023年09月30日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

スリランカ発のニュースで昨日
「価格統制が撤廃されて
卵の値段が55ルピー下がった。」
という報道がありました。

Egg prices drop in Sri Lanka after control prices were removed(https://www.newsfirst.lk/2023/07/26/egg-prices-drop-in-sri-lanka-after-control-prices-were-removed/)

これ、なかなか興味深い話なんですよ。

 

現在、
経済危機にあるスリランカでは
通貨ルピー安が加速して
食料品がとんでもなく
高騰しているんですね。

そこでスリランカ政府は
インフレ対策として、
価格高騰しているコメ、砂糖などの
食品をはじめ生活に欠かせない
消費財の価格統制をしているのです。

卵もその中に含まれていました。

で、それに、
業界が猛反発していたのです。

なぜなら、
戦争の影響や不作の為、
世界的に穀物が高騰し
輸入飼料がとんでもない値段に
なってまして、

 

生産コストが爆上がりしてるのに

「売値を抑えられたら
たまったものじゃない。」

と生産者さん、販売者さん双方から
大きな不満がでていたのです。

同様のことはマレーシアでも
起こって去年炎上騒ぎになってました。

 

で、ですね。
スリランカ畜産協会が

「統制価格が撤廃されれば
卵の価格は下がるよ。」

って言っていたんです。

 

・・・ん!?

ちょっとオカシイですよね?
価格が高騰するから
それを抑制するために価格統制
したんですよね!?

なのに、
それを止めたら価格が下がるって
どういうこと・・・!?

 

じつは、
協会の会長いわく

「卵の価格が高騰したのは、
統制価格が実施されて
供給が不足したため」

だったのです。

つまり、
「コスト上がってるのに
卵を安くしか売れない。
なら生産するほど赤字になる。
作ってもしょうがない。」

となって、
大減産が起こっていたのです。

足りないから高い→
高いから価格統制する
→だから作らない
→さらに足りなくなる・・・

ということですね。
うーん。

じっさい、
不足している分の卵を
一日あたり100万個も
おとなりインドから輸入
してまして、その分
貿易赤字が拡大しつづけていたのです。

で、価格統制を撤廃したところ、
ホントに鶏卵価格が下がった!
というニュースとなったわけですね。

 

 

◆コントロールの難しさ

教訓としては、特に畜産では、
いきなり価格を抑えにかかるよりも
需給バランスを考える方が
効果があるかもしれないってことです。

 

これ、日本の場合も同じでして、
現在たまごが高騰してますよね?

鳥インフルエンザまん延によって
1800万羽のニワトリがいなくなったのが
主な原因なのですが、

その事態の半年前までにすでに、
前述の世界的飼料高騰による
減産・廃業が日本全国で起こっていまして、
そもそも遠からず不足することが
予想されていたんです。

トウモロコシが落ち着いたと思ったら
先週のロシアのウクライナ穀物施設攻撃で
ふたたび小麦が高騰しつつありまして、
日本国内のたまご不足はさらに
長びく可能性がありますね・・・。

スリランカのように
供給面からの解決が
危急の問題です。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(関連:「たまごが高いなら減らせばいいんじゃない?」でマレーシア政府高官が炎上 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2023年07月27日

「暗黒の夜を追い払い,
光明の太陽を呼び出す神秘な鳥」

・・・って何だと思います?

ファンタジー映画の世界じゃありません。
じつはニワトリのことなんです。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

梅雨があけまして、
太陽カンカン照りの夏ですね!
テンション上がります。
そして、

太陽・・といえばニワトリ

なんですね。

 

◆太陽とニワトリのつながりは強い!

「ニワトリ=太陽の関係者」

じつは太古の昔から、
この2つは世界中で
関係づけられてるんです。

 

かつてニワトリさんは
「食用」ではありませんでした。

人間と出会った頃は
セキショクヤケイという種で
ハトよりちょっと大きいくらい

クジャクなど、
もっと大きくて肉もおいしくて
たまごも多く生む鳥が
ほかにもたくさんいたんですよ。

 

にもかかわらず
家畜として広く飼われ始めた
その理由の一つに、

「時間の正確さ」

があります。

 

朝、夜が明けるとかならず鳴く。

ようはアラーム、目覚ましです。

これが、昔の人々にとって
たいへんたいへん
貴重な存在だったのです。

狩猟から農耕化するにしたがい

「規則正しい生活ができるぞ。」

という価値が大切になったので、
めちゃくちゃ必要になりまして、さらに

「あのトリが鳴いたら
かならず太陽が昇ってくるな。」

となり、
「ニワトリって太陽とつながりあるんじゃ・・・!?」
となったわけです。

 

じっさい、たとえば日本では鶏は

「暗黒の夜を追い払い
光明の太陽を呼び出す霊鳥」

として重要視されていました。

最古の歴史書『古事記』では
太陽の神様が隠れ
世界が暗黒となった際に、
常世の長鳴鳥(ニワトリ)を
た~くさん集め鳴かせて、
岩戸の外に出させてます。

 

中世ヨーロッパでも
雄鶏太陽の象徴となってまして

悪魔を追い払うものとして
家の屋根や教会に模型が取り付けられ
ローマでは戦士の兜にも
意匠として必ずつけられていました。

その影響か、
いまでもフランスでは
雄鶏は『勇気の象徴』です。

インドなんかすごくって、
古代インドでは太陽崇拝と結びついて
『霊鳥』として「食べちゃダメ」と
禁止令まで出ていたくらい。

中国でもおなじく霊鳥あつかいでした。

 

◆ニワトリ自身は暑さが苦手

とはいえ、ニワトリさんは
暑いのが得意ではありません。

なにせ天然のダウンジャケットを
年中着込んでますから、
体温調節にはちょっと苦労してまして

夏場は食欲も落ちるため、
環境や飼料の配合にも
工夫が必要になってくるんです。

バテても食欲のわきやすい配合に
するんですが、
これって人間と似てますよね。

 

放し飼いでも、日中はこの時期
太陽を極力さけるように
日陰に集まっています。

『太陽を呼び出す存在』なのに、
なんだかおもしろいですよね。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(参照:英米文学鳥類考 桝田隆宏)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2023年07月26日

今日は一般の方むけのお話です。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

夏休み、お父さんお母さんも
子供の自由研究何にしよう・・・!?
なんてお悩みではないでしょうか。

ウチもそうです。

そこで、たまごですよ。

あなたの身近にある
生命の源な神秘の題材
それが、卵なんです。

なんと言っても準備がラクです。
手元に常にありますから。


本日は、
卵を題材とした自由研究で
楽しくできるものを3つ
ご紹介します。

 

その① なぜ!?思い切り投げても割れない卵

卵を使って物理学について学べます。

手でもってシーツを広げます。
ちょっとたわませて下側を凹にしておきます。

そこへ、
思い切りフルスイングで
たまごを投げ込むんです。

 

すると!カラはキレイなまま割れません。

これは、
力のかかり方と時間の関係によるんです。

なんて力積と運動量の式がありますが、

 

つまり、
大きな力がかかると当然卵が割れちゃいます。

ですが、
時間をかけてその力が
少しずつ分散されると、
卵は割れないわけです。

固い床のばあいは落ちた瞬間に、
つまりすべての力が一瞬にかかるので、
10センチくらい上部から落とすだけの
弱い力でも割れちゃうわけですね。

ちなみに慣れると、
衝撃の時間を長くズラすことで、
かなり遠くからたまごをキャッチしたりも
できるようになります。


視覚的にもインパクト大ですので、
お子さんと楽しんで学ぶのには
おもしろいんじゃないでしょうか。

あ、万一割れちゃうと汚れますので、
たまごはビニール袋なんかに
入れて試す方が良いかもです。

 

その② 卵のカラでつくる絵の具!

たまごのカラは多孔質で、
ミクロの微細な穴がたくさん開いているんです。

色素をはじめ「水と油」両方の成分を
吸いつける珍しい作用があります。 

このため化粧品の保湿剤に脱水剤、
凝固剤など天然由来原料として
様々な用途で使われています。

そして、この効果は
絵の具にも使えるんですね。

こんな日本画風の絵が描けます。

色合いがステキですよね~。

 

粉末にするものなど
ちょっとした道具をそろえれば
ご家庭でもカンタンにできますので、
夏休みの研究にはピッタリです。

(作り方はコチラ→たまごの殻で絵の具を作ろう! | たまごのソムリエ面白コラム

 

その③ お酢でボヨヨンたまご

これは結構ポピュラーな実験です。

コップなどにお酢を入れて、
たまごを漬けてやる。

すると、
炭酸カルシウムのカラが
酢酸に溶けてしまい、
中の薄皮&中身だけが残るんです。

まるでゴムボールのような
ぽよんぽよんになります。

視覚的にすごく分かりやすいので、
化学反応について親子で学べます。

カンタンですので、
低学年のお子さんにもピッタリです。


いかがでしたでしょうか。

夏休みはまだこれから!
ぜひ、卵を使って
わくわくの研究で楽しんでくださいませ~。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2023年07月25日