小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

ゲーム好きとして有名なタレント後藤真希さんのたまごかけご飯が話題になっています。

後藤さんのYouTubeチャンネル「ゴマキのギルド」にて、

ゲームのローディング中に作ることができる料理「ローディングクッキング」として、たまごかけご飯を紹介されたのですね。

作り方は、

「ジャーを空けて、卵を割って、醤油シャー、ほんだしをパラパラかける、以上」

とのことです。

なるほど、これは早いですね!

詳しくは、

①サトウのごはんをチン、茶わんに盛ってくぼみをつける

②卵を割り込む

③醤油を回しかける

④ほんだし(顆粒だし)をパラパラかける

⑤ゴマ油をたらす

すぐに食べられるのは、たしかに卵かけご飯の魅了のひとつ。

そして、たまご屋の観点でゴマキ流のステキな点を挙げていくなら、

「チンすることで、アツアツのご飯で食べる」

これ、結構重要なんです。普段のご飯でも、冷蔵庫から出したたまごで食べると、ちょっと冷めちゃうんですね。サトウのご飯じゃなくても、ご飯をよそってチンしてから卵かけご飯にすると、めっちゃ美味しくなります。

また、ごま油の香りは、卵かけご飯と非常に相性が良いです。

そして、顆粒だしの多くはかつお出汁など濃厚な旨味の成分を含んでいます

発酵魚粉など配合の飼料を食べて育った卵の風味・アミノ酸などの旨味と、これらのだしの風味は非常に相性が良いのです。

なんにせよ、たまごかけごはんがこれだけ話題になるのは、とっても嬉しい!

後藤さんいわく「卵かけご飯は飲み物」との事ですが、

時間の無い時にうお~っ!と食べてしまうのには、確かに最適!の時短料理ですね。

かつて、忠臣蔵の大石内蔵助らは、

討ち入りの直前に卵かけご飯を食べて突撃したそうです。

ゲームにかける後藤さんの勢いもそれに近いものがあるのかもしれませんね。

時間の無い時はぜひ、ゴマキ流たまごかけごはんをお試しくださいませ!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:『たまごバー』イベントで大人気だった「忠臣蔵討ち入り 卵かけごはん」って・・・!?

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先週末は「キリストの昇天日」でした。

イタリアの伝説によると、

昇天日生まれのたまごを食べると胃と頭と耳の痛みが治るんだそうです。

日本でも、明治時代に紹介されています。

『イタリアのモンフェラートでは、キリストが昇天した日に新しい巣で生まれた鶏卵は、胃と頭と耳の痛みを治し、麦畑に持ちゆけば麦奴の侵害を予防し、ぶどう園に持ち往けばその葡萄が霰あられに損害を受けることは無くなると信じられている』( 南方熊楠著 十二支考(下))

イタリアの伝説で健康になる、なんてちょっと素敵かもしれません。

来年は2021年5月13日です。

メニューイングのヒントにいかがでしょうか?

また、デスクワークで目や頭の疲れが出ている方、ぜひ今、量販店さんに並んでいる卵を食べるとちょうどそれくらいの産卵かもしれません!

ゲン担ぎにいかがでしょう?

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2020年05月24日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごと偉人のエピソード第19段

今回はルネサンス期の彫刻家であり建築家
フィリッポ・ブルネレスキ
さん。

 

とにかく聡明で発想豊かな方で
次々と建築の新技法を編み出し、

イタリアのフィレンツェを代表する建築物
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
設計した人として有名です。

この大聖堂、ブルネレスキさんの考案した技術により「現存する世界最大の石積みドーム建築」として世界中の人から愛でられております。

さて、このブルネレスキさんの逸話です。


フィレンツェ市が、
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂を建てる事になった際。

「フィレンツェの新しい顔になる建物にするぞ。」

という大きな期待もあり、
広く建築家を募集しました。

 

特に、中心となる
クーポラ(ドーム屋根)

コレの大きなものを作ろうとすると、
とっても難しい。

いろんな建築家が案を出しましたが、
どれも下から支える枠や土台に
すご~く費用と手間のかかる案ばかり・・・。

 

そんな中、ブルネレスキさんは

「いっさい
仮枠や足場は必要ない。
そんなもの無くても
建てられるよ。」

と、直接出向いて話をしました。

 

「バカなやつだな。
その“方法”の図面すらないじゃないか。

方法も言わないヤツの案なんか
採用するもんか。

いや、そもそも
できっこないだろう。」

 

周囲の嘲笑の中、
ブルネレスキさんは、

「じゃぁ、
大理石の上に卵を立てられますか
皆さん。

支えが無くても
平らな大理石にまっすぐ立つなら、

大聖堂のドームだって
枠なんか無くても建てられます。」

 

皆がやってみますが、
ツルツルコロコロと転がって、
卵を立てることができません。

「できるもんか。
じゃあどうやるのか見せてみろ!」

 

そんな中でブルネレスキさん、

卵のお尻をコツン!と
割って平らにして、

それから卵を立てました

「なんだそりゃ(笑)
そんなの知ってりゃ
俺たちだってできるわい!」

との返答に対して、

 

「その通り。

気づいたら誰でもできる、
でもいちばん始めは
難しいですよね?

大聖堂だって、
もしボクの図面を見せたら

『誰でもできる』って言うでしょう?
だから図面は見せません。

でも僕の方法は無理じゃない。

ゼッタイ素晴らしい
大聖堂のドームができます。」

 

そのプレゼンで、
みごとブルネレスキさんは
大聖堂ドームの建築を任される事となったのです。

 

めでたしめでたし。


 

ん・・・・・・?

なんか、このお話って
聴いた事あるぞ・・・・・・!?

…と思った方、そのとおり。

 

これ、
「コロンブスの卵」のエピソードと
瓜二つなのです。

 

念のため説明しますと、
コロンブスの卵とは、

『アメリカ大陸発見後のパーティで

「あんなもの西へ
どんどん行きゃ
誰でも見つけられるさ。」

と揶揄されたコロンブスさん、

「この卵をテーブルに立てられるかい?」
と投げ返し、

誰もできなかったのを見た後に、
たまごのお尻をつぶして立てました。

「知ってたら誰でも行ける」…と
いうのはこの卵立てとおんなじさ。』

 

というお話。

 

確認すると
ブルネレスキの逸話の方が
15年ばかり早い。

コロンブスのエピソードは後世の演出で、

どうも
元ネタなのはブルネレスキさんの方
のようです。

 

うーん、
それでもコロンブスの話の方が
有名になっちゃったのは、

やっぱり「大陸発見」と「建設」との
インパクトの差でしょうかね…。

 

ともあれ、
ブルネレスキさんは
建築のみならず
彫刻や金細工、絵画など
他の芸術面でも活躍をしておりまして、

例えば、
今では常識となっている

「遠近法」

という表現技術も考案しています。

 

遠近法、つまり

「遠くのものは小さく、
近くの物は大きい」

という考え方。

現代では当たり前ですが、
「モノの大きさが変わったり
するわけないじゃん。」という
当時の常識にとらわれていては、
なかなか気づかない発想とも言えます。

遠近法の表現作品を見た瞬間に
「ああ!そりゃそうだよなぁ。」

と皆が実感できる。

 

これもまさにコロンブスの・・・
いやいやブルネレスキの卵ですね。

これまでに無かった視点の発想

それを実現するアイデア

そして周囲を納得させる説得力

 

もしブルネレスキさんが
現代に生まれていたら、

スティーブジョブズや
ビルゲイツばりの大実業家に
なっていたかもしれませんね。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(関連:あの文学者は大魔導士だった!?イタリアの「たまご城」伝説-たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

緊急事態宣言を受け、全国「籠城」の一ヵ月ですね。

どこへも出かけられないことから、自宅でできるニンテンドースイッチなどのゲーム機がどこで探しても売り切れなんだそうですね。

先月発売のゲーム「あつまれ!どうぶつの森」は世界で700万本の大ヒット、また自宅で運動できるゲーム「リングフィットアドベンチャー」は空前の品切れ状態だそうです。

すごいですね~。

さて、ニワトリさんが人類に飼われるようになって4千年以上経つのですが、実はずいぶん長い間、ニワトリは「食べもの」では無かったのです。だいたい千年~二千年くらい。

食べる為…ではなく、

どこへも行けない時にヒマをつぶせる「娯楽」、

そして「生活道具」だったのです。

まさに今の「ニンテンドースイッチ」と同じ!

もともとニワトリさんは「赤色ヤケイ」という東南アジア中心に生息していた小さな鳥。

獰猛で飼いにくく、肉もそんなに付いてなかったのです。

もっとおとなしくて飼いやすく、肉も多くて美味しい鳥はいくつもいました。

いや、そもそも「鳥」のお肉って家畜には向いてなくって、量産飼育されはじめたのが18世紀くらいからなんです。

それまでもモチロン食べていましたが、

鳥って、ウシや豚と比べて体が小さい=内臓の割合が大きいので、腐りやすいのですね。

遠くまで運べない。

なので、食用の家畜としてはそれほどメリットは大きくなかったのです。

たまごも、毎日じゃなく春だけしか生みませんでしたし。

そんなニワトリさんがなぜ人類と共に時を歩むようになったかというと、ニワトリさんが抜きんでていた価値、それが「正確な時間」と「闘うこと」だったのです。

「正確な時告げをする」

「闘鶏を楽しむ」

この2つの価値が圧倒的に強かった!

季節で夜明け時間も変化する昔において、「朝の同じ時間を知らせてくれる」ことはモンノスゴク重要だったのです。

また、飼うのにはイマイチな「獰猛」という性質、

戦いを楽しむという点ではすばらしい価値になったのです。

古代ギリシャでは軍神アレスのシンボルは「ニワトリ」でした。闘鶏から来る「勇猛さ」を表していたと言われます。

インダス文明でも闘鶏を表した土器が出ており、

また中国でも食について書かれるずっと前に、紀元前10世紀ごろにはすでに「闘鶏」について文献にでているんですね。

大事に育てて戦わせる。

ポケモンみたいなカンジでしょうか。

日本でも宮中では3月3日は千年以上前から闘鶏を行っていました。

いまだに闘鶏大好き国なタイでは、3百万人が参加しています。

ニワトリ=「娯楽」の図式は、

食の歴史よりもずっと古いのです。

いや、もちろん年とって戦わなくなった鶏さんは食べられたりしていました。でも老鶏じゃ肉も硬いし…最初は美味しいから普及した、ってわけじゃないんですね。

身近にいる貴重な娯楽として・また貴重な時告げのために、鶏さんは世界中に普及して長い長い年月の品種改良のあと、美味しい食を支える存在となりました。

現在では世界で110億羽!もの鶏がいます。

牛・豚が10億頭前後ですから、圧倒的ですね。

強みを活かしつつ、時間をかけて新たな価値をつくりだしていく。企業も同じかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:「ニワトリ 愛を独り占めにした鳥」光文社新書)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2020年05月20日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

世界最大の卵、って何の鳥か知ってますか?

「そりゃダチョウだろう。」

とおっしゃるかと思います。

実は、ニュージーランドの国鳥・キウイ

あのカワイイ鳥の卵は、ある意味「世界最大」なんです。

キウイの卵はお母さん鳥と比べた大きさ』が世界一!

例えばニワトリさんの場合

だいたい体重が2kgほどで、タマゴは平均60gちょっと。

お母さんニワトリの3%くらいの大きさですね。

この比率、世の中のあらゆる卵でだいたい同じでして、

どの鳥も、親鳥さん体重の1~8%になります。

ダチョウのタマゴは1.5kgの重さがありますが、

お母さんダチョウは120kg、卵は体重比わずか1%です。

ところが、キウイさん!

お母さん鳥の体重はニワトリさんと同じく2kg程度ですが、

卵の大きさは何と!500グラム超もあります。

体重比で25%を超えるんですね。

うーん、すごい!

人間で言うなら、15kgほどの赤ちゃんを産む計算になります。

「小さく生んで大きく育てる」

という言葉がありますが、完全にその逆ですね…。

↑はウチの息子が15kgくらいのころですが、こんなんなるまでお腹の中にいるなんて……!

レントゲン写真で見ると、卵を産む前のキウイさんお腹の中はとんでもないことになっています↓

ほぼたまご!

いったいナゼこんなに大きな卵を産むのかというと、

元々キウイさんはダチョウやエミューのように大きな鳥だったそうです。それが外敵がいない中でだんだんと燃費の良い小型へと進化(?)していったのだそうな。

で、卵だけがそのままのサイズで残ったんですね。

ちなみに進化したことで、

羽が無くなりました。飛ばないので。

目もほぼ見えなくなりました。

その代わりに嗅覚がめっちゃ鋭くて

足もメチャクチャ速いんだとか。

かなり思い切ったステータスの割り振りですね。

不採算部門を切ってベンチャー化した元大企業、みたいなカンジでしょうか。

 

ダンナもスゴイぞ!キウィの子育て

そして、こんなに大きくなるまで苦労して産むのに、生まれてもまだ「たまご」なんですね(当たり前ですが…)

そこから温めて、ふ化させないといけないわけです。

しかも、

卵がふ化するまでの期間がモノスゴク長い!

ニワトリさんなら約21日ですが、キウイはなんと75日!

2カ月半も温め続けないと生まれません。

ただ面白いことに、温めるのはオス♂です。

ニュージーランドには「キウイハズバンド(キウイの夫)」という言葉がありまして、家事や子育てを積極的に手伝ってくれる夫のことをこう呼びます。

うーん、夫婦でスゴイんですねェ。

ぜひ世の夫の皆さまはキウイを見習って家事子育てに積極的に勤しんでみるべきですね

コロナ禍の自粛中は特に。

キウイのように、

世界最高!?の立派な子供に育ってくれるかも……!?

 

〇たまご屋として気になる!キウイ卵の味は…?

ステキな夫婦話をした後にどうかと思いますが、やはり卵屋としてはキウィ卵の味がきになります。

現在キウィはニュージーランドの国鳥なので、卵も親鳥も食べるのは法律で禁止!です。残念。

ただ、カンタベリー博物館の自然史担当シニア・キュレーターで、『Field Guide to the Birds of New Zealand』という専門書の著者でもあるポール・スコフィールド博士によると、キウイさんの肉と卵は「おそらく美味しくないだろう。」との事です。

仕事柄、キウィさんのはく製を何度も作られたそうですが、脂肪が多く非常に土っぽい腐敗っぽい香りがとても強く「ハッキリ言って、食べても不愉快な味だと思う」そうで、おそらく土中の虫などを主食にしている事が原因だろうと推測しています。卵の味は肉以上に食べるモノの影響を受けますので、たまごも味は期待しない方が良さそうです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:こんなにある!世界で食べられている鶏サン以外の鳥卵10種 | たまごのソムリエ面白コラム

(関連:1並びの日にちなんで世界一たまごを紹介します その2 | たまごのソムリエ 面白コラム

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カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2020年05月18日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

中国語で「煮」というと、文字通り「煮る」ことを意味しますが、

「烹」という言葉もあって、

これは「煮る」と「油で揚げる」の両方の意味があります。

訳者さんが、少々戸惑う事もあるのだとか。

ゆで玉子の料理に、

「虎皮蛋(フゥヒイタン)」なる料理があります。

これは、ゆで玉子をサッと素揚げしたもので、表面が香ばしく「虎の皮」みたいになっているからそう呼ばれるのだそうです。

細かな隙間が表面にできるため、

ダシやスープがとても良くしみこんで、

とっても美味しいんですよね。

この虎皮蛋は中国料理なのですが、

実は熊本県の郷土料理でもあります。

昔むかし、熊本に移り住んできた中国の料理人さんが広めた、太平燕(タイピンエン)という春雨スープに欠かせない玉子料理なのです。

面白いですねぇ。

この料理、たまごを煮てさらに揚げるわけですからまさに「烹」の料理ですね。

そういえば日本では、

カウンターでこじんまりと楽しむ和食のお店を「割烹」と呼びます。

煮たり揚げたりする料理がメインだからなんでしょうか?

この虎皮蛋、中国ではホイコーロー的な「甘辛い味付け」が主ですが、日本熊本式のスープ入れとはまた違う魅力とボリューム感があって、とっても美味です。

ちょっとひと手間の料理ですが、ぜひこういった新メニューも面白いのではないでしょうか。

ここまでお読みくださってありがとうございます。